司法試験合格のため、どこの法科大学院に行くべきでしょうか。合格率で見る法科大学院ランキングをよく目にしますが、他にはどういった要素で法科大学院を選べばよいでしょうか。 | |
大学院を選ぶ上で、合格率にこだわりすぎるのは、実はあまりお勧めできません。合格するもしないも自分次第だからです。 合格率、交通の便、学習環境の整備度、教員の質、奨学金の充実度などから、ご自身がもっとも勉強しやすいと思う法科大学院を選びましょう。この記事では、法科大学院を選ぶ上で重要な5つのポイントをお伝えします。 |
司法試験に自分が合格するためにどこのロースクールに進学すべきか考えたとき、真っ先に気になるのはやっぱり合格者数ですよね。
後述する予備試験合格者を除けば、合格者数ランキングは以下の表のようになります。
順位 | 法科大学院名 | 合格者数 |
1 | 京都大法科大学院 | 188人 |
2 | 東京大法科大学院 | 186人 |
3 | 慶應義塾大法科大学院 | 186人 |
3 | 早稲田大法科大学院 | 174人 |
5 | 一橋大法科大学院 | 121人 |
この通り、大規模な大学院が続きます。
しかし、これらの大学は大規模な分、もともとの受験者数が多いので、その分不合格となってしまった受験生も多いということになります。
そこで、法科大学院の「合格させる力」を見るためには、合格者数より合格率に着目した方がよいということになります。合格率順にランキングを組みなおした場合、合格者数では上位5箇所に入らない大学院がランクインします。
順位 | 法科大学院名 | 合格率 (対受験者数) |
合格者数 | 受験者数 |
1 | 京都大法科大学院 | 68.4% | 188人 | 275人 |
2 | 一橋大法科大学院 | 67.2% | 121人 | 180人 |
3 | 慶應義塾大法科大学院 | 60.0% | 186人 | 310人 |
4 | 東京大法科大学院 | 59.1% | 186人 | 315人 |
5 | 神戸大法科大学院 | 48.6% | 71人 | 146人 |
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このようにランキングを合格者数順から合格率順に組みなおしてもなお、上位には東京大や慶應義塾大といった有名大学が並びます。では、これら国立大学や都内の有名私立大学でないと司法試験には合格しないのでしょうか。
結論から言えば、そのようなことはありません。たとえば愛知大法科大学院は地方の私立学校ですが、受験者数こそ少ないものの、合格率66.67%という数値を出しています。
こうした大学からの合格者の体験記(※1)などを読んでみると、その大学院の制度や設備を上手に活用したことなどが、合格の決め手になったようです。
あなたが合格するための法科大学院選びに本当に必要なのは、あなたがその大学院の制度や設備を上手に活用できるかどうかにかかっています。
具体的には、法科大学院選びで押さえるべきは以下の5つのポイントではないでしょうか?
法科大学院は専門職大学院であり、修了のためには毎学期末の試験を受けて単位を認定してもらう必要があります。
この単位認定要件が非常に厳格な大学院が多く、出席日数が一定数に満たなければ単位認定のための試験すら受けさせてくれず、即留年というところもあります。
そのため、あなたの住まいから大学まで、あるいは大学最寄り駅から大学までの距離は、実は重要な考慮要素です。
たとえば中央大学法科大学院のある市ヶ谷キャンパスなどは、地下鉄の駅から徒歩3分と非常にアクセスが良いです。
法科大学院も、大学の中の数ある施設の1つです。そのため敷地内には他の大学生もいて、図書館や自習室などでは外が騒がしくて勉強が捗らないといった状況になることもあります。そうしたときに、他に静かな学習環境が確保できるかも重要な考慮要素になります。
たとえば、法科大学院生専用の自習室が24時間開いていたり(近畿大学法科大学院など)、図書館内に大学院生用の資料閲覧個室を設けている大学(早稲田大学など)であれば、集中力が削がれるリスクは減ります。
法科大学院で講義を行うのは、主に実務家や研究者です。一部の研究者の中には自分の専門とする分野以外にあまり関心がないという方も多く(たとえば、「ドイツの裁判制度」が専門の教授が「日本国憲法」全体の講義を受け持つ場合など)、講義を聴いて疑問が浮かび、質問に行っても満足のいく回答を得られないということがあります。
こうした事態を避けるための一つの方法としては、「法律科目全体の教科書(基本書)を書いている研究者が授業を行う法科大学院を選ぶ」というものがあります。法律全体を横断的に説明する教科書を書いている研究者の方は、幅広い見識を備えていることが多いからです。
たとえば学習院大学法科大学院は、東京大学を定年退官された研究者の方が多く在職されています。東京大学で教鞭を取られていた(取られている)研究者には法律科目全体の教科書(基本書)を執筆されている方も多く、司法試験の受験範囲全体について幅広い見識を持っています。
奨学金の制度は、各大学によって様々です。
九州各県出身者を対象に特別奨学金を給付する九州大学法科大学院のようなところもあれば、自分の大学の学部出身者を対象にした奨学金を出している専修大学法科大学院のようなところもあります。
また、司法過疎地で働くことを志す法科大学院生を対象とした、NPOの奨学金制度などもあります。※2
自分の状況に合わせて、奨学金を狙える法科大学院に行くというのも、経済的負担を和らげる意味では、重要な考慮要素の一つです。
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そうはいっても、司法試験の合格者数が減少していく昨今、法科大学院の入学者数も減っていく一方で、予備試験の受験生は年々増加しています。
そして、予備試験合格者は、司法試験にも高い合格率を誇っています。令和5年の司法試験では、327人(合格率92.63%)が合格しました。
また、予備試験ルートの合格者は、大手法律事務所への就職活動に有利との声もあり、ますます人気が上昇しています。
このように、合格する法科大学院を選ぶためには、「合格率」「交通の便」「学習環境の整備度」「教員の質」「奨学金の充実度」をおさえておくこと大事です。
また、予備試験経由での司法試験受験という別ルートもあります。ご自身の環境等と相談して、後悔しない選択をしてくださいね。
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