六法全書とは?六法の種類と司法試験受験に必要な六法

            


書店で売っている六法の種類があまりに多く、どれを選べばよいか分かりません。司法試験の勉強におすすめの六法と、効果的な使い方について教えてください。
市販の六法には様々な特徴があります。ここでご紹介する情報をもとに実際に書店等で条文を読み、引き比べてみて、あなたがもっとも使いやすいと思った六法を選びましょう。また、六法は常に最新年度版を持っておくことをおすすめします。

そもそも六法って何?

六法という名のとおり、6つの法律のことを指します。一般的には、日本の法律の中で特に重要とされている、「憲法」「民法」「刑法」「商法」「民事訴訟法」「刑事訴訟法」を指しています。
市販の六法にはこれらの法律に加えて、関連する法律(民法に関連する「借地借家法」など)や関連する政省令(商法に関連する「会社法計算規則」)など、一見するとこれら6つの法律とはまったく別物にも思える法律(行政不服審査法、独占禁止法など)もたくさん載っているため、非常に分厚く、最初のうちは目当ての条文を引くのも大変です。

結局どれだけの法律が載っていればいいの?

短答式試験(予備試験を含む)

予備試験の短答式では、「憲法」「行政法」「民法」「商法」「民事訴訟法」「刑法」「刑事訴訟法」が出題され(法律以外に一般教養科目もあります)、司法試験の短答式では「憲法」「民法」「刑法」のみが出題されます。ここでいう商法は、「会社法」からの出題が大部分を占めます。
また、最初に説明した6つの法律に加えて「行政法」が出題範囲になっています。もっとも「行政法」という名前の固有の法典は存在しません。「行政手続法」「行政不服審査法」「行政事件訴訟法」「国家賠償法」など、行政に関する法律群をひと括りにして「行政法」と呼んでいるのです。6つの法律に行政法を加えたものを「基本7法」ともいいます。

なお、短答式試験の本番では、六法を参照することはできません。

論文式試験(司法試験の選択科目を含む)

論文式試験では、上記の基本7法に加え、予備試験では民事実務基礎・刑事実務基礎が、司法試験ではあらかじめ選んだ選択科目1つが、それぞれ出題されます。
基本7法でも実務基礎科目でも、「会社法施行規則」「民事訴訟規則」「刑事訴訟規則」といった法律の適用に関する細かいルールを定めた政省令や、「民事執行法」「民事保全法」といった裁判で確定した権利を実際に実現するための手続に関する法律を引かなければならないこともあります。

また、選択科目は倒産法、租税法、経済法、知的財産法、労働法、環境法、国際公法、国際私法の中から選ぶことになります。

口述式試験(予備試験のみ)

予備試験のみですが、民事実務基礎・刑事実務基礎から出題です。

このように、司法試験で実際に引かなければならない法令の種類は6つどころではありません。そのため、普段の学習からよく条文を引き、目当ての条文がすぐに見つけられるようにするトレーニングが欠かせません。

*1 司法試験の試験科目について(司法試験に関するQ&A)

*2 司法試験予備試験の科目について(司法試験予備試験に関するQ&A)

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各種六法を徹底比較!

六法全書(有斐閣)

六法といえば『六法全書』を最初にイメージされるかもしれません。しかし六法全書は800を超える数の法令を収録してお、非常に分厚いため持ち運びには不便です。また司法試験に出題されないような法令まで載っていることから、司法試験受験のために使うことはおすすめできません。同様の理由から、『模範六法』『小六法』も受験生のシェアは少ないようです。

法律家になった後であればこの六法全書を引く機会も増えるので、そのときの楽しみにとっておきましょう。

判例六法(有斐閣)

『判例六法』の特徴は、条文のすぐ後ろに関連する判例が載っていることです。普段の学習の中で条文を引くと同時に判例の知識を確認することができ、学習効率が高いことから、司法試験受験生からの人気も高いです。ただし、判例が挟み込まれている分、条文と条文の間の間隔が開いてしまっているので、目当ての条文を引く際に時間がかかってしまうという短所もあります。

判例六法Professional(有斐閣)

『判例六法Professional』は判例六法よりも多くの法令を収録したものです(判例六法が140件程度に対し、Professionalは400件程度)。あれば心強いですが、2分冊になっており、受験生が持ち運ぶのには適していません。

ポケット六法(有斐閣)

『ポケット六法』は、判例が挟み込まれていませんが、司法試験に必要な法令を過不足なく搭載しており、もっともスタンダードな六法です。価格面でも購入しやすくなっています。また、最近改正・新設されたばかりの条文は、条文番号に太い線が引いてあるため、どれが改正・新設条文なのかが一目瞭然で分かります。これは他の六法にはない特徴です。

以前のポケット六法には「準用先の条文が条文番号のみで書かれていて、どんな規定が準用されるのかが実際に引いてみないと分からない」という弱点があったのですが、近年度の版ではデイリー六法同様に準用先の条文も書かれるようになり、改善されました。

デイリー六法(三省堂)

『デイリー六法』にはポケット六法と同程度の法令が載っています。また、準用先の条文がどんな条文かを括弧書きで示してくれているので、その分だけ条文の準用関係が頭に入りやすく、司法試験の勉強に役立ちます。

ポケット六法と異なり、改正・新設条文に分かりやすい目印がないのが残念な点です。もっとも、デイリー六法もポケット六法も、改正前の条文も載せているので、どのような点が改正されたのか、比較しながら勉強することができる点は強みです。

司法試験用六法(第一法規)

『司法試験用六法』は実際の司法試験(論文式)で受験者に貸与されるものと同一のものです。実際の司法試験の感覚を普段の勉強から身につけたい方におすすめです。ただし、発売される時期が実際に司法試験で配布された翌年の4月であり、直前期の受験生にとっては1ヶ月程度しか勉強で使用できないことになります。
論文式試験を最後まで受けた受験生は実際の法文の持ち帰りを許されるので、受験した直後の知り合いに頼んで譲ってもらうという入手方法もあります。

試験直前に法改正があったらどうするの?

司法試験では試験本番日に施行されている法令に基づいて出題されます。

*3 司法試験の出題にかかる法令について(司法試験に関するQ&A)

そのため、普段の学習の段階から、法改正情報についてはある程度アンテナを張っておくことをおすすめします。たとえば、ポケット六法を使用している場合、メールサービス(「ポケ六通信」)に登録することで、刊行後の改正情報を配信してくれます。

ただし注意しなければならないのは、「公布」と「施行」は違うという点です。「公布」は成立した法律を公表して一般国民が知ることのできる状態に置くことです。官報に掲載して公布することが慣例となっています。「施行」とは実際に法律の効力を発生させることです。たとえば現在話題になっている改正民法ですが、既に「公布」はされているものの、「施行」は「公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日」とされており、改正の大きさからみて2018年の司法試験までには施行されないだろうと考えられています。

まずは1冊の六法を買い、条文を引くことに慣れよう

ここまで、六法と司法試験との関係についてご紹介してきました。
市販の六法には様々な種類があり、司法試験に向いている六法と不向きな六法があり、どれを使うかで受験勉強のパフォーマンスに差が出てしまうことは、残念ながら事実です。ここでご紹介した情報をもとに、実際に書店等で条文を読み、引き比べてみて、あなたがもっとも使いやすいと思った六法を1冊手に入れて、勉強の際に徹底的に引くことをおすすめします。

普段の学習から六法を引いていれば、引くスピードはどんどん速くなり、その分だけ試験本番で答案を書くのに割ける時間が増えるからです。


参考資料

*1 司法試験の試験科目について(司法試験に関するQ&A)

*2 司法試験予備試験の科目について(司法試験予備試験に関するQ&A)

*3 司法試験の出題にかかる法令について(司法試験に関するQ&A)

合否を分けるのは、
勉強の「量」ではなく
「やり方
」の差

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