
社会人が税理士になるには、「税理士試験(5科目合格)ルート」や一部科目免除を伴う「大学院ルート」が一般的です。
いずれも税理士試験の受験を伴うため、学歴などで受験資格の要件を満たす必要があります。
また、働きながら2年半や3年といった短期間で合格を目指すには、適切な受験プランを立てておくことも大切です。
この記事では、社会人が税理士になる方法、受験資格、短期合格を実現する受験プランや勉強法を解説します。
社会人が税理士になるには
税理士になる(税理士登録を行う)ための要件は、基本的には「税理士となる資格」+「実務経験」です。
このうち「税理士となる資格」を得るには、いくつかのルートがあります。
(1)【試験合格(5科目)】+【実務経験】
(2)【大学院+試験合格(一部免除)】+【実務経験】
(3)弁護士・公認会計士
(4)税務署で23年以上勤務
社会人が税理士になるには、(1)税理士試験合格(5科目)ルートがもっとも一般的で、近年は(2)大学院ルートもよく利用されるようになってきました。
今回は、この2つのルートについて解説します。
(1)【試験合格(5科目)】+【実務経験】
社会人が税理士になるルートとしてメジャーなのが、【試験合格(5科目)】+【実務経験】の組み合わせで要件をクリアする方法です。
税理士試験は科目合格制となっていて、試験に合格するには会計2科目+税法3科目の計5科目の合格が必要となります。
▼税理士試験の科目
必須科目 2科目とも合格が必要 | 会計科目 | 簿記論、財務諸表論 |
選択必須科目 どちらか1科目以上合格が必要 | 税法科目 | 所得税法、法人税法 |
選択科目 残りの科目から選び、合計で5科目になることが必要 | 相続税法、消費税法または酒税法、国税徴収法、住民税または事業税、固定資産税 |
1回の受験で、5科目すべてに合格する必要はありません。科目単位の受験も可能で、1年に1科目のみでも受けることができます。
一度合格した科目は生涯有効なので、何年でも受験にチャレンジでき、自分のペースで試験合格を目指せることが特徴です。
科目ごとの合格率は、年度によりばらつきがありますが10〜20%程度で推移しています。5科目合格を達成するには、早い人で2年、一般的には3~5年が目安です。

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(2)【大学院+試験合格(一部免除)】+【実務経験】
(1)に近い形として、【大学院+試験合格(一部免除)】+【実務経験】の組み合わせで税理士になる人もいます。
税理士試験は原則として5科目の合格が必要ですが、大学院出身者を対象に一部科目を免除する制度があります。
この大学院ルートの場合、たとえば税法科目で一部免除が認められると、3科目中1科目だけ合格すればいいことになります。
大学院での研究は決して楽なものではありませんが、科目合格率が10〜20%程度とそれほど高くはないことを考えると、最大2科目の受験を回避して試験合格に近づける点には一定のメリットがあると言えます。
このため、すでに大学院を卒業した人だけでなく、科目免除を目的に新たに大学院に進学し、税理士を目指す人もいます。
税理士試験の免除については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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税理士登録に必要な「実務経験」
(1)と(2)のルートには、(通算)2年以上の実務経験も必要だと述べました。
実務経験は、税務官公署(税務署や市役所の財務課など)での勤務のほか、一般企業での規定業務も含まれます。
税理士を目指す社会人は、税理士事務所で働きながら受験勉強に励むケースも多いでしょう。
実務経験となる具体的な業務内容や、税理士となる資格を得るルートの「(3)弁護士・公認会計士」「(4)税務署で23年以上勤務」については、こちらの記事で解説しています。

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独学でも効率的に学べた
\スタディング 合格者インタビュー/
税理士試験の受験資格
社会人が税理士になるための(1)〜(4)のルートのうち、(1)税理士試験合格(5科目)ルートや(2)大学院ルートでは税理士試験を受験することになります。
試験を受けるには、まずは受験資格の要件を満たす必要があります。令和5年度(2023年度)から大幅な変更が加わっているので、変更点を中心に解説します。
▼税理士試験の受験資格(令和5年度〜)

【参考・画像引用】日本税理士会連合会「税理士試験の受験資格要件の緩和」
令和5年度(2023年度)から受験資格が大幅緩和
税理士試験は、令和4年税理士法改正により、令和5年度(2023年度)試験から受験資格の要件が大幅に緩和されています。ポイントは2つです。
(1)会計科目は誰でも受験可能に
前述のとおり、税理士試験は「会計科目」と「税法科目」で構成されていますが、令和5年度からは「会計科目」の受験資格要件が撤廃され、誰でも受験可能になりました。
(2)税法科目の「学識」の対象者を拡大
一方、税法科目は、改正前と同じく受験資格が設けられています。
「学識」「資格」「職歴」の3つの区分のうち、いずれか1つの要件を満たせば受験資格を得られるのですが、令和5年度からは「学識」の対象者が拡大されました。
これまでは「法律学又は経済学」に属する科目を少なくとも1科目は履修しなくてはなりませんでしたが、今回の要件緩和で「社会科学(※)」の履修まで範囲が広がりました。
※法律や経済に加えて、政治、経営、教育、情報なども含む。
税法科目の受験資格「資格」と「職歴」
税法科目の受験資格の「資格」においては、日商簿記1級合格者や全経簿記上級合格者などは要件を満たしています。
また、税法科目の受験資格の「職歴」を利用できるのは一定の会計・法律事務の経験者で、通算2年以上の従事が求められます。
受験資格に関する詳しい情報や、受験資格がない場合にどうすればいいかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

税理士試験の受験資格とは?令和5年度から条件緩和!
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社会人が働きながら税理士試験に合格できる?
結論から述べると、社会人が働きながら税理士試験に合格することは可能です。
「スタディング 税理士講座」の受講生からも、仕事や家庭と両立しながら官報合格や科目合格を果たしたという声が多く寄せられています。
職種が経理であることもあり、日商簿記1級・全経簿記上級を取得したことを契機に税理士試験の受験を思い立ってから今日この日まで6年かかりましたが、これまでの努力が報われ、うれしく思います
すでに50歳を超えている身としては大量の条文の暗記はかなりしんどいものがありましたが、スタディングの暗記ツールがうってつけで、3日で1回転するペースで暗記の精度を高めました。
私は業務量が多く、残業時間は多い方かと思います。土日は家族との時間を大切にしたいので、勉強は朝の2時間程度しか確保できませんでしたが、試験に合格することができました。
忙しい人に選ばれている
スタンディング 税理士講座
社会人が税理士試験に短期合格する受験プラン
では、社会人が税理士になるには、どのようなスケジュールで受験すればいいのでしょうか。
ここからは、税理士試験に短期合格したい社会人に向けて、具体的な受験プランを紹介します。
受験に専念するのではなく、働きながら勉強して2年半や3年という短い期間で5科目合格を目指すプランです。
また、近年注目されている大学院ルートにおいて、科目免除のために大学院に進学することも含めた受験プランも紹介します。
税理士試験の科目別勉強時間
税理士試験に必要な科目ごとの勉強時間目安は以下の通りです。
科目 | 合格率 令和6年度 | 配点(例年) | 勉強時間(目安) | ||
理論 | 計算 | ||||
必須 | 簿記論 | 17.4% | 0% | 100% | 450時間 |
財務諸表論 | 8.0% | 50% | 50% | 450時間 | |
選択必須 | 所得税法 | 12.6% | 50% | 50% | 650時間 |
法人税法 | 16.4% | 50% | 50% | 650時間 | |
選択 | 相続税法 | 18.7% | 50% | 50% | 450時間 |
消費税法 | 10.3% | 50% | 50% | 300時間 | |
酒税法 | 12.1% | 40% | 60% | 150時間 | |
国税徴収法 | 13.0% | 100% | 0% | 150時間 | |
住民税 | 18.2% | 50% | 50% | 200時間 | |
事業税 | 13.7% | 50% | 50% | 200時間 | |
固定資産税 | 18.0% | 50% | 50% | 250時間 |
税理士試験は科目合格制度を採用しており、一度にすべての科目に合格する必要はなく、数年かけて順に合格を目指すことができます。そのため、働きながらでも無理なくチャレンジできるのが大きな特徴です。
とはいえ、長期間にわたって勉強を継続する必要があるため、国家資格の中でも難易度は非常に高い部類に入ります。
そこで鍵となるのが、スキマ時間の有効活用です。通勤中や休憩中など、わずかな時間も積み重ねていくことで、忙しい社会人の方でも税理士試験の合格を十分に狙うことができます。
【2年半】で短期合格を目指す受験プラン
1年目:相続税法(450時間)or 国税徴収法(150時間)
2年目:簿記論(450時間)+財務諸表論(450時間)
3年目:法人税法(600時間)+相続税法(450時間)or 国税徴収法(150時間)
学習開始年に多くの学習時間が取れない方におすすめのプランです。
1年目は比較的学習量が多くない税法科目から始め、2年目は簿財2科目、3年目は残りの税法2科目を取得し、2年半での合格を目指します。
【3年】で短期合格を目指す場合
1年目:簿記論(450時間)+財務諸表論(450時間)
2年目:法人税法(600時間)
3年目:相続税法(450時間)+国税徴収法(150時間)
毎年安定した学習時間を確保できる方におすすめのプランです。
必須科目である簿財2科目からスタートし、2年目以降で税法3科目をそろえていきます。
5科目合格を目指す受験プランの立て方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

税理士試験の勉強時間・勉強法は?2〜3年で合格する受験プラン
税理士試験は3〜5年程度の年数をかけて科目ごとの合格を積み上げ、最終合格(5科目合格)を目指すのが一般的です。また一部の科目は選択制となっており、自由に受験…
税理士試験は3〜5年程度の年数をかけて科目ごとの合格を積み上…
【大学院ルート】で合格を目指す場合
1年目:簿記論(450時間)+財務諸表論(450時間)
2年目:税法1科目(150〜600時間)+大学院受験
3〜4年目:大学院
大学院に進学して税法科目で科目免除を受ける方向けのプランです(受験は簿財2科目と税法1科目のみ)。
1年目は必須科目である簿財に取り組み、学習の土台ができたところで、2年目から税法を上積みしていきます。
3年目以降は大学院で研究をすることになりますが、代わりに最大で2科目の免除を受けられます。
なお、税法1科目を受験するタイミングは大学院修了後でもOKです。
科目の選び方の注意点・コツ
次に、科目の選び方の注意点やコツについて解説します。
税理士試験の勉強を始めたばかりの人は、つい国税徴収法(目安150時間)などの勉強時間が少ない科目を選びがちですが、これには注意が必要です。
こうした科目には「勉強時間が短くて済む科目のほうが楽そう」と考えた受験生が集まりやすいからです。
税理士試験の合格基準は各科目とも「満点の60%」となっていますが、実質的には相対評価による競争試験で、上位10〜15%程度の受験者しか合格できません。
勉強時間が少なくて済む科目は、他の受験生たちもしっかり勉強してくるため、とりこぼしが許されないというリスクがあります。
そのため、必ずしも「勉強時間が少ない科目が狙い目」とは言えないのです。
科目選択のコツは、勉強時間よりも税理士になってから役立つかどうかを考えることです。
選択した科目は、税理士になってからの専門分野となります。
一般に、税法は法人税・相続税・消費税の組み合わせを選択する人が多い傾向にあります。
これは、受験時の学習のボリュームと、実用性のバランスがよいからです。
特に独立を目指す人は、選択必須科目(法人税法と所得税法)で法人税法を選択するとよいでしょう。
法人税が専門の税理士になれれば、顧客も法人が中心となります。
法人との顧問契約が増えれば、報酬が高額となり事務所の運営を安定させやすくなります。

税理士試験の科目選択をどうするか|簡単な科目は何?
税理士試験の受験生から「簡単な科目はどれか?」とか「学習しやすい科目はどれか?」という質問をよく受けます。しかし「学習しやすい」ことと「簡単なこと」は別です…
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税理士の受験科目選択はどのように選べば良いか?
税理士試験は、簿記論及び財務諸表論の必須科目2科目と、法人税法又は所得税法のいずれか1科目を含む税法科目3科目の合計5科目に合格することで、最終合格(官報合…
税理士試験は、簿記論及び財務諸表論の必須科目2科目と、法人税…
社会人が税理士試験に短期合格するコツ
前述のとおり、税理士試験は、出題範囲が広く難解で、合格までに何年もかかる試験です。
しかし、社会人でも勉強のコツをつかめば短期合格を目指すことはできます。
ここからは、税理士試験に短期合格したい社会人の方に向けて、勉強方法のコツを解説します。
- 勉強時間を確保する
- 合格に必要な範囲だけ勉強する
- 問題を解く練習を重視する
コツ1:勉強時間を確保する
仕事にプライベートに忙しい社会人が、税理士試験の合格を目指す場合、勉強時間の確保が大きなハードルとなります。
たしかに、机に向かって問題集やノートを開くことだけが勉強なのであれば、毎日のように時間を確保するのは難しいでしょう。
もちろん、合格するには机に向かっての勉強が必要となります。
しかし、わざわざ机に向かわなくても、スキマ時間を使ってできる勉強方法もあるのです。
例えば、理論の理解や暗記、ちょっとした計算問題や解法の確認などであれば、短い時間で場所を問わずに行えます。
こうしたスキマ時間でできる勉強は、通勤中などに済ませてしまえば、時間を有効活用できます。
そうすれば、忙しい社会人でも勉強を継続しやすくなるでしょう。
コツ2:合格に必要な範囲だけ勉強する
税理士試験は、試験の出題範囲が非常に広く、必要な知識量も膨大です。
しかも、制限時間内にすべてを解ききれないほど、多くの問題が出題されます。
そのため、試験本番では知識の幅広さよりも、限られた時間で正確に計算するスキルや、理論を使って的確に解答するスキルが求められます。
やみくもにすべての範囲を勉強をするよりも、合格に必要な範囲を狭く濃く勉強し、確実に解けるようになったほうが得点力を上げられるでしょう。
また、問題は一度解いたら終わりではなく、時間がたってからも解けなければ、知識が身についたとは言えません。
記憶を確実に定着させるためには、復習も重要です。
例えば、学んだ内容に関する問題を解いたら、1週間後、 1カ月後にも、解けるかどうかを確認しましょう。
こうしたサイクルを繰り返すことで、知識が定着していくのです。
コツ3:問題を解く練習を重視する
どれだけ知識を詰め込んでも、試験本番で問題が解けなければ、意味がありません。
そのため、基本的な知識のインプットは早めに終えて、問題を解く練習をたくさん行うことが重要です。
特に試験の直前には、本番と同じ形式の問題をたくさん解くといいでしょう。
税理士試験は、問題数が非常に多く、知識がある人でも時間内に全問解くのは難しい試験です。
難しい問題や解けない問題は一旦飛ばして、簡単で確実な問題から解いていったほうが、得点を上げられるでしょう。
このような問題を見極める感覚をつかむには、時間を決めて、本番同様の試験問題を解く練習を繰り返す必要があります。
忙しい社会人に選ばれる「スタディング 税理士講座」
「スタディング 税理士講座」は、上記の3つのコツをカバーした学習ツールです。「スタディング 税理士講座」には
- スキマ時間にスマホを使って学べる動画講座や問題集
- 合格に必要な範囲に絞った濃い内容の教材
- 問題を解く練習がたくさんできるステップアップ形式の演習やテスト
などが用意されているため、忙しい社会人でも効率的に、短期での税理士試験合格を目指せます。
科目別の短期合格勉強法
勉強方法の7つのコツを解説します。
(1)出題範囲を「狭く濃く」勉強する
(2)視覚・聴覚も使って覚える
(3)徐々にレベルを上げて解答力を高める
(4)スキマ時間の活用で勉強時間を確保する
(5)問題・過去問は「解き方を覚える」ために活用する
(6)試験本番を想定して練習する
(7)最後まで諦めずに勉強を続ける
これらをすべて実現するには、独学サポートツールとしてオンライン通信講座「スタディング 税理士講座」を活用するのがおすすめです。
では、勉強方法7つのコツとスタディングでできることを1つずつみていきましょう。
(1)出題範囲を「狭く濃く」勉強する
税理士試験は試験の出題範囲が非常に広く、必要な知識量も膨大。しかも制限時間内に全問を解ききれないほど出題数が多いことも特徴です。
合格するには、持っている知識の幅広さよりも、限られた時間で正確に計算できることや学んだ理論を使い答案で的確に解答できることが求められます。
そのため、広く薄くではなく、本当に使える知識だけを狭く濃く勉強することが重要です。

スタディングでは、合格に必要なアウトプットから逆算した最小限の範囲を短時間で学習できます。
オンライン動画講義は、テキストを読み上げる講義を収録しただけの動画とは異なり、情報番組のような分かりやすい内容です。
1講座あたり30〜60分程度のため、繰り返しの復習がしやすく、効率的に知識を定着させることができます。
動画には倍速再生機能があるため、復習の時間短縮も可能です。
また、インプットをしたあとは、関連する問題演習や理論暗記が最適な順番で提示されるので、最短ルートで学習を進められます。
(2)視覚・聴覚も使って覚える
独学の場合は市販のテキストを利用するのが一般的ですが、テキストを読んでひたすら丸暗記をしようとしても、頭にはほとんど残りません。
短期間で合格する人は、知識を定着させるために、こんな工夫を取り入れています。

- エピソード記憶:内容や仕組みをイメージしたり、出来事やストーリーとして覚えたりする
- 視覚的感覚:図や動画を見る
- 聴覚的感覚:音声で解説を聞く
- 身体的感覚:問題演習を繰り返す
視覚と聴覚を両方刺激してエピソード記憶が促されると、単にテキストを読むだけよりも覚えやすく、忘れにくくなります。
さらに問題演習を繰り返し行うことで、「身体が覚える」感覚が身につくのです。
スタディングの動画講義では、わかりづらい条文や制度を視覚的なイメージに置き換え、音声で聴覚的な説明をしています。

動画講義の受講後は、学んだ範囲の問題演習をスマホですぐに行えるので、身体的感覚を使って記憶を定着させることができます。
また、覚えるべき箇所があらかじめ赤枠で塗りつぶされている理論暗記ツールを使えば、クイズ感覚で重要な箇所を効率的かつ集中的に暗記できます。

(3)徐々にレベルを上げて解答力を高める
税理士試験に合格するには、基本的な知識のインプットは早めに終えて、問題や過去問を解くアウトプットの練習をたくさん行うことが重要です。
ただし、勉強を始めたばかりの人がいきなり本番レベルの問題に挑戦するのは非常に難しく、無理があるでしょう。
まずは基礎的な内容から始めて、レベルを計画的に上げていく必要があります。

スタディングの学習の手順は、各論点の基本的なインプットは動画の視聴で短時間で済ませ、関連する問題にすぐに取り組めるようになっています。アウトプットを重視した学習が可能です。
また、「動画講義」→「スマート問題集」→「トレーニング」→「テーマ別演習」→「実力テスト」とステップアップしていく流れで、解答力が身につくカリキュラム設計となっています。
(4)スキマ時間の活用で勉強時間を確保する
前述のとおり、税理士試験の独学では勉強時間の確保が大きなハードルとなります。
「勉強」については、学生時代の名残で「机に向かって行うもの」という思い込みがある人も多いでしょう。
しかし、理論の理解や暗記、ちょっとした計算の解答や解法の確認などであれば、スキマ時間を使って場所を問わず勉強できます。

スタディング税理士講座は、動画講義の視聴と講義内容に対応した問題演習がスマホでできるため、いつでもどこでも学べます。
動画講義は1講座30〜60分程度で、内容ごとにチャプターが分かれているため細切れの時間でも受講しやすくなっています。
問題演習もわざわざ机に問題集やノートを開く必要がなく、スマホで親指1本で取り組めます。
こうしてスキマ時間を使って勉強を積み重ねていけば、まとまった時間がなくても合格ラインの実力が身につけられるのです。
(5)問題・過去問は「解き方を覚える」ために活用する
あなたは、資格試験の過去問について次のような考えを持っていませんか?
「解説は読まずに繰り返し解いて、自分の実力で解けるようになるべき」
「レベルが高くて怖いから、試験直前まで取っておこう」
実はこれは、なかなか合格できない人の考え方です。
一方、短期間で合格する人は「問題・過去問は解き方を覚える教材だ」と考えています。
間違えても解説を読んですぐに知識を吸収し、次に似た問題が出たときに解けるようにしておけばいい、というスタンスなので、基本的なインプットをしたらすぐに問題演習に挑戦します。
間違いを恐れず、合格に必要な解答力をつけることを重視しているのです。

スタディングのスマート問題集は、練習モード、復習モード、本番モードという3つの方法で解くことができます。
練習モード | 解いた直後に正解と解説を表示。わからない問題に時間をかけずに解き方を覚えられる。 |
復習モード | 前回間違った問題や「要復習」に印をつけた問題だけ出題。間違った問題や理解不足の問題をつぶせる。 |
本番モード | 試験本番と同様の形式で出題。全問を制限時間内に解く練習ができ、最終チェックや仕上げが可能。 |
モードの使い分けができるので、解き方を覚えるために解いたり、実力の確認のために解いたりと、問題をフル活用して得点力を高めていけます。
(6)試験本番を想定して練習する
税理士試験では制限時間ギリギリまで問題を解く場合が多く、大半の受験生が解けないであろう難しい問題も含まれています。
そのため、難しい問題は飛ばして基礎的な問題から解答していくという判断が必要です。
本試験レベルの演習を積み重ね、税理士試験の性質をよく理解しておきましょう。
そうすることで、試験本番でもあせらず、合格ラインに到達できるのです。
スタディングでは、税理士試験の対策に役立つ各種の試験ノウハウを、無料のセミナー動画やPDF冊子などで紹介しています。

また、動画講義やスマート問題集のあとには、トレーニング、テーマ別演習、実力テストと徐々にレベルを上げた問題演習ができるため、本番に向けて充実した練習を行えます。
パーフェクトパックやアドバンスパックの直前対策講座では、答練・過去問演習の講座で、出題される可能性の高い重要テーマに絞った試験対策が可能です。
加えて、定期的にメルマガで、時期に合わせた過ごし方や準備方法もお知らせしています。
試験当日まで、準備や対策の参考になるはずです。
(7)最後まで諦めずに勉強を続ける
試験に合格できない最大の要因は、勉強を途中でやめることです。
勉強さえしていれば必ず合格できるわけではありませんが、最後まで続けた人はそれだけでも合格の確率がかなり高くなります。
また、成績がなかなか上がらず挫折する人も少なくありません。
これに対する解決法は、「小さな一歩を積み重ねる」という方法が有効です。

スタディングは、スキマ時間にスマホで勉強できるように作られているので、忙しい人も続けやすいことが特徴です。
また、講座を毎日クリアしていくことで小さな成功体験を積み上げやすく、継続のモチベーションを高めやすくなっています。
練習問題では前回からの伸びや全国平均との比較が毎回表示されたり、学習レポートでは毎日の学習時間や講座の完了数が確認できたりするので、これまでの学習の積み重ねも実感しやすいでしょう。
加えて、スタディングには「勉強仲間」機能という登録者専用のSNSがあり、受講生から「モチベーション維持に役立つ」と好評です。
【Q&A】税理士を目指す社会人のよくある質問
最後に、税理士を目指している社会人の方からよくある質問について、解説をしていきます。
税理士の年収は?
税理士の働き方は1つではありません。自分のライフスタイルや目指す年収に合わせてチャレンジすることが可能です。
税理士の主な働き方と年収の違いについて、以下の3つのパターンを詳しく見ていきましょう。
- 開業税理士の場合
- 社員税理士の場合
- 補助税理士の場合
開業税理士の場合
日本税理士会連合会が、2014年(平成26年)に実施した「第6回税理士実態調査報告書」によると、開業税理士の平均年収(総所得/給与収入)は744万円となっています。
開業税理士は、自分の経験やスキル次第で高い収入が得られる可能性があります。
法人に所属している税理士とは違い、自分の判断でより報酬の高い仕事を受けることも可能です。また、健康やスキルに問題がなければ、定年がないため長く働き続けることもできます。
こうした働き方や、仕事の進め方を自分で決められるのが、開業税理士の魅力と言えるでしょう。
社員税理士の場合
前述の「第6回税理士実態調査報告書」によると、社員税理士の平均年収(総所得/給与収入)は886万円という調査結果となっています。
開業税理士がその事務所を法人化する場合は、「最低2人の社員税理士が必要」と税理士法で定められています。
社員税理士は、一般企業での「役員」に相当します。ただの社員とは異なり、社内での立場は高くなるでしょう。
また、税務だけではなく、法人の経営や事業展開を考える仕事も発生します。
責任は重くなりますが、そのぶん平均年収も高い傾向にあります。
補助税理士の場合
前述の「第6回税理士実態調査報告書」によると、補助税理士の平均年収(総所得/給与収入)は597万円となっています。
補助税理士は、税理士事務所や税理士法人に雇用されて仕事をします。
企業でいうと、役職のない一般社員のようなポジションです。
そのため、開業税理士や社員税理士に比べると年収額は低い傾向にあります。
補助税理士の場合、業務は事務所や法人への依頼をもとに振り分けられるので、営業力に自信がない人でも仕事ができます。
また、開業税理士や社員税理士を目指す人も、まずは補助税理士になると、業務を通して経験を積んだり、知識を深めたりできるでしょう。
【引用】第6回税理士実態調査報告書
【あわせて読みたい】税理士の年収はどのくらい?
税理士を目指す人の年齢は?
国税庁が公開している「令和6年度(第74回)税理士試験結果」を見ると、受験者の年齢分布は以下のようになっています。
▼令和6年度(2024年度)税理士試験の受験者の年齢構成
年齢区分 | 受験者数 |
41歳以上 | 11,543人 |
36〜40歳 | 4,668人 |
31〜35歳 | 4,990人 |
26〜30歳 | 5,775人 |
21〜25歳 | 6,255人 |
20歳以下 | 1,526人 |
受験者の年齢層は20〜40代と幅広いですが、最も多いのは41歳以上です。

税理士試験とは?資格試験概要と科目合格制度の活用方法
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まとめ
今回は、社会人が税理士になる方法、受験資格、短期合格を実現する受験プランや勉強法について解説してきました。
- 社会人が税理士になる主流のルートは【試験合格(5科目)】+【実務経験】
- 働きながらでも2年半〜3年程度で5科目合格を目指すことは可能
- 税理士試験の勉強ではスキマ時間の有効活用や繰り返しの問題練習などが重要
税理士試験は簡単ではありませんが、勉強の進め方を工夫すれば、忙しい社会人でも短期合格を目指すことは可能です。
ぜひ自分に合った勉強方法や、学習ツールなどを探してみてください。