
「TOEIC® L&RってTOEIC®とは違うの?」と疑問に思っている人はいないでしょうか。
TOEIC®には複数のテストがあるため、混乱してしまう人もいることでしょう。
この記事ではTOEIC® L&Rにフォーカスして、どのようなテストなのか解説します。
目標設定の方法や勉強法についてもお伝えしますので、TOEIC® L&Rの勉強をはじめる前にご一読ください。
TOEIC® L&Rとは
TOEIC L&Rの「L&R」とは「Listening & Reading」のことで、複数あるTOEIC® Testsのひとつです。
まずは、TOEIC® L&Rの特徴や受験するメリット、受験する際の注意点から見ていきましょう。
TOEIC® L&Rの特徴
TOEIC® Testsは、日常生活やビジネスシーンにフォーカスした英語試験です。
中でもTOEIC® L&Rは「聞く・読む」力を測定できます。
ほかにはTOEIC® S&W(Speaking & Writing)というテストもあり、こちらは「話す・書く」力を測定できる試験です。
TOEIC® L&Rの受験者数はTOEIC®全体の受験者の9割以上を占め、圧倒的に多くなっています。
そのため、一般的に「TOEIC®」というとTOEIC® L&Rを指すことが多く、履歴書に記載する場合もTOEIC® L&Rのスコアを使用することが多いです。
TOEIC® L&Rを受験するメリット
TOEIC® L&Rを受験するメリットのひとつに、就職や転職に有利であることがあげられます。
採用時にTOEIC® L&Rのスコアを参考にしている企業も多く、TOEIC® L&Rで高得点を取得していると英語力のアピールにつながります。
またキャリアアップにつながることも、TOEIC® L&Rを受験するメリットです。
TOEIC® L&Rのスコアは採用時だけでなく、昇進や昇格の要件になっていることもあります。
海外出張や海外赴任の要件としている企業もあるので、グローバルに仕事をしたい人はTOEIC® L&Rを受験しておくと有利でしょう。
さらに、英語力を数値化できるという点もTOEIC® L&Rを受験するメリットといえます。
「英語を話せます」というだけでは、簡単な英会話ができるのか、ネイティブ並みに英語を話せるのか具体的にはわかりません。
TOEIC® L&Rを受験すると、自分の英語力を数値化されたスコアで証明できます。
TOEIC® L&Rはビジネスシーンにも適したテストなので、高得点を取得できれば、ビジネスにおけるコミュニケーション力があることを証明できるでしょう。
TOEIC® L&Rを受験する際の注意点
TOEIC® L&Rを受験する際は、TOEIC® L&Rに特化した対策が必要です。
日常生活だけでなくビジネスシーンをテーマとした設問も多いので、ビジネス英語を中心に勉強するとよいでしょう。
また、TOEIC® L&Rは2時間で200問の問題を解かなければならず、高得点を取得するにはかなりの解答スピードが求められます。
事前に試験問題を把握し、とくにリーディングにおいてはパートごとの時間配分を意識して勉強を進めていきましょう。
なお、TOEIC® L&Rは「Listening & Reading」の名の通り、英語を「聞く・読む」力をはかるものです。
英語を「話す・書く」力を証明したい場合は、もうひとつのTOEIC® S&W(Speaking & Writing)を受験してください。
TOEIC® L&Rの問題形式とスコア
TOEIC® L&Rは、前半がリスニング100問(約45分間)、後半がリーディング100問(75分間)の合計200問(約2時間)のテストです。
解答はマークシート方式でおこない、和訳や英訳の設問はありません。
問題文や選択肢など、テストはすべて英文のみで構成されています。
問題形式は毎回同じなので、あらかじめ形式を確認しておきましょう。
テストの結果は合格か不合格かではなく、スコアで表示されます。
リスニング5〜495点、リーディング5〜495点、合計10〜990点の5点刻みです。
平均点は600点程度で、リーディングよりリスニングのほうがスコアが高い傾向にあります。
公式サイトにはサンプル問題が掲載されているので、確認してみてください。
【参考】IIBC「TOEIC Listening & Reading Test 【公式】サンプル問題」
TOEIC® L&Rでは何点を目標にすればよい?
先に述べた通り、TOEIC® L&Rは合格・不合格を決めるテストではなく、スコアが重要です。
では、いったい何点を目標にすればよいのでしょうか。
目指すべきスコアは、TOEIC® L&Rのスコアをどういった場面で活用したいかによって異なります。
新卒の就職活動で英語力をアピールしたい場合は、600点以上を目指すとよいでしょう。
平均点が約600点なので、600点以上あれば一般的な人よりも英語力があることを証明できます。
また、社内昇進を目指す場合は700点以上を目標にしましょう。
細かい条件は企業によって異なりますが、600〜700点を昇進条件とする企業が多いようです。
海外駐在などの要件も700点以上に設定している企業が多いので、海外で仕事をしたいという人も700点以上を目指すのが賢明です。
外資系企業などで業務に英語を使用したい場合は、最低でも800点取得しておくとよいでしょう。
800点あれば、ネイティブともスムーズに意思疎通できるレベルの英語力を証明できます。

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TOEIC® L&Rで目標スコアを取るための勉強法
ここからは、TOEIC® L&Rで目標スコアを取るための勉強法を紹介します。
勉強をはじめる前の準備や、TOEIC® L&R攻略のための勉強法、勉強を効率よく進めるコツについて順番に見ていきましょう。
TOEIC® L&Rの勉強をはじめる前の準備
TOEIC® L&Rの勉強をはじめる前に、まず問題形式をチェックして、概要をつかんでおくことが大切です。
TOEIC®公式サイトのサンプル問題や公式問題集などを活用し、どのような問題が出るのか把握しておきましょう。
次に、自分の英語レベルを確認します。
公式問題集などを使用し、本番と同じように時間をはかって問題を解いてみましょう。
最初はわからないところが多かったり、最後まで解けなかったりするかもしれません。
この段階では、自分の英語レベルや苦手分野を知ることが目的なので、解けなくても大丈夫です。
ひと通り解き終わったら答え合わせをして、現在の英語レベルと苦手分野を確認しましょう。
TOEIC® L&Rの勉強をはじめる前には、受験したい試験日を決めておくことも大切です。
TOEIC® L&Rのスコアを100点アップさせるには、200〜300時間が必要といわれています。
必ずしもすべての人に当てはまるわけではありませんが、目安として頭に入れた上で試験日程を設定するとよいでしょう。
TOEIC® L&R攻略のための勉強法
TOEIC® L&R攻略のためには、頻出単語を覚えることからはじめましょう。
文の構造が理解できなくても単語がわかれば、ある程度の意味をつかめます。
頻出単語がまとめられている単語帳などを活用するとよいでしょう。
とはいえ、単語だけでは文章の意味を正確に理解することはできません。
同時に文法の勉強も進めるようにしましょう。
また、TOEIC® L&Rは半分がリスニングの問題なので、リスニング対策も欠かせません。
繰り返し英文を聞いて、英語の音に慣れることが大切です。
音声をただ聞くだけでなく、聞きながら追いかけるように声に出す「シャドーイング」をすることで、次第にリズムに慣れて聞き取れるようになっていきます。
加えて、TOEIC® L&Rの出題形式に慣れておくことも重要です。
出題形式は毎回同じなので、事前に何度も問題演習をしてパターンを把握しておきましょう。
TOEIC® L&Rは試験時間も長く、問題数も多いテストです。
日ごろから時間をはかって実際と同じ時間設定で練習をすることで、最後まで解き切る集中力や時間配分の感覚を身につけておきましょう。
TOEIC® L&Rの勉強を進めるコツ
TOEIC® L&Rの勉強を効率よく進めるには、メリハリをつけることが大切です。
学校や仕事などで忙しい人は、なかなかまとまった勉強時間を取れないかもしれません。
そのような場合はスキマ時間を活用して、単語学習やリスニング対策をおこなうのがおすすめです。
とくに単語学習には定期的な復習が欠かせません。
単語帳などを活用して繰り返し覚える努力をしましょう。
単語学習ができるアプリもあるので、活用してみるのもひとつの方法です。
反対に、休みの日などまとまった時間が取れる日は、腰を据えて問題演習に取り組むとよいでしょう。
勉強を効率よく進めるには習慣化も重要です。
忙しいからといって、ついつい勉強が後回しになってしまうことはありませんか。
夕食後や寝る前など取り組む時間を決め、勉強の時間を普段の生活に組み込みましょう。
普段の生活に組み込むことで、無理なく継続しやすくなります。
少しの時間でもよいので、毎日続けることが大切です。

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TOEIC® L&Rの試験要項
TOEIC® L&Rには、個人受験と団体受験の2つの受験制度があります。
個人受験の場合は、個人でTOEIC®公開テストに申し込みます。
公開テストは試験会場で実施され、紙にマークシート方式で解答する試験です。
オンライン受験の制度はありません。
団体受験の場合は、学校や企業など所属している団体を通じて申し込みます。
公開テストと同じように試験会場で実施される紙での試験だけでなく、オンライン受験ができる試験もあります。
ここでは、個人で受験する場合のTOEIC® L&Rの試験日や申込方法について見ていきましょう。
TOEIC® L&Rの試験日
TOEIC® L&Rは月1〜2日、2024年度は年間で18日の試験日が設定されており、すべての日程で午前・午後の2回試験が実施されます。
基本的には日曜日の開催ですが、一部土曜日に設定されている日程もあるので、日曜日に都合がつかない場合などはそちらを選ぶとよいでしょう。
申込期間はそれぞれのテストの2〜3カ月前からはじまり、約1カ月前には締め切られます。
受験日を決めたら早めに申し込みましょう。
なお、TOEIC® L&Rは全国47都道府県すべてで実施されますが、日程によっては実施されない受験地もあります。
試験日を決める前に、あらかじめ確認しておきましょう。
TOEIC® L&Rの申込方法
TOEIC® L&Rはインターネット上での申込みが可能です。
申し込む際は、最初にTOEIC®のWebサイトにて会員登録をする必要があります。
登録後、TOEIC®申込サイトのトップページにあるTOEIC® L&Rメニューで[受験申込]ボタンを押せば、現時点で申込可能な試験日程が表示されます。
試験日を選択し、再度[受験申込]ボタンを押してください。
申込みの流れや受験要領を確認の上、申込フォームより手続きを進めましょう。
受験料の支払いを終えれば、申込みも完了です。
受験料は7,810円(税込)で、支払い方法はクレジット・コンビニエンスストア・楽天ペイより選択できます。
会員登録はこちらのページからおこなえます。
【参考】IIBC「【公式】テスト申込|TOEIC Listening & Reading Test」
TOEIC® L&Rの結果
TOEIC® L&Rの結果がインターネット上に表示されるのは、試験日から17日後です。
スコア表示が開始されたら登録したメールアドレスにメールが届くので、TOEIC®のWebサイトにログインして、スコアを確認しましょう。
試験日から19日後(インターネットでのスコア表示の2日後)には、デジタル公式認定証が発行されます。
こちらもスコア表示と同じようにTOEIC®のWebサイトで確認が可能です。
紙の公式認定証は、試験日から30日以内に申込時の住所へ郵送されます。
これらのスケジュールは日米の祝日によって遅れる場合がありますので、頭に入れておきましょう。

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まとめ
本記事では、TOEIC® L&Rの勉強方法や試験要項についてくわしく紹介しました。
ポイントは以下の通りです。
- TOEIC® Testsには、Listening&ReadingとSpeaking&Writingの2種類のテストがある
- TOEIC® L&Rのスコアは履歴書にも記載可能で、英語力のアピールになる
- TOEIC® L&Rの結果は合格・不合格ではなく、10〜990点のスコアで表示される
- TOEIC® L&Rで目標スコアを取得するには、頻出単語や文法、リスニングの対策加え、問題形式も把握しよう
- TOEIC® L&Rは月1~2日実施されており、申込みはインターネットからできる
TOEIC® L&Rで高いスコアを取得すれば、就職や転職、ビジネスの場においても英語力をアピールできます。
自身のスキルアップにもつながるので、TOEIC® L&Rにチャレンジしてみてください。