【講師解説】社会人の予備試験・司法試験合格法!効率最大化するには?

社会人の予備試験・司法試験合格法!スキマ時間活用とタイパ重視

社会人が働きながら弁護士など法曹三者を目指す場合、法科大学院への進学は費用と時間の負担が大きいと言えます。

仕事と両立したい社会人は予備試験ルートで司法試験を目指すのがおすすめです。

難関試験になるべく早く合格するには、「スキマ時間の活用」と「タイパ重視の勉強法」が欠かせません。

この記事では、忙しい社会人でも予備試験・司法試験に合格する方法について、自身も社会人から合格を果たしたスタディング講師のアドバイスも交えて解説します。

講師

弁護士 漆原照大
漆原法律事務所 代表弁護士/スタディング司法試験・予備試験講座 講師

埼玉県庁で働きながら弁護士を目指し、2020年に司法試験に合格。自身の受験経験から、忙しい社会人が合格するには「完璧な答案」よりも「現実的な合格答案」を書く必要性に気づき、受験生に知識とテクニックを伝えるため講座開発に参画。「スタディング 司法試験・予備試験講座」2025年版より「論文対策講座・予備試験実践編」の一部を担当。

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スキマ時間で合格!
独学でも合格を目指せる
スタディング 司法試験・予備試験講座

社会人受験生が知っておきたい「時間」と「勉強方法」

社会人で司法試験・予備試験の合格を目指すには?

これから予備試験・司法試験に挑戦する社会人にとって最も気になるのは時間に関することではないでしょうか。

仕事や生活と両立しながら勉強すると合格まで何年かかるのか、毎日時間がない中で少しでもタイパ(タイムパフォーマンス)の高い勉強方法を取り入れられないか、といったことです。

これまでに多くの社会人受験生をサポートしてきた「スタディング 司法試験・予備試験講座」では、社会人受験の成功について次の2点を確信しています。

  • 社会人が合格するまでにかかる時間は個人差が大きいが、スキマ時間を活用できる人ほど多くの勉強時間を確保でき、合格に近づきやすい。
  • 短期合格者は「問題を解く学習」に早く移行することで勉強の効率を最大限まで高めている。

では、詳しく解説していきましょう。

社会人が予備試験・司法試験に合格するには何年かかる?

大前提として、予備試験や司法試験は「何年勉強すれば、何時間勉強すれば合格できる」という試験ではありません。

そのうえで目安を示すなら、下記のとおりです。

勉強時間の目安
予備試験司法試験(本試験)合計
一般的な勉強法6,000〜8,000時間1,800〜2,000時間7,800〜1万時間
短期合格者の勉強法3,000〜5,000時間1,500時間4,500〜5,600時間

社会人で仕事以外の時間をすべて勉強に使える人なら、早ければ3年程度で合格できる可能性があります。

ただ社会人の場合は「プライベートを犠牲にしていいので、とにかく短期合格したい」という人ばかりではないでしょう。

「仕事と両立したい」「家事や育児をしながら長期戦で挑戦したい」という人も一定数いるはずです。

その場合、日常生活でいかに勉強時間を確保できるかが合格までの年数に関わってきます。

社会人が1年で予備試験合格を目指すのは無謀?

一方で、「とにかく予備試験に短期合格したい!」という人もいるでしょう。社会人がわずか1年で予備試験に合格することは可能なのでしょうか?

結論から述べると、無謀と言えます。特に初めて法律を学ぶ人にとっては非現実的です。

たしかに社会人ながらわずか1年の勉強で予備試験合格を勝ち取ったという猛者もいるにはいますが、特殊なケースと考えてください。

先ほど述べた合格までの勉強時間を振り返ってみると、予備試験を突破するには、短期合格者の効率的な勉強を取り入れたとしてもトータルで3,000時間以上が目安となります。

これは1日8時間以上、1日も休まず勉強してやっと到達するボリュームです。フルタイムで働く社会人にとっては、これまでと同じように働きながら合格を目指すことは難しいでしょう。

社会人の1日の勉強スケジュール

それでは、社会人が予備試験・司法試験に合格するための勉強スケジュールはどのように考えたらよいのでしょうか。

社会人が1日の勉強時間を増やすには、スキマ時間の活用が重要です。

社会人が1日3〜4時間の勉強時間を確保する方法

社会人にとって、平日にまとまった勉強時間を確保するのは簡単ではありません。

本当に勉強時間を確保できるか、自信がない人も多いでしょう。

しかしスキマ時間を使えば、忙しい社会人でも平日に勉強時間を確保できるのです。

以下は、平日の学習スケジュール例です。

  • 通勤中:30分
  • 昼休み:15分
  • 移動時間:15分
  • 帰宅中:30分
  • 自宅:1時間30分

例えば電車通勤をしている場合、職場への行き帰りで1時間程度の勉強時間を作れそうです。

テキストや問題集を開きづらい場合もありますが、スマートフォンで動画を見たり問題を解いたりするなら場所を選ばずに勉強できます。

また昼休みや移動時間、待ち時間などといったスキマ時間も一部を勉強に使えたら、帰宅後に机に向かう負担を減らせるでしょう。

このようにスキマ時間を活用すれば平日でも1日3〜4時間の勉強時間を確保できます。

【講師アドバイス】社会人は「朝」も勉強時間に活用しよう

社会人はスキマ時間の活用が大切ですが、論文の起案など勉強内容によってはまとまった時間を確保したい場合もあるでしょう。

その際は、朝の時間を有効活用することが重要となってきます。

フルタイムで働いていると、終業後に勉強をしようと思っても「思わぬ残業が発生して勉強時間がとれなかった」「日中の仕事の疲労が蓄積していて、勉強になかなか着手できない」ということがよく起こります。

しかし、始業前は他の予定が入りにくく、体も疲れていない時間帯なので、まとまった勉強時間を確保するのに最適です。

また、通勤電車の中で論文の問題文を読み、会社近くのカフェで論文の起案を行うといったように、スキマ時間と朝の時間を併用して1つの問題に取り組むことも可能です。

本番に実力を発揮しきるためにも、朝の時間の活用は有意義です。

司法試験は午前9時30分に開始されるため、日ごろから午前中に勉強することを習慣にしておけば、試験開始時に集中力のピークを持っていく練習にもなるのです。

朝の時間とスキマ時間を上手く組み合わせることで、忙しい人でも勉強時間を確保することが可能となります。

始業前に頭を動かしておくことで、頭が冴え、執務の開始にスムーズに備えることもできるので、社会人にはおすすめです。

スキマ時間を活用できない理由

仕事で忙しくてまとまった時間がとれない人でも、上記のようなスキマ時間は探せばあるものです。

しかし、なぜ多くの人がこうしたスキマ時間を活用できていないのでしょうか。理由は2つあります。

1つは「勉強は机に向かって行うもの」という意識があるからです。

多くの人は「勉強はテキストや問題集を使い、まとまった時間に集中してやるもの」という固定観念にとらわれています。

だから、移動中などのスキマ時間に勉強するという考えにはなりにくいのです。

もう1つはスキマ時間にどうやって勉強すればいいのかわからないからです。

例えば、通勤電車で大きな問題集やテキストは広げづらいでしょう。

また、どこかに出かけていてちょっとした空き時間が発生しても、その際に教材を持っていないと勉強はできません。

そのため、スキマ時間があってもどうやって勉強すればよいかわからず、うまく活用できないのです。

スキマ時間を活用するならスタディング

「スタディング 司法試験・予備試験講座」は、忙しい方でも日々のスキマ時間で無理なく勉強できる教材とカリキュラムを用意しています。

講座の動画はスマートフォンやタブレットでも再生できるため、少しでも時間ができればいつでもどこでも勉強できます。

動画は1講座30分程度、1動画あたり5〜10分程度のため、短い空き時間でも受講可能です。

また問題集も同様にスマートフォンやタブレットで使えるため、数分の時間があれば1問解くことができます。

こうしたスキマ時間での勉強を積み重ねることで、効率よくスキルアップできるのです。

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スタディング 司法試験・予備試験講座

【講師アドバイス】忙しい社会人が学習効率を上げる方法は?

社会人受験生は、どうしても「勉強時間の確保」に目を奪われがちです。

しかしながら、社会人がどんなに時間を確保できたとしても、受験勉強に専念できるできる方に比べると、勉強時間という点ではどうしても劣ってしまいます。

そのため、少ない勉強時間でも専業受験生に負けないくらい効率を上げた勉強をする「意識」がとても大切になります。

8時間だらだらと勉強するより、3時間でも学習効率を上げて勉強する方が、学習効果は遥かに高いはずです。

学習効率を上げる方法としては、集中力を切らさないということが第一に挙げられます。勉強の妨げになるようなモノはなるべく視界に入れないようにしましょう。

特に気をつけたいのは、休憩時間のスマホです。短時間のつもりでSNSや動画サイトを開いたのに、気づけば時間を浪費してしまうことがよくあります。

気分転換にスマホを見てしまいたくなる方は、勉強中は電源を切るか鞄の中にしまうなどして、視界から消してしまいましょう。

スマホの電源を長時間オフにすることに抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、特に社会人の場合、勉強している時間は限られているので、そこまで支障は出ないでしょう。

スタディング司法試験・予備試験講座のようにスマホを使って勉強する場合は、他のアプリの通知を制限できる「集中モード」を設定しておくのがおすすめです。

誘惑を断ち切る仕組みを作ることが、勉強効率を上げるための第一歩です。

また、自宅にはマンガ、テレビ、ベッドなどスマホ以外にも誘惑が多く存在します。

自宅だと勉強できないという方は、学習環境を変えてみることをおすすめします。執務時間外に会社内施設を利用できる方は、会社で勉強するのも一案です。

このように、忙しい社会人が学習効率を上げるには、日常に存在するさまざまな誘惑を振り切って勉強に集中できる環境を自ら作り上げていくことが大切になってきます。

【講師アドバイス】忙しい社会人の勉強スケジュールの立て方は?

限られた時間の中で最大限の学習効果を上げたいのに、「今日はどの科目をやろうか」と迷ってしまうのは非常にもったいないことです。

確保した時間のすべてを勉強に費やすことが大切です。

学習効率を最大化するために、その日に勉強する科目・単元などをあらかじめ決めておくことをおすすめします。

可能であれば、1週間単位あるいは1カ月単位で勉強スケジュールを組んでおくと、途中で何を勉強しようか悩むこともなくなります。

ただし、勉強スケジュールは詳細に作りすぎず、ざっくりした予定を組むようにしましょう。

社会人受験生は、仕事の都合で当日勉強ができないという事態がどうしても生じてきます。

もし余裕のないスケジュールを組んでいると、たった1日の変更でも先々の予定まで修正しなければなりませんし、

「スケジュールをこなせなかった」という罪悪感も少なからず抱いてしまうでしょう。また、スケジュールをこなすこと(手段)が目的になってしまう危険性もあります。

勉強スケジュールは、途中で修正できるように、あくまでざっくりしたものを組んでおきましょう。

例えば、週に一度「予備日」を設けておき、その週の未消化科目の学習や復習に充てると、十分リカバリーが可能となります。

社会人がなるべく短期で合格する方法

ここまでスキマ時間の活用について述べてきましたが、ここからはタイパの高い勉強法を紹介します。

短期合格者の学習方法に共通しているのは、「問題を解く学習」を始める時期が非常に早いということです。

「わかる」と「解ける」の間にある大きな壁

まず、予備試験・司法試験の一般的な学習の流れを見てみましょう。

学習ステップ

こちらの図のとおり、合格までの学習の流れには、

【1】〜【3】:「わかる」のステップ(インプット)

【4】〜【6】:「解ける」のステップ(アウトプット)

があるのですが、「わかる」と「解ける」の間には受験生がつまずきやすい大きな壁が存在します。

「わかる」のステップは、知識をインプットするうちに知的好奇心が満たされて楽しさを感じやすいと言えます。

しかし当然ながら「わかる」だけでは予備試験・司法試験には合格できません。問題を「解ける」ようになる必要があります。

それなのに、知識を増やすことで「しっかり勉強している」と錯覚したり「楽しいからもっと知りたい」という気持ちに流されたりする受験生が多く、

知らず知らずのうちにタイパの悪い勉強法に陥ってしまいがち。これが大きな壁です。

短期合格者はアウトプット重視

短期合格者の勉強法

一方、短期合格者の多くは、大きな壁の前で停滞せず、早い段階で問題を解く学習(アウトプット)を始めています。

彼らはインプットを早めに終わらせて、問題を解いたり答案を書いたりするスキルの習得に、多くの時間を使っているのです。

予備試験・司法試験に合格するために最も難しいのは、問題を解くこと・答案を書くことです。

「解ける」ために時間を使うことが、最高のタイパを生み出す勉強法なのです。

社会人がタイパを高めるならスタディング

「スタディング 司法試験・予備試験講座」は、短期合格者の学習方法をもとに作られた講座です。

最初から合格レベルのアウトプットを意識しているので、アウトプットに必要ない無駄をそぎ落としたカリキュラムとなっています。

講座では、動画で講義を聞いて知識を得たら、すぐに問題練習ができます。

インプットをしたあと、時間をあけずにアウトプットできるので、知識が定着しやすくなるのです。

また、問題を解いたあとはわかりやすい解説が読めるため、理解が深まります。

なおスタディングの動画講義は、198時間程度で完結します。

旧来型の予備校の講義時間は500時間程度あるため、スタディングなら同じ時間で3回弱ほど繰り返し学習できるのです。

【講師アドバイス】社会人の司法試験挑戦は無謀?→実はメリットがいっぱい

社会人受験生は、専業受験生に比べて勉強時間の確保が難しいなど大変な面も多くあります。

しかし、社会で培った経験や仕事で養われる忍耐力・精神力は、司法試験・予備試験への挑戦でも大いに役立ってくれるので、メリットも多く存在します。

また、試験に合格して法曹になった後も、社会人経験があるだけでその人の「個性」や「強み」につながります。

私自身、弁護士登録後、早々に独立ができたのは、社会人としての経験があったからだと思っています。

社会人受験生であることをデメリットとして考えず、メリットもたくさんあるとポジティブな気持ちで日頃の勉強に取り組んでいただければと思います。

スタディング社会人受講生の合格体験談

合格レベルの実力が短期間で身につく「スタディング 司法試験・予備試験講座」は、多くの社会人受験生に選ばれています。

以下は、実際にスタディングを受講して、予備試験に合格した社会人の方々からいただいた体験談です。

バニラさん(予備試験合格)

コンパクトなので全体像を早くつかむことができ、すみやかに問題演習に移ることができました。

問題演習に移る際も理解度としては半分もいかない状態でしたが、その分アウトプットに早めに移行できたことで、どの知識をどのように使うのかを意識しながら勉強できるようになり良かったです。

機能面については、動画講義をダウンロードすることができたことが良いと思いました。

会社勤めであったことからも移動時間が多く、スキマ時間を有効活用していかなければならない状態でしたので、まさにうってつけの機能でした。

YR さん(予備試験合格)

仕事・育児と並行して試験勉強に取り組みました。

特に育児では想定外のことが起こりがちであっため、少しでもいいから「できるときにできるだけ」学習しようと意識し、可能な限り学習を継続できるように心掛けました。

このような状況下で、短時間で区切られているスタディングの講座はとても活用がしやすかったです。

学習フローに沿って学習すれば、どの順番で学習してけば良いのかがわかりますし、講義の内容を実際の過去問で復習・確認することにもなって良かったです。

また、論文講座では何をどこまで書けばよいのか、何を書かなくてよいのか、を学ぶことができました。

\ どんな勉強法で合格しましたか?/

【Q&A】予備試験・司法試験を目指す社会人のよくある質問

最後に、予備試験・司法試験を目指す社会人のよくある質問にお答えします。

社会人の予備試験合格率は?

令和6年(2024年)予備試験受験者のうち、有職者の受験者数(学生、無職を除いた受験者数)は5,798人でした。

このうち合格者数は95人で、合格率は1.6%となりました。

司法試験の合格率は?

令和6年(2024年)司法試験は、合格者数1,592人、合格率42.13%でした。

予備試験合格資格で受験された方の合格者数は441人で、予備試験合格者に受験資格が与えられた2012以降で、過去最高の合格者数となりました。

論文式試験の勉強方法は?

論文式試験では、すべての科目で平均的な答案を書ければ合格ラインに到達できます。

平均的な答案を書けるようになるには、すべての科目で常識的な知識を正確に身につけて、答案を手堅くまとめるスキルが必要です。

勉強方法としては、下記のステップを踏んで進めていくのがよいでしょう。

(1)三段論法を習得する
(2)各科目の論文の書き方を習得する
(3)過去問を解く

詳しくはこちらの記事で解説しています。

旧司法試験と予備試験の違いは?

かつて旧司法試験を目指していた方は、受験勉強といえば「論点と論証パターンの丸暗記+吐き出し」だったのではないでしょうか。

「暗記できない」「覚えてもどう使えばいいのかわからない」と苦労し、諦めた方も多いはずです。

しかし、現在の司法試験(予備試験+司法試験)は、出題の形式が大幅に変わりました。

旧司法試験では丸暗記ができず挫折した人が、「今の問題は圧倒的に取り組みやすい!」と感じて再挑戦する動きも出てきています。

旧司法試験と予備試験の違いや、合格するための勉強法については、現役弁護士であるスタディング講師がこちらの記事で解説しています。

まとめ

今回は社会人の予備試験・司法試験対策について解説しました。

  • 社会人の場合、仕事以外の時間をすべて勉強に充てたとして、合格まで早くて3年程度かかる
  • 社会人でもスキマ時間を活用すれば勉強時間を確保できる
  • 短期合格を目指すなら、インプットは早く終えてアウトプットを重視するのが重要

オンライン通信講座の「スタディング 司法試験・予備試験講座」では、スキマ時間にスマートフォンで学べる動画や問題集を使い、合格レベルのアウトプットを重視したカリキュラムを用意しています。

短期合格者の学習方法を取り入れた講座となっているため、法律初学者でも短期合格が目指せます。

講座は無料で体験できるので、ぜひチェックしてみてください。