税理士試験の簿記論とは?合格率や勉強時間、短期合格に向けた勉強法を解説

簿記論は税理士試験においての必須科目で、全受験者が避けて通ることのできない科目です(科目免除を利用する場合、例外あり)。

「日商簿記と何が違うのか?」という質問がよくありますが、試験で問われるテーマや問題の難易度が大きく異なります。

したがって勉強法もおのずと日商簿記と税理士の簿記論では異なってきます。

この記事では、税理士試験の簿記論の勉強法を解説します。

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税理士試験の簿記論とは

税務・会計のスペシャリストとして働く税理士にとって簿記の知識は不可欠であり、簿記論は、まさに税理士業務の中核にあたる試験科目です。

「簿記」とは「帳簿記録」の略で、企業などの事業活動を帳簿に記録して、その記録内容から経営状態を明らかにすることを目的としています。

経営状態を明らかにするために財務諸表という資料を作成します。

この財務諸表を誰が見ても同様に解釈できるようにするためには、財務諸表を作る際のルールが必要です。

そのためのルールが「簿記」ということになります。

つまり、簿記や簿記論では、財務諸表を作るためのルールと実際の計算を学ぶことになります。

税理士試験「簿記論」の特徴

ここでは、簿記論について以下3つのポイントで見ていきましょう。

  • 簿記論の概要
  • 簿記論の出題内容
  • 税理士試験における簿記論の優先順位

簿記論の概要

簿記論は税理士試験においての必須科目であり、全受験者が避けて通ることのできない試験科目となっています。

日商簿記と何が違うのか?」という質問が良くありますが、試験で問われるテーマや問題の難易度が大きく違います。

したがって下記で説明する勉強法もおのずと日商簿記と税理士の簿記論では異なってきます。

簿記論の出題内容

税理士試験の簿記論では大問が3題出題されます。

配点は第一問・第二問が各25点、第三問が50点の計100点となっており、合格基準点は満点の60%とされています(ただし、実際には受験者の上位10~20%が合格する競争試験といわれる)。

例年、ほぼすべて計算問題で構成されており、正確で素早い計算能力が求められます。

【参考】
国税庁「税理士試験の概要
国税庁「令和6年度(第74回)税理士試験試験問題、答案用紙及び正誤表

また、簿記論の本試験は「基本的に全問解けない」とよく言われます。

その理由は、問題のボリュームが非常に多いことと、時に”解けない”問題が出題されることもあるからです。

「国家試験で”解けない”問題が出る?」というのも、初めての方は驚くかもしれませんが、簿記論に限らず税理士試験は難問を飛ばすことも試験テクニックとして資格予備校などでレクチャーしているくらいです。

税理士試験における簿記論の優先順位

簿記論は税理士試験の必須科目であり、会計科目の中でも基礎を固めるうえで重要な位置付けにあるといえます。

特に財務諸表論とセットで学習することで理解が深まり、他の科目にも知識を応用できるため、最初に取り組む科目として選ぶのがよいでしょう。

また、簿記論は計算問題が中心であるため正解が決まっており、理論重視の科目よりも学習の成果を確認しやすいというメリットがあります。

合格を目指す上では、早い段階で簿記論を攻略して学習の土台を固めるのが効率的です。

税理士試験の勉強をどこから始めればよいか分からないという方は、以下の記事も参考にしてみてください。

税理士試験「簿記論」の合格率と難易度

続いて、簿記論の合格率と難易度、合格に必要な勉強時間の目安を見ていきます。

簿記論の合格率

税理士試験の簿記論の合格率は下記の通りです。

税理士試験の合格ラインは、建前上「満点の60%以上」とされていますが、実際には受験者の上位10~20%が合格するという競争試験です。

年によって合格率の上下はありますが、一定の合格率で推移しています。

年度受験者数合格者数合格率
令和6年17,7113,07617.4%
令和5年16,0932,79417.4%
令和4年12,8882,96523.0%
令和3年11,1661,84116.5%
令和2年10,7572,42922.6%
令和元年11,7842,05217.4%
平成30年11,9411,77014.8%
平成29年12,7751,81914.2%
平成28年13,9361,75312.6%
平成27年15,7832,96518.8%

【参考】国税庁「税理士試験

簿記論の難易度

次に難易度の面では、問題の難しさもさることながら、学習ボリュームが多いという点で他の資格試験より難易度が高いといえます。

ただし、ものは考えようで、ボリュームが多い試験では、コツコツ努力すると他の人と確実に差をつけることができます。

しっかり学習できる人にとっては逆に有利と言うこともできるでしょう。

また、「税理士の他の科目と比較して難しいのか?簡単なのか?」も気になるところです。

これについては、好き嫌いや得意・不得意によります。

例えば、仕組みの理解や計算が得意な人の場合、簿記論は得意科目にしやすいでしょう。

一方で「暗記は得意だが計算が苦手」という人の場合、財務諸表論に比べて簿記論で手こずることがあります。

一般的には、簿記論と財務諸表論は共通する部分が非常に多い科目ですので、同じ年に同時に学習するのが効率的だといわれています。

簿記論合格に必要な勉強時間の目安

簿記論は計算問題が中心で、合格には一般的に450時間程度の学習が必要とされています。

学習経験や背景によって差はありますが、簿記や会計の基礎知識がある人なら短期間で効率的に仕上げることも可能です。

一方、初学者は基礎固めに時間を要するため、余裕を持った学習計画が不可欠です。

特に短期合格を狙う場合は、効率的な勉強法を取り入れることで学習効果を高められます。

税理士試験「簿記論」の短期合格勉強法

簿記論は何といっても計算力が問われる試験です。

したがって、以下の順番で学習するのがおすすめです。

論点の概要を理解する(100%完璧にするのではなく全体像をつかむ)
→インプットにあまり時間をかけすぎない

簡単な例題を解いてみる
→個別の計算の確認

少しまとまった分量(本試験ほどではない)の問題を解いて、内容理解と具体的な計算を頭のなかでマッチさせる
→どういう形で出題されるか?を理解する

<次のテーマに進む>

 ④しばらくしてからもう一度問題練習をして、定着しているか確認する
→定着していない場合は、さらに繰り返して記憶に定着させていく

本試験レベルの問題で実力をチェックする(どこで間違えたか・忘れていることなど)
→復習する

本試験レベルの問題を本試験と同様に時間を決めて解く練習をする
→復習する

 このように、計算練習を繰り返して、知識と計算力を積み上げていくのが簿記論攻略の近道です。

簿記論はテキストを読んでいるだけでは得点力がつきませんので、問題練習を通じて知識の補充と定着を繰り返していくのが良いでしょう。

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税理士試験「簿記論」に関するQ&A

最後に、簿記論に関する以下の質問にお答えします。

  • 簿記論に独学で合格することは可能?
  • 簿記論の過去問は入手できる?
  • 日商簿記2級合格者は簿記論合格にどれくらいかかる?
  • 日商簿記1級合格者は簿記論合格にどれくらいかかる?

順番に見ていきましょう。

簿記論に独学で合格することは可能?

簿記論は独学での合格も不可能ではありません。

市販教材や過去問を活用すれば、個人でも学習を進められます。

しかし、出題範囲が広く応用力も求められるため、計画的かつ効率的に学習できるかどうかが合否を分けます。

簿記論以外の科目も含めた税理士試験の総勉強時間は2,000時間以上にのぼるとされ、自己管理を徹底しながらやり遂げるのは簡単ではありません。

「不安だけど大きなお金はかけたくない」という方は、予備校ではなくオンライン講座や通信教育を選択するという道もあります。

自身の性格や学習スタイルに合った勉強方法を選びましょう。

簿記論の過去問は入手できる?

簿記論の過去問は、国税庁の公式サイトで公開されており、誰でも入手可能です。

ただし掲載されているのは問題のみで、解答例や解説は付属していません。

そのため、独学で取り組む場合は「解きっぱなし」になりやすく、学習効果が十分に得られないこともあります。

うまく活用するには、解答・解説が付いた過去問題集や、講座で提供される解説資料を利用する必要があるでしょう。

日商簿記2級合格者は簿記論合格にどれくらいかかる?

日商簿記2級を取得している方は、商業簿記や会計の基礎力があるため、簿記論の理解がスムーズになるでしょう。

ただし、簿記論のテキストは日商簿記2級レベルの知識を前提として作られていることが多く、簿記論攻略にかかる時間が大きく短縮されるわけではありません。

合格までに必要な勉強時間の目安は、前述の450時間と考えておくのがよいでしょう。

日商簿記1級合格者は簿記論合格にどれくらいかかる?

日商簿記1級に合格している方は、すでに高度な会計知識を身につけているため、簿記論対策に必要な学習時間を短縮できる可能性があります。

新しく学習するのは一部の会計処理に限定されるため、その他の科目により多くの時間を割けるでしょう。

また、日商簿記1級を取得すれば税法科目の受験資格も得られます。

まとめ

本記事では、税理士試験の簿記論について、出題内容や難易度、勉強法をご紹介しました。

  • 簿記論は税理士試験の必須科目で、財務諸表論と並んで早期学習がおすすめ
  • 合格率は例年10〜20%前後で、難易度は高いが努力次第で突破可能
  • 簿記論合格に必要な勉強時間の目安は450時間程度
  • 過去問は国税庁サイトで入手できるが、解答・解説がないため要注意
  • 独学合格も可能だがハードルは高いため、オンライン講座や予備校の利用がおすすめ

簿記論は学習の進め方次第で短期合格も実現できます。

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