TOEIC®は就職活動に必要?スコアの目安やアピール方法なども知っておこう

就職活動を控えている人のなかには「TOEIC®を受けておいたほうがよいだろうか?」と悩んでいる人もいることでしょう。

TOEIC®を受験していたら就活に有利なのか、どのくらいのスコアを取得していたらよいのかといったことが気になっている人もいるかもしれません。

この記事では、TOEIC®は就職に役立つのかをテーマに、就活で有利になるスコアの目安や効果的なアピール方法を紹介します。

TOEIC®は就職に役立つ?

結論から言うと、TOEIC®は就職に役立ちます。

スコアを伝えることで英語力を示せるため、アピールポイントとして活用しやすいです。

実際に多くの企業がTOEIC®を活用しているため、就職活動をはじめる前にある程度のスコアを取得していると、就活を有利に進められるでしょう。

海外に拠点のある企業や海外との取引が多い企業はもちろん、一見英語力とは関係なさそうな理系企業でも英語力が強みになることもあります。

理系企業に就職したいと考える場合でも、TOEIC®を役立てることは可能です。

TOEIC®が就職に役立つ2つの理由

TOEIC®が就職に役立つ理由としてはおもに以下の2つが挙げられます。

  • 実際に多くの企業が参考にしているから
  • TOEIC®が「英語力を正確に判断しやすいテスト」だから

それぞれ紹介します。

実際に多くの企業が参考にしているから

TOEIC®が就職に役立つ1つ目の理由は「実際に多くの企業が採用時の参考にしているから」です。

TOEIC®を運営するIIBC(一般社団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)が行った調査では、TOEIC® Programを活用している企業や団体の約5割が「TOEIC®スコアを採用時の参考にしている」と答えています。

また同調査によると、企業が目標としているのは「英語の会議で議論ができるレベルの英語力」であることもわかりました。

企業のグローバル化が進む中、業務で英語を使用する機会は今後ますます増えていくと予想されます。

多くの企業が英語力のある人材を求めていることから、採用時にTOEIC®スコアが重要視されているのです。

TOEIC®が「英語力を正確に判断しやすいテスト」だから

TOEIC®が就職に役立つ2つ目の理由は「英語力を正確に判断しやすいテストだから」です。

英検などの合否判定で評価される英語能力試験では、基本的には英語力が「基準を満たしているか」か「基準を満たしていないか」の2つの指標で判断されます。

合格者のなかには、ギリギリ基準を満たしている人もいれば、満点近く取得した人もいます。

ひと言で「合格」といっても、一人ひとりの英語力にはバラつきがあり、正確な英語力は判断できません。

いっぽう、TOEIC®の結果はスコアとして示されるため、細かいレベルで英語力を評価できます。

500点台なら高校卒業程度の基本的な英語力が身についているレベル、600点台ならビジネスや海外旅行で英語を生かせるレベルなど、スコア帯で英語力を正確に判断できます。

TOEIC®のスコアは、学生・社会人といった立場にかかわらず、英語力を正確に伝えられる指標といえるのです。

TOEIC®のスコアについてはこちらの記事で解説しています。

スコア別の英語力についてくわしく知りたいという方は参考にしてください。

TOEIC®何点あれば就職に有利?

就職に有利となるTOEIC®スコアは、業界や職種、企業によって異なります。

海外企業はもちろん、海外のお客様と関わりのある業界・職種では高いTOEIC®スコアが求められることが多いです。

ここでは、TOEIC®が重要視されるおもな業界・職種や、スコアの目安について紹介します。

TOEIC®が重要視されるおもな業界・職種

国際的な取引を多く行う業界では、TOEIC®のスコアを重要視している傾向があります。

具体的には、以下のような業界が挙げられます。

  • 商社
  • メーカー
  • 物流
  • 航空
  • 旅行
  • 小売業  など

また、海外のお客様とやり取りをしたり英語を扱ったりする職種でも、TOEIC®が重要視されることは多いです。

具体的には以下のような職種が該当します。

  • 客室乗務員
  • ホテルの受付
  • 海外企業と取引する職種
  • 英会話スクール講師
  • 通訳者
  • 翻訳家   など

幅広い業界・職種で英語力のある人材を求めています。

TOEIC®のスコアをうまく活用することで、希望の就職が叶う可能性が広がります。

【業界別】就職で有利になるTOEIC®スコアの目安

就職で有利になるTOEIC®スコアは、業界ごとに異なります。

就職で有利になる業界別のTOEIC®スコアの目安は、以下のとおりです。

業界スコアの目安
商社730点以上
メーカー600点以上
物流600点以上
航空600~700点
旅行600~700点以上
小売業600点

目指す業界ではどのくらいのスコアが求められているのかを把握し、TOEIC®を受験する際の参考にしてみてください。

なお、ここで紹介しているのはTOEIC®L&Rのスコアです。

TOEIC®にはTOEIC®L&Rのほかに、TOEIC®S&WやTOEIC Bridge®など複数の種類がありますが、多くの場合就職で役立つのはTOEIC®L&Rです。

TOEIC®スコアを就職活動で活用したいならTOEIC®L&Rを受験しておくとよいでしょう。

【企業別】就職時に求めるTOEIC®スコア

採用時にTOEIC®を参考にしている企業は多くありますが、求めるスコアは企業によって異なります。

以下の表に、就職時に求めるTOEIC®スコアの例をまとめました。

企業スコアの目安
LG Electronics Japan600点程度
トヨタ自動車730点以上
ファーストリテイリング800点以上
三井物産860点以上

希望する企業が決まっている場合は、TOEIC®スコアの基準が設定されていないかWebサイトなどで確認してみてください。

必要であれば、TOEIC®の受験を検討しましょう。

TOEIC®スコアを就職活動でアピールする際のポイント2選

TOEIC®のスコアを就職活動でアピールする際のポイントには、以下の2つがあります。

  • スコアだけでなく学習過程もアピールする
  • スコアと自分の経験を組み合わせてアピールする

スコアとあわせて、努力の過程や独自のエピソードを添えるとよいでしょう。

各ポイントをくわしく紹介します。

スコアだけでなく学習過程もアピールする

就職活動の際は、TOEIC®のスコアだけでなく、学習における課程をアピールしましょう。

たとえば、目標設定から達成までどのように取り組んできたのかをアピールするのがおすすめです。

どのような観点で目標を立て、どのように取り組めば目標を達成できると考えたのか、そして、実際どのように学習を継続したのかを時系列に沿って伝えることで、目標を達成するためにみずから考え行動できることをアピールできます。

また、複数回受験した人のなかには、目標のスコアになかなか到達できなかった人もいるかもしれません。

そのような人には、めげずにチャレンジし続けられた何らかの工夫が存在することでしょう。

英語力を高めたいと思ったきっかけを思い返しモチベーションを維持したなど、自分なりの工夫を伝えられれば評価につながると考えられます。

スコアと自分の経験を組み合わせてアピールする

スコアと自分の経験を組み合わせてアピールするのもよい方法です。

ほかの就活生と異なる独自のエピソードを意識し、事前に準備しておきましょう。

以下のようなことをヒントに、自分だけのエピソードの種を探してみてください。

  • なぜTOEIC®の勉強をしようと思ったのか
  • 獲得した英語力を今後の業務にどのように生かしたいか
  • 将来どのような場面で英語を使いたいか

いくつか思いついたらエピソード化していきます。

具体的には以下のようなイメージです。

  • インターンをしている際に、世界を舞台に働く人たちに憧れを抱いた。専門的な知識はもちろん、英語力を武器に世界中の人々と深く関わりたいと思い、TOEIC®の受験を決めた
  • 将来は英会話スクール講師になりたい。英語をわかりやすく伝えるだけでなく、実践的なコミュ二ケーションを通して英語の楽しさを教えたい
  • 趣味の茶道の魅力を外国人に伝えたいが、うまく伝えられず、もどかしい経験をした。英語の勉強を続けてもっとうまく伝えられるようになりたい

就職活動でTOEIC®スコアを最大限アピールするためにも、今までの経験を振り返り、独自のエピソードを準備してみてください。

TOEIC®スコアを短期間でアップさせるには?

ここまで読んできて、「やっぱり就活前にTOEIC®を受けなければ!」と焦っている人もいるのではないでしょうか。

そこでここからは、TOEIC®スコアを短期間でアップさせる方法とコツについて紹介します。

スコアを短期間でアップさせる方法

TOEIC®のスコアを短期間でアップさせる方法には以下のようなものがあります。

  • シャドーイング・ディクテーションを行う
  • 生活の中でさまざまな英語音声を聞く(ニュース・ドラマ・ポッドキャストなど)
  • 頻出単語や基本的な文法を覚える
  • 速読力を高めるために音読をする
  • 公式問題集を繰り返し解き、出題形式を知る

とくに「生活の中でさまざまな英語音声を聞く」や「頻出単語や基本的な文法を覚える」はスキマ時間にも取り組みやすいことなので、実践してみてください。

TOEIC®の勉強法については、こちらの記事でも紹介しています。

タイプ別・レベル別におすすめの勉強法を紹介していますので参考にしてください。

スコアを短期間でアップさせるコツ

TOEIC®のスコアを短期間でアップさせるコツは、効率的に勉強することです。

具体的には以下のようなことが考えられます。

  • スキマ時間を有効活用する
  • 英語学習を習慣化する
  • 自分の弱点を把握しその部分を集中的に勉強する
  • 普段から生の英語に触れる機会を持つ
  • 実際のコミュニケーションで活用してみる

参考書や問題集を使用した机上での学習はもちろん、普段の生活の中でいかに英語に触れられるかが、スコアを短期間でアップさせるコツです。

時間を有効活用したり実生活でも英語を使ったりすることで、効率的に英語力をアップさせましょう。

就職活動でTOEIC®スコアを使うには計画性が大切

TOEIC®のスコアを就職活動のアピールポイントとして使うには、事前準備が大切です。

就職活動には書類の提出期限がありますので、あらかじめ確認しておきましょう。

スコアの証明となる公式認定証が届くまでに約30日ほどかかることも考慮し、受験日を検討しましょう。

また、就職を希望する企業が採用時にTOEIC®のスコアを参考にしているかも確認してくことが必要です。

採用時にTOEIC®のスコアを参考にしている企業への就職を目指すのであれば、TOEIC®の受験は必須です。

また基準のスコアを設けているのであれば、その基準をクリアしておく必要もあります。

就職活動でTOEIC®のスコアを使うには計画性が大切であることを頭に入れ、早めに行動をはじめるのがおすすめです。

まとめ

今回はTOEIC®が就職活動に役立つ理由やアピールする際のポイント、短期間でスコアアップさせる方法などについて紹介しました。

以下、今回のおさらいです。

  • 多くの企業が参考にしていたり、英語力を正確に判断しやすかったりするため、TOEIC®は就職におおいに役立つ
  • 就職に有利なスコアは、業界や職種、企業によって異なる
  • 就職活動でアピールする場合は、スコアとあわせて学習過程や自分の経験を伝えるとよい
  • TOEIC®のスコアを短期間でアップさせるためには、時間の有効活用や実生活に英語を活用するとよい
  • 就職活動でTOEIC®のスコアを活用する場合は、事前の準備が重要

TOEIC®スコアは就職活動時の大きなアピールポイントになります。

目標を明確にし、達成へと向けた学習のスケジュールを立てていきましょう。