宅建を取得している銀行員は多い?
銀行員の中で宅建を取得している人はどのくらいいるのか、気になる方も多いでしょう。
ここでは宅建を取得している銀行員の割合などについて解説します。
- 宅建試験合格者のうち8%が金融業界で働く人
- 昇級に宅建取得が必要な会社もある
宅建試験合格者のうち8%が金融業界で働く人
令和5年度の宅建士資格試験結果の概要を見ると、合格者の職業別の割合は以下のような数値になっています。
- 不動産業 35.2%
- 建設業 8.8%
- 金融業 8.2%
- 他業種 25.0%
※その他は学生、主婦など
金融業は8.2%で、不動産業、建設業に次いで多いことがわかります。
金融業界の合格者は毎年8%前後で推移しているため、一定の需要があると考えられるでしょう。
金融業界で宅建の取得者が多い理由としては、住宅ローンや相続の相談など、不動産に関わる知識が業務上求められるケースが多いことなどがあげられます。
昇級に宅建取得が必要な会社もある
金融業界では、会社によっては宅建取得を昇級の条件としているケースもあります。
また、必須条件ではないものの、宅建資格を昇級における評価の対象とする場合があり、有利な条件で働くために宅建取得を検討している人も多いようです。
特に住宅ローンなどの融資業務に携わる場合、宅建の知識が実務に深く関わります。
そのため、融資業務や不動産関連業務を専門とする部署においては、宅建資格を重要視する傾向にあります。
銀行員が宅建を取得する5つのメリット
銀行員が宅建を取得した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。
知識を生かせるのはもちろんですが、その他にも多くのメリットがあります。
代表的なメリットを5つ紹介します。
- メリット1:学んだ知識を銀行業務に生かせる
- メリット2:取引先からの信頼感が増す
- メリット3:昇級・昇格が有利になる
- メリット4:年収がアップする
- メリット5:キャリアアップ・キャリアチェンジしやすくなる
メリット1:学んだ知識を銀行業務に生かせる
1つ目のメリットは、学んだ知識を銀行業務へ生かせることです。
宅建資格を取得することで、不動産に関する専門知識が身につきます。
住宅ローンや不動産担保ローンの審査、不動産投資、相続など、宅建で学んだ不動産知識は銀行業務のさまざまな場面で活用できるでしょう。
また、信託銀行は業務で不動産取引をすることが可能です。
しかし、不動産取引を行う場合は宅建業法により事務所の5人に1人は宅建資格を所有していないといけません。
そのため、信託銀行では宅建資格をいっそう重要視しています。
メリット2:取引先からの信頼感が増す
2つ目のメリットは、取引先からの信頼感が増すことです。
専門的な資格を持つことは、知識の証明にもなるので、取引先からの信頼を得るうえで大きなアドバンテージになります。
特に宅建士資格は毎年20万人以上が受験する有名な国家資格であり、広く認知されているので、知らない人はまずいないでしょう。
名刺に肩書として載せられるため、名刺交換の際、相手の関心を寄せる効果も期待できます。
また、銀行員は住宅ローン融資などで不動産会社の営業担当者と接する機会が多くあります。
不動産会社と信頼関係を築く際、宅建資格は特に高い効果を発揮するでしょう。
メリット3:昇級・昇格が有利になる
3つ目のメリットは、昇級・昇格が有利になることです。
宅建資格を取得するには、難易度の高い試験に合格しなければなりませんが、業務で活用しやすい資格なので、取得すれば社内の評価が高まるでしょう。
また、銀行では資格の取得を昇級・昇格の条件としている場合もあるので、出世願望の強い方はぜひ取得しておきたいところです。
宅建の知識をさほど活用できない部署に所属していた場合でも、学習熱心な人として認められ、昇級・昇格が有利になる可能性もあります。
メリット4:年収がアップする
4つ目のメリットは、年収がアップすることです。
前述した通り、宅建資格を取得することで、昇級・昇格が有利になる可能性がありますが、高い役職につけば給与の増加が期待できます。
また、資格手当を設けている銀行もあるので、業務に活かせているかどうかに関係なく、取得しただけで年収がアップするケースもあるでしょう。
さらに資格を活かして、より良い待遇の会社への転職を目指すことも可能になります。
メリット5:キャリアアップ・キャリアチェンジしやすくなる
5つ目のメリットは、キャリアアップ・キャリアチェンジがしやすくなることです。
宅建資格は銀行以外でのキャリア形成にも役立ちます。
資格と銀行での経験があれば、転職市場で非常に有利になり、不動産業界や建設業界などへの転職がしやすくなるでしょう。
さらに独立開業など、キャリアチェンジの選択肢も広がります。
ただし、資格取得後すぐにキャリアアップ・キャリアチェンジできるわけではないので、銀行での経験を積むことも大切です。
銀行員が宅建を目指すのは難しい?合格するための攻略法とは?
宅建試験は難易度の高い試験なので、働きながら勉強して合格するのは大変です。
しかし、銀行員として働いていれば、業務の知識を試験で生かしやすいので、比較的有利といえます。
ここでは銀行員が宅建試験に向いている理由や、合格のポイントを紹介します。
- 基礎知識がある場合も!銀行員は宅建試験に向いている!
- 勉強時間の確保がカギ!スキマ時間を有効に使おう!
基礎知識がある場合も!銀行員は宅建試験に向いている!
担当業務や部署によって異なりますが、銀行での業務が宅建試験に生かせる場合があります。
特に「権利関係」では不動産担保評価、抵当権設定、不動産相続など、銀行での業務が出題範囲と重なるので理解しやすいでしょう。
基礎知識のある分野なら勉強を要さずに答えられるケースも多いので、知識のない分野に絞って勉強すれば少ない時間で合格できる可能性があります。
また、銀行員は日頃から金融商品や経済の知識を習得するために、学習する習慣が身についている人が多い傾向にあります。
さらに法律用語、不動産用語なども聞き慣れている場合が多いので、独学で学習する場合でも、スムーズに取り組めるでしょう。
勉強時間の確保がカギ!スキマ時間を有効に使おう!
銀行員の知識は宅建試験に生かしやすい傾向がありますが、勉強時間の確保が課題になります。
一般的に初学者が独学で学習する場合、200~300時間必要といわれていますが、仕事をしながらこれだけの時間を学習に費やすのは簡単ではありません。
短期間で合格を目指すのではなく、ある程度長い期間を見込み、計画的に取り組む必要があります。
勤務状況や一日の学習時間にもよりますが、数ヶ月~1年程度の期間を要するものと考えておきましょう。
一日の中でまとまった時間を確保するのは困難なので、スキマ時間を有効に使いながら、効率的に勉強することが大切です。
まとめ
最後に宅建を銀行員が取得するメリットについて、ポイントをおさらいします。
- 宅建取得を目指す銀行員は多い
- 銀行員が宅建を取得すると、昇級・昇格が有利になる場合がある
- 年収アップや転職にも活用しやすい
- 銀行員の知識は宅建試験に活かしやすい
なお、宅建試験は年々難易度が上がっているので、基礎知識のある銀行員の方であっても、独学で学習するのは大変です。
一般的には200~300時間程度の学習時間が必要とされているので、忙しい社会人の方はスキマ時間を活用することが大切です。
スキマ時間を徹底活用したい方は「スタディング 宅建士講座」をぜひチェックしてみてください。