司法試験の論文式問題は、どのような勉強をして対策していくのが良いでしょうか? |
|
法曹三者(弁護士・検察官・裁判官)はいずれも、法律文書を書き、論証し、主張を展開することが重要な仕事です。そこで、司法試験(司法試験予備試験・法科大学院入学試験)では論文式問題が重視されています。 本記事では、司法試験論文式試験の学習方法と対策についてお伝えします。 もちろん、ご自身に合った学習と対策がある方は、そちらを優先されるのが良いかと思います。 |
まずは論文式試験の形式を含めた概要をご説明します。
司法試験 論文式試験は、7月中旬頃に行われる5日間(中日が休日のため、実質4日間)のうち、前半3日間で行われます。
出題範囲と時間配分は以下の通りです。
いわゆる新司法試験以降、問題文の長文化し、広い知識が必要な出題傾向にあります。最短での合格を目指す場合には、いかにコツを掴むかが重要です。また、早い段階で論文式試験(試験の出題方法、問われるポイント、答案のコツ)を学ぶことで、基本書や判例を読み込むような知識獲得の勉強をしながら、答案を書くための知識という観点で知識を得ようとするため、学習効率は飛躍的に上がります。
司法試験に合格する人の論文では、以下の2点が共通して意識されているように感じます。
ここからは、合格答案を目指す論文対策のコツを見ていきましょう。
まずは、論点の整理がテーマです。
多くの合格者が、意識的ないし無意識的に取り入れていることは、ごくごく一般的な書き方(三段論法)に従うことです。
毎年公表される採点実感(司法試験委員による採点講評)においても、新司法試験開始以来何度も指摘されているのです。
何度も指摘されているということは、それだけ重要なポイントと言えるでしょう。
また、多くの受験生が出来ていないことだからこそ指摘されますが、意外と独学で習得するのが難しい技術です。
新司法試験では特に問題が長文化し、論点も複数に渡ることがあります。
何について論ずるのかを「問題提起」し、その問題の「大前提となる規範」を伝え、
「事実を当てはめ」て「結論付ける」ことが、基本的な構造です。
●三段論法を活用した論証の流れ
問題提起 → 規範(大前提) → 具体的事実のあてはめ(小前提) → 結論
もちろん、提起した問題の論証のために、小問題を提起し、三段論法で結論を導き、論証していく、「入れ子構造」になることもありますが、基本的にこの4つのブロックを意識した答案が、合格答案への近道と言えます。
もっとも、基本書や判例であっても、きっちり三段論法を踏まえているとは言い難い部分があるのは事実です。優秀な受験生ほど、基本書の論述を参考に高度な論述をされる場合がありますが、実は司法試験では得点につながりづらいのです。
シンプルでメリハリのある論証が、合格答案への近道
論文作成は作文と認識されている方も少なくないですが、法律文書は国語力を問われている訳ではありません。例えば小説や英語論文などでは同じ意味の言葉を別の言葉で言い換えていくことが多いですが、法律論文では違う人が読んでも同じ意味にならなければならないため、許されません。
一つの問題から答えを論証するにあたり、優秀な人であればある程、無数に論点が浮かびます。
しかし、何度もお伝えしている通り、特に新司法試験では時間との戦いです。
論証に必要な全ての論点に触れ、または知っている論点だからこそ厚く論じたとしても、実は裏目に出てしまうことがあるのです。
例えば、「●●した"者"」の「者」が論点である場合、三段論法に則って論証すると、
とすることも可能です。
しかし、出題者が意図していない論点に触れたとしても、取捨選択する能力やセンスを疑われ、減点されるケースもあります。
もちろん「この問題では些末な論点」だけれど、「別の問題では重要な論点」というケースもあるでしょう。
重要か、些末か、見極めは実は簡単で、無料講座の中でご紹介しております。
動画をご覧頂き、ご自身の学習に役立てて下さい。
司法試験論文式問題は、時間との戦いです。
その中で、得点の可能性を上げるには、三段論法に従った書き方で、誰が読んでも論旨がわかること。もちろん記憶に頼ることも重要ですが、司法試験や司法試験予備試験程の難関資格では現場思考が重要です。
スタディング 司法試験講座では、司法試験 論文対策講座「合格答案の書き方1 書き方の概説※」として、無料で合格答案作成のコツを配信しています。
無料会員登録後ご視聴いただけます |
他の方がよく読まれている関連記事を紹介!