
TOEIC®のスコアシートの正式名称は「公式認定証」です。
スコアや正答率、英語能力の長所などが書かれた成績証明書であり、分析することで英語力アップに活用できます。
この記事では、TOEIC®のスコアシート(公式認定証)の概要や活用方法を解説していきます。
記事後半には、スコアシートが複数必要な人やスコアシートをなくしてしまった人に向けて、再発行の手順や注意点もまとめましたので、あわせてご確認ください。
TOEIC®のスコアシートは「成績証明書」
TOEIC®における「スコアシート」とは、スコアや正答率などが記載された成績証明書のことです。
まずはスコアシートの概要についてお伝えします。
TOEIC®の結果を確認する方法やスコアシートの見方については、こちらの記事でも解説しています。
公開テストを受験した人・IPテストを受験した個人の方に向けた内容をまとめていますので、ぜひご覧ください。

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TOEIC®のスコアシートは「デジタル」と「紙」の2種類
TOEIC®の成績証明書は「スコアシート」と呼ばれることが多いようです。
しかし、 TOEIC®を実施している「IIBC(一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会)」の公式Webサイトには「公式認定証」と記載されており、こちらが正しい名称であるため、ここからは「公式認定証」という名称で解説していきます。
公式認定証には2種類あります。
- オンラインで確認可能な「デジタル公式認定証」
- 紙で発行される「公式認定証」
デジタル公式認定証と紙の公式認定証は内容に違いはありませんが、確認できる時期と確認する方法が異なります。
デジタル公式認定証は試験日から19日後、オンラインで確認可能です。
いっぽう、紙の公式認定証は試験日から30日以内に申込時に登録した住所に郵送されます。
デジタル公式認定証の特徴
デジタル公式認定証は2023年の4月から導入されました。
その特徴は下記のとおりです。
- ブロックチェーン技術を活用し、偽造や改ざんが防止されている
- パソコンやスマートフォンからオンラインでスコアを確認できる
- TOEIC®スコアを大学や企業にオンラインで提出できる
- 試験日から5年間、結果を確認できる
- 試験日から5年以内であれば、PDFで何度もダウンロード・印刷できる
デジタル公式認定証が導入された背景には、大学入試の出願や就活のエントリーの多くがWebで行われるようになったことがあります。
オンラインで結果を確認できることで、TOEIC®を入試や就活に活用する際の利便性が向上すると期待されています。
紙の公式認定証は廃止されるってホント?
現在のところ、紙の公式認定証が廃止される予定はありません。
そもそもデジタル公式認定証の導入にともない、紙の公式認定証は2024年度で廃止される予定になっていました。
しかし、利用状況から従来通り発行が継続され、2024年度実施のテストでは紙とデジタルの両方が提供されています。
そして2025年度(2025年4月20日実施の公開テスト)からは、テスト申込時に紙の公式認定証の発行に関して「希望する/希望しない」を選択することになります。
紙の公式認定証の発行を希望する・しないのどちらを選んでも、受験料に変更はありません。
また、いずれの場合でもデジタル公式認定証は発行され、ダウンロードして印刷することは可能です。
今後も紙の公式認定証の発行については議論が続くことと考えられます。
将来的に廃止される可能性もゼロではないでしょう。
TOEIC®のスコアシートを確認できるのはいつから?
前述したように、TOEIC®のスコアシート(デジタル公式認定証・紙の公式認定証)を確認できる時期は、デジタル公式認定証と紙の公式認定証で異なります。
- デジタル公式認定証:試験日から19日後
- 紙の公式認定証:目安として試験日から35日以内
デジタル公式認定証を確認する場合は、まずTOEIC®の申込サイトにログインします。
「テスト申込・結果確認へ」というボタンが表示されるので、そこから確認してください。
紙の公式認定証は試験日から30日以内に郵送されます。
もし試験日から35日経っても届かない場合は、IIBC試験運営センターへの連絡が必要です。
連絡は試験日から65日以内に本人が行ってください。
試験日から65日以上たつと、公式認定証が届いていない場合でも再発行手数料(税込550円)が必要になります。
TOEIC®のスコアシートに記載されている項目
スコアシート(デジタル公式認定証・紙の公式認定証)には、スコアや正答率、英語能力の長所に関するコメントなどが記載されています。
それぞれの内容や補足情報を下記の表にまとめました。
項目 | 内容 | 補足情報・活用法など |
---|---|---|
受験者情報 | ・顔写真・名前・生年月日 など | 紙の公式認定証には、直筆の署名が印刷されている |
Your Score | ・リスニングのスコア・リーディングのスコア・トータルスコア | |
Percentile Rank(パーセンタイルランク) | 自分よりスコアが低い受験者の割合 | 受験者の中で、自分がおおよそどのあたりに位置しているかがわかる |
Score Descriptors(スコアディスクリプターズ・レベル別評価) | ・リスニングの長所・リーディングの長所 | 今回取得したスコアをもとに、英語能力の長所がセクション別に記載されている |
ABILITIES MEASURED(アビリティーズメジャード・項目別正答率) | ・リスニング5項目における自分の正答率と平均正答率・リーディング5項目における自分の正答率と平均正答率 | 自分の正答率と平均正答率を比べられるので、弱点の把握に役立つ |
【デジタル公式認定証のみ】デジタル公式認定証の証明 | ・「認証されました」という表示・発行日・発行者・発行者の公開鍵・ブロックチェーンに記録した際の取引ID | |
【デジタル公式認定証のみ】QRコード | デジタル公式認定証にアクセスできるQRコード | デジタル公式認定証を印刷する際、改ざんされていないことの証明になる |
TOEIC®のスコアシートを活用して弱点の対策をしよう
スコアシート(デジタル公式認定証・紙の公式認定証)を、単にスコアを確認するだけに使うのはもったいないです。
デジタル公式認定証や紙の公式認定証を分析し、英語力アップに活用しましょう。
弱点を対策するために活用してほしいのが、「ABILITIES MEASURED(アビリティーズメジャード・項目別正答率)」の項目です。
ここに記載されている自分の正答率と平均正答率を比べてみてください。
自分の正答率が平均正答率よりも低い部分は、弱点だと判断できます。
弱点を確認できたら、その部分を重点的に対策し、英語力やTOEIC®スコアの向上を目指しましょう。
たとえば、リスニングの正答率が全体的に低い場合は、基礎的なリスニング力が不足していると考えられます。
基礎的なリスニング力が不足している場合は、英文に慣れることを意識しましょう。
音読をして英語のリズムに慣れることもリスニング力向上につながります。
問題集に付属しているCDや音声教材を活用してみてください。
リスニングの学習法はこちらの記事も参考にしてください。

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また、リーディング項目の中の「文書の中の具体的な情報を見つけて理解できる」の正答率が低い場合は、文章中に書かれている情報を正確に理解できていないと考えられます。
テストで初めて見る英文をより正確に理解するために、何度も同じ英文を読んでトレーニングしましょう。
リーディングの学習法はこちらの記事も参考にしてください。

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TOEIC®のスコアシートは再発行できる
TOEIC®のスコアシート(紙の公式認定証)は再発行が可能です。
再発行を希望する場合は、申込サイトから手続きを行います。
手数料の支払い完了後4営業日以内に発送してもらえます。
ここからは、TOEIC®のスコアシートの再発行に関する情報を確認していきましょう。
こんな場合はスコアシートを再発行しよう
下記のような場合は、スコアシート(紙の公式認定証)の再発行を依頼しましょう。
- 入試や就活に際し、複数箇所から公式認定証の提出を求められている
- TOEIC®受験に際し、過去に受けたTOEIC®の結果を確認したいが、公式認定証を紛失してしまった
手数料の支払い完了後スピーディに発送してもらえますが、提出に期限がある場合はスケジュールに余裕を持って依頼することをおすすめします。
スコアシートを再発行する際の注意点
スコアシート(紙の公式認定証)の再発行には注意点が2つあります。
- 再発行できるのは試験日から2年以内
- 再発行1部につき550円(税込)の手数料が必要
公式認定証の再発行には期限があります。
これは、TOEIC®のテストを開発しているETSが、最新スコアの参照を推奨しているためです。
公式認定証を再発行したいけれど前回の受験が2年以上前というケースでは再発行できないので、注意してください。
なお、2023年4月以降のテストではデジタル公式認定証が発行されています。
紙の公式認定証を再発行しなくても、PDFをダウンロードし、自分で印刷することも可能です。
まとめ
この記事では、TOEIC®のスコアシート(デジタル公式認定証・紙の公式認定証)について解説しました。
- TOEIC®のスコアシートは成績証明書。オンラインで発行される「デジタル公式認定証」と紙で発行される「公式認定証」の2種類がある
- 2025年度より紙の公式認定証の発行は選択制となる
- デジタル公式認定証は試験日の19日後からオンラインで確認可能。紙の公式認定証は試験日から30日以内に郵送される
- TOEIC®のスコアシート(デジタル公式認定証・紙の公式認定証)にはスコアや正答率、英語能力の長所などが書かれている
- 紙の公式認定証は再発行できるが、手数料が必要
スコアシート(デジタル公式認定証・紙の公式認定証)からは、獲得したスコアだけでなく、自分の弱点や英語能力の長所がわかります。
丁寧に分析し、英語力の向上や、次回以降のスコアアップに活用してください。