司法試験の受験資格に、年齢制限はありません。
このため、高校生でも定年退職をした人でも受験資格を得ることは可能です。
例えば令和4年(2022年)の司法試験では、合格者の最年少は18歳、最高齢は68歳となっています。
なお司法試験に年齢制限はありませんが、受験資格を得るには、(1)司法試験予備試験(以下、予備試験)に合格する、あるいは(2)法科大学院を修了する(または修了見込みとなる)必要があります。
新司法試験が始まった平成18年(2006年)以降の最年少合格者は、18歳3カ月とされています。
なおこの方は、高校3年生の段階で予備試験に合格して、司法試験の受験資格を取得しています。
下記の表は、近年の司法試験における最年少合格者の年齢です。
▼司法試験における最年少合格者の年齢
試験年 | 合格時の年齢 |
令和4(2022) | 18歳 |
令和3(2021) | 18歳 |
令和2(2020) | 20歳 |
令和元(2019) | 20歳 |
平成30(2018) | 19歳 |
平成29(2017) | 21歳 |
平成28(2016) | 21歳 |
平成27(2015) | 21歳 |
平成26年(2014) | 22歳 |
平成25年(2013) | 20歳 |
【参考】法務省「司法試験の結果について」の各年の「総合評価」
最年少合格者の年齢は18〜22歳程度で推移していますが、こうした若い年齢で合格できる人は非常に稀です。
最年少レベルの年齢で合格するには、高校生か大学1〜2年のうちに予備試験に合格して受験資格を得なければなりません。
新司法試験が始まった平成18年(2006年)以降の最高齢合格者は、71歳とされています。
以下の表のとおり、最高齢合格者の年齢は60代後半が多い傾向です。
下記の表は、近年の司法試験における最高齢合格者の年齢です。
▼司法試験における最高齢合格者の年齢
試験年 | 合格時の年齢 |
令和4(2022) | 68歳 |
令和3(2021) | 69歳 |
令和2(2020) | 69歳 |
令和元(2019) | 65歳 |
平成30(2018) | 68歳 |
平成29(2017) | 71歳 |
平成28(2016) | 66歳 |
平成27(2015) | 68歳 |
平成26年(2014) | 65歳 |
平成25年(2013) | 57歳 |
【参考】法務省「司法試験の結果について」の各年の「総合評価」
高齢で合格する方の多くは、働きながらもしくは退職後に勉強をして、予備試験に合格したり、法科大学院に入学したりすることで受験資格を取得しています。
2011(平成23)年から始まった予備試験の合格者については、最年少は17歳、最高齢は67歳です。
これまでの合格者の年齢を見てみると、毎年最年少は17〜20歳、最高齢はおおむね60代となっています。
【参考】法務省「司法試験予備試験の結果について」>各年の「口述試験(最終結果)」
ここからは、司法試験合格者の平均年齢や平均受験回数について解説します。
合格者はどれくらいの年齢の人が多いのか、何回目の受験で合格しているのか、参考にしてみてください。
司法試験合格者の平均年齢は28~29歳程度となっています。
これは受験生の大半が、法科大学院を卒業して受験資格を取得した25~26歳の大学院卒業生であることが影響していると考えられます。
▼司法試験における合格者の平均年齢
試験年 | 合格者の平均年齢 |
令和4(2022) | 28.3歳 |
令和3(2021) | 28.3歳 |
令和2(2020) | 28.4歳 |
令和元(2019) | 28.9歳 |
平成30(2018) | 28.8歳 |
平成29(2017) | 28.8歳 |
平成28(2016) | 28.3歳 |
平成27(2015) | 29.1歳 |
平成26年(2014) | 28.2歳 |
平成25年(2013) | 28.4歳 |
ここからは少し視点を変えて、合格者の年齢ではなく受験回数を見てみましょう。
下のグラフのとおり、司法試験は1回目の受験で合格している人が最も多い傾向です。
▼司法試験合格者の受験回数
【参考】法務省「司法試験の結果について」(各年の「総合評価」)
司法試験は短答式試験と論文式試験で構成されていて、配点は論文式試験のほうが圧倒的に高く、論文の出来が合格を左右します。
そして高得点を取るために必要なのは、知識の量よりも正しい答案の書き方です。
同じ内容でも、読みやすく分かりやすい答案のほうが、相対評価で高得点となるのです。
1回目で不合格となった受験者は、実際は論文の書き方が悪かった可能性のほうが高い傾向にあるのですが、受験者本人は「不合格の要因は知識不足だ」ととらえがちです。
そのため翌年以降にインプットの学習を重視して、本当に重要な論文の書き方の改善ができていない人も少なくありません。
結果として、2回目以降も答案の書き方が改善できていないままの受験生が多く、1年目以上に合格率が低下する傾向にあるのです。
【あわせて読みたい】司法試験は受験回数制限あり!何回で受かる?もし5回落ちたら?
前述のとおり、司法試験には年齢制限がないため何歳からでも合格を目指して挑戦できます。
受験するからには誰もが「なるべく短期で合格したい」「早く法曹として活躍したい」と考えるのではないでしょうか。
ここからは司法試験に早く合格するための勉強のコツについて解説します。
最初にお伝えしておきたいのは「まずは予備試験対策から始めましょう」ということです。
司法試験の受験資格を得るには、予備試験ルートと法科大学院ルートがあり、その試験制度は非常に複雑です。
試験のために勉強しなければならない内容も非常に多いため、進路や試験対策について悩み、勉強の開始が遅れる人もいます。
しかし、司法試験に短期で合格できた人の多くは、早い段階で予備試験の対策を始めています。
予備試験は、司法試験や法科大学院の入試(既修者)よりも難易度が高い試験です。そのため予備試験のための勉強は、最終的にどんな進路を選んだ場合でも役に立つのです。
早くから予備試験対策ができていれば、結果として司法試験合格の時期も早まるでしょう。
司法試験に短期で合格できた人の多くは、法律基本7科目の対策に集中して取り組んでいます。
なぜなら、予備試験・司法試験において最も多く重複している試験科目だからです。
法律基本7科目は配点の割合も高いため、しっかり対策をしておけば得点率も大幅に上げられる可能性が高いと言えるでしょう。
受験生の中には、勉強を始める前から法律実務基礎科目や口述試験などの対策を気にしている人もいます。
しかし、実務基礎科目は基本7科目の応用と考えて、まずは法律基本7科目に取り組むのがおすすめです。
まずは、予備試験の短答式試験が確実に突破できるレベルの知識を身につけましょう。
なお口述試験対策は、論文式試験を突破できてからで十分間に合います。
司法試験に短期で合格できた人の多くは、早い段階で問題演習を始めています。
予備試験・司法試験は「出題範囲の知識をとにかく暗記しておけば合格できる」というレベルの試験ではありません。
最も難しいのは、問題を解き、的確な答案を書くことです。
短期合格を目指すなら、早めに問題演習を始めて、知識にない問題を解いたり答案を書いたりするスキルを身につけるのが重要です。
そのため、知識のインプットは短期間で終わらせて、繰り返し復習をしましょう。
実際に短期で合格している人は、知識が十分でないうちから問題演習中心の学習に移行しています。
今回は、司法試験合格者の年齢や受験回数、早く合格するための勉強方法のコツなどをご紹介してきました。
「スタディング 司法試験・予備試験講座」では、インプットは必要最小限にとどめ、早めに問題演習に移行できるカリキュラムで短期合格を目指せます。
ご自分の知識レベルやライフスタイルにあった学習方法をとりいれて、まずは予備試験対策から始めてみてください。
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