
TOEIC®リスニングの満点は495点です。
直近に実施されたTOEIC®テストにおいて、リスニングで満点を取得した人は全体の5%以下となっており、難易度は高いでしょう。
しかし、効果的な勉強法を実践しコツをおさえれば、リスニングで満点をとることは夢ではありません。
この記事では、TOEIC®リスニングで満点を取得するレベルや難易度、満点に近づく勉強法について紹介します。
TOEIC®リスニングの満点は何点?
TOEIC®リスニングの満点は495点です。
TOEIC®試験全体の満点は990点であり、リスニングとリーディングの各セクションにそれぞれ495点が配分されています。
スコアは各セクション5〜495点の5点刻みの合計10〜990点です。
なお、TOEIC®独自の換算点を採用しているため、1問〇点といった配点ではありません。
この採点方法によって、全問正解でなくても満点を取得できる場合があります。
採点方法については、後ほどくわしく紹介します。
TOEIC®のリスニング、満点取得はすごい?レベルや難易度は?
TOEIC®のリスニングで満点を取得することは、高い英語力があることを示します。
しかし、具体的にどのくらいすごいのか、わからない人も多いでしょう。
ここでは、リスニングセクションのスコア別のレベルや、満点を取得する人の割合を参考に、満点取得がどのくらいすごいのかについて解説します。
スコア別のレベル
TOEIC®公式サイトが公表しているレベル別評価の一覧表をもとに、スコアごとのリスニングレベルを紹介します。
▼5~270点の場合
簡単な語彙であれば、短い会話文や長文の内容が理解できるレベルです。
単純でわかりやすい場面以外の問題は、聞き取ることが難しいでしょう。
語彙力を高め、基礎的な英語力を身に付けることが課題です。
▼275~370点の場合
語彙が難しくなければ、話の主旨や目的、基本的な文脈が推測できるレベルです。
難しい語彙が含まれていたり、情報量が多かったりする場合は、文脈を理解できない場合もあります。
継続的な語彙力の向上と、英語をより正確に理解できる文法力を身に付ける必要があります。
▼375~495点の場合
難しい語彙や複雑な構文があっても意味を理解でき、コミュニケーションが取れるレベルです。
英語を英語のまま理解する力が身に付いています。
使用頻度の低い語彙や文法が出ると、正確に聞き取れない場合もありますが、文脈から推測して解答することが可能です。
リスニングのスコアが満点に近づくほど、目立った弱点や課題がなくなり、語彙力・文法力ともに高いレベルに達していることがわかります。
リスニング満点を取得する人の割合
TOEIC®公式サイトでは、リスニングで満点を取った人が何人いるのか、正確な人数は公開されていません。
いっぽうで、実施日ごとの受験者数と、スコア分布表が公開されています。
過去5回分のデータを参考に、リスニングで470点以上のスコアを取得した人の割合を見ていきましょう。
以下の表は、過去の受験者数やリスニングで470点以上のスコアを取得した人数、その割合をまとめたものです。
実施日 | 受験者数 | リスニング470点以上を取得した人数 | 取得者の割合 |
---|---|---|---|
2024年9月29日午後 | 17,105人 | 736人 | 4.3% |
2024年9月29日午前 | 26,928人 | 1,456人 | 5.4% |
2024年9月14日午後 | 12,109人 | 593人 | 4.9% |
2024年9月14日午前 | 15,896人 | 849人 | 5.3% |
2024年8月25日午後 | 17,513人 | 712人 | 4.1% |
【参考】IIBC「TOEIC® Listening & Reading Test 公式データ・資料」
過去5回分のどの日程においても、470点以上のスコアを取得した人の割合は、全体の5%前後です。
満点である495点を取得した人の割合は、さらに少ないことが予測でき、難易度は非常に高いことがわかります。
TOEIC®リスニングは数問ミスしても満点を取れる
TOEIC®リスニングでは、数問ミスをしても満点を取れる可能性があります。
これは「スコアの同一化(Equating)」と呼ばれる、独自の採点方法を採用しているためです。
スコアは「正答数×〇点」の素点ではなく、統計処理による換算点で算出されます。
試験の難易度によって、全問正解でなくても満点を取れることもありますし、全問正解でも満点を取れないこともあるのです。
TOEIC®スコアの基本情報については、こちらの記事で解説しています。
スコアについてくわしく知りたい方は参考にしてください。

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TOEIC®のリスニングで満点に近づく4つの勉強法
ここからは、TOEIC®のリスニングで満点に近づく4つの勉強法について紹介します。
リスニング力を伸ばすためには、英文の意味を理解する力と、英語の音を聞く力の両方が必要です。
4つの勉強法を継続すれば、これら2つの力を養うことができ、リスニングでの満点取得に近づけます。
日常的に英語を聞く
英文の意味を理解するためには、日常的に英語を聞く機会を作ることが大切です。
日常的に英語を聞くと、徐々に耳が英語に慣れていきます。
結果として、英語のまま意味を理解できる力が身に付き、リスニング力の底上げにつながります。
TOEIC®の教材を活用するほか、海外のニュースや洋画を見たり、洋楽を聞いたりするのもよいでしょう。
英語学習系のYouTubeを活用する方法もあります。
いずれにしても、難しすぎず、内容を理解したくなるものを選びましょう。
耳が英語に慣れてきたら、内容を理解することを意識しながら聞いてください。
英語を聞くことを日常化できれば、英語のまま意味をつかみやすくなります。
シャドーイングを繰り返す
英語の音を聞く力をつけるには、シャドーイングを繰り返すことも効果的です。
シャドーイングとは、耳で聞いた英語の音を真似て、追いかけるように発音するトレーニングのことを指します。
英文を見ずに、英語を流しっぱなしにしながら、耳で聞いた英語をそのまま口に出していくイメージです。
英語には、日本語にはない特有の発音やリズムがあります。
シャドーイングを繰り返し行うと、英語特有の発音やリズムが身に付き、リスニングのスコアアップにつながります。
語彙力を強化する
リスニング力を高めるためには、語彙力も強化しましょう。
語彙が増えるほど、リスニングで聞き取れる内容も増えていきます。
TOEIC®で満点を取るためには、約1万語の語彙が必要であるといわれています。
高校卒業までに約5,000字の単語を学習するため、その倍の単語数です。
単語学習であれば、まとまった時間がなくても進められます。
昼休みや通勤・通学時間などのスキマ時間を活用し、着実に語彙力を高めていきましょう。
一度覚えた単語は、忘れないようにする工夫も大切です。
単語単体でなく、フレーズや文章で覚えると思い出しやすくなります。
声に出して覚えるのもおすすめです。
本番の音声スピードに慣れる
英語を聞くことに慣れてきたら、本番と同じクオリティの音声を聞いてみましょう。
本番さながらの音声を繰り返し聞くことで、聞き逃しを減らせます。
本番のリスニング音声を体験したい人は、TOEIC®公式問題集を活用しましょう。
TOEIC®公式問題集は、本番のテストと同じプロセスで作成されており、実際のテストと同じ公式スピーカーによるリスニング音声も付属されています。
本番の音声スピードに慣れることは、苦手分野の把握と弱点克服にもつながります。
満点への道すじが見えてくるでしょう。
リスニングの学習法については、こちらの記事でも解説しています。
TOEIC®満点講師が実践していた方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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TOEIC®のリスニングで満点を取得するための2大鉄則
TOEIC®のリスニングで満点を取得するために必要なのは、英語力だけではありません。
戦略的に解答を進めていくことも大切です。
ここでは、満点を取得するために覚えておきたい2大鉄則について紹介します。
Part3とPart4は先読みをする
Part3とPart4のディレクションは、先読みの時間にあてましょう。
ディレクションとは、リスニング開始前に流れる解答方法などを説明するガイダンスのことです。
ディレクションの時間に、問題用紙に印刷されている設問を先読みしておくと、どんなシチュエーションの会話が流れるのかを予想できます。
「何を聞き取ればよいか」がわかるため、スムーズに解答できます。
問題形式は毎回同じです。
模試で慣れていたり、複数回受験していたりする場合はディレクションを聞く必要はありません。
Part3とPart4は、トークのボリュームが多いため、難しいパートであるといえます。
リスニングで満点を取るには、可能な限り問題を先読みし、リスニングの内容をある程度予測しておくことが必要です。
スピードを意識する
TOEIC®リスニングで満点を取るには、スピードを意識することも鉄則です。
リスニングは音声に沿って解答を進めるため、リーディングに比べると時間が大幅に足りないケースは少ないでしょう。
しかし、スピードを意識すれば、余裕をもって問題に取り組めるようになり、精度の高い解答ができます。
たくさんの努力を重ねても、問題の途中でつまづいてしまうこともあるでしょう。
TOEIC®の採点は正解数に基づいて行われるため、誤った解答でも減点はされません。
答えに迷った場合は、どれか1つにマークをしておきましょう。
TOEIC®のリスニングで満点を目指すなら知っておきたい教材の選び方4選
TOEIC®のリスニングで満点を目指すなら、教材選びも大切です。
次の4つのポイントをおさえながら、教材選びを進めてください。
- 自分のリスニングレベルに合った参考書を選ぶ
- TOEIC®公式問題集は最新版を選ぶ
- くわしい解説付きの教材を選ぶ
- スマートフォンやタブレットで学習できる教材を選ぶ
各ポイントについて解説します。
自分のリスニングレベルに合った参考書を選ぶ
1つ目の教材選びのポイントは、自分のリスニングレベルに合った参考書を選ぶことです。
TOEIC®の参考書には、初心者向けのものから上級者向けのものがあります。
自分のリスニングレベルよりも難しい参考書では、理解が追いつかず、効率的な学習はできません。
場合によっては、モチベーションの低下にもつながります。
最終目標は満点だとしても、着実にスコアを上げることが大切です。
現在の自分のリスニング力を把握し、レベルに合った参考書で学習を進めていきましょう。
TOEIC®公式問題集は最新版を選ぶ
2つ目の教材選びのポイントは、最新版のTOEIC®公式問題集を選ぶことです。
TOEIC®の出題形式は、過去に一部変更となりました。
古すぎる問題集は現在の試験問題に対応していない可能性があるため、TOEIC®公式問題集は最新版を選びましょう。
TOEIC®公式問題集は、定期的に最新版が販売されています。
2024年10月現在販売されている公式問題集の最新版は、「公式TOEIC® Listening&Reading 問題集11」です。
本番同様のリスニング音声も付属しており、満点を目指すために効果的な教材といえるでしょう。
くわしい解説付きの教材を選ぶ
3つ目の教材選びのポイントは、くわしい解説付きの教材を選ぶことです。
具体的には、なぜその答えになるのか、正解と間違いの根拠がくわしく解説されている教材が理想的です。
自分にとってわかりやすい解説かどうかもポイントになります。
満点を目指すなら、ただ問題を解くだけでは不十分です。
間違えた部分がなぜ間違っているのかを知り、「苦手」を「得意」に変えていきましょう。
自分がつまずいた部分や理由を把握し、弱点を克服することが、満点取得への近道です。
スマートフォンやタブレットで学習できる教材を選ぶ
4つ目の教材選びのポイントは、スマートフォンやタブレットで学習できる教材を選ぶことです。
場所や時間に縛られないため、英語学習を習慣化しやすくなります。
スマートフォンやタブレットで学習できる教材の1つとして、TOEIC®公式教材アプリがあります。
アプリ内で公式教材の内容を学べるのはもちろん、リスニングを含むすべての音声をいつでもどこでも聞くことが可能です。
とにかくスキマ時間を有効活用したい人には、「スタディング」もおすすめです。
TOEIC®満点講師の動画講座など、充実したカリキュラムのすべてがスマートフォンやタブレットで学べます。
リスニングに限らず、TOEIC®全体でハイスコアを目指す人を全面的にサポートします。
スタディングTOEIC®対策講座のくわしい内容は、こちらを参考にしてください。
まとめ
今回はTOEIC®のリスニングで満点を取得するための勉強法やコツ、教材の選び方などについて紹介しました。
以下、今回のおさらいです。
- TOEIC®リスニングの満点は495点
- TOEIC®リスニングの満点は、語彙力・文法力ともに高度な英語レベル
- 満点を取るには、英文の意味を理解する力と英語の音を聞く力を養う勉強法を実践しよう
- 満点を取るには、英語力だけでなく、先読みテクニックやスピード感も必要
- 教材選びも大切。自分に合った教材で効率よく学習を進めよう
TOEIC®のリスニングで満点を取得することは、実現可能な目標です。
今回紹介した勉強法や教材選びを参考に、リスニングの満点取得を目指しましょう。