宅建試験に合格後にすべきこととは?
宅建は試験に合格しただけでは資格を生かして活躍することができません。
合格後にしなければならない手続きがあります。
手続きの流れは実務経験があるかどうかで変わってくるので、注意が必要です。
そこで、知っておきたい宅建試験に合格した後の流れをご紹介します。
- 宅地建物取引士として活躍するためには登録が必要!
- 宅建士登録の注意事項
宅地建物取引士として活躍するためには登録が必要!
宅地宅建取引士(宅建士)と名乗るためには、宅建試験合格後に受験した都道府県知事の登録を受ける必要があります。
登録をすると「取引士証」が交付され、正式に宅建士として活躍できるようになります。
履歴書に「宅地建物取引士」と記載できるようになるのも、取引士証が交付されたあとです。
しかし、実はすべての合格者がすぐに登録をできるわけではありません。
例えば東京都の場合、過去10年以内に宅地建物取引業についての実務経験が2年以上なければ、登録をする前に登録実務講習を受ける必要があります。
実務経験の扱いについては都道府県によって異なります。
詳細は試験合格地の都道府県宅建業法主管課に問い合わせてください。
一方、十分な実務経験がある方は、合格後そのまま登録手続きができます。
登録手続きから取引士証交付までは1カ月~2カ月程度かかるので、資格を生かして就職・転職などをしたい場合は早めに手続きをしておきましょう。
具体的な登録手続きの流れは、次の記事で詳しく解説しています。
【あわせて読みたい】宅建取引士(宅建士)になるには?資格取得や登録の流れ
宅建士登録の注意事項
宅建士登録をする際に注意することがあります。
宅建試験に合格後1年が経過している場合には、指定されている取引士法定講習実施団体の実施する法定講習を受講しなければなりません。
法定講習は宅建士証の更新時にも必要な講習で、受講生が集まって行われる会場での講習とWeb講習があります。
会場での講習は6時間以上座学を実施するものなので、丸一日時間が空いている日を予約しましょう。
実務経験がない!登録実務講習とはどんなもの?
登録をするのに十分な実務経験がない場合、登録実務講習を受ける必要があります。
しかし、そもそも実務経験があるのかどうかがわからないという場合もあるでしょう。
そこで、実務経験があるかどうかを判断する方法や、登録実務講習の概要を解説します。
- そもそも実務経験があるかどうかわからない場合のチェック方法
- 登録実務講習の概要
そもそも実務経験があるかどうかわからない場合のチェック方法
宅建は誰でも受験できる試験ですが、登録をするためには2年以上の実務経験が必要です。
不動産業界で2年以上働いていたならば良いというわけではありません。
不動産業界で2年以上働いていたとしても、実務経験があるとみなされないことがあるので注意が必要です。
例えば、不動産業界で働いていたとしても、受付・秘書・総務・財務などの仕事をしていた場合には宅地建物業の実務経験があるとはいえません。
アシスタント的な仕事だけに従事してきた人も、実務経験なしとみなされます。
判断に迷った方は、次の記事を参考にしてください。
【あわせて読みたい】宅建の実務経験にならない業務とは?資格登録の前に必ずチェック!
登録実務講習の概要
登録に十分な実務経験がない場合、登録実務講習を受けなければ宅地建物取引士証を交付できません。
以下の登録実務講習実施機関に問い合わせて、申し込みをする必要があります。
スクーリングといって会場へ出向いて受けなければならない講習もあるため、通いやすい場所や日程で講習が行われるかどうかを事前に確認して、申込先を決めることをおすすめします。
登録実務講習は通信講座になっていて、次の流れで進めます。
- 通信講座(約1カ月間)
- スクーリング(1~2日間)
- 修了試験
申し込み後に送付された教材を使って、38時間相当の学習を始めます。
申し込みした期間によって教材の種類は異なりますが、一般的なのはテキスト・問題集・動画資料などです。
約1カ月間の学習期間に自分のペースで勉強を進めます。
スクーリングでは1日、もしくは2日間の会場での講習が行われます。
合計12時間の講義を受講したあと、修了試験を受けて終わりです。
修了試験で8割以上の正解を出せば合格となり、無事に「登録実務講習修了証」が発行されます。
登録実務講習については、次の記事で詳しく解説しています。
【あわせて読みたい】宅建の登録実務講習とは?受けないとダメ?内容や流れなど疑問を解決!
実務経験がある!宅建士の登録に必要な手続き
2年以上の実務経験がある場合には、合格後そのまま宅建士の登録手続きを行います。
また、登録実務講習を終えた合格者も登録手続きが可能です。
資格登録に必要な書類や手続きの流れ、登録時に注意したいことをご紹介します。
- 宅地建物取引士の資格登録
- 宅建士登録時に注意したいこと
宅地建物取引士の資格登録
宅建士の資格登録は合格した都道府県で申請をします。
都道府県庁の担当窓口に申請書類を持参、もしくは郵送しましょう。
申請する都道府県によって多少異なりますが、東京都の場合には以下の書類が必要です。
- 登録申請書(記入したもの)
- 誓約書(記入したもの)
- 身分証明書
- 登記されていないことの証明書
- 住民票
- 合格証明書(コピー)
- 顔写真
- 登録資格を証する書面(実務経験証明書・「従業者名簿」のコピー・業務内容証明書・登録実務講習修了証などのいずれか1部)
- 従業者証明書(コピー)
- 未成年者の登録者用書類(営業に関する法定代理人許可書・戸籍謄本・法定代理人の身分証明書)
- 返信用封筒
- 顔写真の入った本人確認書類の拡大コピー
【参考】東京都「宅地建物取引士資格登録申請提出書類(郵送する場合)」
他にも必要な書類がある可能性があるため、登録する際は事前に都道府県の担当窓口に確認することをおすすめします。
宅建士登録時に注意したいこと
宅建登録時に注意したいことは、次の2つです。
- 資格登録は受験した都道府県で行う(違う自治体で登録することはできません)
- 登録の手続きには1~2カ月かかる(すぐに独占業務や設置義務の対象になるわけではありません)
宅建試験の合格発表後は、各自治体の担当窓口が混み合う可能性があります。
登録には時間がかかる可能性があるため、早めに手続きをしましょう。
宅建士として活躍するために!5年に1度の更新が必須
宅建士は5年に1度の更新が必要です。
有効期限が切れてしまうと、宅建士として独占業務を行うことができなくなります。
設置義務からも外れてしまうため、事業所にも迷惑をかけてしまいます。
宅建士として業務を行い続ける場合は、必ず更新手続きをしましょう。
- 宅建士更新の手続き
- 更新研修の概要
宅建士更新の手続き
宅建士の更新時期が近付くと、登録をしている都道府県から更新の案内が届きます。
宅建士の資格更新は、法定講習の受講と更新手続きがセットになっています。
法定講習は事前に予約をする必要があるため、案内が届いたら早めに希望の日程を選んで予約しましょう。
法定講習の受講日に新しい宅建士証が交付されるので、講習の際は更新に必要な書類を持参します。
更新に必要な書類は次の通りです。
- 宅建士証交付申請書
- 写真(同じものを3枚。サイズは縦3cm×横2.4cm。6カ月以内に撮影したカラー、無帽、正面、上三分身、無背景のもの)
- 現金16,500円(更新料:12,000円、取引士証交付申請手数料:4,500円)
- 宅地建物取引士証
【参考】東京都住宅政策本部「宅地建物取引士 法定講習について」
宅建士更新の流れについては、次の記事で詳しく解説しています。
当日の講習内容やタイムスケジュールの例もご紹介しているので、これから宅建士証の更新をする方はぜひご覧ください。
【あわせて読みたい】宅建士証の更新は5年に1回!講習の内容・コロナの影響・期限切れ対応は?
更新研修の概要
更新のための法定講習は、会場での講義形式で行われます。
講習の内容は次の通りです。
- 宅建士の使命と役割
- 改訂法令の主要な改正点と実務上の留意事項
- 紛争事例と関係法令および実務上の留意事項
- 改正税制の主要な改正点および紛争事例や実務上の留意事項
5年間における主要な改正法令などを主に学習します。
1日で講習から宅建士証交付まで終わりますが、約6時間の講習を受けなければなりません。
しかし、業務を行ううえで大切な内容なので、しっかりと学ぶようにしましょう。
宅建士の更新研修については、次の記事で詳しく解説しています。
【あわせて読みたい】宅地建物取引士(宅建士)の更新研修について
まとめ
宅建試験合格後に行うべき手続きについて解説しました。
- 宅建士として業務を行うなら登録が必要
- 過去10年以内に2年以上の実務経験があれば登録手続きが可能
- 十分な実務経験がなければ登録前に登録実務講習を受講
- 合格から1年経過後に登録する場合や更新時は法定講習の受講が必須
- 宅建士の更新は5年に1度
このように、宅建士として業務を行うためには、試験合格後に手続きをして取引士証の交付を受けなければなりません。
また、それを維持するためには5年に1度の更新や法定講習の受講が必要です。
宅建士は一度取得すれば一生使える資格だといわれています。
維持するためにお金はかかりますが、登録や更新を忘れずに行いましょう。
宅建士の資格を維持するための費用については、次の記事で詳しく解説しています。
気になる方はぜひご覧ください。
【あわせて読みたい】宅地建物取引士(宅建士)の資格維持費用