【記事一覧】司法試験・予備試験の勉強法は?科目の順番・勉強時間も解説

「忙しくて時間がなくても司法試験・予備試験に合格したい!」というあなたへ。

短期合格者の勉強法を徹底的に研究したスタディングが、司法試験・予備試験の勉強法に関して発信してきた記事をまとめました。

勉強時間、科目の順番、短答・論文ぞれぞれの対策法を解説します。

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司法試験・予備試験の勉強時間は?独学で合格できる?

司法試験・予備試験に興味を抱いた人がまず気になるのは、「どれくらい勉強すればいいのか」「独学でも合格できるのか」という点ではないでしょうか。

はじめに、勉強時間と独学の難易度について解説しましょう。

司法試験・予備試験の勉強時間は?

司法試験・予備試験の合格に必要な勉強時間について、目安を立てるとすれば、次のようになります。

▼予備試験・司法試験(本試験)の勉強時間の目安

予備試験司法試験(本試験)合計
一般的な勉強法6,000〜8,000時間1,800〜2,000時間7,800〜1万時間
短期合格者の勉強法3,000〜5,000時間1,500時間4,500〜5,600時間

上記はあくまで目安です。実際は学習経験などによる個人差が非常に大きく、「これだけ勉強すれば合格できる」というラインはありません。

ただし「勉強時間を短くする方法」は確実に存在します。これは短期合格者が共通して実践している勉強法であり、すべての受験生が再現可能な方法です。

詳しくはこちらの記事で解説しています。

司法試験・予備試験は独学で合格できる?

司法試験・予備試験に独学で合格することは、かなり難易度が高いでしょう。理由は次の3つです。

教材選びが難しい

法律を初めて学ぶ人は、とりあえず分厚く情報量の多いテキストや講座数の多いスクールなどを選び、学習の進捗が悪くなってしまうことが少なくありません。

「わかる」と「解ける」の間に大きな壁がある

法学は奥が深く、知的好奇心にまかせていくらでもインプットができてしまいます。独学者が自力で壁を乗り越えるのは非常に難しいと言えます。

時間内に書く・点数を稼ぐ技術の習得が難しい

学習して知識が増えると論述も長くなりがちで、時間内に論じきれず「途中答案」となってしまいます。ポイントをおさえてコンパクトに論じるスキルを一人で身につけるのは難しいでしょう。

このような点で独学は難易度が高いため、多くの合格者は予備校や通信講座などを利用しています。

インプット量を必要最小限に絞ること、問題を解く練習に早く移行することなどを重視して、勉強方法を選びましょう。

司法試験・予備試験 勉強する科目の順番は?

司法試験・予備試験の勉強をスタートするにあたり、どの科目から着手すべきか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?

そこで、スタディング司法試験・予備試験講座の講師を務める漆原照大氏が、おすすめの科目の順番について解説します。

講師紹介

弁護士 漆原照大
漆原法律事務所 代表弁護士/スタディング司法試験・予備試験講座 講師

埼玉県庁で働きながら弁護士を目指し、2020年に司法試験に合格。自身の受験経験から、忙しい社会人が合格するには「完璧な答案」よりも「現実的な合格答案」を書く必要性に気づき、受験生に知識とテクニックを伝えるため講座開発に参画。「スタディング 司法試験・予備試験講座」2025年版より「論文対策講座・予備試験実践編」の一部を担当。

>>プロフィール・メッセージ

勉強する科目の順番に「正解」はない

まず、どの科目から勉強を始めるかということについて、正解はありません。

興味が持てる科目から始めても良いですし、カリキュラムなどの順番通り憲法から始めてもまったく問題ありません。

しかし、法律をまったく勉強したことがない場合は「少しでも取り組みやすい順番で勉強したい」と考える方も多いでしょう。そこで、私が考えるおすすめの順番を紹介したいと思います。

勉強する科目の順番
  1. 刑法
  2. 民法
  3. 商法
  4. 刑事訴訟法
  5. その他の科目

このほか、選択科目や実務基礎科目についても解説しています。では1つずつ見ていきましょう。

科目の順番 1.刑法

まずは刑法です。刑法はニュースやテレビなどで触れる機会が多くあり、私たちにとって最も身近な法律と言えるでしょう。

イメージがしやすく条文の数も多くないため、初めて勉強する方にとって取り組みやすい科目です。

また、刑法では「構成要件→違法性→有責性」という決められた枠の中で検討していきます。答案を書く際の基本的な型が身に付くという点でも、最初に学んでおきたい科目です。

なお、刑法総論は理論的な問題が多いので、各論→総論の順で行うとより進めやすいでしょう。

科目の順番 2.民法

2番目は民法です。民法は条文が1000条を超え、範囲もとても広い科目です。

「民法を制する者は司法試験を制する」という言葉もあるように、合否を左右する重要な科目と言ってよいでしょう。

また、民法はあらゆる法律の基本となる法律であり、商法、民事訴訟法といった他の科目の土台となる科目でもあります。

なお、民法は総則、物権法、債権法、家族法という順番で構成されていますが、必ずしも総則から始める必要はありません。

総則は民法全体の横断的な理解が必要となる分野であるため、物権から始め、最後に総則を学習するという方もいらっしゃいます。

科目の順番 3.商法

3番目は商法です。商法は商法と会社法から成り、会社法が出題の多くを占めます。

会社法は民法に次いで条文数が多く、範囲も広いです。しかし、商法・会社法は出題される範囲が限られていることから、比較的勉強がしやすい科目といえます。

直前で民法を学習していることから、民法で学習した基本法理などの考え方を応用して、スムーズに取り組むことができると思います。

科目の順番 4.刑事訴訟法

4番目は刑事訴訟法です。刑事訴訟法は、捜査、証拠、公判から成る、刑事手続全般について定めた法律です。

刑法と同様に初学者の方でもイメージがしやすく、他の科目に比べて暗記すべき範囲が狭いため、学習がしやすい科目といえます。

ただし、刑事訴訟法などの手続法は実体法(民法や刑法など)に比べて面白味に欠けるところがあるので、ある程度法律に対する耐性が付いた段階で着手すべきであると考え、この位置づけにしました。

科目の順番 5.その他の科目

刑事訴訟法の次からは特に、順番を気にする必要はありません。興味の持てる科目から取り組みましょう。

選択科目や実務基礎科目について

選択科目や実務基礎科目は、法律基本7科目の学習が一通り済んでから行うことをおすすめします。

特に実務基礎科目は、民法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法の基本的な知識があることが前提となっているため、受験の前年末までに学習を終えていれば十分でしょう。

短答式試験の勉強法は?

司法試験・予備試験の受験勉強全体では、論文式試験の対策が中心となり、短答式試験の準備に使える時間はそう多くありません。試験の特徴や合格ラインをよく理解し、効率的に対策する必要があります。

【予備試験】短答式試験の勉強法

予備試験における短答・論文・口述試験対策の時間配分は、下記の円グラフのとおりです。

基本的には論文式試験の対策が中心となり、短答式試験の対策は全体の2〜3割程度とするのがよいでしょう。

短答式試験は、出題科目が法律科目だけでも7科目と非常に多く、出題範囲もかなり広範にわたります。演習を毎日繰り返し、間違った問題は復習をして知識を定着させることが重要です。

一般教養のための特別な対策は不要で、配点割合の高い法律科目の対策に集中しましょう。

詳しくはこちらの記事で解説しています。

【司法試験】短答式試験の勉強法

司法試験全体の配点割合は「短答:論文=1:8」となっています。

つまり合否の鍵を握るのは配点が圧倒的に高い論文式試験であり、受験勉強はどうしても論文対策が中心になるでしょう。

しかし、短答式試験で最低ラインを超えなければ論文式試験の採点に進めません。短答式試験の対策もおろそかにしないようにしましょう。科目別のポイントは次のとおりです。

民法

条文や判例から幅広く出題されます。条文の知識のほとんどは短答式でしか出題されない、いわゆる「短答プロパー」の知識です。論理問題(法律の知識というより、論理操作だけで解ける問題のこと)や学説に関する問題は少なめです。

憲法

憲法の短答学習の中心は判例の読み込みによる内在的理解の獲得となります。条文学習については、制度や関係する学説の比較などを行うとよいでしょう。

刑法

民法が条文に比重を、憲法が判例に比重を、それぞれ置いているのに対し、刑法はその半々といったところです。判例知識の問題は、「条文解釈→規範→あてはめ」という事案の処理の流れに沿った学習をしていれば解けるような素直な問題が多いと言えます。

詳しくはこちらの記事で解説しています。

論文式試験の勉強法は?

続いて、論文式試験についてです。繰り返しになりますが、司法試験・予備試験対策は論文式試験の対策が中心となります。

【予備試験】論文式試験の勉強法

合格率の数字から、合格者を「上位20%の成績優秀者」だとイメージする人もいるかもしれません。

しかし実際は全科目で「平均の答案」が書ければ、全体で合格点を超えることが可能です。こう聞くと、合格をぐっと近くに感じられるのではないでしょうか。

全科目で平均の答案を書けるようになるには、苦手科目を作らず、受験生なら誰もが知っている常識的な知識を正確に身につける必要があります。

そしてどんな問題が出題されても答案を手堅くまとめるスキルを身に着けることも意識しましょう。

詳しくはこちらの記事で解説しています。

【司法試験】論文式試験の勉強法

勉強を始めたばかりの段階では、そもそも論文を書くことに対して心理的ハードルを感じるでしょう。

そこで、まずは参考となる問題及び答案を用意し、参考答案を書き写すことから始めてみましょう。答案がどのように構成されているのかを分析することができ、答案のイメージを掴めます。

また、自分で論文を書いてみる際は、内容面では次のようなポイントがあります。

  • 設問に答える
  • 条文を必ず明記する
  • 事実関係を豊富に拾い、評価をする
  • 法的三段論法を意識する

詳しくはこちらの記事で解説しています。

論文式試験の選択科目の選び方

司法試験論文式試験では、1日目に選択科目の試験が実施されます。科目選択の成功のポイントは次の2つです。

興味が持てる内容で選ぶ

予備試験・司法試験はそれなりに長期間の勉強をすることになりますから、興味が持てない科目を長期間勉強することは非常に辛いと思います。

そのため、まずは興味が持てる内容かどうかを判断するために、該当分野の入門書(比較的薄いもの)などに目を通してみると良いでしょう。

試験対策のしやすさで選ぶ

受験勉強においては、どうしても法律基本7科目の対策に時間をとられるため、選択科目は極力負担が少ないものを選ぶという方法もあります。

このほか、受験者数の多い科目を選べば、学習教材・受験情報が充実していたり、模試での現在位置を把握しやすかったりするというメリットがあります。

論文式試験の選択科目の選び方については、詳しくはこちらの記事で解説しています。

論文式試験の解答用紙の使い方

論文式試験における答案の書き方・勉強方法のポイントは次のとおりです。

  • 不慣れな時期はルールを緩めて練習する
  • 不慣れな時期でも分量制限は緩めない
  • 最終的には本番同様のスタイルを目指す
  • 項目立て(ナンバリング)をする
  • 答案作成上の注意点を理解しておく

詳しくはこちらの記事で解説しています。

【Q&A】司法試験・予備試験の勉強法に関するよくある質問

最後に、司法試験・予備試験の勉強をしていく中で受験生が悩みやすい、次のような点にもふれておきます。

  • 採点実感の活用方法
  • パソコン受験(CBT方式)について

1つずつ見ていきましょう。

司法試験の採点実感はどう活用すればいい?

司法試験の採点実感の文章は1年分だけでもかなりのボリュームがあり、効率的な活用法について悩んでいる受験生も多いのではないでしょうか。

採点実感を得点アップに役立てるには、次の3つがポイントです。

  • 採点の方針を確認する
  • 合格に必要なレベルを把握する
  • 形式面をチェックする

詳しくはこちらの記事で解説しています。

司法試験はパソコン受験(CBT方式)でどう変わる?

法務省は、令和8年(2026年)から司法試験の短答式試験と論文試験の両方にパソコン受験(CBT方式)を導入することを目指しています。実施方法については未定の部分も多いですが、次のような事項は決まっています。

▼パソコンの持ち込みは不可
あらかじめ司法試験委員会(法務省)が会場に用意した端末で解答することが想定されています。

▼自宅からの受験は不可
試験は会場に集合する形式で実施されます。受験者が個別に自宅などからインターネットに接続して試験を受ける、というタイプにはならない予定です。

▼プレテスト(模擬試験)が実施予定
試験版・体験版がホームページ等で提供される予定です。

詳しくはこちらの記事で解説しています。

【あわせて読みたい】司法試験のパソコン受験は令和8(2026)から!どう変わる?対策は?(近日公開)

まとめ

今回は、司法試験・予備試験の勉強法について解説しました。

スマホで学べるオンライン通信講座の「スタディング 司法試験・予備試験講座」は、独学でも論文式試験の合格レベルの答案が書けるようになる学習ツールです。

三段論法を中心とする基本的な書き方から学べるので、法律を初めて学ぶ人も安心してスタートできます。論文対策講座は無料で体験できるので、ぜひチェックしてみてください。