
宅建士になるには、試験の受験が必須です。この記事では宅建の受験資格について解説します。
また、宅建士として働くには試験合格後に「資格登録」の手続きが必要ですが、条件を満たしていないと登録ができず宅建士になれないケースもあります。
たとえば前科がある場合や判断能力・財産上の問題がある場合です。この点についても具体例を挙げて説明します。
宅建は学歴・実務経験・年齢による受験資格の制限なし!
国家資格の受験には、年齢、学歴、実務経験といった制限が設けられているケースがあります。
宅建試験は、学歴を含めて特に受験資格の制限がないため、高卒でも受験が可能です。
かつては受験に制限がありましたが、現在は年齢・実務経験・国籍を問わず、誰でも受験できる資格になっています。
令和7年度(2025年度)の試験結果をみると、合格者の平均年齢は36.2歳でした。
受験者の職業は不動産業が33.2%と一番多くなっていますが、学生も10.9%を占めており、さまざまな層の人が受験していることが分かります。
過去の試験では、最年長で90歳の合格者という記録が残っています。
また、令和5年度の試験では小学4年生の男の子が最年少合格を果たしました。このように、まさに誰でも挑戦できる資格と言えます。
【参考】一般財団法人 不動産適正取引推進機構「令和7年度宅地建物取引士資格試験結果の概要」
実務経験
国家資格の中には受験資格として実務経験が求められるものもありますが、宅建の受験資格では実務経験の有無は問われません。
これまで不動産関係の仕事をしたことがないという方でも受験でき、合格すれば資格の取得が可能です。
実務経験の有無が関係するのは、試験に合格して資格登録をする段階です。詳しくは後述する「試験合格=宅建士ではない」の項で解説します。
国籍(外国人)
宅建は日本の国家資格ですが、国籍の制限がないという点も特徴のひとつです。
つまり、日本国籍を持たない外国人も受験可能で、合格すれば宅建士として登録し、実際に働くこともできます。
注意したいのは、受検の申し込み時に記載する氏名です。住民票と異なる氏名を記入していると、合格後の資格登録の際に支障が出る可能性があります。
申し込み時は住民票に記載されている氏名(ローマ字表記、漢字表記、通称名表記のいずれか)を使用しましょう。
【参考】一般社団法人 不動産適正取引推進機構「宅建試験のFAQ」
宅建を受験できない人
ここまで見てきたとおり、宅建には受験資格の制限がないため、基本的には誰でも受験することができます。
しかし、非常に希なケースではありますが宅建を受験できない場合があります。
具体的には過去に不正受験をした、または不正受験をしようとした人に関しては最長で3年間は新たに受験できないことがあります。
無料登録で10%OFFクーポンもらえる!
スタディング 宅建士講座
受験資格はあるが宅建士になれないケースがある!
宅建試験の合格は宅建士への入り口ですが、宅建合格=宅建士ではありません。合格したからといって宅建士になれないというケースもあるのです。
宅建合格後の流れ
宅建の資格を仕事に生かしたい人には、合格後の手続きも重要です。
宅建に合格したのち、受験地の都道府県知事に対して宅建士資格登録の手続きを行い、さらに宅建士証の交付申請を行うことで、晴れて宅建士になることができます。

資格登録をするためには、次の3つの要件を満たさなければなりません。
- 宅建士資格試験に合格
- 実務経験が2年以上、または「登録実務講習」を修了
- 登録の欠格要件に該当しない
実務経験が2年未満の場合、資格登録の前に国土交通大臣が所管する機関が実施する「登録実務講習」を修了する必要があります。
登録実務講習では、まず通信講座を受講します。
通信講座修了後は、1、2日間のスクーリングで不動産業の実務を学びます。
そして、スクーリングの最後に行われる修了試験に合格すると、登録実務講習の修了証が交付されます。
これで実務経験2年以上の要件を満たしたことと同等に扱われます。
一方、「実務経験2年以上」として資格登録をする場合は、「実務経験証明書」を用意します。
これは過去10年以内のうち、通算して2年以上の実務経験を記載して、現在宅地建物取引業の免許を受けている業者の証明を受けたものです。
実務経験としてカウントできる業務は、顧客への説明や物件の調査など、具体的な宅地建物の取引に関する業務です。
たとえ宅建業者に勤務していても、受付、秘書、総務、経理といった一般管理業務や、その他の補助的な事務は、実務経験にはカウントされません。
実務経験として認められる要件は細かく規定されていますので、該当しそうな方はよく確認しておきましょう。
宅建の登録実務講習は受講必須。講習の内容と流れ
宅建の登録実務講習は、宅建業の実務経験がない人が宅建士になるには必須の講習です。この記事では、登録実務講習とは誰を対象にした講習なのか、登録実務講習の流れ、…
宅建の登録実務講習は、宅建業の実務経験がない人が宅建士になる…
宅建の実務経験にならない業務とは?資格登録の前に必ずチェック…
宅建試験に合格した後、宅建士として働き始めるまでにはいくつかの手続きが必要ですが、その流れは「2年以上の実務経験」があるかどうかで異なります。また注意したい…
宅建試験に合格した後、宅建士として働き始めるまでにはいくつか…
資格登録の3要件のうち、上記のように実務経験に関しては後から要件を満たす道があります。
しかし、「登録の欠格事由」の該当者は資格登録ができません。
次からの項目で解説していきます。
前科があっても宅建士になれる?
前科の内容によって、宅建士になれるかどうかが分かれます。宅建士になれない(資格登録の欠格事由に該当する)のは下記のケースです。
拘禁刑(旧:禁錮・懲役)以上の刑に処せられた場合
拘禁刑以上の刑(または旧法の禁錮・懲役)に処せられた場合は、一定期間、資格登録ができません。一定期間とは、刑の執行が終わるか時効が成立してから、5年経つまでです。
一定の犯罪により罰金刑に処せられた場合
「宅建業法違反」か「暴力関係の犯罪」により罰金刑に処せられた場合も、一定期間、資格登録ができません。
暴力系犯罪とは、傷害罪、暴行罪、脅迫罪、背任罪、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、
暴力行為等処罰に関する法律の罪の違反などです。
自己破産しても宅建士になれる?
財産上の問題がある場合、宅建士になれません。破産者(裁判所による破産手続開始決定を受けた人)であり「復権」を得ていない人は、宅建の資格登録ができません。
復権とは、破産手続開始決定で失った法上の資格を回復することです。
ただし、破産者であっても受験は可能で、試験合格者という立場には有効期限がありません。つまり自己破産後に試験に合格しておき、復権後に資格登録することは可能です。
未成年でも宅建士になれる?
宅建の受験には年齢制限がないため、未成年者であっても受験可能ですが、資格登録ができないケースがあります。
未成年者であり成年者と同一の行為能力があると認められていない人、具体的には未成年者の場合は法定代理人による営業の許可を受けていない人などは資格登録ができません。
成年年齢(成人年齢)は、2022年4月1日に20歳から18歳に引き下げられました。現在は18歳になれば資格登録が可能となっています。
精神上の障害があっても宅建士になれる?
精神上の機能の障害により判断能力に問題がある場合、宅建士になれません。一例として、成年被後見人や被保佐人が挙げられます。
ただし、これらの人が一律に欠格事由に該当するわけではありません。該当するかどうかは、個別に審査されます。
他の資格の受験資格は?
宅建の受験を検討している方の中には、「他の国家資格に挑戦しようか迷っている」「将来的には複数の資格取得を目指したい」という方もいるでしょう。
ここからは宅建以外の人気の高い資格について、受験資格、合格率、合格に必要な勉強時間の目安を解説します。
管理業務主任者
管理業務主任者は、マンション管理会社の立場から、マンションの安全管理および住民の快適な生活環境の形成をサポートする国家資格です。
マンション管理業者には、一定の割合で管理業務主任者を雇用しなければならないことが法律で定められています。
| 受験資格 | 制限なし |
| 合格率 | 19~24%程度 |
| 勉強時間(目安) | 300時間程度 |
宅建士と管理業務主任者の違いは?ダブルライセンスのすすめ
宅建士と管理業務主任者は、ダブルライセンスとしておすすめの資格です。この記事では宅建士と管理業務主任者の主な違い、ダブルライセンスで取得するメリット、取得す…
宅建士と管理業務主任者は、ダブルライセンスとしておすすめの資…
マンション管理士
マンション管理士は、マンションで起こるさまざまなトラブルを住民(管理組合)の側に立って解決へと導く、マンション管理のアドバイザーです。
マンション管理業者をチェックする役割も担います。
宅建と同じく、国家資格の一つです。
管理業務主任者と試験範囲がかなり近い上、例年試験日程も近接しているため、ダブル受験(同じ年に両方の資格を受験)でダブルライセンスを目指す方が多いのが特徴です。
| 受験資格 | 制限なし |
| 合格率 | 7〜11%程度 |
| 勉強時間(目安) | 500時間程度 |
宅建とマンション管理士、ダブルライセンスの魅力と目指し方
宅建とマンション管理士は、どちらも不動産業界で人気のある国家資格です。宅建を保有している人は多いので、差別化をはかるためにマンション管理士に挑戦しようと考え…
宅建とマンション管理士は、どちらも不動産業界で人気のある国家…
FP(ファイナンシャルプランナー)
FP(ファイナンシャルプランナー)は、ひと言でいえば暮らしのお金の専門家です。
ライフプランニング、資産運用、相続、不動産といった、私たちの生活に密着したお金に関する知識がベースとなっています。
不動産の取引には大きなお金が動き、顧客の資産運用にも密接に関係します。
宅建とFPのダブルライセンスを取得することで、不動産取得で資産運用を目指す個人・団体に有益なアドバイスができる人材を目指せます。
また、FPの試験科目には「不動産」があります。宅建合格者であればその知識を生かして、比較的スムーズに学習を進めることができるでしょう。
ここでは国家資格であり、宅建とのダブルライセンスとしておすすめしたいFP技能士(ファイナンシャル・プランニング技能士)2級について解説します。
| 受験資格 | 下記の条件のうち、いずれか1つを満たす必要あり ・AFP認定研修の受講修了者 ・3級FP技能検定合格者 ・FP実務経験2年以上 |
| 合格率 | ▼FP2級(日本FP協会) 学科:40〜50%程度 実技:50〜60%程度 ▼FP2級(きんざい) 学科:20~30%程度 実技:20~60%程度(科目によって差があります) |
| 勉強時間(目安) | 150〜300時間程度 |
宅建とFPのダブルライセンス、どちらが先?どっちの方が難しい…
宅建とFP(ファイナンシャルプランナー)は、ダブルライセンスにおすすめの組み合わせです。この2つの資格でダブルライセンスを取得すると、どんなメリットがあるの…
宅建とFP(ファイナンシャルプランナー)は、ダブルライセンス…
行政書士
行政書士は、法律書類作成・申請のスペシャリストとして幅広く活躍できる国家資格です。
主に役所に提出する許認可等の申請書類の作成並びに提出手続代理、遺言書等の権利義務、事実証明及び契約書の作成等をおこないます。
| 受験資格 | 制限なし |
| 合格率 | 9〜10%程度 |
| 勉強時間(目安) | 500〜1,000時間程度 |
どっちが難しい?宅建と行政書士の違いを比較!ダブルライセンス…
「法律系の国家資格に挑戦してみたい!」と思ったとき、まずは宅建と行政書士が気になったという人は多いでしょう。宅建と行政書士、どちらに挑戦しようか迷っていませ…
「法律系の国家資格に挑戦してみたい!」と思ったとき、まずは宅…
司法書士
司法書士は法律専門職を行うための国家資格で、弁護士より身近な法律の専門家として活躍することができます。できる業務も幅広いため人気の資格のひとつです。
| 受験資格 | 制限なし |
| 合格率 | 4〜5%程度 |
| 勉強時間(目安) | 3,000時間程度 |
社会保険労務士
社会保険労務士(社労士)は、ひと言でいえば、企業による人事労務管理をサポートする専門職です。
労働社会保険の手続き、労務管理の相談指導、年金に関する相談など、資格名のとおり「社会保険」と「労務」に関する幅広い知識を有するプロとして企業や労働者をサポートします。
| 受験資格 | 「学歴」「実務経験」「厚生労働大臣の認めた国家試験合格」のいずれかを満たせばOK |
| 合格率 | 6〜7%程度 |
| 勉強時間(目安) | 500〜1,000時間程度 |
【Q&A】宅建のよくある質問
宅建を受験する上でさまざまな疑問を抱いている方も多いでしょう。ここからは宅建に関するよくある質問をピックアップしてご紹介します。
宅建の試験日は?
宅建の試験は年に1回で、例年は10月の第3日曜日に全国で実施されています。
令和8年度(2026年度)は10月18日(日)に試験が予定され、合格発表は令和8年(2026年)11月25日(水)に予定されています。
2026年度(令和8年度)宅建試験日|合格発表までのスケジュ…
宅建試験は、例年10月の第3日曜日に実施されます。2026年4月1日(水)に宅建試験日(予定)が発表されました。2026年度(令和8年度)の宅建試験日は20…
宅建試験は、例年10月の第3日曜日に実施されます。2026年…
宅建の合格率・難易度は?
宅建試験の合格率は例年15%前後で推移しており、国家資格の中でもやや難関とされています。
合格点は試験の難易度によって毎年変動しますが、過去の傾向では50問中35点前後が合格ラインとなっています(合格ラインは年度により変動)。
そのため、安定して合格を目指すには、合格点よりも数点余裕を持った得点力を身につけることが重要とされています。
試験に出るポイントをおさえてしっかりと準備すれば、着実に合格を目指せます。
宅建の難易度は?合格率15〜18%・偏差値55|他資格との比…
合格率だけを見ると、難易度が高そうに見えるかもしれません。しかし宅建は国家資格の中でも比較的合格しやすい資格と言えます。この記事では、宅建の合格率や難易度、…
合格率だけを見ると、難易度が高そうに見えるかもしれません。し…
令和7年度(2025年度) 宅建試験合格発表!合格点は33点…
令和7年度(2025年度)宅建試験の合格率は18.7%、合格点は33点(50点満点)でした。この記事では、令和7年11月26日(水)に一般財団法人 不動産適…
令和7年度(2025年度)宅建試験の合格率は18.7%、合格…
宅建合格に必要な勉強時間は?
宅建試験に合格するために必要な勉強時間は、不動産適正取引推進機構のデータや各資格スクールの調査をもとに、一般的に200〜300時間程度が目安です。
ただし、法律学習が初めての方や、学習時間を確保しづらい場合には、それ以上の時間が必要になることもあります。
試験範囲が広く専門用語も多いため、宅建はけして簡単な資格ではありませんが、正しい学習方法を継続すれば十分に合格を目指せる難易度といえます。
半年で合格を目指す場合、1日あたりの勉強時間は「平日1時間・休日2時間」で300時間程度を確保できます。
国家資格の中では比較的挑戦しやすい難易度です。
とはいえ、「忙しくて机に向かえる時間が少ない」「試験日が迫っているのに学習ペースが追いついていない」という方も多いのではないでしょうか。
スキマ時間での学習に特化した「スタディング 宅建講座」は、忙しい社会人受験者の味方です。
電車の中や昼休みに、スマホで簡単にインプット・アウトプットを繰り返すことができます。
無料登録で割引クーポンが手に入るキャンペーン中です。
宅建の勉強時間は300時間!最短3ヵ月合格のスケジュール&分…
宅建合格に必要な勉強時間は200〜300時間。 1日2時間なら約5〜6ヶ月、1日3時間なら約3〜4ヶ月が目安です。ただし、「何時間必要か」よりも重要なのはど…
宅建合格に必要な勉強時間は200〜300時間。 1日2時間な…
【宅建勉強スケジュール】1年・半年・3カ月の勉強時間と具体的…
宅建の勉強スケジュールを立てるとき、標準的な勉強期間は半年程度です。でも、現実的には「3カ月でなんとか合格したい」という方も少なくないでしょう。1日あたりの…
宅建の勉強スケジュールを立てるとき、標準的な勉強期間は半年程…
宅建は独学で合格できる?
宅建合格に必要な勉強時間は200~300時間とそれほど長くはないため、しっかりと計画を立てることができれば、独学で合格を目指すことは可能です。
しかし合格への最短コースを狙いたいのであればプロのノウハウによってより効率的に勉強できる通信講座がおすすめです。
宅建は独学で合格できる?合格率・難易度・独学のデメリットと効…
不動産業界で働くなら持っておきたい資格に、宅地建物取引士(宅建)があります。約20万人が受験する資格で、中には独学で合格する人も少なくありません。この記事で…
不動産業界で働くなら持っておきたい資格に、宅地建物取引士(宅…
宅建のメリットは?
宅建の資格を取得することによって、不動産業でより活躍ができます。宅建士は不動産業界においてなくてはならない存在であるため、
就職や転職に有利になるのみでなく、資格手当などによって年収アップも狙えます。
また、不動産業界のみでなく金融・建設・保険業界などにも需要がありさまざまな職場で活躍できるという点もメリットです。
宅建士の就職先。資格を活かせる業界は不動産以外にも。
宅建士(宅地建物取引士)はチャレンジしやすいだけでなく、意外とさまざまな業界に生かせる資格だと知っていますか?この記事では、「宅建を活かせる業界は?」「未経…
宅建士(宅地建物取引士)はチャレンジしやすいだけでなく、意外…
宅建士の平均年収は530万円!年齢別・職種別データと年収UP…
「宅建士の資格が気になるけれど、年収はどのくらい期待できるの?」と思っている人はいませんか?宅建士の資格は就職のアドバンテージになることも多く、年収アップや…
「宅建士の資格が気になるけれど、年収はどのくらい期待できるの…
宅建はメリット豊富な資格。年収アップ・就職・転職にも有利
宅建を取得することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。本記事では9つの宅建のメリットを、「仕事や人生に役立つメリット」と「資格の取得や効力におけるメリ…
宅建を取得することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。…
まとめ
今回は宅建の受験資格について解説しました。
- 宅建は、受験資格に年齢、学歴、実務経験、国籍などの制限がない
- ただし宅建士として働くには、試験合格だけでなく資格登録と宅建士証の交付が必要
- 登録の欠格事由に該当すると資格登録ができない
宅建は、法律系・不動産系国家資格の中では難易度がそれほど高くない資格で、働きながら、半年ほどの勉強期間で合格を目指せます。
取得すれば不動産取引のプロとしてキャリアアップを狙えるでしょう。今後のキャリアのために何らかの資格取得を考えている方は、宅建を選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
