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国税徴収法とは|税理士試験

国税徴収法とは

税理士試験の国税徴収法とはどういう科目か教えてください。
国税の滞納処分など徴収手続について必要な事項を定めた法律です。税理士試験の他の科目とは異なり、理論勝負の科目という大きな特徴があります。学習範囲が限られ、標準学習時間が少ないというのも特徴の一つです。

国税徴収法とは

国税の滞納処分その他の徴収に関する手続の執行について必要な事項を定めた法律です。つまり、所得税・法人税・消費税などの国税の徴収に関して各種規定を定めているのが、国税徴収法です。
私法(民法等)秩序との調整を図りつつ、国民の納税義務の適正な実現を通じて国税収入を確保することを目的としています。
この税法には、国税と他の債権の調整、滞納処分に関する手続、不服審査、訴訟の特例などが規定されています。

税理士試験の国税徴収法の特徴

まず国税徴収法は理論のみの試験というのが、非常に大きなポイントです。つまり、理論100点満点の試験です。税理士試験には全11科目ありますが、計算がほとんどない科目は、国税徴収法のみとなります。
また、他の税法と異なる点は、法人税や消費税など特定の税目を扱う科目ではないことです。税務調査や国税の滞納といった国税徴収に関するあらゆる場面において、この国税徴収法の知識が必要となります。

国税徴収法の標準学習時間

100時間から150時間が標準学習時間となります。やはり計算がほとんどなく、理論勝負というのが影響し、比較的少ない時間数となっています。
しかし、それはどの受験生にも共通の条件です。合格レベルに近づくために必要な時間数は少なくても、他の受験生から一歩抜け出すためには、学習に更なる努力と工夫が必要です。

国税徴収法の合格率と難易度

税理士試験の国税徴収法の合格率は下記の通りです。
税理士試験の合格ラインは、建前上「満点の60%以上」とされていますが、税法科目の場合、受験者の上位10~15%が合格するという競争試験です。年によって合格率の上下はありますが、一定範囲の合格率で推移しています。
令和2年 12.2%
令和元年
12.7%
平成30年
10.7%
平成29年
11.6%
平成28年
11.6%
平成27年
14.2%
平成26年
13.2%
次に難易度の面では、理論の出題はシンプルながら、出題内容に対し、正確かつもれなく解答し尽くすことが求められます。
また、完全に理論勝負の科目ということから、理論暗記は得意だが計算が苦手という人の場合、国税徴収法を選択することは有利に働く可能性が高いです。
学習ボリュームが少ないという利点がありますが、同様に考える受験生が集まりやすくなります。他の受験生より精度の高い理論答案が求められることも頭に入れておく必要があるでしょう。

国税徴収法 短期合格勉強法

国税徴収法は、何よりも理論の正確な理解と解答力が問われる試験です。したがって、以下の項目と順番で学習するのがおすすめです。

◆論点の概要を理解する(完璧にするのではなく、まず全体像をつかむ)

◆簡単な例題を解いてみる
→個別の理論の確認

◆少しまとまった分量の問題(実際の本試験問題でなくても可)を解いて、内容理解を深める →どういう形で出題されるか?を理解する

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◆しばらくしてからもう一度問題練習をして、定着しているか確認する
→定着していない場合は、復習して繰り返し学習で記憶に定着させていく

◆本試験レベルの問題で実力をチェックする(どこで間違えたか・忘れていることなど)
→復習する

◆本試験レベルの問題を本試験と同様に時間を決めて解く練習をする
→復習する

このように、繰り返し練習をして、理論の正確な理解と解答力を積み上げていくのが国税徴収法攻略の近道です。

国税徴収法については、テキストを読み理解を深めることは大切ですが、同時に問題練習を通じて知識の定着と補充を繰り返していくのが良いでしょう。 学習初期の段階で理論を正確に理解しておけば、試験直前期の問題演習により解答力を高めやすくなります。