予備試験・司法試験の合格点は?何割で合格できる?

司法試験と司法試験予備試験(以下、予備試験)では各試験や総合点の合格点が公表されています。

この記事では、過去の試験結果から合格点の推移や合格に必要な得点率について解説します。
目次 Contents

予備試験・司法試験の合格点は?何割で合格できる?


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予備試験の合格点の推移

予備試験の流れ


こちらは予備試験の各試験(短答、論文、口述)の合格点の推移をまとめた表です。


▼予備試験の合格点の推移

試験年 短答 論文 口述
令和6(2024) 165点
令和5(2023) 168点 245点 119点
令和4(2022) 159点 255点 119点
令和3(2021) 162点 240点 119点
令和2(2020) 156点 230点 119点
令和元(2019) 162点 230点 119点
平成30(2018) 160点 240点 119点
平成29(2017) 160点 245点 119点
平成28(2016) 165点 245点 119点
平成27(2015) 170点 235点 119点
平成26(2014) 170点 210点 119点
平成25(2013) 170点 210点 119点
平成24(2012) 165点 230点 119点
平成23(2011) 165点 245点 119点

【参考】法務省「司法試験予備試験の結果について」>各年の「短答式試験結果」「論文式試験結果」「口述試験結果」


ここからは各試験の概要(試験時間、問題数、配点)や、合格点、得点率、平均点を見ていきましょう。


【予備試験】短答式試験

▼試験時間・問題数・配点

科目 試験時間 問題数 配点
民法 1時間30分 10問〜15問程度 30点
商法 10問〜15問程度 30点
民事訴訟法 10問〜15問程度 30点
憲法 1時間 10問〜15問程度 30点
行政法 10問〜15問程度 30点
刑法 1時間 10問〜15問程度 30点
刑事訴訟法 10問〜15問程度 30点
一般教養科目 1時間30分 20問

(40問程度の出題から自由に選択)

60点
合計 5時間 90〜120問程度 270点

【参考】法務省「司法試験予備試験の試験時間について」「司法試験予備試験の実施方針について」


▼予備試験短答式試験の合格点・得点率・平均点

試験実施年 合格点 合格点の得点率 合格者の平均点 全体の平均点
令和6(2024) 165点 61.11% 181.1点 129.2点
令和5(2023) 168点 62.22% 183.4点 134.5点
令和4(2022) 159点 58.89% 175.0点 127.9点
令和3(2021) 162点 60.00% 178.7点 132.0点
令和2(2020) 156点 57.78% 173.7点 128.8点
令和元(2019) 162点 60.00% 177.0点 133.8点
平成30(2018) 160点 59.26% 177.7点 131.1点
平成29(2017) 160点 59.26% 174.9点 130.0点
平成28(2016) 165点 61.11% 181.5点 134.6点
平成27(2015) 170点 62.96% 187.5点 138.7点
平成26(2014) 170点 62.96% 185.7点 137.3点
平成25(2013) 170点 62.96% 185.3点 139.5点
平成24(2012) 165点 61.11% 184.1点 134.7点
平成23(2011) 165点 61.11% 184.7点 130.7点

【参考】法務省「司法試験予備試験の結果について」>各年の「短答式試験結果」


予備試験の短答式試験はマークシート式で、判例や条文に関する知識を問われる試験です。

マークシートの選択肢は基本的に5択ですが、憲法・行政法は問題ごとに2択から8択の幅があります。


試験の概要は下記のとおりです。

  • 試験日程:7月中旬の1日
  • 受験資格:特になし
  • 合格すると:当年の論文式試験の受験資格付与
  • その他:科目別合格制度や合格者の翌年試験免除等は一切なし

なお、予備試験の短答式試験と司法試験の短答式試験は、毎年同じ日のほぼ同じ時間帯に実施されます。

司法試験と予備試験の一部科目で同一の問題が出題されるからです。


予備試験短答式試験の合格点は例年160点前後〜170点程度、合格点の得点率6割前後で推移しています。

おおむね6割以上がとれたら合格できると考えてよいでしょう。

なお、合格率は20%程度です。


【予備試験】論文式試験

▼試験時間・問題数・配点

科目 試験時間 問題数 配点 
憲法 2時間20分 1問 50点
行政法 1問 50点
刑法 2時間20分 1問 50点
刑事訴訟法 1問 50点
選択科目(※1) 1時間10分 1問 50点
法律実務基礎科目

(民事・刑事)

3時間 2問 1問50点

(計100点)

民法 3時間30分 1問 50点
商法 1問 50点
民事訴訟法 1問 50点
合計 12時間20分 10問 500点

※1: 選択科目は、倒産法、租税法、経済法、知的財産法、労働法、環境法、国際関係法(公法系または私法系)から1科目を選択。

【参考】法務省「司法試験予備試験の試験時間について」「司法試験予備試験の実施方針について」


▼予備試験論文式試験の合格点・得点率・平均点

試験実施年 合格点 全体の平均点 最高点 最低点
令和5(2023) 245点 201.95点 363.40点 1.26点
令和4(2022) 255点 210.45点 360.73点 6.95点
令和3(2021) 240点 197.54点 351.14点 11.31点
令和2(2020) 230点 192.16点 358.94点 28.72点
令和元(2019) 230点 191.58点 333.22点 23.58点
平成30(2018) 240点 200.76点 332.82点 31.96点
平成29(2017) 245点 208.23点 335.45点 23.20点
平成28(2016) 245点 205.62点 331.89点 9.36点
平成27(2015) 235点 199.73点 325.61点 41.24点
平成26(2014) 210点 177.80点 318.23点 48.70点
平成25(2013) 210点 175.53点 312.03点 19.26点
平成24(2012) 230点 190.20点 308.52点 67.59点
平成23(2011) 245点 195.82点 302.68点 57.64点

【参考】法務省「司法試験予備試験の結果について」>各年の「論文式試験結果」


予備試験の論文式試験は、文章を記述して解答する論述形式の試験です。


試験の概要は下記のとおりです。

  • 試験日程:9月中旬頃の2日間
  • 受験資格:短答式試験の合格者
  • 合格すると:当年の口述試験の受験資格付与
  • その他:科目別合格制度や合格者の翌年試験免除等は一切無し

予備試験論文式試験の合格点は例年210点〜250点台で推移しています。

得点としては、260点程度がとれたら合格できると考えてよいでしょう。


【予備試験】口述試験

▼予備試験口述試験の合格点・受験者数・合格者数・合格率

試験実施年 合格点 受験者数 合格者数 合格率
令和5(2023) 119点 487人 479人 98.36%
令和4(2022) 119点 481人 472人 98.13%
令和3(2021) 119点 476人 467人 98.11%
令和2(2020) 119点 462人 442人 95.67%
令和元(2019) 119点 494人 476人 96.36%
平成30(2018) 119点 456人 433人 94.96%
平成29(2017) 119点 469人 444人 94.67%
平成28(2016) 119点 429人 405人 94.41%
平成27(2015) 119点 427人 394人 92.27%
平成26(2014) 119点 391人 356人 91.05%
平成25(2013) 119点 379人 351人 92.61%
平成24(2012) 119点 233人 219人 93.99%
平成23(2011) 119点 122人 116人 95.08%

【参考】法務省「司法試験予備試験の結果について」>各年の「口述試験結果」


予備試験の口述試験は、口頭で回答をする面接形式の試験です。


試験の概要は下記のとおりです。

  • 試験日程:短答式試験・論文式試験が実施された年の翌年1月下旬の2日間
  • 受験資格:論文式試験の合格者
  • 合格すると:司法試験の受験資格付与(予備試験合格後の最初の4月1日を起算日として、5年を経過するまでの期間有効)

上記の表のとおり、予備試験口述試験の合格点は毎年119点で固定されています。

合格率は毎年90%以上で推移しており、非常に高い傾向です。


司法試験の合格点の推移

司法試験の流れ


次に司法試験の合格点について見ていきましょう。


▼司法試験の合格点の推移

試験年 短答の合格点 総合点の合格点
令和6(2024) 93点
令和5(2023) 99点 770点
令和4(2022) 96点 750点
令和3(2021) 99点 755点
令和2(2020) 93点 780点
令和元(2019) 108点 810点
平成30(2018) 108点 805点
平成29(2017) 108点 800点
平成28(2016) 114点 880点
平成27(2015) 114点 835点


ここからは各試験の概要(試験時間、問題数、配点)や、合格点、得点率、平均点を見ていきます。


【司法試験】短答式試験

▼試験時間・問題数・配点

科目 試験時間 問題数 配点  最低ライン
民法 1時間15分 36問程度 75点 30点
憲法 50分 20問程度 50点 20点
刑法 50分 20問程度 50点 20点
合計 2時間55分 76〜77問 175点

【参考】法務省「令和6年司法試験受験案内」「司法試験の方式・内容等の在り方について」


▼司法試験短答式試験の合格点・得点率・平均点 

試験実施年 合格点 合格点の得点率 合格者の平均点 全体の平均点
令和6(2024) 93点 53.14% 120.3点 112.1点
令和5(2023) 99点 56.57% 126.1点 118.3点
令和4(2022) 96点 54.86% 123.3点 115.7点
令和3(2021) 99点 56.57% 126.4点 117.3点
令和2(2020) 93点 53.14% 118.1点 109.1点
令和元(2019) 108点 61.71% 129.3点 119.3点
平成30(2018) 108点 61.71% 128.1点 116.8点
平成29(2017) 108点 61.71% 125.4点 113.8点
平成28(2016) 114点 65.14% 133.2点 120.0点
平成27(2015) 114点 65.14% 133.6点 120.7点


司法試験の短答式試験は、予備試験と同じくマークシート式で、判例や条文に関する知識を問われる試験です。

予備試験よりも司法試験のほうが科目数が少なく、試験時間も短くなっています。


試験の概要は下記のとおりです。

  • 試験日程:7月中旬頃の1日
  • 受験資格:法科大学院修了者(もしくは一定の要件を満たした修了見込の者)、予備試験合格者
  • その他:全員が短答式試験と論文式試験を受験できるが、短答で最低ラインを下回ると論文は採点してもらえない

短答式試験の最低ラインは、上記の表のとおり各科目20点または30点となっています。

また、合格点90点台〜110点台、合格点の得点率5割強〜7割弱で推移しています

おおむね7割程度がとれたら合格できると考えてよいでしょう。


【司法試験】論文式試験

▼試験時間・問題数・配点

科目試験時間問題数配点 
選択科目(※2)3時間2問1問50点

(計100点)

公法系(憲法)2時間1問100点
公法系(行政法)2時間1問100点
民事系(民法)2時間1問100点
民事系(商法)2時間1問100点
民事系(民事訴訟法)2時間1問100点
刑事系(刑法)2時間1問100点
刑事系(刑事訴訟法)2時間1問100点
合計17時間9問800点

※2:選択科目は、倒産法、租税法、経済法、知的財産法、労働法、環境法、国際関係法(公法系または私法系)から1科目を選択。

【参考】法務省「司法試験の方式・内容等の在り方について」「司法試験の仕組み」


▼司法試験の総合点の合格点・平均点と論文式試験の平均点

試験年 総合点の合格点 総合点の平均点 論文式試験の平均点
令和5(2023) 770点 813.28点 392.01点
令和4(2022) 750点 802.22点 387.16点
令和3(2021) 755点 794.07点 380.77点
令和2(2020) 780点 807.56点 393.50点
令和元(2019) 810点 810.44点 388.76点
平成30(2018) 805点 790.17点 378.08点
平成29(2017) 800点 780.74点 374.04点
平成28(2016) 880点 829.52点 397.67点
平成27(2015) 835点 793.16点 376.51点
平成26(2014) 770点 751.16点 359.16点
平成25(2013) 780点 760.20点 361.62点
平成24(2012) 780点 761.08点 363.54点
平成23(2011) 765点 738.91点 353.05点
平成22(2010) 775点 744.00点 353.80点
平成21(2009) 785点 767.04点 367.10点
平成20(2008) 940点 930.64点 378.21点
平成19(2007) 925点 941.69点 393.91点
平成18(2006) 915点 951.46点 404.06点

※「論文式試験の平均点」は総合評価対象者(短答式試験の最低ラインをクリアした人)の平均点。


司法試験の論文式試験は、予備試験と同じく文章を記述して解答する論述形式の試験です。

短答式試験と同じく、論文式試験も司法試験のほうが科目数が少なく、試験時間も短くなっています。


試験の概要は下記のとおりです。

  • 試験日程:7月中旬頃の3日間(休みが中1日入るため期間としては合計4日間)
  • 受験資格:短答式試験と同様

上記の表のとおり、総合点の合格点700点台後半〜900点台前半で推移しています。

司法試験の総合評価は、以下の手順で行われます。

  1. 短答式試験の全科目で最低ラインをクリア
  2. 短答式試験の合計得点でその年の合格点をクリア
  3. 短答式試験合格者の論文式試験を採点
  4. 論文式試験の全科目で最低ラインをクリア
  5. 以下の式で算出した総合得点により、その年の総合合格最低点をクリア 総合点 = 短答式試験の得点 + ( 論文式試験の得点 ×1400/800 )

なお今の司法試験には、論文式試験自体の合格点は存在しません。

ただ総合点の合格点の推移を見ると、論文式試験で6割程度がとれたら合格点に達すると考えられるでしょう。


まとめ

この記事では、司法試験・予備試験の概要や合格点について解説してきました。

  • 予備試験短答式試験の合格点は160点前後〜170点程度
  • 予備試験論文式試験の合格点は210点〜250点台
  • 司法試験短答式試験の合格点は90点台〜110点台
  • 司法試験総合点の合格点は700点台後半〜900点台前半

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