TOEIC®Part5は、問題数30問の短文穴埋め問題です。
時間配分の目安は約10分と短いため、頻出する問題傾向を知り、解答時間を短縮することが攻略のコツです。
この記事では、TOEIC®Part5の問題傾向と解き方を解説します。
正答率を上げる勉強のポイントや解答時間を短縮するコツ、おすすめの勉強方法もお伝えします。
スキマ時間でできるTOEIC対策
【スタディングTOEIC® TEST 対策講座】
TOEIC®Part5の基本概要
TOEIC®Part5は、語彙力や文法知識、文脈理解など基本的な英語力が問われるパートです。
問題形式や傾向、効率的な解答方法を理解することで、スコアアップを目指せます。
TOEIC®Part5の基本概要からくわしくみていきましょう。
問題形式は短文穴埋め問題
TOEIC®のリーディングセクションは、Part5の短文穴埋め問題、Part6の長文穴埋め問題、Part7の長文読解問題の3つのパートで構成されています。
Part5の問題数は全部で30問です。
短文の中に空欄がある不完全な文と4つの選択肢が提示され、空欄に入る適切な単語をA、B、C、Dの4つの選択肢の中から選んで解答します。
各問題は独立しているため、前後の問題との関連性はありません。
一つひとつの問題に集中して取り組む形式ですが、短時間で多くの問題を解く必要があり、時間管理が重要です。
時間配分の目安は約10分
TOEIC®のリーディングセクションは、全部で100問あり、解答時間は75分です。
時間配分の目安は以下のとおりです。
パート | 問題数 | 時間(目安) |
---|---|---|
Part 5(短文穴埋め問題) | 30問 | 約10分 |
Part 6(長文穴埋め問題) | 16問 | 約10分 |
Part 7(長文読解問題) | 54問 | 約55分 |
Part5にかけられる時間は約10分です。
Part6の長文穴埋めやPart7の長文読解により多くの時間を割くためにも、Part5はスピードを意識して解答しましょう。
TOEIC®Part5の問題傾向を知ろう!頻出する3つのパターンと解き方のコツ
TOEIC®Part5では、おもに品詞問題、語彙問題、文法問題の3つの問題パターンが出題されます。
それぞれのパターンを理解し、解き方のコツを押さえて効率的に解答しましょう。
1.品詞問題
品詞問題は、TOEIC®Part5でよく出題される問題タイプの一つです。
この問題では、文中の空欄に入る適切な品詞を選びます。
例題を見てみましょう。
【例題】
Customer reviews indicate that many modern mobile devices are often unnecessarily _____ .
(A) complication
(B) complicates
(C) complicate
(D) complicated
【出典】IIBC「TOEIC® Listening & Reading Test サンプル問題」
この問題の正解は(D) complicatedです。
【解き方のコツ】
- 空欄の前後の単語に注目し、どの品詞が必要かを判断する。
例題の場合、are often unnecessarilyに続くため、形容詞が適切です。 - 選択肢の品詞を確認し、適切な品詞を選ぶ。
例題の場合、(A)は名詞、(B)は三人称単数形の動詞(三人称単数形)、(C)は動詞(原形)、(D) は形容詞または過去分詞であるため、(D)を選びます。 - 以下のように品詞の基本的な役割を理解する
- 名詞:人・物・概念を示す
- 動詞:動作・状態を示す
- 形容詞:名詞を修飾する
- 副詞:動詞・形容詞・副詞を修飾する
- 頻出の品詞変化を覚えておく
例:complicate(動詞)→complicated(形容詞)→complication (名詞)
品詞の基本的な役割とルール(副詞の後ろは形容詞など)を理解し、混同しやすい品詞の違いや接辞による品詞の変化も覚えておきましょう。
2.語彙問題
語彙問題では、選択肢に同じ品詞で意味が異なる単語が並んでいます。文脈を読み取り、もっとも適した単語を選びましょう。
問題文の意味を理解し、選択肢の英単語の意味が分かれば解ける問題です。
語彙問題の例題を見てみましょう。
【例題】
All clothing sold in Develyn’s Boutique is made from natural materials and contains no ——- dyes.
(A) immediate
(B) synthetic
(C) reasonable
(D) assumed
【出典】IIBC「TOEIC® Listening & Reading Test サンプル問題」
この問題の正解は(B) syntheticです。
【解き方のコツ】
- 文全体の意味を理解し、空欄に入る単語の役割を考える。
例題の場合、「natural materials(天然素材)」の対義語が求められています。 - 選択肢の単語の意味を正確に理解する。
例題の場合、各選択肢の意味は以下のとおりです。- (A) immediate:即時の、直接の
- (B) synthetic: 合成の、人工の
- (C) reasonable: 合理的な、適度な
- (D) assumed: 想定された、推定された
- 文脈にもっとも適した単語を選ぶ。
「天然」の対義語として「synthetic(合成の、人工の)」が最適です。 - コロケーション(単語の組み合わせ)を意識する。
「synthetic dyes(合成染料)」は、よく使われるコロケーションです。
ビジネスシーンや日常生活など、さまざまな分野の語彙を幅広く学習し、文脈の中でどのように使われるかを理解しておきましょう。
3.文法問題
文法問題は、英語の文法規則に基づいて正しい表現を選ぶ問題です。
時制、関係代名詞、仮定法、受動態など、さまざまな文法規則に関する問題が出題されます。
文法問題の例題を見てみましょう。
【例題】
Among _____ recognized at the company awards ceremony were senior business analyst Natalie Obi and sales associate Peter Comeau.
(A) who
(B) whose
(C) they
(D) those
【出典】IIBC「TOEIC® Listening & Reading Test サンプル問題」
この問題の正解は(D) thoseです。
【解き方のコツ】
- 文全体の構造を把握する。
例題の文は 「Among……were……」という倒置構文を使っています。 - 空欄の前後の語句に注目する。
「Among」の後には名詞または代名詞がきます。 - 選択肢を文法的に検討する。
例題の場合は以下のように考えます。- (A) who:関係代名詞なので、ここでは不適切
- (B) whose:所有格の関係代名詞なので、ここでは不適切
(C) they:主格の人称代名詞なので、ここでは不適切
(D) those:指示代名詞で、「the people」 を指す複数形として適切
- 文の意味を確認する。
「those recognized」 で「認められた人々」という意味になり、文脈に合います。
英語の文法を学習し、実際の文脈でどのように使われるかを理解しておくと、正解を導きやすくなります。
TOEIC®Part5の正答率を上げる3つのポイント
TOEIC®Part5で高得点を取るためには、問題の傾向を知ったうえで、正答率を上げることが大切です。
Part5の正答率を上げるポイントは、次の3つです。
- 中学校レベル以上の英語力を身につける
- 語彙力を強化する
- 問題集・練習問題を繰り返し解く
1つずつ、詳しく解説します。
中学校レベル以上の英語力を身につける
TOEIC®Part5の問題は、基本的な文法や語彙の知識を前提としています。まずは中学校レベル以上の英語力をしっかりと身につけましょう。
【具体的な学習方法】
- 中学レベルの基本的な英文法を学習し、問題集を解く
- 自分の弱点となっている文法項目を特定し、重点的に学習する
英文法を単に暗記するだけでなく、実際の文章の中でどのように使われているかを意識して学習しましょう。
そうすることで、文の構造を素早く理解できるようになります。
文法を理解していれば、英文の意味を完全に理解できなかったとしても文法規則から正解を選べることもあります。
語彙力を強化する
語彙力を強化することも、TOEIC®Part5の正答率を上げるポイントです。
語彙問題の例題を見ると、そもそも英単語の意味を知らないと選択肢から正しい単語を選ぶのが難しいことがわかります。
TOEIC®でよく出題される単語を網羅した単語帳などを使って学習し、語彙力を強化しましょう。
【具体的な学習方法】
- TOEIC®頻出単語帳を活用し、計画的に単語を覚える
- TOEIC®対策アプリなどを使って、隙間時間を利用して継続的に学習する
- 英単語の意味を暗記するだけでなく、その単語を使った例文も一緒に覚える
単語の意味だけでなく、文脈の中での使われ方も理解しておきましょう。
3.問題集・練習問題を繰り返し解く
Part5の問題には、頻出パターンがあります。
問題集などを繰り返し解くことで「見たことがある」と感じる問題が増え、正答率が上がりやすくなります。
【具体的な学習方法】
- TOEIC®対策用の問題集を使って、繰り返し問題を解く
- 正解の問題は正解の理由を、間違えた問題はなぜ間違えたのかを分析する
- 時間を計って問題を解き、時間配分の感覚を養う
単に問題を解くだけでなく、「なぜこの答えが正解なのか」を考える習慣をつけることが重要です。
不正解の場合は解説をしっかり読み、間違えた理由を理解するようにしましょう。
TOEIC®Part5は時間配分がカギ!解答時間を短縮する2つのコツ
TOEIC®Part5では、限られた時間内に多くの問題を解く必要があります。時間配分が、高得点を取るためのカギとなります。
解答時間を短縮するコツは、次の2つです。
- 問題タイプを見極める
- 解答時間は1問15秒~20秒
1つずつ解説します。
問題タイプを見極める
解答時間を短縮するためには、問題タイプを見極められるようになりましょう。
TOEIC®Part5の問題には、品詞問題、語彙問題、文法問題の3つのタイプがあります。
▼問題タイプの見極め方
品詞問題 | 選択肢に異なる品詞(名詞、動詞、形容詞、副詞など)が含まれている |
語彙問題 | 選択肢の品詞は同じだが意味が異なる単語が並んでいる 似たような意味の単語が並んでいる 熟語やイディオムの一部を選ぶようになっている |
文法問題 | 時制、動詞の活用、関係詞などの文法規則が問われている |
前述したように問題タイプによって解き方が異なります。
問題タイプを素早く見極めることで、解答へのアプローチを素早く判断でき、解答時間を短縮できるでしょう。
解答時間は1問15秒~20秒
TOEIC®Part5の解答時間を短縮するためには、時間管理も大切です。
30問を10分で解くには、1問あたりの解答時間は20秒が目安です。
15秒で解けた場合、Part5の解答は7分30秒で終わり、他のパートにより多くの時間を割けます。
Part5は知識を問う問題が多いため、時間をかけても正解率が上がるとは限りません。
全問正答にこだわりすぎず、難しい問題は素早く判断して先に進める勇気も必要です。
効果的な練習方法として、ストップウォッチを使いながら問題集を解くことをおすすめします。
実際の試験でのスピード感を体得でき、繰り返し練習することで、目標時間の10分以内に解けるようになるでしょう。
TOEIC®Part5対策におすすめの勉強方法
TOEIC®Part5の対策には、さまざまな教材や学習ツールを活用することが効果的です。
ここでは、とくにおすすめの勉強方法を3つ紹介します。
公式の問題集・参考書
公式の問題集や参考書は、実際の試験問題に近い形式と難易度で学習できるため、TOEIC®受験を考えている方にぜひ使っていただきたい教材です。
Part 5を含むリーディングセクションに特化した教材もあり、効果的な学習が可能です。
【おすすめの活用法】
- 公式問題集を繰り返し解く
- 解説をしっかり読み、なぜその答えが正解なのかを理解する
- 間違えた問題や迷った問題は、原因を分析し重点的に学習する
- 時間を計って解くことで、本番の時間感覚を養う
- スキャナーなどを使って問題集をPDF化し、スマートフォンやタブレットで外出先でも学習する
問題形式は変更されることもあるため、問題集や参考書は最新のものを選ぶようにしましょう。
TOEIC®対策アプリ
スマートフォンやタブレットを使ったTOEIC®対策アプリは、隙間時間を有効活用できる便利なツールです。
TOEIC®公式教材アプリのほか、TOEIC®対策に特化したアプリは数多くあります。
自分に必要な機能があるアプリを選んで継続して学習をしましょう。
【おすすめのアプリ機能】
- 単語帳機能:頻出単語を効率的に学習できる
- 問題演習機能:さまざまな難易度の問題に挑戦できる
- 進捗管理機能:自分の学習状況を可視化できる
- 音声機能:リスニング力も同時に鍛えられる
TOEIC®対策アプリを利用して、通勤・通学時間や休憩時間などの短い時間を利用して継続的に学習することで、着実に力をつけていきましょう。
スタディング TOEIC®TEST 対策講座は、TOEIC®満点講師による分かりやすい動画講座と充実した問題演習で短期間でスコアアップを目指すオンライン講座です。
Part5や文法に特化した対策アプリではありませんが、「読む・聞く・話す・書く」の4技能をスマートフォンで総合的に学べます。
自動ガイド機能により効率的な学習が可能で、忙しい人でも隙間時間を活用して継続的に学習を進められるのでおすすめです。
無料の練習問題サイト
インターネット上には、TOEIC®対策に役立つ無料の練習問題サイトが多数あります。
これらを活用することで、さまざまな問題に触れられます。
【おすすめの活用法】
- 複数のサイトを利用して、たくさんの問題に取り組む
- 解説が充実しているサイトを選んで、英語力をつける
- 問題の傾向や問題を解くテクニックについての情報を得る
- 継続的に利用して、学習習慣を身につける
無料サイトの問題は、実際のTOEICテストの難易度や出題傾向と異なる可能性もあります。
教育機関や有名な英語学習サイトなど、信頼性の高いサイトを選びましょう。
まとめ
文法力と語彙力が試されるTOEIC®Part5の攻略法について解説しました。
- TOEIC®Part5は、リーディングセクションの最初のパートで、短文穴埋め問題が30問
- 時間配分の目安は約10分である
- TOEIC®Part5は、品詞問題、語彙問題、文法問題の3パターン
- TOEIC®Part5の正答率を上げるポイントは、基礎英語力の向上、語彙力の強化、継続的な問題演習の3つ
- TOEIC®Part5は、問題タイプの素早く見極め、1問あたり15~20秒での解答を目指す
- TOEIC®Part5対策には、公式問題集、TOEIC®対策アプリ、無料練習問題サイトなどの活用がおすすめ
Part5の学習を通じて得た文法力や語彙力は、TOEIC®の他のパートにも生かせます。
今回ご紹介した具体的な対策を参考にし、総合的なスコアアップを目指しましょう。