税理士の仕事とは?仕事内容・やりがい・向いている人

税理士とはどんな職業?仕事内容や税理士になる方法について解説

税理士とは「税務に関する専門家」です。世の中のさまざまな税務に精通しており、法人や個人が行わなければならない申告手続きや税に関する相談になるなど幅広い業務に携わります。

この記事では、税理士の主な仕事内容や将来性、税理士になるための方法について解説していきます。

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税理士とは何する仕事?

税理士とは、簡単に言うと「税務の専門家」です。

税務とは、個人や企業の収入や経費などをもとに、納めるべき税金を計算し、確定申告書の作成や税務署への手続きなどを行うことを指します。

税理士は、こうした税務のプロフェッショナルとして、納税者に代わって書類を作成したり、税務相談に応じたりします。

税理士法では、その使命について次のように定められています。

税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念に則り、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。

【引用】税理士法第1条

つまり税理士は、単に計算や手続きを代行するだけでなく、申告納税制度を支える公正な立場の専門家として、納税者が正しく税金を納めるサポートを行う重要な役割を担っているのです。

【わかりやすく説明】税理士の主な仕事内容とは

税理士の仕事が「税務の専門家」であることは、税理士法 第一条によって定められています。

税理士法 第一条(税理士の使命)
税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。
(e-Gov 税理士法 *1より)

しかしこれだけでは、「納税義務者の信頼にこたえる」とはどういうことなのか、「納税義務の適正な実現」がどのように図られるのか、イメージをつかみにくいかもしれません。

そこで税理士法 第二条が、税理士の具体的な業務内容を列挙しています。

税理士法 第二条(税理士の業務)
税理士は、他人の求めに応じ、租税(印紙税、登録免許税、関税、法定外普通税(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第十条の四第二項に規定する道府県法定外普通税及び市町村法定外普通税をいう。)、法定外目的税(同項に規定する法定外目的税をいう。)その他の政令で定めるものを除く。第四十九条の二第二項第十一号を除き、以下同じ。)に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする。


一 税務代理(税務官公署(税関官署を除くものとし、国税不服審判所を含むものとする。以下同じ。)に対する租税に関する法令若しくは行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の規定に基づく申告、申請、請求若しくは不服申立て(これらに準ずるものとして政令で定める行為を含むものとし、酒税法(昭和二十八年法律第六号)第二章の規定に係る申告、申請及び審査請求を除くものとする。以下「申告等」という。)につき、又は当該申告等若しくは税務官公署の調査若しくは処分に関し税務官公署に対してする主張若しくは陳述につき、代理し、又は代行すること(次号の税務書類の作成にとどまるものを除く。)をいう。)


二 税務書類の作成(税務官公署に対する申告等に係る申告書、申請書、請求書、不服申立書その他租税に関する法令の規定に基づき、作成し、かつ、税務官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下同じ。)で財務省令で定めるもの(以下「申告書等」という。)を作成することをいう。)


三 税務相談(税務官公署に対する申告等、第一号に規定する主張若しくは陳述又は申告書等の作成に関し、租税の課税標準等(国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二条第六号イからヘまでに掲げる事項及び地方税(森林環境税及び特別法人事業税を含む。以下同じ。)に係るこれらに相当するものをいう。以下同じ。)の計算に関する事項について相談に応ずることをいう。)
(e-Gov 税理士法 *2より)

申請・申告手続きの代理

個人や法人などの一般の納税義務者に代わって、税金の申請・申告を行う業務です。

納めるべき税金の種類は住民税、所得税、贈与税、法人税、相続税など対象者によって様々です。

しかし一方で税金に関する法令は複雑で、加えて法改正が頻繁に行われます。そのため自分の仕事を抱えている多くの納税義務者にとって、税金の申請・申告を適切に行うことは難しいのです。

そこで、税理士が税務の専門知識を活用して、これらの納税義務者の税務申告等の手続きを代理・代行します。

納税者は自らの納税義務を適切に果たすことができ、手続に時間や労力をかけない分、自分の仕事に打ち込むことができるようになります。

税務書類の作成

上記の申請・申告手続の前に、申請書・申告書を作成する必要があります。税理士はこうした税務に関する書面を作成することをも、独占業務として行うことができます。

たとえば毎年2月から3月にかけて行われる所得税の確定申告のために、税務署に提出する申告書を税理士が納税義務者に代行して作成することができます。

ほかにも、相続を行った場合には相続税が発生するので、その際に必要とされる相続税申告書を税理士が作成・提出することもできます。

税金に関する税務相談の業務

税理士は、法人を対象に法人税や消費税などに関するアドバイスを行います。

たとえば、効果的な節税対策や税務リスクの回避策などについて適切な助言を行い、企業が法令を遵守しつつ、健全で効率的な経営を行えるように支援します。

また、普段は税務にあまり関わりのない一般の社会人が、突然税務処理を求められるイベントが所得税の確定申告です。

確定申告が近づくと、各所で税理士による税務相談会などが開かれます。

所得の具体的な算出方法や贈与に関する事柄など、税のさまざまな相談に応じて適切に指導することが、ここでの税理士の業務内容となります。

独占業務以外の仕事

税理士は「経営者の良きアドバイザー」でもあります。経営者は、事業再生、事業承継、組織再編、M&Aなど、会社をとりまくあらゆる変化について常に考えをめぐらせていく必要があります。そんな経営者は税理士に税務面の的確なアドバイスを期待しています。

資金調達、資金繰りの相談

「融資を受けたいが、会社が赤字で難しい」と考えている経営者もいます。しかし、事業計画の内容次第では融資を受けられる可能性も出てきます。融資を受けることができるように事業計画の内容を経営者と一緒に見直すことも、税理士の知識を役立てられるフィールドの一つです。

経営面のアドバイス

企業の顧問税理士となり、経営面での見直しや売上向上に向けた取り組みを提案することも、税理士の役割として求められることがあります。

税務対策と併行して、企業内の業務や事案について客観的な視点を持って独自の調査を行い、どうすれば実績が向上するのかなどを分析し、改善策を提言することも、経営面のアドバイスとして役立っています。

税理士の年収とは

税理士の働き方は1つではありません。自分のライフスタイルや目指す年収に合わせてチャレンジすることが可能です。

税理士の主な働き方と年収の違いについて、以下の3つのパターンを詳しく見ていきましょう。

  • 開業税理士
  • 社員税理士
  • 所属税理士

開業税理士

開業税理士の平均年収は目安として700万円以上で、所属税理士よりは高く、税理士法人の社員税理士よりは低い傾向にあります。

開業税理士とは文字通り、自ら税理士事務所などを構えて仕事をするスタイルです。

自分で仕事を選んで自由に働くことができるメリットに加え、一般的な会社員として組織で働くよりも多くの収入を得られる可能性もあります。

税理士は独占業務を持つ国家資格であり、個人でも事務所を立ち上げられることから、独立開業がしやすい職種であるといえます。

そのため、税理士資格の取得を目指している方の中には、将来的な独立開業を見据えているという方も少なくありません。

一方で、独立開業する場合は自分の力で仕事を獲得する必要があります。

営業がうまくいかず、顧客の獲得ができなければ平均年収を大きく下回ってしまうリスクも頭に入れておく必要があります。

また、事務所の立ち上げなどには初期コストがかかるため、十分な収入が得られなければ初期投資の回収に時間がかかったり、困難に陥ったりするおそれもあります。

そのため、ある程度の人脈を築く、実務経験を積むといった事前の準備が欠かせません。

社員税理士

社員税理士の平均年収は目安として800万円以上となり、税理士の中でも高額となる傾向にあります。

税理士事務所には、個人で開業する「個人事務所」と、法人形態を取って複数人で業務を行う「税理士法人」があります。

税理士法人の社員税理士は一般的な企業でいう「社員(従業員)」とは異なります。

社員税理士は会社の所有者であり経営者でもある「出資者」という位置付けとなり、登記もされます。 

税理士法人として認められるのは、原則として2人以上の税理士が所属している法人です。

それぞれの社員が法人の代表権を持つため、一般企業の社長にあたる役職を、状況に応じて特定の社員に定めているケースもあります。

税理士法人の場合、個人ではなく組織として顧客対応を行うことになります。そのため「税理士が常駐している」といった条件はありますが、支店などを展開して組織を大きくすることも可能です。

それぞれの社員が経営権を持ち、事務所の仕事の方針や事業展開などについては、合議制で行われるケースがほとんどです。

それだけに、税理士としての業務以外に「経営者」としての視点も求められる働き方でもあります。

所属税理士

所属税理士の平均年収は、目安として600万円弱となります。

所属税理士とは、前述の税理士法人に社員(実質的な役員)としてではなく、所属する税理士として雇われている人を指します。

一般企業での役員にあたる「社員税理士」とは違い、法人の経営そのものに関わることはありません。

しかし、資格者として責任ある業務を担うため、純粋に税理士としての実務経験を深く積むことができます。

経営層である社員税理士に比べると年収が低めですが、どんな企業でも、お金が動く以上は税に関する知識は必要不可欠です。

それだけに、一般企業でも税のスペシャリストである税理士への需要は高まり、一般的な給与所得者よりも高収入となる傾向にあります。

独立開業や社員税理士よりもハードルが低く、収入が安定しており、リスクも低いのが特徴です。

そのため、「ひとまず税理士として働きたい」「資格を活かしたい」という方にとても魅力的な選択肢といえます。 

税理士業務の主な流れ

ここまで、税理士の仕事内容などについて説明してきましたが、具体的にどんな流れで一日の業務を進めていくのでしょうか。また、仕事の繁忙期や閑散期はいつ頃なのでしょうか。くわしく見ていきましょう。

  • 税理士の一日の仕事内容例
  • 税理士の繁忙期
  • 税理士の閑散期

税理士の一日の仕事内容例

これは、税理士法人に勤める税理士の一日のスケジュール例です。

8:30事務所に出勤。顧客や関与先からのメールをチェックし、一日の予定をおおまかに立てる。緊急の案件が入れば、それまでの予定を柔軟に調整していくことも。
9:00事務所内のミーティング。出勤してきた上司やスタッフに伝達事項を伝えたり、様々な確認作業を行う。
9:30外勤。クライアントを訪問し、税務書類の作成などについて打合せを行う。
12:00ランチ。時間に余裕があれば外食をすることもあるが、忙しくコンビニ弁当を買って事務所に戻って済ませることも多い。
13:00内勤。税務書類の作成。スタッフから業務内容について質問を受けたりして作業が中断することもよくあるので、集中力を上げて取り組む必要がある。
16:00再び外勤。新しく顧問先になってくれそうな新興企業への営業活動。自分の事務所を魅力的に感じてもらえるよう、コミュニケーション能力が大事。
18:30事務所に戻る。再度メールチェックを行い、すぐに対応できるものは返信して退勤。

このように、比較的一日中せわしく動いている日もあるでしょう。

新人の勤務税理士から、残業をしなければならない場面も出てきます。

また、12月から5月ごろは税理士にとって繁忙期となります。

この期間は企業の決算や申告に関する業務が多く、複数の顧問先を抱える税理士は遅い時間まで仕事しなければならない日も多いでしょう。

とはいえ、ある程度自分の裁量で決めていくことができますので、しっかりスケジュールを組める人であれば仕事が回らなくなるということはありません。

税理士の繁忙期

法人向けの繁忙期

法人向けでは12〜5月頃が繁忙期と言えるでしょう

多くの法人は、12月と3月を決算期としています。一般的には、3月決算の法人が多いため、税理士にとってもその前後が繁忙期となります。

決算期の前は、決算に向けた準備をしなければなりません。3月決算であれば、4月には帳簿の締め作業や税額の計算、税効果会計などが発生します。上場していない企業であれば、5月頃に決算作業を行います。

個人向けの繁忙期

依頼者が個人の場合、確定申告の時期が繁忙期となります。確定申告の書類提出は、毎年2月〜3月頃に行います。税額を計算し、申告書類を作成するには、必要な書類を集めて提出してもらったり、打ち合わせなども必要となります。

税理士の閑散期

前述の繁忙期を除いた時期は、比較的業務が落ち着きます。そのため、6〜11月ごろが閑散期と言えるでしょう。この時期には、決算や確定申告以外の業務を行います。

▼閑散期の業務例

  • 巡回監査
  • 毎月の月次決算
  • 依頼者に税務調査が入る際の立ち会い
  • その他税務相談 など

巡回監査とは、依頼者のもとに出向いて、正しく経理が行えているかを確認する業務です。月次決算は、業績報告のための月単位での決算ですが、年次決算とは異なり、税務署に報告する必要はありません。また、税理士法人の場合、税理士の採用に関する業務もこの時期に多く行われています。

【国家資格】税理士と公認会計士との違い

会計に関する国家資格である公認会計士との違いは、以下の通りです。

▼税理士
税金の申告書作成や申告の代理、税務相談が主な業務です。そのほかに、会計処理の代行や節税・納税対策のコンサルティングなども行います。

▼公認会計士
独立した立場から企業の財務諸表(決算書)を監査し、会計基準に則って作成されているかを調べることで、投資家の信頼を担保することが主な業務です。税理士と同様に、会計処理の代行を行う場合もあります。

ざっくりと分けると、主に中小企業の税務・会計代行、税金対策のコンサルティングなどを行うのが税理士、大企業の監査や上場対策など比較的規模の大きな業務を行うのが公認会計士といえます。

税理士になるメリット

税理士になると次のようなメリットがあります。

  • 税理士は生涯現役で働ける
  • 税理士は独立開業して自分の事務所が持てる
  • 税理士は自分のライフプランに合わせて働ける
  • 税理士はさまざまな人との出会いがある
  • 税理士は国内どこでも働ける

1つずつ見ていきましょう。

税理士は生涯現役で働ける

税理士になるメリット1つ目は、生涯現役で働けることです。

税理士は定年がありませんので、年齢に関係なく働くことができます。

日本税理士会連合会が公表しているデータを見ても、登録している税理士の多くを50代以上が占めています。

70代や80代になっても現役で活躍している人が非常に多いのが特徴です。

税理士は長年培った知識や経験を活かし、定年後も長く社会に貢献できる魅力的な資格です。

【参考】日本税理士会連合会「税理士って? 〜一生の仕事を探すなら〜」 

税理士は独立開業して自分の事務所が持てる

税理士になるメリット2つ目は、独立開業して自分の事務所を持てることです。

税理士試験に合格し、実務経験を2年以上積めば税理士として登録ができます。

税理士として税理士事務所や企業で働くこともできますが、多くの税理士が独立開業をしています。

日本税理士会連合会が発表する令和7年度(2025年度)3月末のデータを見てみると、全国の税理士登録者は81,696人、そのうち開業税理士が55,395人と、実に7割近くが独立開業をしていることになります。

独立開業すると自分の知識と営業力でクライアントを確保していくことになるので、大変やりがいがあると言えるでしょう。

税理士は自分のライフプランに合わせて働ける

税理士になるメリット3つ目は、自分のライフプランに合わせて働けることです。 

税理士になると、以下のように自分のライフプランに合わせた働き方ができるようになります。

▼ライフスタイルに応じた高収入を目指せる

税理士の年収は勤務形態や事務所の規模によってさまざまですが、独立開業して軌道に乗れば、自分の裁量次第で会社員時代を超える収入を目指すことも可能です。

▼自分のペースで仕事ができる

独立開業すれば、経営者として全ての裁量を自分で持てるため、働く時間や休日のスケジュールも自分自身でコントロールできるようになります。

定年もなく、生涯働きたい人にとってとても魅力のある仕事です。

税理士はさまざまな人との出会いがある

税理士になるメリット4つ目は、さまざまな人との出会いがあることです。

一般企業に勤めていれば、社外との接触や取引先など出会う人が限られてしまいがちですが、税理士は多種多様な人に出会うことができます。

飲食店のサービス業からIT関連の事業主、ものづくりの職人、農業・漁業の自営業者まで、あらゆる業種の経営者と、専門家として関わることができます。

税理士の仕事を通して、さまざまな業界の仕組みを知ることで、やりがいを感じられるでしょう。

税理士は国内どこでも働ける

税理士になるメリット5つ目は、国内どこでも働けることです。

税務に関する仕事は日本国内どこへ行っても存在します。

顧客の事業が継続する限り仕事はなくならないので、税理士として得た知識を生かせる場所は多いと言えるでしょう。

自分の故郷に戻って仕事がしたい人や、結婚で転居しなければならない場合でも、必要な手続きを行えば、全国どの地域でも税理士として仕事を続けることが可能です。

また、税理士の資格を持っているだけでも企業から高い評価を得られるので、就職・転職も有利になるでしょう。

働き方の自由さなど、税理士になるとさまざまなメリットがあります。

税理士になるデメリット

働き方の自由さなど、税理士になるとさまざまなメリットがあります。

それでは逆に、税理士になるデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

  • 税理士は資格取得までに時間がかかる
  • 税理士は独立しても高収入とは限らない
  • 常に勉強し続けなければならない
  • 繁忙期は仕事量が大幅に増える

税理士は資格取得までに時間がかかる

税理士になるデメリットの1つ目は、資格取得までに時間がかかることです。

税理士試験は、少しの勉強で誰もが簡単に合格できるようなものではありません。

基本的には資格取得を目指す場合、年単位の時間をかけて試験合格(5科目合格)を目指すことになります。

合格に必要な勉強時間は、選択する科目によって異なります。

例えば、必須科目の簿記論と財務諸表論に加えて、法人税法、相続税法、国税徴収法を選択した場合、勉強時間の目安は合計2,100時間程度です。

年間で考えれば、600〜900時間の勉強を約3年続けることになるでしょう。

こうした長期にわたる勉強を続けて、初めて試験合格に近づけるのが税理士です。

また、税理士として登録するためには、「2年以上の実務経験」も必要となります。

このように、一人前として活動できるようになるまでに長い年月を要する点は、デメリットであると言えるのかもしれません。

税理士は独立しても高収入とは限らない

税理士になるデメリットの2つ目は、独立しても高収入とは限らないことです。

税理士を目指している人の中には、いずれは独立開業をしたいと考えている方や、独立して高収入になりたいと考えているケースも多いでしょう。

しかし、誰もが独立さえすれば高収入になれるわけではありません。

独立開業した税理士は、自身の力で売上を立てなければならないため、依頼が来るかどうかはすべて自分次第です。

新規顧客が増えなかったり、既存顧客に契約を打ち切られたりすると、ダイレクトに収入に影響が出ます。

継続的に依頼を受けたり、新規顧客の獲得ができたりする実力がなければ、高収入を目指すのは難しいでしょう。

常に勉強し続けなければならない

税理士は税に関する情報を常にアップデートしていかなければなりません。

無事に資格が取得できても、そこで勉強が終わるわけではないのです。

常に最新の情報を正確に理解し、顧客へのアドバイスを行う必要があります。

実際に、日本税理士会連合会では、税理士に年間36時間以上の研修受講を義務付けています。

業務と勉強を両立するのは非常に大変ですが、税理士の仕事を続ける限りは、知識のアップデートを怠ることはできません。

繁忙期は仕事量が大幅に増える

税理士の業務には繁忙期と閑散期があります。

個人が対象であれば確定申告の時期である2〜3月、法人が対象であれば決算の時期である12〜5月頃が繁忙期です。

両者が顧客にいる場合、2〜3月頃は両者の繁忙期が重なる時期となります。

そのため、毎日のように残業時間が増えますし、土日も休みなく出勤ということもめずらしくありません。

税理士に向いている人

税理士試験合格を目指す人は、自分に税理士の適性があるか気になるところでしょう。

税理士の職務を考えれば、次のような特徴を持った人が「適性あり」と認められるでしょう。

  • 税務計算が苦にならない人
  • 経営に携わりたい人
  • コミュニケーション能力が高い人

税務計算が苦にならない人

決算書や収支報告書などの財務データに基づき、複雑な税法を適用して正しい税額を算出するのが税理士の仕事です。

膨大な数字を毎日のようにチェックし、税法上のルールと照らし合わせながら、正確に計算を組み立てていく作業が欠かせません。

数字を見るのが苦にならず、なおかつ法的なルールに沿った計算処理が得意という人は、税理士の適性があるでしょう。

経営に携わりたい人

税理士の仕事は、単に納税額を計算するだけではありません。

経営者にとって税負担の最適化は大きな課題です。

クライアントの支出状況や売上を見て、法律の範囲内で効果的な節税のアドバイス(税務相談)をすることは、重要な役割の一つです。

手元に残るお金を適切に確保できれば、事業活動や組織運営にもプラスに働きます。

税理士は財務の側面から経営に携わる仕事でもあるため、企業の経営サポートや財務戦略に興味がある方ほど、税理士に向いているといえるでしょう。

コミュニケーション能力がある人

クライアントが抱える本質的な課題やニーズを把握して的確に対応するには、高いコミュニケーション能力が必要です。

クライアントに税務処理を安心して任せてもらうには、どのようなサービスをどのような形で行うのか、分かりやすく丁寧に説明することが大切です。

それができる税理士こそ信頼され、多くの顧客を獲得できるのです。

人と接することが好きで苦にならない方は、税理士業務に向いているといえるでしょう。

税理士に向いていない人

それでは逆に、税理士に向いていないのはどんな人なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

  • かい作業が好きでない人
  • コミュニケーションが苦手な人
  • 数字に苦手意識がある人

細かい作業が好きでない人

税理士に向いていない人の1つ目は、細かい作業が好きでない人です。

税理士の仕事は、細かい作業の連続です。例えば、税金の計算や財務諸表を読み取ったりするために、細かい計算や正しく数字を追う業務が頻繁に発生します。

また、税務に必要な資料や書類をもれなく集めて、金額が正しいか、最新の税法に違反していないかも確認が必要です。そのため、細かい作業が好きでない人は、税理士に向いていないと言えるでしょう。

コミュニケーションが苦手な人

税理士に向いていない人の2つ目は、コミュニケーションが苦手な人です。

税理士について「あまり人とコミュニケーションをとらなくて済む」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、それは間違いです。むしろ税理士は、依頼者からの相談を受けたり、経営におけるコンサルティングをしたりと、コミュニケーションが非常に多く発生する仕事です。

そのため、コミュニケーションが苦手な人は税理士に向いていないと言えるでしょう。

数字に苦手意識がある人

税理士に向いていない人の3つ目は、数字に苦手意識がある人です。

税理士の仕事では、日々多くの数字を読み取り、計算し、正しい金額を導き出す作業が発生します。税額を算出するにしても、決算書を作成するにしても、うっかりミスは決して許されません。

それがもとで税務が正しく行えなくなったり、税額が変更になったりすると、依頼者の信頼を失い、トラブルや契約打ち切りを招いてしまいます。少なくとも数字を見続けたり正確に計算し続けることが苦手な人は、税理士に向いていないといえるでしょう。

税理士になるには

税理士になるためには以下の3つの方法があります。

  1. 税理士試験に合格・2年以上の実務経験を積む
  2. 弁護士か公認会計士の資格を取得する
  3. 税務署で所定の年数以上勤務する

それぞれの方法について詳しくご紹介します。

①税理士試験に合格・2年以上の実務経験を積む

税理士試験に合格した後、税理士事務所などで実務を2年以上経験すれば税理士資格が与えられます。

税理士試験は11科目あり、会計2科目と税法3科目の計5科目で合格する必要があります。

「会計学に属する科目」と「税法に属する科目」に分けられます。

会計科目は誰でも受験することが可能です。

一方、税理士試験のうち税法科目を受験するには「学識」「資格」「職歴」「認定」の条件のうち、1つを満たす必要があります。

例えば、大学や短期大学で社会科学に属する科目を1科目以上履修し、卒業している方は受験資格を得ています。

税理士事務所などで「法人又は事業者の会計に関する事務」に2年以上従事した方も対象です。

詳しい受験資格の要件は国税庁のホームページで確認してください。

実務経験は税務官公署(税務署や市役所の課税課など)での勤務のほか、一般企業での規定の業務でも認められます。

②弁護士か公認会計士の資格を取得する

「弁護士」もしくは「公認会計士」の資格があれば、同時に税理士資格も得られます。

ちなみに、弁護士法3条2項には「弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができる。」と規定されており、弁護士が税理士業務を行える法的根拠となっています。

【引用】弁護士法第3条2項

一方、公認会計士試験合格者は、税法に関する研修を修了すれば、税理士資格を得ることができます。

③税務署で所定の年数以上勤務する

税務署に23年以上または28年以上勤務し、指定の研修を修了すれば、試験を受けずに税理士となる資格を得られます。

必要となる勤務年数は、税務署での担当業務や就いていた役職などによって異なります。

税務署を退職後に税理士として活動する方は、実際にたくさんいます。

セカンドキャリアとして、あるいは定年後も働き続けることを見据えているケースが多いでしょう。

なお、勤務年数が10年以上または15年以上の国税従事者が税理士を目指す場合は、税理士試験の税法に関する科目のみが免除されます。

【仕事がなくなる?】税理士の将来性とは

近年、AIなどの進化によって多くの人が職業を奪われてしまうといった声も聞かれるようになりました。

税理士の仕事でも、税金の計算といった一部の業務はAIなどに代替されていく可能性は十分にあります。

だからといって税理士に将来性がないわけではありません。

税理士は税務署などへの申告や申請を代理・代行するのみでなく、企業や事業者などの顧客にとって税に関する相談ができるアドバイザーという役割を担っています。

税金制度は常に変化し続けており、そうした企業や事業者などにとって税金に関する悩みは尽きることはありません。

それだけに税のプロフェッショナルである税理士への需要がなくなることはないと考えられます。

つまり、税理士は将来性が十分にある資格・職業なのです。

税理士はAI時代でもなくならない?

「税理士はAIに仕事を奪われる」「AIで税理士の仕事がなくなる」と聞いて不安に思ったり、受験勉強を始めて本当にいいのか、もう遅いのではないかと悩んだりしていませんか?

税理士を目指すべきか知りたい方に向けて、現役税理士・公認会計士の柳澤令先生にお話を伺いました。

税理士と相性のいい資格

「ダブルライセンスを取得して税理士としてキャリアアップしたい」と考えるのであれば、仕事の幅が広がるような相性の良い資格を取得することが大切です。税理士と相性の良い資格は以下のとおりです。

  • 社会保険労務士(社労士)
  • 司法書士
  • 中小企業診断士
  • 行政書士
  • ファイナンシャル・プランナー(FP)
  • 不動産鑑定士

詳しくはこちらの記事で解説しています。

スタディングを利用して税理士試験に合格した人の声

Y.A.さん
2024年 簿財2科目合格

スタディングを信じて勉強したことで簿記論と財務諸表論の同時合格ができました。

過去2回試験に挑んだものの合格点には至らず、3度目の今回こそ絶対に受かるぞと意気込んで2024年1月から勉強を開始しました。

これまでは基礎をしっかり固めることから取り組んでいましたが、本番を見据えて応用問題を1月から取り組むことにし、テーマ別演習や実力テストを中心に勉強。

解けなかったところや間違えたところのみを基礎から確認するようにしていました。

その成果もあり、5月までには応用問題もほとんど正解できるようになり、試験まで余裕をもって勉強を進めることができたと思います。

働きながらですと仕事の都合で勉強時間が一日取れないこともあり、試験直前まで勉強時間の確保には苦しみました。

そんな中で、スタディングを通して早めに応用問題を履修できたことで、忙しいながらも合格レベルに達することができたと思います。

サイトウさん
2024年 簿記論合格

簿記論に合格することができました。

前回は54点で残念ながら不合格でした。

その時は、他社の応用問題などにも積極的に取り組みました。

難しい問題を解くことが大事だと勘違いしていました。

スタディングで何度も言われてるとおり、基礎が大事だとこの時、痛感しました。

みんなが取れる問題を確実に取ることが本試験で勝つための秘訣です。

私は社会人です。

限られた時間をどう使うか、これが大事です。

遠回りしましたが、基礎です。

スタディングは基礎を徹底してくれるので、社会人に優しいと感じました。

今回の本試験では、最初の問題から今までないパターンの問題で正直焦りました。

その際、ある程度やってダメでも基礎さえできれば、点数は取れると思って最後まで諦めずにやれたのも、スタディングでの教えを徹底できたからだと感じています。

ありがとうございました。

まとめ

今回取り上げた税理士の仕事について、ポイントをおさらいしておきましょう。

  • 税理士は税務書類の作成、税務代理、税務相談などの業務を行う税務のプロ
  • 資格取得に時間はかかるが、独立開業や生涯現役で働き続けることもできる
  • コンサルティング業務などで価値を発揮できれば、税理士の将来性は十分にある

税理士合格を目指すには、スキマ時間を活用した継続的な学習が重要です。税理士資格に興味がある方は、ぜひ「スタディング 税理士講座」の無料お試し講座をご覧ください。

>>税理士とは?仕事や試験をもっと知る

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