宅地建物取引業と不動産業とでは意味が違うのでしょうか? | |
宅地建物取引業と不動産業は同じではありません。今回は、混同しやすい両者の違いと、宅建業における宅地建物取引士の役割をご説明します。 |
宅建業者が宅建業法の規制に反して業務を行った場合、国土交通省または都道府県知事が業務改善を目的とする指示処分、業務停止処分、もしくは免許取消し処分などの行政処分を行います。国土交通大臣、都道府県知事いずれから免許を交付されるかは、宅建事務所の設置状況によって決まります。個人・法人関係なく、どちらの免許も取得が可能です。
宅建業免許の有効期限は5年で、長期継続で宅建業を経営するなら免許の更新が必要です。
厳密に言うと、宅地建物取引業は不動産業と同じではありません。宅建業法の規制を受ける宅地建物取引業は、前述の通り、宅地と建物の売買・交換・貸借の取引に関する業務を行います。これに対して不動産業は、宅地建物取引業に加えて、マンション管理や入居者対応、マンション管理業者の監督に関する事務など、不動産に関わる業務を広く取り扱っています。
つまり不動産業は不動産に関わる取引全般に関わる業務であることに対して、宅地建物取引業は不動産業の一部であるといえます。
宅地建物取引業を営む場合、免許を取得することが大前提です。そして、宅地建物取引士を雇う必要があります。
宅地建物取引士は、不動産の売買契約締結等に欠かせない「重要事項説明」がメインの仕事になります。重要事項説明(35条書面)は宅地建物取引士の独占業務であるため、契約成立まで運ぶには宅地建物取引士の力がどうしても必要です。
依頼人からマンション売却の代理人を任された場合、宅建業者が買い主との契約行為まで代理します。重要事項の説明のほか、その重要事項説明書への記名、契約書(37条書面)への記名は宅地建物取引士が担うことになります。
不動産取引において、重要事項の説明は、専任でない一般の宅地建物取引士でも行えます。しかし、宅地建物取引業を営む場合は、必ず専任の宅地建物取引士を指定し、事務所に常駐させなければなりません。
宅地建物取引士が専任かどうかを満たす要件は、「常勤性」と「専従性」です。つまり、パート・アルバイトや業務委託、兼業を持つ者は専任の宅地建物取引士として認められません。また、宅建業者を監視・監督する監査役は、取引業務を行うために常勤しているわけではありませんので、専任のポジションに就くことはできません。
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