この記事を書いた人 ケン先生
「自分の得た知識が、受講生の進路を切り開くファースト・ステップになれば」との思いから会計系講座の講師に。 |
税理士試験の大きな特徴は、科目合格制度です。
税理士試験に合格(いわゆる官報合格)するには、【会計科目2科目】+【税法科目3科目】の計5科目の合格が必要ですが、1回の受験で5科目すべてに合格する必要はありません。
科目単位の受験が可能で、1年に1科目のみでも受けることができます。
なお、税理士試験の科目は全11科目で、合格に必要な5科目をどう選ぶかには一定のルールがあります。
まず、会計科目である簿記論と財務諸表論(2科目をまとめて「簿財(ぼざい)」と呼ぶ)は必ず合格しなければなりません。
税法科目については、実務での利用頻度の高い法人税法と所得税法は、選択必須として1科目以上合格する必要があります。
そして残りの税法科目(相続税法、消費税法、国税徴収法など)は選択科目で、合計5科目になるように選択して合格する必要があります。
いずれの科目も、合格は生涯有効となります。
▼税理士試験の科目一覧
必須科目(会計科目) | 必ず合格する必要がある | 簿記論
財務諸表論 |
選択必須科目(税法科目) | いずれか1科目を必ず。2科目選択も可能 | 法人税法
所得税法 |
選択科目(税法科目) | いずれかを選択 | 相続税法
消費税法法または酒税法 |
どの科目から受験しても問題ありませんが、税法科目の受験には学識・職歴・資格などの一定の受験資格の要件を満たす必要があるため、出願には注意が必要です。
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初めて税理士試験を受験する方は、簿記論と財務諸表論からスタートするのがおすすめです。
▼「まずは簿財から」がおすすめの理由
なお、税法科目の選択科目の中には会計の知識が必要ない科目もありますが、税法科目の受験生は税理士試験の受験経験者が多数を占めるため、初めての税理士試験を受験する方にとってはライバルが手強く、科目合格のハードルが高いといえます。
また、税法科目は税制改正に対応するなど、若干学習内容に流動的な部分がありますが、会計基準は基本的に安定しており、受験期間を通して安心して学習できます。
このような理由から、税理士試験への挑戦は簿財からスタートするのが定番となっているのです。
簿財のいずれか1科目からスタートするのであれば、簿記論を先に学習することを強くおすすめします。
理由は次の2つです。
▼理由(1)簿記論は理論の学習がないから
簿記論の出題内容は計算のみです。
初学者にとっては、理論50%・計算50%の財務諸表論よりもはるかに学習しやすいでしょう。
日商簿記検定とまったく同じ感覚で学習を進めることができます。
▼理由(2)他の科目より先に学ぶと効率的だから
簿記論では、売掛金の回収といった基本的な取引から、吸収合併など企業結合に関する取引まで、企業を取り巻く様々な取引を学習します。
これらの知識が身に付いた状態で財務諸表論の学習に進むと、理論の内容を理解する際に大いに役立ちます。
また、財務諸表論の計算は簿記論をしっかり学習できていれば高得点を狙えます。
計算に心配がなければ理論の学習に注力できるため、限られた時間を効率的に使えるのです。
そして、簿記論は法人税法や消費税法などの税法科目を学習するうえでも基礎的な知識となるため。
簿財だけでなく税理士試験全体の学習効率化の観点からも、最初に学ぶべき科目と言えます。
次に、税理士試験に合格するまでの学習計画について考えていきましょう。
先に述べたように、税理士試験は科目合格制度であり、一度合格した科目は生涯有効です。
長い時間をかけて官報合格を目指すこともできます。
しかし、受験勉強中はある程度の時間の犠牲を伴います。
モチベーションを維持するため、また簿財の知識を税法科目で生かすためにも、3~5年間で合格する計画が一般的といえます。
学習計画では、自分の置かれている環境を考えたうえで、何年で官報合格を目指すのか、また受験科目の関連性やボリュームなどを考えて何年目にどの科目を受験するのかを、あらかじめ考えておきましょう。
例として、「2年」「3年」「5年」で合格を目指す学習計画についてそれぞれ解説します。
もしも受験に専念できる環境があるなら、2年での短期合格を目指すことも可能となります。
▼【2年】学習プラン例
1年目は、簿財と、ボリュームの少ない税法科目です。
学習開始時点で会計の知識がしっかりしていると、流れに乗ってテンポよく学習していけるでしょう。
1年目だけは年間1,000時間以上(目安)の学習時間が必要となり、復習も一苦労となります。
しかし、受験勉強を集中して短期間で終わらせたい方にはおすすめのプランです。
税理士試験を目指す学生の方や、仕事のスケジュールが年間を通じて安定している方など、学習時間を確保しやすい方は、3年での短期合格を目指すことも可能となります。
▼【3年】学習プラン例
2年で合格を目指すケースと同様に、初年度は簿財を確実にクリアすることからはじまります。
学習開始時点で会計の知識がしっかりしていると、いいスタートを切れます。
上記の学習プラン例について、3年目の相続税法を消費税法(300時間)としたり、2年目と3年目の受験科目を入れ替えたりすることも可能です。
5年計画で堅実に合格を目指す道もあります。
例えば、次のような人に向いているでしょう。
▼5年計画が向いている人
▼【5年】学習プラン例
受験勉強に慣れてきたら、2年目以降を複数科目受験に変更し、受験プランを短縮することも可能となります。
なお、このプランは比較的長期間となる分、モチベーションの維持が重要です。
ダラダラとした受験生活にならないように注意が必要です。
2〜5年の学習計画をしっかりと立てても、学習スケジュールや勉強方法で失敗してしまうと、学習計画に変更が生じてしまい合格が遠のいてしまいます。
特に、短期合格のポイントとなる簿記論・財務諸表論ではスタートダッシュをしっかりと決めたいところです。
そこで「税理士試験への挑戦が初めてで右も左もわからない」という方におすすめしたいのが、オンライン通信講座「スタディング税理士講座」のコーチングサービスの活用です。
簿記論・財務諸表論の学習における学習スケジュールや勉強方法の悩みを、受験のプロである講師がサポートするサービスです。
税理士試験は官報合格までに数年間を要する長丁場となるため、学習スケジュールや学習方法などの正しい受験ノウハウを早い段階で身に付けることが大切です。
▼正しい受験ノウハウの早期習得が重要な理由
簿財の学習にコーチングを利用して正しいノウハウが身につけば、その後の税法科目でも学習スケジュールや学習方法に悩むことなく学べます。
特に仕事・家庭・学業と両立しなければならない人こそ、正しいノウハウの早期習得が合格への大きな力となります。
「スタディング税理士講座」のコーチングサービスでは、簿記論と財務諸表論を対象にオンラインで1対1の個別指導(月2回)を行います。
定期的な個別指導により、長丁場となる受験勉強にメリハリができて、学習のモチベーション維持に役立つことになります。
特に通信学習は孤独を感じやすいため、身近に同じ税理士試験を目指す方がいない場合は、受験勉強のことを気軽に話せるよき相手としてコーチングを活用できます。
「スタディング税理士講座」のコーチングサービスでは、個別学習計画表の作成や学習の進捗管理を行います。
官報合格まで走り切るには、ライフスタイルに合わせて無理なく継続できる計画が必要です。
そして長い受験期間中には「忙しくて思うように進まない」「やる気が続かない」というときが必ず訪れます。
どのように計画し、どのようにスケジュールを修正すればいいのか、受験を熟知したコーチが一緒に考えてくれることで、安心して学習そのものに専念できるでしょう。
また、学習時間の捻出方法や学習方法のヒントなどについても、コーチに気軽に相談できます。
学習を進めていくと、「この問題を間違ってしまったのは、難易度が高いせいか?それとも自分の理解不足か?」といった、自分一人では解消しづらい疑問が生じることがあります。
また、「解答のスピードを上げる方法はないのだろうか?」といった勉強方法の悩みを抱えることも。
「スタディング税理士講座」のコーチングサービスなら、そんな悩みも気軽に相談できます。
マンツーマンの手厚い個別サポートで税理士試験に挑戦するみなさんに寄り添い、本試験まで一緒に伴走します。
今回は、税理士の勉強のはじめ方について、講師が解説しました。
税理士試験は「努力と継続が必ず実を結ぶ試験」といわれています。
あなたのライフスタイルに合った学習計画でスタートを切りましょう。