
TOEIC®750点はどのくらいの英語レベルなのでしょうか。
この記事では、TOEIC®750点のレベル感や難易度をさまざまな角度から解説します。
記事後半では、750点を取るために知っておきたい勉強のコツも紹介しています。
TOEIC®で750点を目標にしたいと考えている方や、目標点数の設定に迷っている方は参考にしてみてください。
TOEIC®750点のレベル
はじめに、TOEIC®750点のレベルについてみていきましょう。
750点の具体的な英語力や企業からの印象、英検との比較など、多角的に解説します。
TOEIC®750点は「英語でコミュニケーションができるレベル」
TOEIC®750点は、「あらゆる状況において英語で適切なコミュニケーションができる力が備わっている」レベルです。
正確さや流暢さには個人差があり、文法を間違えることもありますが、意思疎通の妨げになるほどではないでしょう。
TOEIC®主催団体(IIBC)が実施した調査によると、600〜800点未満の人は自身の英語力を「取引先/海外支店とメールでやり取りができるレベル」としている人がもっとも多くなっていました。
これに対し800点以上取得している人は、半数近くが自身の英語力を「海外赴任できるレベル」と回答しています。
TOEIC®750点は800点に近いスコアでもあることから、ビジネスにおいてある程度の自信をもって英語を使えるレベルと考えられます。
続いて、TOEIC®750点の具体的な英語レベルについてもみていきましょう。
リスニングは、幅広い語彙や構文に対応でき、文脈や詳細を理解できるレベルです。
リーディングにおいては、難解な問題は解けないことがあるものの、文全体の意図をくみ取ったり複雑な文法構造を理解したりすることができます。
なお、一般的にTOEIC®というとTOEIC® Listening & Readingのことです。
スピーキング・ライティングについてはテストされないため、これらのレベルについては一概に明言できません。
【参考】IIBC「英語活用実態調査 企業・ビジネスパーソン 2019」
TOEIC®750点は「企業から好印象をもたれるレベル」
TOEIC®750点は企業から好印象をもたれるレベルです。
IIBCの調査によると、企業が新入社員に期待するスコアの平均は535点、中途社員の場合は560点でした。
さらに、企業が海外部門の社員に期待するスコアは690点です。
750点を取得していれば、海外部門でもじゅうぶん活躍できる英語力があると評価されるでしょう。
ただし、日常的に英語を使用しない企業や部署では、TOEIC®スコアに対する評価が限定的なこともあります。
また、外資系企業の場合は、もっと高い英語力を求められることがあるため、大きなアピールにはつながらないケースもあります。
すべての企業から好印象をもたれるわけではない点は、頭に入れておきましょう。
【参考】IIBC「英語活用実態調査 企業・ビジネスパーソン 2019」
TOEIC®750点は「英検2級~準1級に相当するレベル」
TOEIC®と英検(実用英語技能検定)はそれぞれ問題形式や試験方法などが異なるので、レベルを一概に比較できません。
しかし、CEFR(セファール)という指標を使うと比較が可能です。
CEFRは外国語の習熟度をあらわす指標で、ヨーロッパを中心に世界で広く活用されています。
習熟度は高い順から、C2・C1・B2・B1・A2・A1の6つの段階であらわされます。
TOEIC®750点はB1レベル、英検だと2級〜準1級に相当するレベルです。
B1レベルは「自立した言語使用者」とされており、身近な話題については問題なくコミュニケーションがとれるレベルと言えます。
TOEIC®750点の難易度
ここからは、TOEIC®750点の難易度について解説します。
受験者の中で750点以上を取得している人の割合や、社会的な評価、取得の難易度などをみていきましょう。
TOEIC®750点は受験者全体の上位24%
実施回によって多少の違いはありますが、TOEIC®の受験者全体の平均スコアは600点前後です。
TOEIC®750点は、平均スコアよりも150点ほど高い点数ということになります。
これは受験者全体でみると、どのくらいのレベルなのでしょうか。
IIBCでは、年度別のTOEIC®のスコア分布を公開しています。
2023年度のデータによると、745点以上の人が全体の24.4%(790点以上の人は16.2%)でした。
つまり、750点の人は上位24%程度に入っていると考えられます。
およそ4人に1人の割合なので、TOEIC®750点は取得の難易度が比較的高いスコアと言えるでしょう。
【参考】IIBC「公開テスト 平均スコア・スコア分布 一覧」
TOEIC®750点を取得できたらすごい?
TOEIC®で750点を取得できれば、一般的に「すごい」と評価されることが多いでしょう。
就職や転職活動においても、他の候補者との差別化をはかれる可能性が高いです。
2023年度において大学生の平均点は596点なので、大学在学中に750点を取得しておけば、就職活動時に英語能力を高く評価されるでしょう。
また、TOEIC®のスコアは、企業でも昇進や昇給の要件などに活用されているケースが少なくありません。
750点を取得することで、昇進・昇給の対象になるといったメリットも考えられます。
ただし、企業がどのようなスキルを求めているのかによって、TOEIC®スコアの評価基準も
異なるということは知っておきましょう。
TOEIC®で600点くらいの人が750点を目指すのは難しい?
現在TOEIC®で600点を取得している人が、750点を目指すのは簡単なことではありません。
それに見合う勉強時間が必要になります。
600点から750点を取得するには、スコアを150点アップさせなければなりません。
一般的にTOEIC®のスコアを100点アップさせるには、200〜300時間の勉強が必要とされています。
実際の英語力に応じて必要な勉強時間は異なりますが、600点から750点を目指すなら300~450時間程度の勉強時間が必要と考えておきましょう。
600点を取得しているということは、すでに受験者の平均レベルの英語力があるということです。
今後は、単語は応用がきくようにフレーズで覚える、文法も高校レベルまでは完璧にするなど、英語力をさらに強化していきましょう。
十分な勉強時間を確保し、TOEIC®に特化した学習をすれば750点の取得は可能です。
TOEIC®、何問のミスなら750点とれる?
TOEIC®のスコアは、1問〇点という採点方法ではありません。
実施回ごとの難易度によるスコアの差をなくすために、スコアは統計処理によって算出された換算点で示されています。
1問あたりの点数が決まっているわけではないので、「何問のミスなら750点がとれる」とは言い切れません。
ただ、あくまで目安にはなりますが、750点をとるのには全体で約76%の正解率が必要と言われています。
TOEIC®は全部で200問のテストなので、約48問のミスなら750点をとれる可能性があるでしょう。
TOEIC®750点を叶える勉強のコツ3選
最後にTOEIC®750点を叶える勉強のコツを3つ紹介します。
- 勉強時間を作り出す
- TOEIC®に特化した対策をする
- 戦略を練る
ひとつずつみていきましょう。
勉強時間を作り出す
TOEIC®で750点を取得するには、勉強時間の確保が欠かせません。
そもそも物理的に勉強が足りていないと、750点を達成するのは難しいでしょう。
「時間ができたら勉強する」というスタンスでは、なかなか勉強は進みません。まずは、目標スコア達成にどのくらいの勉強時間が必要か確認しましょう。
先述のとおり、100点アップするには約200〜300時間の勉強が必要と言われているので、これを目安としてください。
まとまった勉強時間を確保できないという人も、スキマ時間をうまく活用して、勉強時間を捻出しましょう。
また、TOEIC®対策では勉強を継続することが大切です。
計画を立てる際は、途中で断念してしまわないように無理のないプランを立てましょう。
勉強時間を確保する方法については、こちらの記事でくわしく紹介しています。

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TOEIC®に特化した対策をする
漠然と英語の勉強をしても、TOEIC®のスコアアップにはつながりません。
出題傾向をつかむ、頻出単語を暗記するといったTOEIC®に特化した対策が効果的です。
出題傾向をつかむには、TOEIC®公式問題集がおすすめです。
本番のテストと同じ形式の問題が掲載されているので、各パートの傾向や頻出テーマなどもおさえられます。
さらに、750点を目指すにあたって、避けては通れないのが単語力の強化です。
TOEIC®では、よく出題されるテーマが決まっています。テーマによって使われる単語も決まってくるので、それらを中心に覚えていくと効率的です。
TOEIC®に特化した頻出単語集なども販売されているので、活用するとよいでしょう。
戦略を練る
がむしゃらに問題を解くというスタンスでは、TOEIC®のスコアアップは実現しません。
戦略を練って学習を進めていきましょう。
TOEIC®では時間管理や解答のコツを知り、効率よく問題を解いていくことが重要です。
とくにリーディングセクションは75分間で100問を解く必要があるため、最後まで解き切るとなると、かなりの解答スピードが求められます。
どのパートにどのくらいの時間をかけるのか、タイムマネジメントがスコアアップの鍵です。
問題を繰り返し解き、時間配分を身につけていきましょう。
また、解けない問題をずっと考えていては、最後まで問題を解き切れません。
解ける問題と解けない問題を見極め、解ける問題を確実に解いていくことも大切です。
パートごとに解法テクニックがあるので、実践してみるとよいでしょう。
くわしくはこちらの記事で解説しています。

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まとめ
本記事では、TOEIC®750点のレベルを中心に解説しました。
ポイントは以下のとおりです。
- TOEIC®750点は、日常生活やビジネスにおいて問題なくコミュニケーションがとれるレベル
- 受験者の中で750点を取得しているのは4人に1人程度。取得の難易度は比較的高い
- TOEIC®で750点を取得するための正解率の目安は約76%
- TOEIC®750点を叶えるには、勉強時間の確保、TOEIC®に特化した対策、タイムマネジメントなどの戦略が重要
TOEIC®750点を取得していれば、就職や転職の際のアピールにもなり、比較的高い英語力を示すことができます。
今回紹介した勉強のコツを参考に、750点を目指して勉強を進めていきましょう。