【TOEIC満点講師が解説!】実体験から語る TOEIC満点への道

今回は私自身の英語学習歴を振り返ってみようと思います。

実際に私がやってきたことですから、非効率的に思えることがあるかもしれません。
自分で振り返ってみても、今だったらやらないだろうと思うことや、もっとうまくできたかもしれない、と思うこともあります。
しかし、結果としては全てが自分の血となり肉となっているように感じています。

「TOEIC 満点への道」というタイトルですが、私はTOEIC対策から始めたわけではなく、どちらかというと英語を使えるようにしたいという目的で進めてきた学習の過程でのTOEIC受験でした。そのため、TOEICに詳しくなったのは、教える仕事を始めてからなのです。

私のこれまでの取り組みが、これを読んでくださっているどなたかの役に立つのであれば、これほど嬉しいことはありません。
私が英語学習者として実際にどんな学習をしたのか、また講師の目で客観的に見てなぜそれらが効果的だったのか、をお伝えします。



目次

  1. 英語なんていらない!
  2. ひょんなことから出た英語への興味
  3. 「あきらめ」が功を奏した
  4. 5分の舞台に4か月の準備
  5. 初めてのTOEIC受験
  6. 大学で学んだ「意見を伝える英語」
  7. 満点を真剣に目指した理由
早川幸治講師
この記事を書いた人 早川 幸治

スタディング TOEIC講座主任講師。株式会社ラーニングコネクションズ代表取締役。
IT企業から英会話講師に転身し、これまで全国170社以上、のべ30,000人以上の企業研修や大学での指導を担当。「高校2年生で英検4級不合格」という英語嫌いを克服しTOEICL&Rテスト 990点(満点)、英検1級取得。TOEICの傾向を押さえた効率的なスコアアップの指導メソッドに定評がある。TOEIC®関連の著書多数。株式会社アルクでの通信講座の監修を担当。


英語なんていらない!

私はもともと英語に興味はありませんでした。
「日本人なんだから、一生英語なんていらないでしょ!」と思ったのが、中学1年生の最初の授業です。


先生、ごめんなさい。


高校生になったとき、自分の中に検定ブームが起こり、漢字検定や簿記検定を受けていたのですが、ふと「あ、英検を受けたことないな」と高校2年の10月に受験を決めました。中学卒業レベルという英検3級を受けることに決め、問題集をパラパラめくっている途中で「ムリだ」と悟りました。
そして、英検4級を受けることにしました。結果は、何もわからずに粉砕。おそらく英検5級を受けたとしても、受からなかったと思います。
しかし、自分の中の検定ブームの一環で受験しただけなので、合格証書が手に入らなかったという程度の感想しかありませんでした。



ひょんなことから出た英語への興味

話は変わりますが、私は神奈川県綾瀬市で育ちました。
綾瀬市には米軍厚木基地があり、物心ついた時から、家の上を戦闘機が飛んでいるのが日常でした。高校2年生の2月に、厚木基地に興味を持ち、関連書籍を読んでいたところ、終戦後にGHQ総司令官のマッカーサーが降り立ったのが厚木基地だということを知りました。
そこからマッカーサーに興味を持ち、本を読んでいく中で英語に興味を持ったというのがきっかけでした。


独学しようと教材を買ったのですが、理解できず3ページで挫折しました・・・やはり、最初は教わったほうがいいですね。

高校3年生のゴールデンウィーク明けから学習塾で英語を学び、また英会話学校へ通いました。
そこには、全くわからなかった英語を学ぶ楽しさがあり、数カ月前に3ページで挫折した自分とは別人の、毎日ワクワクしている自分がいました。塾では毎回単語テストがあったため、必死に暗記しましたが、今となってはその強制的に覚えなければいけない仕組みが効果的でした。

「好きこそものの上手なれ」の言葉通り、毎日の英語学習が楽しく、スポンジのように吸収することができたことで、4か月で中学3年分が終わり、高校卒業までに高校1年レベルが終わりました。2年分足らないですが、一生英語なんかできるようにならないと思っていた私としては大躍進です。そして、卒業前に英検4級に合格というリベンジを果たすことができ、私のバックには「威風堂々」の音楽が流れていたような気がします(笑)
また、英会話学校では、日本語が通じない外国人と話すという未知との遭遇がありました。


さて、当時の学習で意識していたのは、教材を全て音読することです。単語であっても文法であっても長文読解であっても、全て音読しました。
理由は「英語を声に出すことが新鮮だったから」です。CDがついていない教材を使っていたので、発音はメチャクチャだったと思いますが、文法的に正しい英語を大量に音読したことから、Thank you very much.やIf you have any questionsのようにリズムとして頭に入っていきました。
当時はそのような効果を知らずに取り組んでいたのですが、私たちは言葉を文字で覚えているわけではなく、音で覚えていることが多いため、全て音読したのは非常に効果的な実践でした。我ながら「よくやった」と過去の自分に感謝しています。


「あきらめ」が功を奏した

「卒業後はもっと英語を学びたい」と英語の専門学校に通いました。福澤諭吉が「もうオランダ語の時代ではない。これからは英語だ」と英語を学ぶきっかけとなった横浜で、私は2年間集中的に英語を学ぶこととなりました。入学後すぐにTOEICの授業を履修したのが、TOEICとの出合いです。

毎週Part 2の問題を解き、そして解説を聞くという授業でしたが、英語が速すぎて全く聞き取れず、15問中3問または4問正解(正確に言えば、選んだら当たった)というものが2カ月続きました。3択のPart 2にもかかわらず、正解が3分の1に達したことは一度もありませんでした・・・。
私の勘の精度は役に立たず、横浜にある野毛山動物園のチンパンジーと競争しても負けたかもしれません。リスニングが壊滅的だったため、もしこの時に
TOEICを受験していたら200300点台だったと思います。

全く聞き取れるようにならないため、「自分にはリスニングの才能がない」とあきらめました。
しかし、英語の発音やリズムが耳に心地よかったため、「自分でもあんな風に英語を話してみたい」と発音を独学することにしました。
CD付の教材を買い、毎日声を出して音声をマネしました。幸いモノマネは得意だったため、全く苦にならずお手本通りに言えた時には自己満足に浸っていました。


トレーニングの結果、発音の上達はもちろんですが、飛躍的に上達したのは、あきらめたはずのリスニングでした。
半年後には授業で解いた
15問のうち、最低12問は正解できるようになりました。「聞くとわからないけれど、読めばわかる」という音と文字のギャップがあったため、発音・リズム・アクセント・イントネーションなど、英語の音声面に特化したトレーニングは特に効果的でした。


「マネる対象」を持つことによる飛躍

話は前後しますが、専門学校1年生の6月に、友人が「英語のスピーチコンテストに出てみない?」と誘ってくれました。
私は「人前で話すこと」に極度の苦手意識を持っていたので一瞬悩みましたが、それまでの英語への挑戦からできないことができるようになる喜び」を感じていたので、あえて挑戦してみることにしました。


そんなある日、テレビを見ていたら当時のクリントン大統領が演説をしている姿が目に入りました。
1万人くらいの聴衆に向けて微笑みながら、ジェスチャーを使って堂々と話している姿を見て、「これだ!」と思いました。しかも、英語が上手(笑)その日から、クリントン大統領は、私にとってマネる対象のクリントン先生になりました。

当時、iPodのようなものはありませんので、ビデオに録画した演説をカセットテープ(!)にダビングして、通学時間に繰り返し聞きました。まさに、ビデオテープやカセットテープが擦り切れるほど聞きました(2000年以降生まれで「?」な皆さんは、ググって調べてみてください)。

とはいえ、英語はよくわからなかったので雰囲気だけ味わう感じでしたが、それでも何度も繰り返し聞いているうちにLet’s build a bridge to the 21st century!というキーセンテンスははっきりと聞き取れるようになりました。
さらに「大統領の英語」を集めた教材を買って、スクリプトを見ながら一緒に声に出してみる練習をしたことも楽しかった記憶があります。
先ほど述べた発音トレーニングが進むにつれて、クリントン先生の英語もはっきりと聞こえるようになってきました(単語はわからなかったですが)。


5分の舞台に4か月の準備

スピーチコンテストに向けて、まずは5分間のスピーチを英語で書きました。教材で和文英訳はしたことがありますが、英語で自分の意見を書いたことはありませんでした。まずは日本語で原稿を書き、それを和英辞典を使って英語に変えていきました。
当時の私の英語力では「翻訳」などという高度なことはできず、まさに英語に「変更」という感じでした。
提出した原稿はネイティブチェックの末、まったく違う英語になって返ってきました(笑)まさに家を飛び出していった不良息子が、優等生になって帰ってきたような感じでしょうか。


そして、私はこのたった5分のスピーチに、4か月かけて準備しました。まずは暗記です。ただ、どう発音するかわからない単語もあったので、アメリカ人の先生に頼んでカセットテープに録音していただきました。それを聞きながら、英文スクリプトと照らし合わせながら練習しました。
まさにカラオケの練習と全く同じプロセスです。歌詞カードを見ながら歌を聴いて、その後一緒に歌ってみて、ふとした時に歌を口ずさむ感じで、英文スクリプトを見ながらスピーチを聞き、その後一緒に声に出してみて、ふとした時にスクリプトを声に出して読んでみる。数を数えていませんが、1日
10回近くは声に出して練習したため、合計1000回以上は読んだと思います。
おかげで、どんなに緊張しても、頭が真っ白になっても、スラスラ言える状態になりました。

その結果、スピーチの練習をする前にはほとんど文を作れなかったスピーキングが、スピーチで使った単語や文法、構文であればスムーズに口から出るようになりました20年以上たった今でも、一部はまだ言えます。


音読の効果

ここまでの内容の通り、私はとにかく英語を「口に出す」ということを重視してきました。それは、口に出せば出すほど上達することを感じられたため、取り組んだ先に上達があることを体感していたからです。
文法問題が解けなかった場合でも、正解を空欄に入れた状態で何度も音読することで、正しい英文が頭にインストールされ、感覚的に問題を解けるようになっていきました。


音読には、大きく分けると3つの力を身につける効果があります。
1つが単語&文法です。単語は文字で覚えるよりも音で覚えたほうが思い出しやすくなりますし、単語が2つ以上続けばそこには文法が存在しています。
eat lunchspeak slowlyなどを自然に言えるのは、文法を知っているからというよりも、音で覚えているからです。
そして、音読で身につく2つめが、発音&リズムです。これはカラオケと同じで、マネして声に出していれば正しい英語が口から出るようになります。
そして、3つめが表現&構文です。
Let me introduce myself.The doors on the right side will open.のように、何度も耳や口にしているとそのまま頭に入ります。掛け算九九も電話番号も数字で覚えているわけではなく、音で覚えているように、発音やリズムだけでなく、単語や文法、表現や構文も音で頭に入っているからこそ、スムーズに言えるのです。


初めてのTOEIC受験

このような学習をしていた頃、学校で必須のTOEIC受験がありました。記念すべき初めての受験の結果は755点。
英検4級不合格から3年でした。時間制限がキツイ
TOEICですが、わからない問題に悩まない持ち前(?)のあきらめの早さと、普段から音読していたことで英文を速く読めるようになっていたためか、粗削りではありますが終了前に15分くらい余りました。
もちろん、全部意味が理解できたわけではなく、知らない単語もたくさんありました。


以前の記事「目指せ600点突破!TOEIC初心者にオススメの学習法」の中で、TOEICに必要な3つの力として、「英語力」、「情報処理能力」、「対策力」をご紹介しました。この3つの力については、TOEICを教え始めてから気づいたことですから、学生時代には意識していませんでした。
そこで、改めて私自身の学習で身についたものを3つの力に照らし合わせてみます。


当時は、普段の学習において単語や文法学習に力を入れて知識を増やし、またTOEIC対策ではなく英検2級に向けた学習を進めていたことで、英語力は英検2級合格レベルまで伸びていました。また、留学向けのテストであるTOEFLの学習も同時に行っていたため、普段から内容を理解するために英語を聞く/読むことは実践していました。

さらに会話の授業やライティングの授業もあったため、アウトプットの量も多かったと言えます。今思えば、身につけた知識をリスニング・リーディング・スピーキング・ライティングの4技能を通して使う毎日でした。そのため、英語を英語のまま理解したり、素早く情報を理解したりする情報処理能力も高まっていたのだと思います。さらに、TOEICの授業を取っていたため、各パートに登場する内容や形式については馴染みがあり、さらに問題を解くことにも慣れていたため、対策力も磨かれていたのでしょう。

基本的には、私にとっての英語学習は、この専門学校の2年間に集中していました。その後は、どこまで英語力を伸ばしたいか、またどのように英語を使っていきたいかを基準に学習を変えていったという流れです。


大学で学んだ「意見を伝える英語」

専門学校卒業後には、語学以外のことも学びたい(と、まだ就職したくない)という理由から、大学に入り直し、国際関係を専攻することを選びました。これは、クリントン先生の影響でしょう。
国際関係を学ぶには、やはり英語は不可欠なため、英語の授業は多かったのですが、語学としての英語というよりは、学んだ英語を使ってディスカッションをしたり、プレゼンをしたりと、伝える英語へと変わりました。文法や単語の学習というものを離れ、意見を構築するための情報をインプットしながら新しい単語を身につけていくという新たな学習を体験しました。

またサークルはESS(English Speaking Society)に入り、ディスカッションを中心に英語を使っていました。また、学園祭では英語劇を演じたことから、セリフを覚えて感情を込めた演技を通して英語を使いました。今思えば、大量のインプットとアウトプットが繰り返されていたことで、英語で考える力がついていきました。

大学でも1年生と2年生の時は、TOEICの授業を履修していました。しかし、実際に受験したのは就職活動のために受けた大学3年生の時の1回だけで、スコアは910点でした。スコアが上がった理由は、毎日英語に触れていたことで、自然と単語も増え、リスニング・リーディングともにスキルが高まっていたからだと思います。


満点を真剣に目指した理由

大学卒業後、IT企業に入社後すぐに会社で受験したテストで915点でした。
その後、英語講師へ転職したタイミングで、今度は教えるために英語を学びました。
TOEICも教え始めたため、教材研究をしっかりと行ったことで精度が高まり、TOEICスコアが940点、960点と着実に高まりました。

アメリカ国立訓練研究所が発表した「ラーニングピラミッド」という概念があります。
これは、どのような学習法が頭に残るのかを表したもので、「講義を受ける」が5
%、「読書をする」が10%、「ビデオなど視聴覚教材」が20%、「実演を見る」が30%、「他者とディスカッションをする」が50%、「実践による体験」が75%、そして「教える」が90%という結果です。

まさに教える仕事を始めたことで、細かいポイントにまで意識が向くようになりました。しかし、なかなか満点は取れませんでした。
980点までは着実に伸びたものの、その後は975点から985点を行ったり来たりでした。


ある時、ブログでつながっていた2人の先生が、同じタイミングで満点を取りました。
ライバル視をしていたわけではないのですが、この時に「先に取られた!」という小さな悔しさがありました。そして、「次こそ!」とメラメラと燃えるものが自分の中にわきでてきました。また、このタイミングで知り合いの先生から声をかけていただき、初めての出版が決まりました。

著者として名前とプロフィールが載る際に、どうしても「990点(満点)」と書きたい気持ちが出てきました。時期的に、出版前に満点を取るチャンスは1回だけでした。この時ほど、ミスのないようにしっかりと聞き、そしてしっかりと読んだことはそれまでありませんでした。
まさに「絶対に負けられない戦いが、そこにはある」という状況でした。追い込まれたことにより力が発揮されたのでしょうか。
ギリギリのタイミングで
990点を取ることができ、初めての著書(共著)である『TOEIC®テスト 出まくりキーフレーズ』(コスモピア)のプロフィールに「TOEIC 990点(満点)」を入れることができました。


当時の私の実力で言うと、975点と990点の間には実力の差はありませんでした。TOEICは、リスニングは数問間違えても満点(495点)は取れるのですが、リーディングは1問間違えるだけで満点にならないことが多いのです。これは現在のテストでも変わりません。
そのため、ミスができないリーディングの問題との相性のほか、マークミスや読み間違えをしない注意深さも結果につながったのだと思います。
最後の5点の部分は、教える仕事をしていたことから、
TOEICの傾向を知ることができた「対策力」の部分が大きかったかもしれません。
しかし、リスニング・リーディング・スピーキング・ライティングと技能を分けずに学習してきたことが、「英語力」と「情報処理能力」を伸ばすことにつながったのだと思います。


以上、私自身の英語学習歴について書いてきました。

英語力の伸ばし方やTOEIC満点までの道のりは人それぞれですし、私のやり方がベストだとは思いません。もっと効果的なやり方で満点を取られた方もいらっしゃると思います。しかし、私自身の英語学習をこうして改めて振り返った後、これが欠けていたら間違いなく今の英語力はなかったと言えるものが1つあります。それが、「音読」です。
音読を続けられた最も大きな理由が、「やればやるほど、上達する」というわかりやすい成果でした。

スピーチコンテストや英語劇など、日常の英語学習では取り入れづらいものもあります。
しかし、その要素を分解すると、全てに音読が含まれています。そして、何よりも楽しんで学んだこと、学んだ英語を使う環境を作ったこと、そして集中的に学ぶ時期を持てたことが上達に繋がったのだと思います。

私の学習経験が、学習のヒントになれば幸いです。

      

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