税理士とは?|税理士試験の概要

ここでは、そもそも「税理士」とは何か、その業務内容について、詳しく説明していきます。
税理士は独立やキャリアアップ、転職のいずれにも有利な資格です。
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目次

  1. 税理士という仕事の魅力
  2. 税理士の仕事内容
  3. 税理士として活躍できるフィールド
  4. 税理士になるためには
  5. 税理士資格を取得するための国家試験の試験科目
  6. 税理士試験の合格率
  7. 税理士試験の受験資格
  8. 税理士試験の日程
  9. 税理士試験の受験料



税理士という仕事の魅力

日本国民の三大義務といえば、「教育」、「勤労」、そして「納税」です。
それだけ税金は私たち国民にとって身近なものであり、本来はどのような仕組みなのかを知っておくべきものです。
しかし、その割には税金の計算方法や納税の手続きは複雑であり、専門的な知識を要します。
個人でも確定申告で悩む方が多いのですから、企業で税金の計算を行う場合はなおさらです。
「税理士」とは、納税方法のアドバイスや申告書の作成を行うのが仕事であり、言わば「税金の専門家」です。



税理士の仕事内容

ところで、「税理士」と聞いて、あなたはどんなイメージが浮かぶでしょうか。「税金」、「専門的知識」というフレーズから、堅苦しいイメージが強いのかもしれません。しかし、企業の経営者などから財務や税務といった、「お金」にまつわる相談を受けることが多い職業です。そのため、「信用第一」の職業であり、堅い職業なのは事実ではありますが、単に堅いだけでは通用しません。

中小企業の経営者は常にさまざまな悩みを抱えています。そんな経営者の方々のお話に耳を傾けたり、時には他愛もない雑談をして相談しやすい関係性を作ることも必要だったりします。

専門的な知識が必要なのは当然ですが、常に机の前に座って仕事をするというわけではなく、人に話しをすることが好きなうえに聞き上手という方が、税理士に求められるスキルといえるでしょう。

税務業務(独占業務)

税理士は企業の顧問となり、確定申告書や申請書などの書類を作成する税務、会計帳簿や財務諸表(決算書)などを作成する会計業務や、コンサルティング業務を通じて、企業の発展に貢献することができるという、やりがいのある職業です。
その専門性の高さから、税金に関する業務については税理士だけに認められた業務、つまり「税理士の独占業務」とされています。

  1. 税務書類の作成
  2. 税理士が自らの責任と判断において、税務署に提出する申告書などの書類を作成します。

  3. 税務代理
  4. 税金に関する法令に基づき、納税者に代わり、税務署などに対して申告・申請・請求などの手続きを行います。

  5. 税務相談
  6. 具体的な事例に基づき、税務の手続きや計算などに関する相談に応じたアドバイスを行います。

会計業務

会計帳簿への記帳や財務諸表(決算書)の作成などについて、会計や税務の専門家によるアドバイスを必要とする企業に対して、指導したり代行したりします。
場合によっては、会計ソフトの入力方法などを指導したりすることもあります。
前述の税務業務は、会計業務が確実に遂行されていることが前提です。したがって、適切な税務を行うには、会計業務についてもしっかりと指導や助言を行う必要があります。
特に中小企業などでは会計業務を税理士に依頼することが多く、会計業務のサポートは、税理士における重要なサービスの1つといえます。

コンサルティング業務

中小企業の経営者は、企業の成長過程において、常に経営的な課題を抱えています。
中小企業の経営者にとって経営改善のアドバイスを求める相手として、税理士は最も身近な存在であり、会計や税務に関する専門的な知識を基に、アドバイスを行います。
税理士に対してのニーズは、単に税金や会計の枠に収まらず、営業戦略やコスト削減など、経営支援全般まで広がっています。


その他の業務

中小企業の顧問以外にも、国際税務、相続・事業承継(資産税コンサルティング)、株式公開支援業務(IPO)、MAコンサルティング、会計参与、外部監査、補佐人など、税理士の業務は多岐に渡っており、さまざまな場面で活躍できます。さらに、税務調査が発生した場合に、その場に立ち会うと経営者の方にとって心強いものとなるでしょう。税理士資格の社会的信用は非常に高く、やりがいがある仕事といえます。

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税理士として活躍できるフィールド

税理士の資格を取得すると、税理士事務所だけでなく、税務署や市区町村役場など、活躍できるフィールドが広がります。

税理士事務所・会計事務所

就職先で最も代表的なのは、税理士事務所です。
税理士試験に合格後、税理士会に登録するには2年の実務キャリアが必須条件となります。 そこで、まずは税理士事務所に就職し、経営者や先輩税理士の事務を補助しつつ実務を学んだうえで、後に税理士として独立するのが、一般的なキャリアパスとして知られています。
ちなみに、会計事務所と税理士事務所は呼び方が異なるだけで、ほぼ同じです。
会計事務所も業務内容は税理士事務所と同じで、税務代理や税務書類の作成、納税・節税に関する相談などが挙げられます。

官公省庁

税務署や市区役所、町役場なども税理士の有力な就職先の候補として挙げられます。
税務署には個人・法人問わず、納税に関する多くの相談が寄せられるため、当然、相談窓口には税務知識を備えた税のプロフェッショナルがいた方が、業務が円滑に進むでしょう。
また、市区町村も定期的に税務相談を受け付けており、税務に精通した職員の対応が望まれます。
そのような事情もあり、多くの官公省庁で税理士資格を持つ人材を獲得しようとする動きが見られます。

一般企業

税法だけではなく、会計や簿記の知識も持った税理士は、一般企業においてもひっぱりだこです。
多くの法人や団体では節税対策を行っており、税法に精通した専門家は心強い存在となります。
また、企業の一員として働き、経理や簿記、財務・会計に関する実務経験を積めば、後に独立開業した時、その知識と経験が役立ちます。
企業活動の現場に直接触れることで市場の動きや景気動向にも敏感となり、民間企業の立場に沿うような生きたアドバイスができるようになります。
税理士の独立開業を目指すうえで、一般企業への就職は決して遠回りとはいえないでしょう。

税理士の雇用形態は正社員だけでなく業務委託やアルバイトも

就職先に関係なく、税理士資格を持った人の雇用形態はさまざまです。
税理士に限らず、国家資格を持っているからといって正社員で働くのが当たり前かといえばそうでもなく、業務委託やアルバイト・パートの形態で働く人もたくさんいます。税理士資格を持つ方でも、決まった就職先に縛られず自由な形で業務委託により仕事を引き受ける勤務形態も少なくありません。
「決まった場所で働くか」「自由な勤務形態で働くか」など、どちらが良いかは人それぞれであり、一概にはいえません。そのため、さまざまな経験を通して自分に合った仕事のスタイルを模索するのも良いかもしれません。

ここまで、税理士の仕事内容について説明してきました。「税理士って何の仕事をしているか分からない」「どこで仕事をするのか」と思われていた方も、おおよそのイメージはつかめたのではないでしょうか。
税理士に興味を持ったという方は、下記において資格の取得に関する勉強法を紹介していますので、検討してみてください。

関連記事:税理士の仕事はどんなもの?税理士法人編

関連記事:税理士の仕事はどんなもの?税理士事務所編

関連記事:税理士の仕事はどんなもの?社内税理士編



税理士になるためには

税理士として税務業務を行うためには、日本税理士会連合会において税理士名簿への登録をする必要があります。この税理士登録をするためには、一般的に通算5科目の合格とともに通算2年以上の実務経験が必要となります。なお、実務経験については、試験合格後である必要がないため、税理士法人や税理士事務所などで実務経験を積みつつ、科目合格を積み重ねるというケースが一般的です。

<税理士登録までの一般的な流れ>

・税理士法人等で勤務しながら1~4科目合格→残り科目を学習→官報合格(5科目合格)→通算2年以上の実務経験で税理士登録



税理士資格を取得するための国家試験の試験科目

税理士は独占業務を有しているため、税理士になるには税理士試験(国家試験)に合格することが必要です。
試験科目は全部で11科目ありますが、その中から5科目を選んで受験します。(科目免除制度あり)
ただし、5科目すべてを自由に選択できるわけではなく、下記のルールに従って選択する必要があるので注意しましょう。

・必須科目

会計科目の「簿記論」と「財務諸表論」の2科目は、必ず合格しなければなりません。

・選択必須科目

税法科目の「所得税法」と「法人税法」の2科目のいずれかに合格しなければなりません。

・選択科目

上記以外の7科目(「消費税法または酒税法」、「固定資産税」等)のうち、2科目を選択します。

必須科目(会計科目) 必ず合格する
必要がある
簿記論
財務諸表論
選択必須(税法科目) いずれか1科目を必ず
2科目選択も可能
法人税法
所得税法
選択科目(税法科目) いずれかを選択 相続税法
消費税法又は酒税法※
固定資産税
国税徴収法
住民税又は事業税※


関連記事:税理士の試験制度



税理士試験の合格率

平成27年度以降の科目別合格率は、以下のように推移しています。

科目区分

科目名

30年度試験の合格率

29年度試験の合格率

28年度試験の合格率

27年度試験の合格率

必須科目

簿記論

14.8%

14.2%

12.6% 18.8%

財務諸表論

13.4%

29.6%

15.3% 15.6%
選択必須科目

法人税法

11.6%

12.1%

11.6% 11.1%

所得税法

12.3%

13.0%

13.4% 13.2%
選択科目

相続税法

11.8%

12.1%

12.5% 13.4%

消費税法
酒税法

10.6%
12.8%

13.3%
12.2%

13.0%
12.6%
13.1%
11.9%

国税徴収法

10.7%

11.6%

11.5% 14.2%

住民税
事業税

13.5%
11.0%

14.3%
11.9%

11.7%
12.9%
9.6%
13.6%

固定資産税

14.9%

13.3%

14.6% 14.8%


年度により多少のバラツキはありますが、10%から15%程度で推移しています。

各科目とも満点の60%が合格基準とされていますが、実際には上位10%から15%が合格する相対評価による競争試験だということが分かります。
毎年、試験問題の難易度・分量は変わるにも関わらず、合格率はほぼ変わっていません。

関連記事:税理士試験の難易度・合格率



税理士試験の受験資格

税理士試験の受験資格には、「学識」「資格」「職歴」「認定」の4種類があり、いずれか1つでも満たせば受験資格が認められます。

1)学識による受験資格

 イ 大学又は短大の卒業者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者

 ロ 大学3年次以上で、法律学又は経済学を1科目以上含む62単位以上を取得した者

 ハ 一定の専修学校の専門課程を修了した者で、法律学又は経済学を1科目以上履修し

た者

 ニ 司法試験合格者

 ホ 公認会計士試験の短答式試験に合格した者

2)資格による受験資格

 イ 日商簿記検定1級合格者

 ロ 全経簿記検定上級合格者

3)職歴による受験資格

 イ 法人又は事業を行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者

 ロ 銀行、信託会社、保険会社等において、資金の貸付け・運用に関する事務に2年以

上従事した者

 ハ 税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者

(4)認定による受験資格

   国税審議会より受験資格に関して個別認定を受けた者

関連記事:税理士試験の受験資格



税理士試験の日程

・試験スケジュール

税理士試験は、例年8月上旬の平日3日間に行われます。試験スケジュール(例年)は以下の通りです。

1日目(火曜日)  午前9時から同11時まで 簿記論
 午後0時30分から同2時30分まで 財務諸表論
 午後3時30分から同5時30分まで 消費税法又は酒税法
2日目(水曜日)  午前9時から同11時まで 法人税法
 正午から午後2時まで 相続税法
 午後3時から同5時まで 所得税法
3日目(木曜日)  午前9時から同11時まで 固定資産税
 正午から午後2時まで 国税徴収法
 午後3時から同5時まで 住民税又は事業税


・合格発表

税理士試験の合格発表は、例年12月中旬~下旬に行われます。結果通知は郵送にて行われます。



税理士試験の受験料

受験手数料は、受験する科目数に応じて次のように定められています。

受験申込科目数

受験手数料

1科目 4,000円
2科目 5,500円
3科目 7,000円
4科目 8,500円
5科目 10,000円

※2018年から受験手数料が変更になっているので、ご注意ください。

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