司法試験・予備試験とは?試験内容や合格後のキャリアについて解説

司法試験とは、法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)になろうとする者に必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定することを目的とする国家試験です(司法試験法第1条)。試験の出題内容や難易度、合格水準は極めて高く、法律系資格試験の最高峰と位置づけられています。

ここでは司法試験や司法試験受験資格を得るための予備試験に関する情報をまとめています。司法試験に興味のある方はぜひご覧ください。

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司法試験とは?

司法試験とは、法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)になろうとする者に必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定することを目的とする国家試験です(司法試験法第1条)。

司法試験を受験するには受験資格が必要です。まずは受験資格を得るための2つのルートを知っておきましょう。

受験資格を得るには「予備試験合格」か「法科大学院卒業」

司法試験の受験資格を得る方法は2つあります。「予備試験ルート」「法科大学院ルート」です。

法科大学院を卒業(所定の要件を満たす修了見込みの者も含む)するか、予備試験に合格する必要があります。

法曹資格を得るためには

【詳しくはこちら】司法試験とは?難易度・受験資格など基本情報をわかりやすく解説

司法試験の試験内容は?

司法試験の流れ

司法試験には「短答式試験」と「論文式試験」があります。

短答式試験とは?試験形式・科目は

▼【短答式】試験形式

短答式試験はマークシート形式です。

法律の専門知識や法的論理に基づいて未知の事象を推測する力などが問われます。

▼【短答式】試験科目

民法、憲法、刑法の3科目です。

刑法なら刑法の、民法なら民法の全範囲から出題されます。

論文式試験とは?試験形式・科目は

▼試験形式

論述式は全て筆記形式です。

専門的な学識に加えて、法的な分析や構成など、論述の観点も評価されます。

司法試験全体の配点割合は「短答:論文=1:8」で、論文式試験の結果が合否に大きく影響します。

▼科目

公法系(憲法・行政法)、民事系(民法・商法・民事訴訟法)、刑事系(刑法・刑事訴訟法)に、各自で選んだ選択科目(倒産法・租税法・経済法・知的財産法・労働法・環境法・国際公法・国際私法の8科目の中から1つ)を加えた合計8科目です。

各法律の全範囲の中から出題される点は短答式試験と同じです。

【詳しくはこちら】司法試験とは?難易度・受験資格など基本情報をわかりやすく解説

司法試験の難易度は?

「法律系資格の最高峰」とあって合格率が非常に低そうな印象を受けますが、司法試験の合格率30~40%程度です。

ただし、これには理由があり、まず受験資格を得るのが難しいからです。先述のとおり、法科大学院を卒業するか予備試験に合格しなければ受験資格を得ることができません。

受験資格を得るための予備試験の合格率3~4%程度の非常に狭き門となっています。

司法試験合格後のキャリアは?

司法試験に合格すると、「最高裁判所司法修習生」の採用選考を受ける資格を得られます。

約1年間の修習期間を経て、「二回試験」と呼ばれる研修所の修了試験に合格すれば、裁判官・検察官への任用資格と弁護士資格が得られます。

近年の司法修習生の具体的な修習スケジュールについては、以下のようになっています。

弁護士

研修所を修了後、自分が働く地域の弁護士会に登録すると弁護士として働くことができます。

既存の法律事務所に数年勤務して、専門性を磨いてから独立するケースが多いですが、最初から自分の事務所を立ち上げる「即独弁護士」と呼ばれる弁護士もいます。

なお、弁護士の資格をもっていれば、社会保険労務士、司法書士、行政書士、税理士としての登録も可能です。

裁判官

最高裁判所から高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所に所属し、裁判官となる道を選ぶ方もいます。

裁判官は、司法試験と司法修習修了試験に合格した者の中から任命されます。

法曹三者のうち、裁判官へのルートはとくに「狭き門」といわれています。

検察官

司法試験と司法修習修了試験に合格した者は、公益の代表者として刑事事件の起訴を行う検察官への任用資格も得られます。

検察官になるには法務省が実施する採用試験に合格する必要があります。

まとめ

司法試験の概要や難易度、合格後のキャリアについて解説してきました。まとめると以下の通りです。

  • 司法試験とは、法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)になるために必要な試験
  • 司法試験を受験するためには「法科大学院ルート」と「予備試験ルート」がある
  • 難易度は法律系資格で最高峰のレベル、特に受験資格を得るための予備試験の合格率は3~4%程度
  • 合格後は約1年間の修習期間を経て弁護士・裁判官・検察官のキャリアへと進む

司法試験や予備試験は複数年をかけて合格を目指す日本最難関の試験です。合格を目指す方はぜひスタディングの司法試験講座をご検討ください。