TOEICの過去問はないってホント?過去問以外の対策方法とは

TOEICの対策として、過去問を解いてみたいと思っている人もいるでしょう。しかし、日本においてTOEICの過去問は公開されていません。つまり過去問によるTOEIC対策はできないのです。では、どのように対策をしたらよいのでしょうか。

本稿では、TOEICの過去問が公開されていない理由や、過去問以外の教材を活用した勉強方法をお伝えします。勉強の手段や方法を知りたい人はぜひご一読ください。
目次 Contents

TOEICの過去問はないってホント?過去問以外の対策方法とは


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TOEICの過去問は公開されていない!その理由は?

TOEICの実施団体であるIIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)は、TOEICの過去問を公開していません。

理由は公表されていませんが、TOEICの試験を作る際に、過去問の一部を新しい問題に盛り込んで作成しているからではないかといわれています。

このように問題を作成することで、試験の難易度にブレが出ないように調整されています。

過去問が出回ってしまうと、今後行われる試験のスコアにも影響が出てしまうため、過去問を公開していないのでしょう。


ちなみにTOEICの試験では、解答用紙・問題用紙の持ち出しや、解答用紙の所定欄以外への書き込み、問題用紙への書き込みが禁止されています。

試験中、問題を解く際にメモをとったり、下線をひいたりする人もいると思いますが、それらもすべて違反行為にあたるのです。

公式サイトには、違反した場合、試験途中での退場を命じられたり受験資格を剥奪されたりすることもあると明記されています。

このようにTOEICの過去問は一般に出回ることがないよう徹底されています。


過去問以外でTOEICの出題形式を知る方法

TOEICの過去問は公開されていませんが、試験対策のために出題形式はおさえておきたいものです。

TOEICの出題形式を知りたいなら、公式サイトで公開されている「サンプル問題」を見るとよいでしょう。


サンプル問題には、パートごとのDirections(出題形式の解説や解答方法)と、試験問題が数問のっています。

リスニングセクションに関しては、音声を聞くことも可能です。

また、サンプル問題には解答ボタンがついており、ボタンをおすと正解が表示されるようになっています。

ただし解説はついていませんので、間違えた問題は自分で理由を考えることが必要です。


掲載されているサンプル問題は数問なので、本格的な試験勉強に使うには問題数が少ないです。

しかし、TOEICの試験がどのようなものか知るには役立ちます。

TOEICを受験したことがない、まずはどのような問題が出るのか知りたいといった場合には、まずサンプル問題を見ることをおすすめします。


参考:IIBC「TOEIC® Listening & Reading Test テストの形式と構成」


過去問以外でTOEICに即した問題練習をする方法

過去問がないのなら、どのように対策をすればよいでしょうか。

この章では、本番のTOEIC試験に即した問題練習をするための教材や問題集について紹介していきます。


公式のTOEIC教材・問題集

TOEICの主催団体であるIIBCからは、公式の教材や問題集が販売されています。

公式問題集の問題は、実際の試験と同じプロセスで作成されており、リスニングセクションの音声も実際の試験と同じスピーカーが読んでいます。

このようにかなり本番の試験問題に近くなっているのが、公式問題集の大きなメリットです。

できるだけ過去問に近いものを解きたいという人にはよいでしょう。


また、本番のTOEIC試験では1問ごとの正式な配点は公表されていませんが、公式問題集には参考スコアの換算表も記載されています。

正答数をもとに参考スコアを算出できるので、自分がどのくらいのスコア帯にいるのかを把握することも可能です。

ただし、解説は市販のものに比べるとシンプルになっており、解答テクニックなども多くは載っていません。

公式のTOEIC教材・問題集は、丁寧な解説がなくても解答を理解できる英語中級者〜上級者におすすめです。


市販のTOEIC予想問題集

TOEICの予想問題集は、市販のものも多く出版されています。

TOEICに精通した専門家が作成したものもあり、公式問題集と遜色ないでしょう。


市販の問題集は公式のものに比べて、解説が豊富で丁寧な傾向にあります。

TOEICの頻出単語をまとめた資料や解答テクニックの紹介がついていることもあるので、英語初心者の方は勉強を進めやすいかもしれません。

また、アプリで音声を聞けたり動画解説がついていたりするものがある点も、市販の問題集のメリットです。

さらに、練習したいパートごとに細かく対応していたり、さまざまなレベルに応じた問題集があったりすることもメリットといえます。


市販の予想問題集を使う場合は、自分のレベルにあうものを見つけることが大切です。

あまりにも難しすぎるものを使うと挫折してしまったり、反対に簡単すぎるものを使うと実力がつかなかったりします。

自分のレベルにあう問題集を見つけ、スムーズかつ効率的に勉強を進めましょう。


TOEIC対策アプリ

TOEICの試験対策アプリも多くリリースされています。

アプリだと場所や時間を問わず勉強できるので、スキマ時間を有効に使えます。

机に向かわずに勉強できるため、英語や勉強に苦手意識がある人でも、気軽に取り組めるでしょう。


AIが自分の苦手分野を把握して重点的に出題してくれたり、TOEICに精通した講師の動画講義を視聴できたりなど、豊富なコンテンツがあるのもアプリのメリットです。

なお、IIBCからもTOEIC公式アプリがリリースされています。

さまざまな英語のエピソードが収録されており、リスニングやクイズに挑戦できたり、英単語の意味を確認できたりします。


アプリでTOEICの勉強をするならスタディングもおすすめです。

スタディングでは、実際の試験形式に即したリアルな模試や豊富なドリル、TOEIC満点講師による動画講義など、多様なコンテンツで勉強に取り組めます。

TOEICの勉強を効率的に進めたい人は、ぜひスタディングを検討してみてください。


TOEIC対策無料サイト

TOEIC対策には、予想問題などを公開している無料サイトや、問題を解くことで自分の実力や弱点を教えてくれる無料サイトも有効です。

TOEIC対策無料サイトのメリットとしては、お金をかけずに勉強を進められる点や、インターネットさえつながれば思い立ったときにすぐ勉強に取りかかれる点があげられます。

本格的な勉強を始める前に、自分がどのくらいの点数を取れるかを知りたいという人にもよいでしょう。


ただし、サイトによっては解説がない場合があります。

英語の勉強を始めたばかりの人や英語力に自信がない人は、解説があるサイトを選ぶのがおすすめです。


韓国版TOEIC過去問を活用する

TOEICに即した問題を練習するには、韓国版TOEICの過去問を活用するのもひとつの方法です。

日本ではTOEICの過去問は販売されていませんが、韓国ではTOEICを運営するETSが公式に過去問を販売しています。

日本国内でもAmazonや楽天市場などインターネットで購入でき、価格は1冊3,000円〜4,000円ほどです。

リスニングとリーディングに分けて販売されており、1冊に過去問と予想問題が計10セット収録されています。

TOEIC試験の全パートの過去問が欲しい場合は、リスニングとリーディングの両方を購入することが必要です。


韓国版TOEIC過去問を活用する際の注意点としては、解説がすべて韓国語で記載されていることがあります。

韓国語が読める方や、解説がなくても理解ができる英語上級者は検討してみてはいかがでしょうか。


TOEIC対策教材を使った実践練習方法

この章では、TOEIC対策教材を使った実践的な練習方法について解説していきます。

予想問題集などを使った実践練習は、単語や文法などの基礎的な勉強を行った後の最終段階で取り組むのが効果的です。

実践練習のポイントをみていきましょう。


まずは問題を解いてみる

まずは、TOEICの出題形式を知り、問題に慣れることを目的に、本番と同じ形式の問題を解いてみましょう。


TOEICは問題文も英語で書かれています。そもそも問題文を理解できなければ解答することもできません。

基本的に出題形式が大きく変わることはないので、事前に問題文を把握し、本番もスムーズに取り組めるようにしましょう。


繰り返し解く

TOEICの勉強では、問題を繰り返し解くことも欠かせません。

次から次へと新しい問題集に手を出すのではなく、これと決めた1冊〜2冊を繰り返し解きましょう。

問題を何度も解くことで、出題形式に慣れたり出題傾向をつかんだり、苦手分野を認識したりすることができます。

TOEICの出題傾向に合う勉強をする、苦手分野に絞って勉強をするなど、効率的な対策につながるでしょう。


また、同じ問題を繰り返し解くということは、同じ英文を何度も読むということです。

回数を重ねるごとに英文への理解が深まり、単語や文法の定着も期待できるでしょう。

さらに、問題に慣れることで回答スピードもあがっていくと予想されます。

同じような問題が出た場合、スムーズに回答でき、解答時間を短縮できるでしょう。


苦手分野を重点的に取り組む

TOEICの勉強を進めていくうえで、苦手分野が出てくるのは当然のことです。

苦手分野はついつい避けたくなるものですが、高得点を取得するには苦手分野でも正答することが求められます。

今よりも点数を上げたいのなら、苦手分野の勉強も重点的に行いましょう。


苦手分野を勉強する際は、なぜ苦手なのか原因をおさえておくことが大切です。

たとえばリーディングが苦手な場合、なぜリーディングで点数が取れないのかを考えます。

わからない単語が多いのであれば、頻出単語を覚える必要がありますし、最後まで問題を読む時間がないのであれば、時間配分を検討したり読むスピードを上げたりする必要があります。

苦手な原因を突き止めたうえで原因に応じた対策を行えば、確実に点数を取れるようになるでしょう。


問題を音読する

TOEICの勉強では、問題を音読するのも効果的です。

声を出して英文を読むことで、意識せずとも英単語を聞き分ける力が身につきます。

とくに英語を聞きながら追いかけるように音読する「シャドーイング」がおすすめです。

シャドーイングで繰り返し英文を口にすることで、英語特有のリズムや発音が身につきます。

リズムよく英語を発音できるようになると、英文を聞き取る力もアップするでしょう。


また、シャドーイングをすると、自分で発音した英文を自分の耳で聞くことになります。

さまざまな感覚を使って英語を体感することで、語彙の定着にもつながるでしょう。

音読は、リスニング対策・リーディング対策のどちらにも効果的です。


時間を計って問題を解く

時間を計って問題を解くことも、TOEICの勉強を進めるうえで欠かせないことです。

リスニングセクションは流される音声に沿って解答していくため、時間がたりなくなる心配はありません。

しかし、リーディングセクションは自分のペースで進めるため、時間配分が重要になります。

リーディングセクションにおいては、TOEICの勉強を始めたばかりの時点では、時間内に最後まで解き切れない人も少なくありません。

すべて解き切るにはかなりのスピードが必要です。

練習の時点から時間配分を意識することで、最後まで問題を解き切るペースを体得できるようになるでしょう。


まとめ

今回のポイントをおさらいしておきましょう。

・日本国内においてTOEICの過去問は公開されていない

・TOEICを主催するIIBCより公式問題集が販売されている

・市販の問題集やアプリなどにもTOEICに即した問題が掲載されている

・TOEICの勉強は、出題形式を把握し、これと決めた1冊〜2冊の問題集を繰り返し解くとよい

・予想問題集などの実戦練習は、ある程度勉強を進めたうえで取り組むのがおすすめ

TOEICの過去問は公開されていませんが、市販の問題集やアプリで対策することは可能です。今回紹介した実戦練習方法を参考に、TOEICの勉強を進めていきましょう。



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