宅建士と管理業務主任者の違いは?ダブルライセンスのすすめ

宅建士と管理業務主任者は、ダブルライセンスとしておすすめの資格です。

この記事では宅建士と管理業務主任者の主な違い、ダブルライセンスで取得するメリット、取得するおすすめの順番について解説します。

宅建士と管理業務主任者の違いとは

宅建士と管理業務主任者はどちらも不動産に関わる資格ですが、業務内容に明確な違いがあります。

また、合格率や勉強時間を把握しておくことも大切です。

業務内容の違い

宅建士と管理業務主任者は、不動産業界で重要な役割を果たす国家資格ですが、その業務内容には違いがあります。

宅建士は不動産取引全般に携わる専門資格で、土地や建物の売買、賃貸借契約時の重要事項説明などを担当します。

一方、管理業務主任者はマンション管理に特化し、管理組合の運営や建物の維持管理などを主な業務としています。

すなわち宅建士が不動産の流通や取引に関するプロであるのに対し、管理業務主任者はマンションの日常的な管理や運営のスペシャリストといえます。

合格率の違い

合格率は宅建が15〜17%であるのに対し、管理業務主任者は毎年19〜24%と、宅建より高い合格率で推移しています。

ただし、合格率だけで難易度を判断することはできません。

一般的には宅建と管理業務主任者の難易度は、同レベルと考えられています。

管理業務主任者の合格率が高い理由としては、宅建試験に合格した後、受験する方が多いので、全体的に受験する方のレベルが高い傾向にある点があげられます。

管理業務主任者試験は、宅建試験と重複する点が多いので、宅建士の知識を持っていると有利になります。

また、さらに難易度の高いマンション管理士試験とダブル受験する方がいることも、合格率を引き上げている要因になっているでしょう。

勉強時間の違い

宅建試験の勉強時間は200〜300時間ですが、管理業務主任者の勉強時間は、概ね同じくらいです。

ただし、宅建試験を学習した後に受験する方や、実務経験が豊富な方は、より少ない学習時間で合格レベルに達するでしょう。

一方、不動産資格を所有していない方や、不動産業界での経験がない方は、学習時間を多めに確保しなければ合格は難しいかもしれません。

特に民法や区分所有法などの法律に慣れるのに時間がかかるので、計画的に学習することが大切です。

試験概要

宅建士と管理業務主任者の試験概要を解説します。

宅建士

出願受付期間7月1日~7月末
試験日毎年1回、例年10月下旬
合格発表例年11月下旬
試験地原則として申し込み時点でお住まいの都道府県
受験資格年齢・性別・学歴・国籍・経験等による制限はありません。
受験手数料8,200円
試験時間午後1時~午後3時の2時間
試験科目・内容試験形式は、マークシート形式による4肢択一式50問です。 ※登録講習修了者は5点免除を受けられます。

管理業務主任者

出願受付期間8月上旬~9月末(Web申込)・8月上旬~8月末(郵送申込)
試験日毎年1回、例年12上旬
合格発表試験翌年の1月中旬
試験地北海道・宮城県・東京都・愛知県・大阪府・広島県・福岡県及び沖縄県並びにこれら周辺地域
受験資格年齢・性別・学歴・国籍・経験等による制限はありません。
受験手数料8,900円
試験時間午後1時~午後3時の2時間
試験科目・内容試験形式は、マークシート形式による4肢択一式50問です。 ※マンション管理士試験合格者は5点免除を受けられます。

宅建士と管理業務主任者のダブルライセンスを取得するメリット

宅建士と管理業務主任者のダブルライセンスを取得すれば、就職や転職で有利になります。

また、試験範囲が近いため、どちらか一方を取得すれば、ダブルライセンスを目指しやすいでしょう。

具体的なメリットは次の3つです。

  • 就職や転職で有利に働く
  • 試験範囲が近い
  • マンション管理士とのトリプルライセンスを目指しやすくなる

就職や転職で有利に働く

宅建士と管理業務主任者のダブルライセンスは、不動産業界での就職や転職において大きな強みとなります。

宅建士は不動産取引全般に精通し、管理業務主任者はマンション管理に特化しているため、この二つの資格を持つことで、不動産業界の幅広い分野で活躍できる人材として評価されるでしょう。

特に不動産売買から物件管理まで一貫して行う企業では、ダブルライセンス保持者の需要が高まっています。

また、キャリアアップや給与面でも有利に働く可能性が高く、専門性の高さをアピールできる点も魅力です。

試験範囲が近い

宅建士と管理業務主任者の資格試験は、試験範囲に重複する部分が多いため、ダブルライセンス取得を目指すうえで効率的に学習を進められます。

両資格とも不動産に関する法律や実務知識が問われますが、宅建士が不動産取引全般を扱うのに対し、管理業務主任者はマンション管理に特化しています。

そのため、宅建士の学習によって得た知識を活かしつつ、管理業務主任者特有の内容を追加で学習することで、効率よく両資格の取得を目指すことができます。

マンション管理士とのトリプルライセンスを目指しやすくなる

宅建士と管理業務主任者のダブルライセンスを取得すると、マンション管理士資格へのステップアップがより容易になります。

マンション管理士は、管理業務主任者よりもさらに専門的なマンション管理の知識が求められる資格です。

ダブルライセンスの取得過程で培った不動産関連法規や管理実務の知識は、マンション管理士試験の学習にも大いに役立ちます。

トリプルライセンスの取得は、不動産業界でのキャリアをさらに強化し、より高度な専門性を持つ人材として評価される可能性を高めます。

宅建士と管理業務主任者、先に取得するならどっち?

宅建士と管理業務主任者のどちらを先に取得するべきかは、個人の目標や状況によって異なりますが、一般的には宅建士から始めることをおすすめします。

宅建士は不動産業界の基礎となる幅広い知識を学べるうえ、知名度が高く、他の業界でも使えるためです。

また、宅建は難易度の高い試験なので、合格することで自信がつき、管理業務主任者の学習にも前向きに取り組めるでしょう。

ただし、マンション管理に特化したキャリアを目指す場合は、管理業務主任者から始めるのも一つの選択肢なので、自身のキャリアプランや興味関心に基づいて判断することが重要です。

まとめ

最後に宅建と管理業務主任者のダブルライセンスについて、重要ポイントをおさらいしておきましょう。

  • 宅建士と管理業務主任者の難易度は同じくらいである
  • 合格率は管理業務主任者のほうが少し高い
  • 宅建士と管理業務主任者のダブルライセンスを取得すれば、就職や転職で有利に働く
  • 試験範囲が近いため将来的にマンション管理士を取得し、トリプルライセンスも目指せる
  • ダブルライセンスを目指す場合、宅建士から取得するのがおすすめ

なお、宅建試験は年々難易度が上がっているので、独学で学習するのは大変でしょう。

200〜300時間程度の学習時間が必要とされているので、忙しい社会人の方はスキマ時間を活用することが大切です。

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