宅建の勉強はいつから?勉強時間はどれくらい?
宅建の勉強をいつから始めるべきかは人それぞれ異なります。予備知識や理解度が人によって異なるからです。ここでは、宅建の勉強を始める時期や必要な勉強時間についてお伝えします。
宅建試験のスケジュールを確認
宅建の試験日は例年、10月の第3日曜日が試験日です。令和6年度(2024年度)の試験日は2024年10月20日(日)となっています。
申し込みの締め切りは7月ですので、受験するかどうかは7月までに決めましょう。
宅建試験に関する詳細情報は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構のWebサイトで公開されています。
【参考】一般財団法人 不動産適正取引推進機構「宅建試験のスケジュール」
いつから勉強を始めればいい?
宅建の標準的な勉強期間は半年程度です。宅建の試験本番は例年10月のため、その年の4月を目途に勉強を始めるとよいでしょう。
1日あたりの勉強時間を長く取れない人は、前年の10月から1年かけて少しずつ合格を目指す方法もあります。
このような勉強スケジュールが組めれば理想的ですが、実際は「3カ月でなんとか合格できないだろうか?」という人もいるのではないでしょうか?
宅建の受験生には、勉強に割く時間があまりとれない社会人も多いです。早めに勉強を始めようと考えていたにもかかわらず、4~6月は年度の始まりで忙しく、勉強時間が確保できない人もいるでしょう。
また、受験申し込みの締め切り直線になって「やっぱり今年受けよう!」と思い立つ人もいるでしょう。
7月ごろから勉強を開始して3カ月間程度で合格を目指すというケースは、しばしばあります。
結論から述べると、少々ハードなスケジュールにはなりますが、勉強期間3カ月で宅建に合格することも不可能ではありません。詳しくはこの先でで解説します。
宅建合格に必要な勉強時間は?
宅建合格に必要な勉強時間は200〜300時間と言われています。宅建の予備知識や経験がまったくない人や、宅建の不動産系・法律系の資格試験に初めて挑戦する人は、試験当日までに300時間程度を確保しておくと安心です。
一方、大学で法学を学んでいた人や、他の不動産系・法律系の資格に向けて勉強した経験がある人は、300時間より短い勉強時間でも合格を目指せる可能性があります。
宅建合格に必要な勉強時間は人によって異なります。自身の予備知識や経験などから、どの程度の勉強時間が必要なのか、大まかに考えてみてください。
勉強スケジュールの失敗例3選
失敗例1:スタートが遅くて勉強時間が足りなかった
まず、「勉強をスタートする時期が遅くなり、試験当日までの間に必要な勉強時間が不足してしまった」というケースです。
1日に勉強時間を多く確保できない人は、早めに勉強をスタートさせましょう。
それに加えて、スキマ時間を活用して勉強するのも有効です。
忙しくて机に向かえる時間が少なくても、スキマ時間を徹底的に活用できれば1日の総勉強時間を多く確保できます。
通勤時間や昼休み、就寝前など、勉強に活用できるスキマ時間がないか考えてみましょう。
失敗例2:問題練習の時間が少なすぎた
問題練習の時間が少なすぎるケースも、よくある失敗例のひとつです。
資格取得の学習には、知識を得る「インプット学習」と問題練習をする「アウトプット学習(問題練習)」があります。
効率よく勉強するには、この2つのバランスを取ることが大切です。
得点力は知識を頭に入れるだけでは得られません。知識を使って問題を解くことではじめて得点力がつくのです。
スケジュールがインプット学習で埋まってしまうと、問題練習の時間を確保できません。
アウトプット学習も意識したスケジュールを立てるようにするのがおすすめです。
また、インプットしたらすぐに問題練習するというように、2つの学習をセットで行うようにしましょう。
失敗例3:分野ごとの勉強時間の配分を間違った
勉強スケジュールの失敗例には、分野ごとの勉強時間の配分を間違えたケースも見られます。
宅建は1問1点で全50問出題されます。合格ラインは、相対評価方式のため毎年変動しますが、近年はおおむね35点前後です。
学習中は38点程度を目標にしておくとよいでしょう。
合格ラインを超えるには、どの分野で何点を目標とするかを決めておく必要があります。宅建の出題範囲と出題数は次の通りです。
分野 | 出題数 |
宅建業法 | 20問 |
権利関係 | 14問 |
法令上の制限 | 8問 |
税・その他 | 8問 |
宅建試験は、分野によって出題数(配点)や難易度が大きく異なります。
勉強スケジュールで失敗しないためには、出題数に応じた勉強の優先順位や時間配分を決めることが大切です。
たとえば、出題数のウエイトが大きい「宅建業法」の勉強時間を多めに確保する、「宅建業法」と「権利関係」の分野を重点的に勉強するといった観点で、スケジュールを立てるのもよいでしょう。
もし分野別の得点目標や時間配分をよく考えずに勉強スケジュールを立ててしまうと、勉強の効率がとても悪くなります。
スケジュールで失敗しないためには、分野別の攻略法を知っておく必要があります。
分野別攻略法については、記事の後半で紹介します。
【半年(6カ月)】標準的な宅建勉強スケジュール
ここからは、勉強期間が半年(6カ月)、3カ月、1年の場合について、
- 平日・休日の勉強時間
- 時期ごとの勉強スケジュール
を紹介していきます。まず、勉強期間を半年(6カ月)とした場合の勉強スケジュールです。
平日・休日の勉強時間
勉強期間は4〜9月の6カ月間、平日120日・休日60日として、1日あたりの勉強時間を算出してみました。
総勉強時間 | 平日 | 休日 |
300時間 | 1時間30分 | 2時間 |
200時間 | 1時間 | 1時間20分 |
※宅建に初めて挑戦する人は「300時間」がおすすめ
半年で合格を目指す場合、平日も休日も1日あたりの勉強時間は2時間以内におさまります。
机に向かって何時間も勉強しなければ合格できないわけではありません。1日あたりの負担を抑えながら、こつこつと合格を目指せます。
時期ごとの勉強スケジュール
▼4月~5月:スタート期
スタート期は、テキストを読んで知識を増やしていきましょう。
この時期の問題練習は、時間がかかる四肢択一式の過去問よりも、テンポよく進められる一問一答形式の問題集が適しています。
一度で覚えてしまおうとせず、スキマ時間を使って確認を繰り返すことで知識を定着させましょう。
▼6月〜7月:中期
中期には、過去問を使って問題練習を中心に行います。試験を想定した四肢択一式問題の経験を積み上げていくことが目的です。
スタート期に身に付けた知識を使い、得点力を鍛えていきましょう。
もしインプット不足の分野やテーマがあると感じても、インプットばかりの学習に戻らないよう注意してください。
宅建は過去問からよく似た問題が出題されやすいですが、過去問練習は答えを覚えることが目的ではありません。
常に選択肢の正誤判断力を伸ばすことを意識しながら、学習を進めるといいでしょう。
▼8月〜9月:直前期
直前期には過去問を繰り返し解き、試験時間の使い方を上達させていきます。
重要論点や苦手な箇所は重点的に取り組むこと、問題を解くスピードを鍛えることを意識しましょう。
この時期には、より実践的な対策として模試を活用するのもおすすめです。模試で苦手を見つけられると、知識の補充にもつながります。
時間配分や知識の確認のためにも、模試を活用しましょう。
【あわせて読みたい】宅建模試はいつ?何回受ける?合格をつかむ徹底活用術
【3カ月】短期集中派の宅建勉強スケジュール
次に、勉強期間3カ月の短期集中派向け勉強スケジュールについて解説します。
平日・休日の勉強時間
勉強期間は7〜9月の3カ月間、平日60日・休日30日として、1日あたりの勉強時間を算出してみました。
まず、300時間勉強する場合です。
総勉強時間 | 平日 | 休日 |
300時間 | 1時間30分 | 7時間 |
300時間 | 2時間 | 6時間 |
300時間勉強する場合、休日の負担がかなり大きくなります。3カ月限定とはいえ、働きながら休日6〜7時間の勉強を継続するのはかなりハードでしょう。
もし平日に3時間勉強すれば休日分は4時間になり、休日の負担はやや軽減されます。
3カ月の短期決戦を戦い抜くには、平日の勉強時間を増やすことがポイントのひとつです。
しかし、平日3時間というのは、忙しい社会人にはあまり現実的ではないかもしれませんね。
一方、勉強の効率を高めて総勉強時間を200時間に圧縮すると、このようになります。
総勉強時間 | 平日 | 休日 |
200時間 | 1時間30分 | 3時間40分 |
200時間 | 2時間 | 2時間40分 |
前述のケースと比べて、3カ月の短期決戦でも休日にぐっと余裕が出てきました。
3カ月で合格したい場合は、平日になるべく多くの勉強時間を確保することと、勉強方法を徹底的に効率化することが重要です。
平日に2時間の勉強時間を確保する方法は、この記事の後半で解説します。
時期ごとの勉強スケジュール
▼7月〜8月中旬:スタート期
スタート期は、テキストを読んで知識をインプットしていく時期です。
ただ、期間が短いので、より効率的に知識を増やす必要があります。スキマ時間を活用する、優先順位を付けるなど工夫しましょう。
▼8月下旬〜9月:中期〜直前期
中期〜直前期は、過去問練習をたくさん行います。
また解答時間をはかり、2時間以内に50問を解く試験本番のスピード感に慣れましょう。その上で余裕があれば、模試も活用できるとベストです。
【あわせて読みたい】宅建で過去問はなぜ重要?忙しくても合格したい人のための勉強法
3カ月で合格を目指す場合の注意点
3カ月の短期決戦で合格を目指す場合、特に次のポイントに気をつけましょう。
- インプット学習に時間をかけ過ぎない
- インプットしたらすぐにアウトプットを行う
- 出題頻度が高い問題を中心に勉強し、出題頻度が低い問題には深入りしない
【1年】長期間でコツコツ派の宅建勉強スケジュール
ここからは、勉強期間1年という長い期間で合格を目指す人に向けた勉強スケジュールを解説します。
平日・休日の勉強時間
勉強期間は受験前年の10月から受験当年の9月までの1年間、平日185日・休日88日として1日あたりの勉強時間を算出してみました。
今回は下記のようなペース配分でスケジュールを組んでいます。
- 前半6カ月間(10〜3月):平日も休日も「2日に1回」勉強(徐々に勉強に慣れていく)
- 後半6カ月間(4〜9月):毎日欠かさず勉強
総勉強時間 | 平日 | 休日 |
300時間 | 1時間 | 休日1時間18分 |
200時間 | 30分 | 休日1時間13分 |
1年という長期で勉強すると、平日・休日とも1日あたりの勉強時間をかなり抑えることができます。
忙しくて勉強時間をあまりとれないという人にとって大きなメリットと言えるでしょう。
勉強期間を長くとれば、コツコツ積み上げていくことで合格を目指せます。
時期ごとの勉強スケジュール
▼10〜12月:スタート期
スタート期は、主にテキストを読んで知識をインプットしていく時期です。
インプットした範囲は、その日のうちに問題練習までセットで行うと効果的です。
▼1〜6月:中期
中期の6カ月間は、過去問を使って問題練習を中心に行います。
アウトプット学習の比重を増やし、解けない問題を見つけながらじっくり知識の穴埋めをしていきましょう。
▼7〜9月:直前期
試験直前の3カ月間は、過去問練習を繰り返し行います。できれば過去問だけではなく模試も活用しましょう。
この時期に過去問練習をするときには、解答時間をはかることも大切です。2時間で50問を解くスピード感を意識して練習してください。
【あわせて読みたい】宅建模試はいつ?何回受ける?合格をつかむ徹底活用術
1年で合格を目指す場合の注意点
1年間も勉強を続けていくと、「この問題の正解は3だった」など正解の番号を覚えてしまうこともあるでしょう。
正解の番号を覚えただけで安心してしまうことには、注意が必要です。
理解できた気になっていたが実際には理解できていなかったという事態を防ぐためには、それぞれの選択肢について正誤の理由を説明できることが大切です。
勉強期間が長くなればなるほど、「覚えた気になった」という感覚があらわれやすいので気をつけましょう。
また、勉強期間が長くなると、あれもこれもとさまざまな教材・問題集に手を出してしまいやすいです。
いろいろ手を出してしまうと知識が整理できず、結局混乱してしまうリスクも考えられるので、勉強する教材は絞りましょう。
出題分野別!効率のいい勉強方法
宅建の試験は4分野からなっており、分野によって出題数や出題傾向が異なります。
ここからは効率的に勉強するための順番と、分野別の勉強法についてお伝えします。
勉強の順番
勉強の順番としては、以下の順番で取りかかることをおすすめします。
- 権利関係
- 宅建業法
- 法令上の制限
- 税・その他
4分野の中でも早く着手しておきたいのが権利関係と宅建業法です。
権利関係は内容が難しいうえ全50問中14問と出題数が多いため、後回しにせず早めに取り組むことをおすすめします。
難関分野を早い段階で攻略できれば、気持ちに余裕がもてるでしょう。
次に取り組みたいのが宅建業法で、宅建攻略における最重要分野です。宅建業法は全50問中20問ともっとも多く出題されます。
4つの分野の中では難易度がもっとも低いので、合格を本気で目指すライバルたちは必ず高得点を取ってくる分野です。
誰でも得点源にしやすい分野なので、短期間で勉強する場合はここで得点を稼げるようことを意識して勉強することが特に大切です。
しっかり勉強するために着手が遅くならないようにしましょう。
ここからは、分野別の勉強法をお伝えしていきます。
権利関係
▼合格するための目標
14問中10問正解
▼勉強のコツ
- 複雑な問題文に慣れておく
- 問われている内容を図示できる
権利関係は問題文が複雑で難しいと言えます。本番でも焦らずに解答できるように、日ごろから問題文をよく読んで慣れておきましょう。
問題文の登場人物とその関係について、読みながら図示できるように練習を重ねることも大切です。確実に得点できる力を身に付けておきましょう。
宅建業法
▼合格するための目標
20問中18問正解
▼勉強のコツ
- 地道な暗記を試験直前まで積み重ねる
- 解答時間を節約しながら高得点を狙う
宅建業法は、毎年ほぼ一定の難易度を保っているという特徴があります。過去問を中心とした対策だけでも得点しやすいと言えるでしょう。
また、この分野では素直な暗記問題が多く、知識がそのまま正解につながりやすいと言えます。
勉強の成果が出やすいので、試験直前まであきらめずに継続して取り組むことも大切です。
暗記学習は文字を眺めるだけでは単調で、行き詰まりを感じることもあります。
動画や音声などのさまざまなコンテンツを活用すれば、飽きずに勉強を続けられるでしょう。
法令上の制限
▼合格するための目標
8問中5問正解
▼勉強のコツ
- 短時間の勉強で得点力が身に付く科目を確実に押さえる
- 得点しやすい科目で確実に点を取る
法令上の制限では例年、都市計画法に関する問題が2問、建築基準法に関する問題が2問出題されます。この2科目は難易度が高いため、得点につながりにくいです。
そのため、この2科目よりも点を得やすい「国土利用計画法・農地法・宅地造成等規制法」の3科目を確実に押さえておくことが大切です。
この3科目は1〜2日あれば得点力が身に付くので、確実に得点する意識で重点的に勉強しておきましょう。
税・その他
▼合格するための目標
8問中5問正解
▼勉強のコツ
- 出題傾向を知る
- 最新の統計をチェックしておく
「税・その他」は、勉強せずに試験に挑む人も多くいるようです。しかし、出題傾向がある程度わかっているので、あきらめずに対策しましょう。
税・その他の頻出テーマは税法の地方税、地価公示法、不動産鑑定評価基準などです。この科目を中心に勉強しておけば、得点につながりやすいでしょう。
また、統計問題が毎年1問出題されるので、最新の統計をチェックしておくことをおすすめします。
【あわせて読みたい】宅建の試験内容は?科目別の目標点・攻略法と5点免除制度を解説!
忙しい社会人が平日に2時間勉強する方法
記事前半で紹介した「半年(6カ月)」「3カ月」「1年」の勉強期間の中で、合格を目指すのが一番難しいのは3カ月です。
3カ月のスケジュールでは、平日に2時間程度の勉強時間は確保しておきたいところですが、これまで勉強する習慣がなかった人がいきなり連日2時間を確保することは簡単ではないでしょう。
やる気だけでは続かないので、継続できる「仕組み」が必要です。
そこで、忙しい社会人でも平日に勉強時間を確保できるおすすめの方法を提案します。
スキマ時間を徹底活用
忙しい社会人が合格を目指すなら、スキマ時間の徹底活用が欠かせません。
平日に仕事や家事、育児をし疲れきった状態で机に向かったとすると、2時間勉強に集中することはなかなか難しいのではないでしょうか?
まず、「勉強=机に向かってやるもの」という固定観念を捨ててみましょう。
仕事をしている人であれば、通勤時間や昼休みなどのちょっとしたスキマ時間で勉強ができます。
たとえば電車通勤で往復1時間の通勤時間がある人なら、行き帰りの1時間と昼休みの30分を勉強時間に充てれば、帰宅後に机に向かう時間は30分に短縮できます。
家事の時間が長い人の場合なら、動画や音声で学べるツールがあれば、料理や掃除をしながら勉強できるでしょう。
このようにすれば、忙しくても毎日2時間の勉強時間を無理なく確保できるのです。
スタディングならスキマ時間に勉強できる
スマホで学べるオンライン講座のスタディング 宅建士講座は、いつでも、どこでも、手軽に勉強に取り組める学習ツールです。
スマートフォンやタブレットなど端末ひとつで勉強できるので、重たいテキストを持ち歩く必要がありません。動画や音声で勉強できるので「ながら学習」も可能です。
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また、効率的に合格レベルに到達できることにこだわっていることも特徴です。
基本講座で学んだ内容をすぐに問題練習できる機能や、過去に間違った問題を自動でピックアップする機能などがあります。
わかりやすい図解やワンポイントアドバイスも、受講生から評価の高いポイントです。
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まとめ
今回取り上げた宅建の勉強スケジュールについて、ポイントをおさらいしておきましょう。
- 宅建の標準的な勉強期間は半年程度
- 3カ月の短期決戦なら、徹底的な効率化と平日の勉強時間の確保がカギ
- スタート期はインプット学習が中心、中期・直前期は問題練習が中心。
短期決戦に限らず、忙しい社会人が合格するには効率よく勉強することと勉強時間を確保することが欠かせません。
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