予備試験の一般教養科目の対策は不要?

予備試験の一般教養科目の対策は時間の無駄!と言われることが多いですが、その理由を試験制度や合否判定の仕組みに即して解説します。

予備試験は法曹(裁判官、検察官、弁護士)になるための試験なのに、なぜ一般教養科目があるのでしょうか?

試験制度上、法科大学院ルートで司法試験を受験する方とバランスをとるためです。


予備試験に合格すると法科大学院修了者と同じように司法試験の受験資格が与えられます。

法科大学院は原則として大学卒業者でないと入学できません。

他方で予備試験は大学卒業者でなくても受験可能で、実際、高校生も受験しています。

そこで、予備試験では一般教養科目を課し「大学卒業程度の一般教養」の有無を判定することで、法科大学院修了者とバランスをとっているわけです。




予備試験の一般教養科目はどんな問題?難易度は?

大学卒業程度の一般教養を試すために、短答式(マークシート)と論文式の両方で出題されます。


短答式試験

試験形式 5肢択一形式
試験時間 90分
出題範囲 人文科学、社会科学、自然科学、英語
出題問数 40問程度
★2017年試験 合計42問
・人文科学18問
・社会科学7問
・自然科学18問
・英語6問

解答

出題40問程度の中から、20問を自由に選択して解答

解答用紙のマークシートには問題ごとに「選択欄」と「解答欄」があります。

自分が選んだ問題20問分にいては、「選択欄」にもマークをします。

「選択欄」にマークしないと「解答欄」にマークがあっても一切採点されないので注意してください。

また、20問を超えて選択欄にマークした場合は、問題番号が小さい方から数えて20問分だけが、有効な選択がなされた解答とみなされて採点されます。

配点

1問3点の全20問60点満点

2017年の試験結果では、一般教養科目の平均点は24.5点でした。

2018年の試験結果では、一般教養科目の平均点は27.9点でした。

配点割合 短答式試験全科目の合計満点は270点ですから22.2%となります。

対策の難易度

予備試験を受験された方や合格者に受験された感想をお聞きしたところ、「歴史や数学をはじめ大学入試レベルの知識で解ける問題もあり、大学受験を終えたばかりの大学1、2年生は有利」という声や社会人でも「英語が得意な人は英語で点数が稼げる」といった声をよく聞きます。

他方で、時事的な問題や社会常識を問う出題もあり、一般の社会人の方でも、試験対策の準備を特にしていなくても十分に解ける問題も用意されており、大学生や英語を仕事で使用する社会人といった一部の受験者のみが有利にならないように配慮されているとの評価もあります。

このような予備試験の一般教養科目のように、出題範囲が事実上無制限であり内容も多岐に渡る試験科目については、何をどこまでやれば効果が上がるかが不明なため、有効な対策は打ちにくいと言われます。

また、仮に英語や数学、歴史等、特定の分野に絞って地道な対策を行ったとしても、その分野をもともと得意とする受験生に今から対策を行って打ち勝つには試験対策リソース(勉強時間や書籍、スクールにかかる費用等)を多く使う必要があります。

しかしながら、短答式試験は法律科目だけでも7科目もあり、配点割合も法律科目が77.8%と圧倒的に多く、受験戦略上、一般教養科目に対策のリソースを多く割くことは、そのコストパフォーマンスを考えると妥当ではありません。

まとめ 一般教養科目の短答式試験は有効な対策がなく、時間をかけても効果があまり見込めず、そもそも対策のリソースを多く割けない。


論文式試験

試験形式 論述式
試験時間 1時間
出題範囲

人文科学、社会科学、自然科学

短答式と異なり英語は出題されません。

「思考力、分析力、表現力等を判定できる出題をすることとし、専ら知識の有無を問う出題はしない」

出題問数

1問

与えられた文章を読解し、設問1では指示に従った文章の要約を、設問2では文章の題意に沿った具体例を挙げての論述をそれぞれ求められます。

各設問で求められる論述量は15行から20行程度です。

なお、解答用紙には罫線しかありません。

1行あたり何文字書くかは人により異なりますが、多くの受験生は概ね23文字から27文字程度で書いているようです。

配点 50点満点
なお、論文式試験については試験科目別の平均点は公表されておりません。
配点割合 論文式試験全科目の合計満点は500点ですから10%となります。

対策の難易度

出題形式がほぼ確立しており過去問を検討することで論述の書き方を予め把握しておくことができます。

また、知識が全く必要とされていないので、インプットのために時間を割く必要がありません。

ただし、短答式試験と同様、論文式試験も法律科目試験の配点割合が圧倒的に高いです。法律基本7科目と法律実務基礎2科目を合わせると、その配点割合は論文式試験全体の90%を占めます。一般教養科目に対策のリソースを多く割くのは受験戦略上は得策ではありません。

まとめ 一般教養科目の論文式試験は対策が立てやすいが、事前に準備できることは限られ、対策のリソースを多く割くのは得策ではない。




予備試験の一般教養の対策は不要なのでしょうか?

一般教養科目の対策は法律科目と比べると費用対効果が圧倒的に悪いといえます。対策のリソースの全てを法律科目に注ぎ、法律科目の得点を伸ばす方が合格がぐっと近づきます。


短答式試験は法律科目で8割を取れれば一般教養は0点でも合格できる。

予備試験が2011年に初めて実施されてから、2018年までの過去8年間において、短答式試験の合格点は最低の160点から最高で170点の幅に収まっています。

法律科目の合計満点は210点ですから、法律科目で8割を取れれば168点になります。

合格点が最も高い年でも一般教養で20問中1問(3点)を正当すれば171点で合格点はクリアできます。

実際には、一般教養は5肢択一の出題形式のため、目をつぶって機械的に選択した20問のすべての解答欄で同じ解答番号をマークすれば、3問から4問すなわち9点から12点は取れる可能性が高いです。

また誰でも42問のうち2,3問は答えが分かる問題があるのが通常ですので、特に対策はしなくても18点は取れるのが通常です。

そうだとすると、法律科目で152点つまり7割3分を取れればよいことになります。

そして、法律科目で7割3分をとることはさほど難しくないと言われています。

なぜならば法律科目は過去問から毎年繰り返し出題されるところが確立しており対策が立てやすいからです。

日頃から過去問を繰り返し解き、問われた知識のみならず、周辺知識や関連条文も丁寧に確認する学習を行っていれば、確実に7割5分は取れるようになります。

「短答は法律科目で8割を取る」を目標にして日頃から丁寧に条文を読み込む勉強を続ければ、短答式試験後の論文式試験でも答案上で条文を丁寧に適示して論じることができるようになります。そのような学習態度は、短答のみならず論文の得点も大いに伸ばすことにつながり、最終合格に一層近づきます。


論文式試験は市販の過去問集で出題パターンと参考答案で文章要約と具体例の論じ方を確認しておけば十分。

知識が全く問われないので、そもそも事前準備としてのインプットは不要です。

答案の書き方もパターン化しており、複雑な論述は求められておらず、市販の解答例付きの過去問集でシンプルな書き方を確認しておけば十分対応できます。

具体例等を挙げることが求められることもありますが、日頃から常識的な範囲としてニュースや時事問題を押さえておけば十分です。


※参照:司法試験予備試験の実施に関する司法試験委員会決定等

合否を分けるのは、
勉強の「量」ではなく
「やり方
」の差

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