宅建模試は、おもに8~9月に実施されます。まずは宅建模試の概要を解説します。
宅建模試は8〜9月に集中的に実施されています。
宅建試験の本番は例年10月の第3日曜日なので、本番の1〜2カ月の時点で実践的な力がどの程度ついているのかを知るために模試を受験する人が多いでしょう。
模試の形式には、会場受験と自宅受験の2つがあります。
会場受験は申込者が模試会場に集まって受験する形式で、試験本番に近い雰囲気を体験できます。一般的に「模試」と聞いて思い浮かぶのはこちらの形式でしょう。
一方、自宅受験はその名のとおり自宅で受験する形式です。会場まで受験しに行くのが難しい人にとって便利です。試験の進め方は実施機関によって異なり、下記のような例があります。
宅建模試は、実施機関によって受付開始時期や申し込み期限がばらばらです。ひとつの機関であっても、内容の異なる模試を複数開催している場合もあります。
受けたい模試の申し込み期限は、事前にしっかりと確認して計画的に申し込みましょう。
模試によっては実施日の直前でも申し込めるケースも。たとえば、会場受験の模試は実施の前日まで申し込めるものがあります。
自宅受験の模試は、10月初旬の試験本番の直前まで申し込みを受け付けているものがあるため、夏から勉強をスタートした人も活用できるでしょう。
宅建の模試は1回分が約3,000〜5,000円に設定されています。複数回の模試がまとめて販売されている場合もあります。
会場受験よりも自宅受験の方がやや安い金額に設定されている傾向ですが、さほど大きな差はありません。
宅建模試は必ず受けなければいけないものではありません。しかし、スケジュールに余裕があるのなら1回は受けておくことをおすすめします。
「今年必ず合格したい」という人は、模試を複数回受けてみるのもよいでしょう。
宅建の試験は年1回しかありません。模試を活用して万全の備えで本番に挑みましょう。
せっかく模試を受けるなら、もっとも効果的なタイミングで受験したいものです。
模試に間に合うように勉強を進めるには、宅建の勉強を4月から開始しておくのが理想的です。
宅建合格に必要な勉強期間は、半年程度が標準的とされています。試験本番は例年10月なので、半年前にあたる4月が勉強のスタートに最適です。
半年間の勉強は次のようなスケジュールで進めるのがおすすめです。
時期 | やること |
4〜5月 |
インプットと問題練習(アウトプット)をセットで行い、基礎を固める |
5〜7月 | 出題範囲全体の問題練習・過去問練習をする |
8〜9月 | 過去問練習の徹底と模試で得点力を高める |
10月 | 試験本番 |
7月下旬からはたくさんの模試が開催されます。この時期からは過去問や模試を活用し、実践的な力がついているかに意識を向けたい時期です。
そのためには、4〜7月の4カ月間で、出題範囲のインプットとアウトプット(問題練習)をひととおり終えられるように勉強を進めましょう。
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模試を2回受けようと考えている場合は、9月に2回受験するのがおすすめです。
8月までは過去問練習をひたすら繰り返し、学習状態が本番モードまで高まったところで模試を受けることが理想です。
なお、1回目の模試と2回目の模試は立て続けに受けず、少し時間をおいて受験しましょう。
1回目で学習が足りない部分を洗い出し、対策を講じてから2回目に挑むと模試をより効果的に活用できるでしょう。
念には念を入れて、模試を3回受けようと考えている方もいるかもしれません。その場合は7〜8月に1回、9月に2回がおすすめです。
1回目は、得点力がどれくらいついたのか、腕試しをするイメージです。
もし合格ラインまでまだ遠いという結果が出ても、まだまだ挽回できる時期なので落ち込む必要はありません。
引き続き過去問練習を積み重ねていきましょう。
残りの2回は、基本的な考え方は2回受験する場合と同じです。
各模試を連続して受けるのではなく期間を少しあけるようにして、模試の結果を振り返り、弱点を強化する機会としましょう。
模試をおすすめする理由は、次の4つです。
宅建模試をおすすめする理由の1つ目は、試験の雰囲気に慣れるためです。
社会人の方は、試験を受けること自体が久しぶりという人も少なくないでしょう。
試験の雰囲気に慣れることを目的に、試験会場に足を運んで受験する「会場受験」の模試を受験してみてはいかがでしょうか。本番に向けた予行練習となります。
初めて向かう試験会場に時間通りに到着できるか、周りに人がいる環境で冷静に問題を解けるかといった経験ができるのは、会場受験ならでは。
試験の雰囲気に慣れておけば、本番で実力を出し切るためのいい備えとなるでしょう。
宅建模試をおすすめする理由の2つ目は、試験時間の使い方に慣れるためです。
試験本番では2時間で50問を解くので、スピードが重要です。
また、宅建試験は相対評価方式なので「他の人が解ける問題は多少時間がかかっても解く」「他の人も解けない問題は捨てる」というような見極めもしなければなりません。
しかし、最初から上手に時間配分するのは難しいものです。模試は「失敗をするために受けるものだ」と考えてください。
試験時間の使い方に慣れるために、模試を活用しましょう。
宅建模試をおすすめする理由の3つ目は、課題を洗い出すためです。
模試で間違えたところは、試験本番でも同じように間違える可能性が高いと言えます。
また、知識の暗記ができていたとしても、たとえば「誤っているものはどれか」と問われているのに「正しいもの」と勘違いして解答してしまうこともあるでしょう。
模試によってその時点での課題を洗い出すことができます。受けっぱなしにせずちゃんと復習することで、効果的な直前対策ができるでしょう。
宅建模試をおすすめする理由の4つ目は、計画的に勉強するためです。
勉強のスケジュールは、なかなか計画通りにはいかないものです。勉強にメリハリをもたせたり、計画的に勉強を進めたりするためにも宅建模試が活用できます。
たとえば、先ほど紹介したように9月に2回模試を受けるとしましょう。
この場合「模試までに実践力を高めておくために、8月は過去問練習を徹底的にやろう」「そのためには7月までに基礎固めを終えておこう」といったように、模試から逆算して目標を立てていけます。
模試をマイルストーンとして活用することは、計画的に勉強するためにも効果的といえるでしょう。
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宅建の合格ラインは毎年変動しますが、50点満点中おおよそ35点前後で推移しているため、学習時は「38点」を目標にしておくのがおすすめです。
模試で38点以上取れた場合、合格に向けて順調に勉強が進んでいると言えるでしょう。
「模試で何点取れたら合格できる」と断言できるものではありませんが、「38点」はひとつの基準となります。
目標点を38点とする場合、分野別目標点の一例は以下のようになります。
分野 | 目標点 |
宅建業法 | 20点中18点 |
権利関係 | 14点中10点 |
法令上の制限 | 8点中5点 |
税・その他 | 8点中5点 |
たとえ模試で点数が低かった場合も、あきらめる必要はありません。
次章で説明するように、失点原因の分析と対策ができれば、合格の可能性は十分高められるでしょう。
模試が終わった後でやるべきことは、復習です。
模試を有効活用するためには、ただ受けるだけではなく、振り返りの時間を取ることが大切です。
模試を受けた後、本番までに残された時間は少ないです。自分の課題を把握して、より効果的な直前対策をしましょう。
模試が終わった後は、次の2点を心がけてみてください。
試験が終わったらやることの1つ目は、苦手をつぶすことです。
まず模試の振り返りとして、分野別の得点率に注目してみてください。間違いが多かった分野が見えてくるはずです。
得点率の低かった分野を中心に、知識の確認や問題練習を行い苦手をつぶしていきましょう。
試験が終わったらやることの2つ目は、時間の使い方を見直すことです。
先にも述べたとおり、最初から試験時間を上手に使いこなせる人は少ないでしょう。
「問題を最後まで解ききれなかった」「見直しの時間がなかった」など、何か気がかりな点があった人もいるかもしれません。
このように時間配分で何か気が付いたことがあった人は、以下2点に注目してみてください。
これらを実施しておくことで、時間の使い方も上達するでしょう。
宅建試験は、模試を受けないと合格できないわけではありません。
模試シーズンにちょうど仕事やプライベートが忙しく、模試を受けられない人もいるでしょう。
そのような場合は、過去問が試験の年度ごとに収録された年代別過去問集を活用しましょう。
1年分の過去問を実際の試験時間と同じ2時間で解いてみて、本番のシミュレーションをしてみるのです。
時間内にしっかり得点を確保できる力を身につけておけば、気持ちに余裕を持って試験本番を迎えることができます。
忙しい人はアウトプットの機会が少なくなくなってしまう場合があります。意識してアウトプット学習をおこなってください。
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今回は、宅建の模試について、受ける時期や回数の目安、活用のコツについて解説しました。
模試をしっかりと活用できれば、合格への大きな助けになってくれるでしょう。ぜひ模試を有効活用してください。