
「弁護士になりたいけれど、試験勉強のモチベーションが保てない……」と悩んでいませんか?
そんなときは勉強から少し離れて、晴れて弁護士となった自分はどんな日々を送っているだろうかとイメージしてみてはいかがでしょうか。
この記事では、現役弁護士であるスタディング司法試験・予備試験講座の講師が弁護士のやりがいについて解説します。
どんな弁護士になりたいのか、どんな人生を歩みたいのかを考えるきっかけになれば幸いです。

弁護士
漆原照大
漆原法律事務所 代表弁護士/スタディング司法試験・予備試験講座 講師
埼玉県庁で働きながら弁護士を目指し、2020年に司法試験に合格。自身の受験経験から、忙しい社会人が合格するには「完璧な答案」よりも「現実的な合格答案」を書く必要性に気づき、受験生に知識とテクニックを伝えるため講座開発に参画。「スタディング 司法試験・予備試験講座」2025年版より「論文対策講座・予備試験実践編」の一部を担当。
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弁護士のやりがい(1)感謝される仕事である
弁護士に依頼するということは、少なからず困っていることがあるということです。
そのため、事件が無事に解決すると、依頼者の方から感謝の言葉をかけていただけることがよくあります。
私も、未払養育費の請求を依頼され、無事に解決ができた際、依頼者の方から
「絶対に返ってこないと思って諦めていました。先生にお願いして本当によかったと思います」
と感謝の言葉をかけていただきました。
場合によってはその人の人生を左右することもあるので、責任が重い仕事ですが、同時に解決できたときの喜びもまたひとしおです。
困っている人の役に立つことができる、それこそが弁護士にとっての一番の魅力であり、やりがいだと思います。
弁護士のやりがい(2)いろいろな働き方ができる
弁護士というと、法定での訴訟をはじめ、裁判をイメージする方は多いと思います。
しかし、弁護士の仕事は裁判だけではありません。近年では弁護士の職域はどんどん拡大しています。
法律事務所に勤めるだけでなく、民間企業の法務部や自治体に勤めるインハウスローヤー(企業内・自治体内弁護士)という働き方もとても人気です。
あるいは、私のように、法律事務所を経営しながら、同時に司法試験の講師業をするということもできます。
また、私の友人は、弁護士として働きながら、母校の大学院で助教授として、教壇に立っているそうです。
いろいろな働き方があるからこそ、さまざまな形で自己実現欲求を満たすことができ、そして自分らしいキャリア形成が可能となります。
このように、いろいろな働き方ができるというのもまた、弁護士としての大きなやりがいだと思います。
弁護士のやりがい(3)自由である
弁護士は基本的には自営業であることから、比較的時間の融通が効きます。
法律事務所に勤める場合であっても、事務所の契約形態は業務委託契約であることがほとんどであり、
雇用契約ではないので、民間の会社などと異なり、時間的な拘束を受けるということは基本的にはありません。
また、独立するとその自由度は無限大になります。育児、趣味、弁護士会の委員会活動などご自身のライフスタイルに合わせた働き方をすることができます。
そして、弁護士には定年がありません。仕事の分量なども自身でコントロールしながら、自由に、一生涯働くことができるというのもやりがいになってくるでしょう。
弁護士のやりがい(4)独立がしやすい資格である
社会人受験生は、独立したいと考えている方が多いのではないでしょうか。さまざまな資格がある中で、弁護士資格ほど独立に向いている資格はないと思います。
弁護士業務は基本的には一人でも行うことができますし、独立に必要な経費も、他の業種に比べて圧倒的に少ないので、独立のハードルが比較的低いといえます。
また、所属する弁護士会では、独立を検討している弁護士に向けた研修やサポートも手厚いので、早期に独立する弁護士も多く存在します。
私自身、独立してからより専門性を追求できるようになりました。
また、公務員時代と比べても自分で時間をコントロールできるようになったので、プライベートの時間も含めて毎日がとても充実しています。
このように、独立が比較的しやすいという点もやりがいであると思います。
【Q&A】司法試験や弁護士の仕事に関するよくある質問
最後に、司法試験の難易度、合格後の流れ、弁護士の仕事に関するよくある質問に回答します。
司法試験の難易度は?
司法試験は「法律系資格の最高峰」として知られていますが、実は「司法試験(本試験)」の合格率は30〜40%程度もあります。
難易度が高いのは、司法試験(本試験)の受験資格を得るための「予備試験」で、こちらの合格率は例年3〜4%程度となっています。

司法試験の合格率・難易度は?予備試験合格の得点率は?
司法試験は「法律系資格の最高峰」として知られていますが、実は「司法試験(本試験)」の合格率は40%程度もあります。難易度が高いのは、司法試験(本試験)の受験…
司法試験は「法律系資格の最高峰」として知られていますが、実は…
司法試験に合格したあと弁護士になるには?
司法試験に合格できたら、次に司法修習へと進み、法律実務を学びます。
司法修習では、法律のプロを養成するための本格的なカリキュラムを受けます。約1年をかけて、実務スキルとともに高い職業意識や倫理観を身につけるのです。
司法修習を修了したら、次は司法修習生考試(通称:二回試験)を受験します。この試験に合格することで、弁護士・判事・検察官の資格を取得できるのです。
二回試験に合格したら、入会先地域の弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録請求をします。
その後、各弁護士会および日弁連による資格審査会の議決を経て、登録の可否が判断されます。弁護士登録が認められれば、晴れて弁護士として活動開始です。

司法試験合格後、弁護士になるには?司法修習の流れ・独立の開業…
弁護士の業務は多種多様ですが、特に登録してすぐ独立した弁護士は国選刑事事件や一般民事事件への従事が多い傾向にあります。開業費用は弁護士会費などの関係で他士業…
弁護士の業務は多種多様ですが、特に登録してすぐ独立した弁護士…
弁護士資格があれば弁理士や税理士になれるって本当?
法律系資格の頂点に位置する弁護士。弁護士法第3条に「すべての法律事務を職務とする」とあることから、さまざまな士業業務との掛け持ちが可能です。
この中に、知的財産の専門家である弁理士や、税務の専門家である税理士も含まれています。
弁理士は日本弁理士会、税理士は日本税理士会連合会への登録申請が必要です。

司法試験に免除制度はある?弁護士と他の士業の掛け持ちは?
司法試験や予備試験には、試験免除や科目免除の制度はありません。ただし、司法試験を突破して弁護士になれば、司法書士などさまざまな士業の業務について、資格を取得…
司法試験や予備試験には、試験免除や科目免除の制度はありません…
まとめ
今回は、現役弁護士であるスタディング講師が、弁護士のやりがいについて解説しました。
- 困っている依頼者の役に立ち、感謝される仕事である
- インハウスローヤー、司法試験講座の講師、大学院の助教授など、多様な働き方の選択肢がある
- 働く時間・仕事量の自由が効く
- 独立しやすい
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