税理士試験合格までの勉強時間は?科目ごとに勉強時間は違う。


税理士試験合格までの勉強時間は?科目ごとに勉強時間は違う。


税理士試験の受験計画を立てる上で、合格に必要な科目ごとの勉強時間が知りたいです。
合格に必要な勉強時間は個人差があります。平均的な勉強時間はあくまで目安でしかないので、参考程度にとどめておきましょう。その上で、目的にあった科目を選択し、計画的に勉強することをおすすめします。


目次

  1. 科目別勉強時間の目安
  2. 税理士は科目合格制度だからこそ計画的に
  3. 学習時間での科目選択に潜む罠
  4. 上手な学習計画の立て方
  5. 最終的には・・・



科目別勉強時間の目安

税理士試験の科目別勉強時間は一般的に以下の表のように言われています。

科目名

平均勉強時間(目安)

出題内容

必須科目

簿記論

450時間

計算100%/理論0%

財務諸表論

450時間

計算50%/理論50%

選択必須科目

所得税法

600時間

計算50%/理論50%

法人税法

600時間

計算50%/理論50%

選択科目

相続税法

450時間

計算50%/理論50%

消費税法

300時間

計算50%/理論50%

酒税法

150時間

計算40%/理論60%

国税徴収法

150時間

計算0%/理論100%

住民税

200時間

計算50%/理論50%

事業税

200時間

計算30%/理論70%

固定資産税

250時間

計算50%/理論50%


全く初めて税理士の勉強をする人と、仕事でそれなりに税務に関わってきた人では、おのずと合格ラインに達するまでの勉強時間が異なります。「平均勉強時間」はあくまでも目安に過ぎず、この時間数を勉強したからといって合格を保証するものではないということです。

また、働きながら資格取得を目指す場合、会社の飲み会や接待、家族サービスなど、勉強時間の確保が難しくなることが多くなります。そうすると、「住民税はもう200時間勉強したし大丈夫かな・・・」などと考えてしまい、「勉強時間の上にあぐらをかいてしまう」という現象が起こりやすくなります。
様々なところで税理士試験の平均学習時間が発表されていますが、参考程度にとどめておくのがよいでしょう。



税理士は科目合格制度だからこそ計画的に

そもそも税理士試験が他の国家資格とは大きく異なる「科目合格制度」を採用している理由はなぜでしょう?
それは、1回の受験ですべての受験科目を合格することがほとんど不可能に近いということを、国(試験を実施する試験委員会)が認めているからです。その一方で、税理士として実務を行った際に誤った知識で仕事をして顧客に被害を与えるような税理士を出さないためにも、5科目という多くの科目に合格することを資格付与の条件としています。

なので、税理士試験は初めから、複数年で合格することを想定している試験であるということができます。

ただし、ここでいう複数年というのは、「何年かけてでも財務諸表論に合格すればいい・・・」という意味の複数年ではなく、「1科目ずつでも確実に合格していき、結果として2~4年で合格する」というものです。大切なのは、「受験した科目は絶対に合格する」というマインドです。そのためにも自分にあった学習計画を作ることが重要になってきます。

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学習時間での科目選択に潜む罠

それでは、どの科目を受験しても同じくらい時間がかかってしまうのかというと、そんなことはありません。
税理士試験の受験科目にはそれぞれの科目特性があり、必須科目である簿記論と財務諸表論を除いては、範囲の広さや出題の形式の違いがあります。
例えば、固定資産税は平成28年度試験の合格率が他の選択科目と比べても高いです。また、必要な勉強時間も相続税などに比べて少なく、計算問題の難易度も比較的低い傾向にあります。他にも酒税法や国税徴収法も比較的ボリュームが少ない科目となっています。

ただし、税理士試験は事実上相対評価(公式な表現ではありません)ですので、受験者数が少ない科目は合格者も少なくなるうえ、学習範囲が狭い分正解率が高くないと合格しないというケースがあります。

選択必須科目はいずれか1科目にとどめるのが良い?

試験制度上、選択必須科目である法人税法と所得税法は、最低どちから1科目を受験すればよいということになります。(両方受験することは可能です。 両方受験した場合、選択科目は1科目を選べばよいことになります。)

選択必須科目はどちらも勉強量(ボリューム)が重く、しかも選択必須科目である関係上、「実力者が受験していない」ということがまずあり得ません。そのため相対評価の税理士試験では、一定の実力が試されます。

実際の受験者は法人税法か所得税法のどちらか1科目にしているケースが多いです。



上手な学習計画の立て方

全体の受験計画を立てる

税理士試験は5科目に合格する必要があるので、一般的には複数年でのチャレンジになります。そこで、大切になってくるのが、「いつ、どの科目を受験するか?」という全体の受験計画です。

計画を立てる前に確認しておきたいことが2点あります。
「税理士試験は9月~翌8月という1年サイクルで動いているということ」と、「最近は1年で5科目に合格する人はほぼゼロである(最低2年、多くは3年から5年かかってしまう)」ということです。

したがって、2年・3年というスパンで受験計画を考えないといけません。

通常は、最初の年に簿財(簿記論+財務諸表論)からはじめて、会計の土台ができたところに税法を上積みしていくというのが一般的な流れです。ただ、必ずしもその順番だけかというとそうではなくて、例えば相続税は、簿記の知識は必ずしも必要というわけではありません。あった方が良いのは確かですが、そんなに会計の部分が土台になっていないので、相続税は意外と初年度でも受験できる科目と言えます。

また、消費税も、日商簿記でいう2級くらいまで経験があれば、なんとかなるイメージです。

したがって、全体を3年とした場合の受験計画を考えると、1年で3科目以内という設定でいくのが良いと思います。さすがに1年で4科目は厳しいと思います。例えば、簿財+相続税とか簿財+消費税みたいな組み合わせで1年目を考えると良いのではないでしょうか。

簿財2科目はどちらもボリュームがあるので、初年度は簿財2科目のみというのも定番と言えます。(特に初めての受験者はおすすめです)

逆に法人税は、簿財の知識がしっかりあった方が学習しやすい科目です。したがって、法人税は簿財を学習した翌年に計画すると比較的スムーズに学習を進めていけます。

目標別 受験プラン例

◆2年で合格を目指す場合
・1年目 簿記論450時間+財務諸表論450時間+国税徴収法150時間
・2年目 法人税法600時間+相続税法450時間
受験に専念できる方におすすめのプランです。目安として年間1,000時間以上の学習時間が必要となりますが、短期合格できるチャンスがあります。

◆2年半で合格を目指す場合
・1年目 相続税法450時間 or 国税徴収法150時間
・2年目 簿記論450時間+財務諸表論450時間
・3年目 法人税法600時間+相続税法450時間 or 国税徴収法150時間
学習開始年に多くの学習時間が取れない方におすすめのプランです。1年目は比較的学習量が多くない税法科目から始め、2年目は簿財2科目、3年目 は残りの税法2科目を取得し、2年半での合格を目指します。

◆3年で合格を目指す場合
・1年目 簿記論450時間+財務諸表論450時間
・2年目 法人税法600時間
・3年目 相続税法450時間+国税徴収法150時間
毎年安定した学習時間を確保できる方におすすめのプランです。一般的な流れと同様に、必須科目である簿財2科目からスタートし、2年目以降で税 法3科目をそろえるプランです。


1年の学習計画を立てる

次に1年間のスケジュールを立てます。複数科目を同時に勉強する場合は、そのバランスも大事になってきます。

仮に1年2科目であれば、着実に合格するために、8月か(できればそれ以前)にスタートして、翌年の3月か4月には一通り学習を終えるように計画するのが良いでしょう。4月以降は直前対策、答案練習、復習に時間を使います。

もし、1年に1科目であれば、最初の学習を年内に一巡し、実力テストなどを併用しながら翌年1月以降は二巡目(繰り返し学習)をするのがおすすめです。この場合でも、4月以降は直前対策を行います。



最終的には、合格後の目標を見据えて

試験というものはやはり「早く、楽に合格したい」という気持ちになるのは当然ですが、勉強時間の長さや合格率で科目選択するのはあまりお勧めできません。

なぜなら、「税理士合格後に何をしたいのか?」ということが、試験勉強より重要だからです。

資格取得後、独立して法人の顧問税理士になるなら法人税や消費税の知識は必須になりますし、また個人の確定申告や企業の従業員の年末調整を扱うなど個人を対象に業務を行うなら所得税や相続税の知識が必要になってくるでしょう。このように、自分がどんな仕事をしたいのかによって科目を選択するのが本来の姿ではないでしょうか?

また、仕事がイメージできていると内容に興味が沸き、ボリュームの多少はあっても、結果的によく理解し合格しやすい科目選択になると思います。

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