予備試験の合格率は?なぜ予備試験合格者は司法試験合格率が高い?

司法試験予備試験(以下、予備試験)の合格は、司法試験の受験資格を得る方法の1つです。

予備試験の合格率はわずか3〜4%程度と非常に低いですが、実はその後の司法試験において予備試験合格者は圧倒的な強さを見せています。

この記事では予備試験の合格率と、予備試験合格者の司法試験合格率が高い理由を解説します。

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クエスチョンマーク 36歳の会社員です。毎日片道1時間半の通勤で毎日会社に通っています。しかし中学生の頃からの夢だった弁護士を諦めきれず、司法試験を受験しようと思っています。金銭的な蓄えは少しあるので法科大学院に進むことも考えていますが、やはり予備試験ルートよりも合格しにくいでしょうか?また、今からでも予備試験の対策は間に合うでしょうか?
アンサーマーク 司法試験の合格率を考えるなら、圧倒的に予備試験ルートが有利です。予備試験の合格には年単位での集中的な対策を要しますが、自分の学習スタイルに合った予備校を選ぶなどすれば、短期合格が不可能ということはないです。



予備試験の合格率は3〜4%程度

予備試験の流れ


司法試験予備試験は「短答式試験」→「論文式試験」→「口述試験」の3段階で実施され、最終合格率は例年3~4%前後で推移しています。

各試験の合格率と最終合格率は下記のとおりです。


▼司法試験予備試験の合格率

試験実施年 短答 論文 口述 最終
令和5(2023) 20.01% 19.01% 98.36% 3.58%
令和4(2022) 21.75% 17.85% 98.13% 3.63%
令和3(2021) 23.24% 18.19% 98.11% 3.99%
令和2(2020) 23.84% 19.02% 95.67% 4.17%
令和元(2019) 22.89% 19.15% 96.36% 4.04%
平成30(2018) 23.90% 17.99% 94.96% 3.89%
平成29(2017) 21.40% 21.32% 94.67% 4.13%
平成28(2016) 23.23% 18.44% 94.41% 3.88%
平成27(2015) 22.20% 19.38% 92.27% 3.81%
平成26(2014) 19.50% 20.49% 91.05% 3.44%
平成25(2013) 21.87% 19.72% 92.61% 3.81%

【参考】法務省「司法試験予備試験の結果について」


司法試験の受験資格を得る方法は、「予備試験ルート」のほかに「法科大学院ルート」もあります。

予備試験の合格率が非常に低いことを考えると、「法科大学院ルート」のほうがいいのではないかと考える人もいるでしょう。

しかし、この2つのルートは司法試験の合格率において大きな違いがあります。


【予備試験と法科大学院】司法試験の合格率を比較

司法試験の合格率は、法科大学院出身者よりも予備試験合格者のほうが圧倒的に高いことが特徴です。

特に、近年の予備試験合格者の司法試験合格率は90%を超えています

下記グラフは、過去10年程度の司法試験合格率を受験資格別で表したものです。

予備試験合格者の合格率(青)は、いずれの年においても法科大学院出身者(赤)や全体(黄色)の合格率を大きく上回っています。


司法試験合格率

【参考】法務省「司法試験の結果について」


次は、司法試験合格率を法科大学院別ランキングで見てみましょう。

ランキング上位には国内トップレベルの法科大学院が並びますが、合格率を比べると予備試験合格者との差が大きいことがわかります。


【令和5(2023)】司法試験合格率 法科大学院別ランキング

順位 出身法科大学院名 合格率
1 予備試験合格者 92.6%
2 京都大法科大学院 68.4%
3 一橋大法科大学院 67.2%
4 慶應義塾大法科大学院 60.0%
5 東京大法科大学院 59.0%

【参考】法務省「令和5年司法試験法科大学院等別合格者数等」


【令和4(2022)】司法試験合格率 法科大学院別ランキング

順位 出身法科大学院名 合格率
1 予備試験合格者 97.5%
2 京都大法科大学院 68.0%
3 東京大法科大学院 60.9%
4 一橋大法科大学院 60.0%
5 慶應義塾大法科大学院 57.5%

【参考】法務省「令和4年司法試験法科大学院等別合格者数等」


【令和3(2021)】司法試験合格率 法科大学院別ランキング

順位 出身法科大学院名 合格率
1 予備試験合格者 93.5%
2 愛知大法科大学院 66.7%
3 京都大法科大学院 61.6%
4 一橋大法科大学院 58.2%
5 慶應義塾大法科大学院 55.1%

【参考】法務省「令和3年司法試験法科大学院等別合格者数等」


【令和2(2020)】司法試験合格率 法科大学院別ランキング

順位 出身法科大学院名 合格率
1 予備試験合格者 89.4%
2 愛知大法科大学院 77.8%
3 一橋大法科大学院 70.6%
4 東京大法科大学院 59.4%
5 京都大法科大学院 57.8%

【参考】法務省「令和2年司法試験法科大学院等別合格者数等」


【あわせて読みたい】司法試験・予備試験の合格率を法科大学院・大学別でランキング!


なぜ予備試験合格者は司法試験合格率が高い?

では、なぜ予備試験合格者は司法試験の合格率が高いのでしょうか。その理由として次の3点が挙げられます。

  • 予備試験自体の難易度が高いから
  • 司法試験は予備試験の延長線上にあるから
  • 若い受験生は知識吸収力が高いから


予備試験自体の難易度が高いから

前述のとおり、予備試験は合格率3〜4%程度の非常に難関の試験です。

この難関を突破できた人なら、司法試験に合格するための能力は十分に担保されているというわけです。

もっとも、これはあくまで数字を見た上での結果論なので、より実質的な理由を考える必要があります。


司法試験は予備試験の延長線上にあるから

予備試験と司法試験は、試験の仕組みがよく似ています。

例えば、いずれの試験も「短答式試験」と「論述式試験」が課されます(予備試験は口述試験も実施)。

このうち短答式試験の内容を詳しく見てみると、予備試験と司法試験は科目の重なり合いが多いものの(憲法、民法、刑法)、科目数は予備試験の方が多いことがわかります。


▼法科大学院試験、予備試験、司法試験の試験内容

試験科目の比較表

このため、予備試験合格者にとって司法試験は予備試験の延長線上にあり、改めて特別な対策を行わなくてもそのまま合格できるケースが多いのです。


若い受験生は知識吸収力が高いから

令和5年(2023年)の予備試験合格者を職種別で見ると、最も多いのは大学生(59.7%)です。

一般的に、大学受験を終えたばかりの大学生は知識の吸収力が高く、予備試験の受験勉強においても長い論証や判例の規範もすんなり覚えてしまう傾向にあります。

特に予備試験は、短答式試験の科目が多く純粋に知識量が試される部分も大きいので、若い受験生が知識吸収力というアドバンテージを生かして多く合格していると言えます。

このような若い受験生がそのまま司法試験も突破していると考えれば、予備試験の高い合格率にも納得がいきます。


もっとも、予備試験が社会人にとって合格しにくい試験かといえば、必ずしもそうではありません。

法律の知識は繰り返しの反復学習によって身についていくものです。

毎日決まった生活リズムを守れる社会人受験生は勉強をすぐに習慣化できるので、大学生に知識量で追いつくことはさほど難しいことではありません。


【Q&A】司法試験・予備試験のよくある質問

最後に、司法試験・予備試験に関するよくある質問にお答えします。


司法試験・予備試験は独学で合格できる?

結論を述べると、独学での合格は難しいと言わざるを得ません。司法試験・予備試験の学習は下記の図のようにステップアップするのが理想的です。

学習ステップ


しかし独学の場合、教材選びが難しいこと、「わかる」と「解ける」の間に大きな壁があること、時間内に書く・点数を稼ぐ技術の習得が難しいことなどからつまずきやすく、合格への道のりは非常に困難です。

「それでも独学で挑戦したい」「予備校に通うのは時間や費用の負担が大きい」という人は、こちらの記事を参考にしてみてください。


【あわせて読みたい】司法試験・予備試験の独学は無理?それでも独学したい人の勉強法(近日公開)


司法試験・予備試験の合格に必要な勉強時間は?

勉強時間の目安


司法試験の合格(予備試験+本試験)に必要な勉強時間は、受験生一人ひとりの勉強経験などによってまったく異なります。

「これだけ勉強すれば確実に合格できる」という基準は存在しませんが、あえて目安を示すとすれば、予備試験は3,000〜8,000時間司法試験は1,500〜2,000時間です。

このように人によって勉強時間の差がありますが、勉強時間を短くする方法は確立されていて、誰でも取り入れることができます。詳しくはこちらの記事で解説しています。


【あわせて読みたい】司法試験の勉強時間は?短期合格者の勉強法を再現する方法を解説


予備試験の合格点・得点率はどれくらい?

近年の予備試験の結果を見ると、短答式試験(270点満点)の合格点は160点程度で、得点率にして6割程度です。

また、論文式試験(500点満点)の合格点は230〜250点台で、得点率にして5割程度となっています。


【あわせて読みたい】最難関と言われる司法試験。難易度は実際どのくらい?


まとめ 

今回は予備試験の合格率について解説しました。

  • 予備試験の合格率は3〜4%程度。
  • 司法試験の合格率は、法科大学院出身者よりも予備試験合格者の方が圧倒的に高く、近年は90%を超えている。
  • 予備試験合格者の司法試験合格率が高い理由は、予備試験と試験の仕組みや必要な対策が似ていること、予備試験合格者には知識吸収力で勝る若い受験生が多いことなど。

今から司法試験を目指すなら、合格率で圧倒的な差が出ている「予備試験ルート」での挑戦をぜひ検討してみてください。


予備試験は難関ですが、正しい勉強方法を知り、日々の生活に勉強を習慣として組み込んでいくことができれば、合格は決して夢ではありません。

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