司法試験こそ過去問が何よりも重要な試験はない!なぜなのか?

司法試験の勉強を始めたばかりの人の中には、「本試験過去問」の重要性が今一つ分からい方もいらっしゃいます。しかし、合格が非常に厳しい司法試験だからこそ、過去の問題でその傾向と重要ポイントを見極めることが大切であると同時に、高い学習効果を生み出すメリットを活用しない手はありません。今回は、司法試験の勉強に過去問が重要な理由についてご説明します。

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過去問が重要な3つの理由

司法試験は、超がつくほどの難関試験です。出題範囲も幅広く、それぞれの法律を深く理解する必要があります。そのためのもっとも効率的かつ効果的な学習方法が、過去問対策と呼べるのです。その理由は、次の3つです。


出題ポイントが分かる

法律のプロフェッショナルを輩出する試験だけに、幅広い範囲から問題が出されます。とはいえ、出題範囲が広くても現実的には出題ポイントは限られてきます。数あるテーマの中から、とくに重要だと思われる部分が選ばれ、試験に出題されるのです。

過去問は、その名のとおり、過去試験で登場した問題。能力を判定するための試験問題が、重要でないわけがありません。その重要な部分はどこか?これをみるには過去問を解くのが一番はやいでしょう。

確かに、過去に出題された問題がそのまま同じかたちで出ることはありません。しかし、過去の問題文を読めば、法律の重要ポイント、出題者の意図、押さえておくべき部分が見えてきます。これらを知って勉強するのと、知らないで勉強するのとでは、勉強の方向性や効率の面でも大きく違うでしょう。


過去問は、「プロ中のプロ」が作成している

司法試験の論文式の問題は、「司法試験考査委員」と呼ばれる組織が作成しています。これは、裁判官、弁護士、大学教授など30人くらいで構成されるメンバーで、1年かけてたった1問を作成するといわれます。法律のプロフェッショナルたちが一堂に会し、知恵を絞り合って生み出された問題と、受験者たちは向き合うことになるのです。

過去問より予想問題を重視して試験対策を進める受験者もいます。その予想問題は予備校や塾の講師たちの手によるもので、彼らも司法試験に合格していますが、しかし、やはり超一流のプロフェッショナルである司法試験考査委員が作る問題と比較しますと出題のクオリティではどうしても及びません。

司法試験ならではの練られた出題意図や独特のひねりが効いた設問等、本番に即した実力を磨くには過去問にあたるしかありません。過去に出題された論文問題の価値は、作成過程を考えてもかなり高いといえます。考査委員会が作成した問題に取りかかることは、自分の実力を見極めるうえでも貴重な体験になるでしょう。


教材を選ぶ必要がない

過去問対策は、過去に出題された問題を解くのがメインです。そのため、特別な学習スケジュールを組んだり、テキスト選びに迷ったりするなどの手間はありません。過去に出題された試験問題を解くという、極めてシンプルなものです。しかも、過去問は書店からでも、インターネットからでも手軽に入手可能。好きなときに好きなタイミングではじめられるところも、過去問学習のメリットです。

1回分の過去問を何度でも解く反復学習で、高い効果が期待できます。複数のテキスト内容をカバーする勉強方法より、過去問の問題集1冊を徹底的にマスターする学習のほうが、より深い理解につながるでしょう。限られた時間の中で効率的に学習する意味でも、過去問対策は有効です。


「同じ問題は出ないから重要じゃない」は間違い

過去問に触れることは、さまざまな意味でメリットがあります。実際に向き合う試験問題は過去のものと別ものとはいえ、同じエッセンスが凝縮されているわけです。

たとえばボクシングの試合でも、かならず本番前に相手の選手の過去試合をチェックするでしょう。当然、相手が変わればまったく同じ試合展開になることはありません。しかし、その選手の攻撃パターンや防御の仕方、クセなどの特徴を見極めるうえで、過去の試合は最適の材料になるからこそ、本番前にチェックするのです。ボクシングの試合でこのプロセスが重要であるのと同じく、司法試験対策においても過去問への取り組みは外せないタスクです。

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