宅建試験合格に暗記は必要?
宅建試験において、暗記は必要です。
ただし、ただ丸暗記すれば合格できる試験ではなく、出題される多くの分野では、内容をしっかりと理解することが求められます。
その理解において根底となるのが基礎知識の暗記なのです。
一方で、重要な頻出問題については暗記したほうが効率よく得点できます。
それぞれの考え方について見ていきましょう。
- 丸暗記では合格できない!しっかり理解を深めることが大切
- 重要問題は暗記も必要!要点を押さえよう
丸暗記では合格できない!しっかり理解を深めることが大切
丸暗記だけで宅建試験に合格することは、不可能といえるでしょう。
まず、宅建試験の出題範囲は膨大であり、法令などを一語一句すべて覚えるのは現実的ではありません。
加えて、試験では思考力・応用力を問われる問題も出題されます。
応用問題を得点する上で重要なのは、出題範囲を単に丸暗記していることではなく、法令などの趣旨や内容を理解していることです。
問われている内容に深い理解があれば、暗記が完璧でなくとも正解を導き出せる出題も多くあります。
正解するために大切なのは「文言の丸暗記」ではなく、理解を深めることなのです。
重要問題は暗記も必要!要点を押さえよう
理解することが必要な問題も多く出題される一方で、暗記によって得点できる問題が一定数出題されるのも事実です。
代表的なのは数字に関する問題です。
例えば以下のような正誤を問う問題では、単純に答えを暗記する必要があります。
宅地建物取引業者は、従業者名簿を最終の記載をした日から 5 年間保存しなければならない。
【出典】一般財団法人 不動産適正取引推進機構「令和5年度 問題」【問37】
上記は「5年」が誤りで正しくは「10年」なので、「誤り」と判断することになります。
法令で定められている数字には何らかの背景があるはずですが、少なくとも宅建試験の合格においては背景まで完璧におさえる必要はありません。
むしろ、試験中に考えることで正解を導き出せる可能性も低いため、丸暗記してしまった方が効率的といえるでしょう。
ただし、宅建試験の出題範囲は広く、暗記すべきポイント全てを暗記するのも効率的とはいえません。
そのため、試験範囲の中でも頻出分野に絞った上で、理解よりも暗記が必要な分野を要点を抑えて暗記する姿勢が重要です。
宅建試験でここだけは覚えるべき!頻出問題とは?
全てを丸暗記のみで乗り切ることはできない宅建試験ですが、頻出分野については暗記で乗り切る方が効率的な場面もでてきます。
例えば、数字全般や頻出分野の比較ポイントなどです。
宅建試験の中でも、「ここだけは覚えるべき!」と言える頻出分野について見ていきましょう。
集中して暗記すべきポイントを絞る際に参考にしてみてください。
- 税率・税金の額といった数字
- 35条書面と37条書面の違い
- 8種制限
税率・税金の額といった数字
税率・税金の額をはじめとする、各種の数字は丸暗記してしまった方が効率的です。
宅建試験に出題される数字の多くは、考えれば答えが導き出せるものではありません。
そもそも覚えていなければ正解を選択できない問題が多いため、深く考えることなく数字を覚えてしまいましょう。
また、ひっかけ問題にされやすい類似のテーマでの数字の入れ替えは、それぞれを比較しながら学習することで失点を回避するのが重要です。
35条書面と37条書面の違い
35条書面と37条書面の違いも覚えておくべき頻出テーマです。
契約前に重要事項を説明する35条書面と契約後に交付する37条書面は、例年3問前後出題される頻出分野。
ぜひとも得点源としたい頻出テーマといえるでしょう。
しかし、両者の内容が似通って混合しやすいため、正確に理解しておかないと正誤判定において失点しやすい分野でもあります。
「いつ」「誰が」「誰に対して」交付するのか、その方法などの頻出ポイントについては、比較表を用いて覚えることをおすすめします。
35条書面 |
37条書面 | |
説明・交付のタイミング | 契約前 | 契約後 |
説明義務者 | 宅地建物取引士 | 宅建業者 |
説明の対象者 | 売買:買主 賃貸:借主 交換:両当事者 |
契約の両当事者 |
説明・交付の方法 | 重要事項説明書(宅地建物取引士が記名捺印済のもの)を交付し、説明 説明の際、宅地建物取引士証の提示が必須 |
契約書面(宅地建物取引士が記名捺印済のもの)を交付 |
35条書面と37条書面の違いについては下記の記事で詳しくまとめていますので、併せてご参照ください。
8種制限
宅建業者が売主として一般の人を買主として取引する場合に適用される8種制限も、得点したい分野です。
まず、買主が宅建業者でない場合のみ適用される制限であることが、頻出のひっかけ問題として出題されるため注意しましょう。
8種制限は法律知識のない消費者を保護する観点から設けられています。
趣旨が「消費者保護」であることを念頭に置くことで、8つの各制限の内容を記憶しやすくなるでしょう。
特に出題されることが多いのは、クーリングオフに関する規定です。
クーリングオフが有効な期間や適用除外とされる条件、申し込みを行った場所など、正確な暗記が求められるためぜひ確実に覚えておきましょう。
知識を定着させる!合格のために取り入れたい勉強方法とは?
理解が必要な問題にせよ丸暗記で解ける問題にせよ、根底にあるのは基礎知識の暗記です。
宅建試験に合格するためには、基礎知識の効率的な暗記は欠かせないといえるでしょう。
試験合格に必要な知識を定着させる効率の良い勉強法について解説します。
- インプットとアウトプットをすばやく繰り返す
- スキマ時間を使って短時間でも勉強する
- さまざまな感覚を使って暗記する
インプットとアウトプットをすばやく繰り返す
インプットとアウトプットは学習においては必須のセットです。
交互にすばやく繰り返すことで、知識の定着をはかることができます。
インプットして理解した気になっても、実際にアウトプットしてみないと、本当に理解しているかはわかりません。
ある問題は正解できても、別の聞き方をされると正解できないようでは知識が定着しているとはいえないでしょう。
問題を間違えた場合は、解説を読んでインプットしなおすことで、記憶の間違いや不足を早期に軌道修正できます。
「まとめてインプットし、まとめてアウトプットする」ではなく、こまめにインプットを行い、インプットした部分をすぐアウトプットすることで効率良く知識を定着できるはずです。
インプットした内容を忘れる前に、少しの時間でインプットとアウトプットを繰り返すことが合格への近道といえます。
スキマ時間を使って短時間でも繰り返し勉強する
短時間でも、スキマ時間を使って勉強を積み重ねていくことが重要です。
仕事や学業が忙しい宅建受験者のなかにはまとまった時間を確保するのが難しい方も多く、勉強ができないという声もよく耳にします。
このため、通勤や通学の時間や寝る前の時間など、生活のなかのスキマ時間を有効に使うことが大切です。
スキマ時間を使った勉強は、知識を定着させるのに適しています。
勉強した内容を一度で完璧に記憶することは困難で、時間が経つごとにどうしても内容を忘れていくからです。
そのため、忘れることを前提に、短時間でも繰り返し問題を解くことで知識の定着をはかるのが有効といえるでしょう。
最初は正解できても時間を置くと間違える部分は、定着しているとはいえません。
記憶があいまいな部分は、時間をおいて複数回問題を解くことで抽出できます。
通勤、通学などのスキマ時間で問題を繰り返し実践できる方法としてはスマホアプリや暗記カードがおすすめです。
特にアプリは持ち歩ける情報、問題の量に制限がないため、スキマ時間の学習に向いています。
さまざまな感覚を使って暗記する
体のさまざまな部分を使いながら暗記をすると、記憶が残りやすいです。
例えば、紙に書くことで手が覚え、同時に書いた文字を目で見ることで視覚でも覚えられます。
テキストを口に出して読むことで、テキストを読む視覚と、自分の声を聞いた聴覚で覚えることが可能です。
また、身体を動かすことでも脳が活性化します。
そのため、歩いたり軽く運動したりしながら暗記する方法も有効といえるでしょう。
身体を動かすことは、記憶の定着として有効なだけでなく、リフレッシュとしてもおすすめです。
一つの方法にこだわらず、疲れてきたら別の方法を試すような形でやりやすい方法を探してみてください。
まとめ
宅建試験の学習の暗記について解説しました。
宅建は試験範囲を丸暗記すれば合格できるような試験ではなく、ストーリーや法令の意味などの理解がより重要です。
とはいえ、理解を助けるのは暗記した知識であることに間違いはありません。
また、頻出分野の一部については暗記が直接的に得点につながるケースも見られます。
暗記だけで乗り切ることはできませんが、合格するために暗記は必須といえるでしょう。
ぜひ、スキマ時間を見つけながらインプットとアウトプットを繰り返し、時にはさまざまな感覚を使いながら記憶の定着をはかってみてください。
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