
TOEIC®300点の英語力は超初心者レベルであり、このスコアでは英語ができるアピールにはなりません。
現在300点の人は、自分の今の英語力を理解し、スコアアップに向けた勉強をはじめてみてはいかがでしょうか。
この記事では、現在TOEIC®300点レベルの人に向けて、TOEIC®300点の英語レベルや次の目標スコア、スコアアップに必要な勉強時間・勉強法などを紹介します。
TOEIC®300点の英語レベルはどのくらい?
まずTOEIC®300点の英語レベルについて解説します。
TOEIC®300点の具体的な英語力や、受験者の中での位置づけなどを確認していきましょう。
TOEIC®300点の英語力は超初心者レベル
TOEIC®300点は、英語学習を始めたばかりの超初心者レベルに位置づけられます。
一般的に、中学卒業程度の英語力がTOEIC®400点相当です。300点はそれを下回るスコアなので、英語学習の土台を作り始めている段階と言えるでしょう。
TOEIC®︎主催団体のIIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)では、「TOEIC®スコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表」を公開しています。
この相関表によると、TOEIC®300点は「通常会話で最低限のコミュニケーションができる」レベルとなっています。
ゆっくり話してもらう、くり返しや言い換えをしてもらうなど、相手に特別な配慮をしてもらえれば意思疎通が可能です。
【参考】IIBC「TOEIC®スコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表」
TOEIC®300点は英検準2級相当
TOEIC®300点は英検(実用英語技能検定)準2級に相当します。
TOEIC®と英検を単純に比較することはできないため、TOEIC®300点が英検何級に相当するか確認するには「CEFR(セファール)」という指標を使います。
TOEIC®300点はCEFRではA2レベルであり、A2レベルは英検の準2級相当です。
英検準2級は高校中級レベルなので、超初心者レベルであるTOEIC®300点と同レベルということに違和感を覚える人もいるでしょう。
TOEIC®と英検では試験方法が異なります。
一般的にTOEIC®と言われるTOEIC®L&Rはリスニングとリーディングのみの試験であるのに対し、英検はライティングやスピーキングも含む試験です。
測れる能力が異なるため、正確に換算することは容易ではありません。
加えて、TOEIC®と英検では出題傾向や実施目的なども異なります。
TOEIC®と英検との換算は目安のひとつとして捉えてください。
TOEIC®300点は平均スコアの半分
TOEIC®のスコアは実施回による差が生まれないように、一貫した評価基準で算出されているため、平均スコアは600点前後で推移しています。
2023年度の平均スコアは612点で、TOEIC®300点は平均スコアのおよそ半分にあたります。
受験者全体のスコア分布(2023年度)から見ると、295点未満の人の割合は下位約3%です。
345点未満の人でも下位6%程度なので、受験者の中でのTOEIC®300点の英語レベルは「低い」と言えます。
ただし、TOEIC®300点は英語学習のスタートラインであり、これからの努力次第で大きな伸びが期待できるスコアでもあります。
計画的に学習を進め、少しずつステップアップしていきましょう。

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TOEIC®300点の人が次に目指すべきスコアは500点!その理由とは
TOEIC®300点の人におすすめする次の目標スコアは500点です。
具体的な目標を持つことは、勉強のモチベーションアップにもつながります。
大学生と社会人、それぞれの立場で500点を目指すべき理由を見ていきましょう。
大学生の場合
大学生にとってTOEIC®のスコアは、就職活動におけるアピールポイントとなります。
一般的に、就職活動で評価されるTOEIC®スコアは600点とされています。
しかしIIBCの調査によると、企業が新入社員に期待する平均スコアは535点であることから、これに近い500点程度あれば基礎的な英語力があることをアピールできるでしょう。
TOEIC®500点は、業務上でも限られた範囲であれば英語でコミュニケーションが取れるレベルです。
多くの企業が、英語での簡単な意思疎通ができる能力を求めているので、TOEIC®300点の次のレベルとして500点を目指してみてください。
ただし、人気業界や外資系企業、英語を頻繁に使う業務では、600点以上のスコアが求められる場合も多いです。
そのような企業に就職したい場合は、段階的にスコアを上げていく必要があるでしょう。
社会人の場合
社会人の場合も、300点の次は500点を目標とすることをおすすめします。
IIBCによる調査では、中途採用で企業が転職者に求めるTOEIC®の平均スコアは560点でした。
転職活動においても600点以上がアピールの目安とされていますが、履歴書に書いてよいスコアに決まりはありません。
500点台であっても英語学習に対する意欲をアピールでき、企業に好印象を与えられることもあるでしょう。
また、キャリアアップにおいても、TOEIC®のスコアの重要性は高まっています。
実際、TOEIC®のスコアを昇進・昇格や海外出張者選抜の参考基準とする企業も少なくありません。
300点の次のステップとして500点を目指し、さらなる高得点を目指す前の足がかりとしてみてはいかがでしょうか。
履歴書で英語力のアピールになるスコアの目安については、こちらの記事も参考にしてください。

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TOEIC®300点から500点へ!勉強時間の目安
TOEIC®300点から500点へのスコアアップには、勉強時間の確保が欠かせません。
一般的に、TOEIC®スコアを100点上げるために必要な勉強時間は、200~300時間とされています。
また、現在のスコアから目標スコアまでの学習時間の目安については、Oxford University Pressから出されている資料の中にも示されています。
それによると、350点から550点を目指す場合の勉強時間は約450時間です。
300点から500点へのスコアアップにも同じくらいの時間がかかると考えると、1日2時間の勉強で約7カ月半かかる計算になります。
半年間で達成したい場合は1日2.5時間程度なので、効率よく時間を使えば、社会人でも勉強時間を確保できるでしょう。
一方、これを1カ月で達成しようとすると1日15時間もの時間が必要なため、現実的ではありません。
TOEIC®対策には短期集中ではなく、コツコツと積み重ねる学習が大切です。
毎日の学習を継続することにより、英語力が定着し目標スコアへ近づけるでしょう。
TOEIC®300点から500点へ!おさえておきたい英語学習のポイント5選
TOEIC®300点から500点を目指すには、どのような学習法が有効なのでしょうか。
ここでは、英語学習時におさえておきたい5つのポイントを解説します。
- 単語力を強化する
- 中学レベルの英文法を習得する
- リスニングの練習をする
- TOEIC®テストへの理解を深める
- スキマ時間を有効活用する
それぞれ確認していきましょう。
単語力を強化する
TOEIC®300点から500点を目指すうえでは、単語力の強化が欠かせません。
リスニングでもリーディングでも、単語の意味が分からなければ、文章の内容や質問を理解するのは難しいです。
英語力のベースとなる単語力をしっかりと身につけることが必要です。
TOEIC®500点を目指す場合、習得すべき単語数は4,000語程度と言われています。中学校で学ぶ基本的な英単語から始めて、約4,000語の習得を目指しましょう。
単語の意味だけでなく、使われる場面や発音も意識して覚えるのがおすすめです。
複数の意味を持つ単語も多いです。くり返し復習して記憶を定着させていきましょう。
中学レベルの英文法を習得する
TOEIC®では、中学レベルの基本的な英文法がよく出題されます。
たとえば、中学で習う「時制」は出題されやすい項目のひとつです。
とくにPart5やPart6では出題が多く、文章全体を理解できなくても、時制をおさえておけば解ける問題もあります。
基本的な文法知識を身につけることで、スコアアップにも直結するでしょう。
限られた試験時間内でより多くの文章を理解するためにも、基本的な英文法の習得は必須です。
中学レベルの英文法が完璧であれば、500点以上のスコアもねらえるでしょう。
TOEIC®でよく出題される中学レベルの英文法については、こちらの記事も参考にしてください。

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リスニングの練習をする
ある程度、単語と文法の基礎固めができたら、リスニングの練習にも取り組みましょう。
TOEIC®300点台の人のなかには、普段英語を聞く機会があまりないという人もいるでしょう。そのような人はまず英語の音に慣れることが必要です。
最初は短いフレーズや簡単な会話文から始めると負担が少なく、取り組みやすいでしょう。
おすすめの方法は、音声を聞いた後に真似して声に出すトレーニングです。
リピーティングとよばれる学習方法で、発音やリズムを声に出すことで英語の音を学べます。
このような練習を通じて発音やリズムに慣れれば、聞き取りの精度を高められるでしょう。
TOEIC®テストへの理解を深める
TOEIC®300点から500点を目指すには、TOEIC®テストへの理解を深めることも重要です。
TOEIC®はリスニングとリーディングの2セクションに分かれており、それぞれ4つのパートで構成されています。
各パートの出題形式や解答テクニックを知ることで、効率的に問題を解けるようになります。
たとえば、リスニングセクションでは音声が一度しか流れません。
これを知っていれば、内容を一度で把握することを意識した練習ができ、本番でも落ち着いて対応できるでしょう。
また、リーディングセクションでは、75分間に100問の問題を解かなければなりません。
パートごとの問題の特徴を知っておくことで、解答する問題の優先順位づけや時間配分を適切に行えます。
模擬試験や問題集を活用して、実際の試験形式に慣れておきましょう。
スキマ時間を有効活用する
TOEIC®500点を目指すには、スキマ時間を有効活用することもポイントです。
多忙な社会人や学生にとって、まとまった学習時間を確保するのは難しいかもしれません。
しかし、通勤・通学の時間、昼休み、就寝前など、日常のスキマ時間を積み重ねれば、ある程度の学習時間を確保できます。
こうした時間を活用することで、学習効果を高めることが可能です。
1日のスキマ時間を使って英単語をくり返し見直せば、記憶の定着が期待できます。
また、継続的な学習習慣が身につくことも、スキマ時間を活用するメリットです。
まとまった勉強時間を確保しようと思うと、スケジュール調整が必要かもしれませんが、スキマ時間であれば気負わずに取り組めます。
忙しいときでも、スキマ時間をうまく活用することで学習を続けやすくなるでしょう。
TOEIC®300点から500点へ!教材選びのポイント
TOEIC®でスコアアップするには、教材選びも大きく影響します。
TOEIC®300点から500点を目指したい人は、初級者に適した教材を選ぶことがポイントです。
ここからは「問題集・参考書」「単語帳」「アプリ」の3つの教材の選び方を解説します。
自分に合った教材を使って、スコアアップを実現させましょう。
問題集・参考書
問題集や参考書を選ぶ場合は、TOEIC®公式のものがおすすめです。
実際の試験問題が再現されているため、TOEIC®のテスト形式や出題傾向を把握できます。
TOEIC®300点からのスコアアップを目指す人には、初級者向けの「公式TOEIC® Listening & Reading 500+」という教材があります。
初級者でも無理なく取り組める内容で、基礎をしっかり固めることができるので、チェックしてみてください。
公式以外の教材を使用する場合も、TOEIC®の問題に即したものを選ぶことが大切です。
なお、TOEIC®は問題形式が変更されることもあるため、教材選びの際には最新のものを選ぶようにしましょう。
【参考】IIBC「公式TOEIC Listening & Reading 500+」
単語帳
単語帳は効率的に単語を学べる教材です。
単語力は英語力のベースであり、300点レベルの人にとって単語の習得はスコアアップの鍵です。
単語帳を選ぶ際は、初級者向けで、TOEIC®頻出単語が収録されたものを選びましょう。
単語の意味だけでなく例文が掲載されているものを選ぶと、実際のテストでも応用しやすいです。
なかにはCDや音声データがついている単語帳もあります。
意味と同時に正しい発音を覚えることができるため、リスニング対策としても役立ちます。
単語帳はスキマ時間に活用しやすいように、持ち運びに便利な軽くてコンパクトなものを選ぶとよいでしょう。
アプリ
場所や時間を選ばずに使えるアプリなら、スキマ時間を有効活用できます。
アプリを選ぶ際のポイントは、TOEIC®対策に特化したものを選ぶことです。
問題形式や出題傾向が再現されているアプリを選ぶと、TOEIC®テストの特徴を理解するのにも役立つでしょう。
単語学習やリスニング練習ができる機能を備えたものや、AIが英語力を判定して最適なカリキュラムを提案してくれるものなど、さまざまなアプリがあります。
アプリではありませんが、スタディング TOEIC® TEST対策講座はスマートフォンだけで学習を進められるサービスとしておすすめです。
わかりやすい動画講座や問題演習、模擬試験などの充実した内容で、短期間でスコアアップを目指せます。
まとめ
今回はTOEIC®300点の英語レベルや、スコアアップのための学習法について紹介しました。
ポイントは以下の通りです。
- TOEIC®300点は平均スコアの約半分で、英語力は超初心者レベル。相手の配慮があれば、英語で最低限のコミュニケーションが可能
- TOEIC®300点の次の目標として500点を目指そう
- TOEIC®300点から500点を目指すには、約450時間の勉強が必要
- TOEIC®300点から500点へスコアアップするには、単語や英文法の基礎を固めて、リスニング練習をしよう。テストの理解を深めることやスキマ時間の活用もポイント
- 参考書・問題集、単語帳、アプリなどの教材は、TOEIC®︎に特化した初級者向けのものを選ぼう
この記事で紹介した学習法や教材選びのポイントを参考に、スコアアップを目指して学習を進めてください。