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司法書士と公認会計士はどっちが難易度高い?ダブルライセンスはあり?

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司法書士試験と公認会計士試験の違い

司法書士試験と公認会計士試験は、どちらも難関国家資格であり、誰もが受験可能な点は同じですが、両試験は全く異なる分野の資格です。

司法書士は「法律の専門家であり、登記のスペシャリスト」です。

司法書士試験では憲法、民法、不動産登記法、商業登記法などに関する知識が問われ、筆記試験と口述試験の2つの試験に合格して司法書士会に登録すると、司法書士になれます。

一方で公認会計士は「お金の専門家であり、会計監査のプロフェッショナル」です。

公認会計士は、医師や弁護士と並んで三大国家資格ともいわれています。

公認会計士試験では財務会計論、管理会計、監査論、企業法などの知識が問われ、短答式試験と論文式試験を突破して、公認会計士協会に登録すると公認会計士になれます。

司法書士と公認会計士の試験制度を比較

司法書士と公認会計士の試験制度を比較しながら、両者の違いを確認していきましょう。

司法書士の試験制度

司法書士の試験制度の概要をまとめたものが、以下の表です。

▼司法書士試験の概要

出願期間 5月初旬~中旬
受験日
  • 筆記試験:7月第1週目の日曜
  • 口述試験:10月下旬の平日
試験形式
  • 筆記試験:択一式(マークシート)と記述式
  • 口述試験:面接
試験日数
  • 筆記試験:1日
  • 口述試験:1人あたり約15分程度
合格発表
  • 筆記試験:10月上旬~中旬頃
  • 口述試験:11月上旬~中旬頃
試験科目
  • 筆記試験:憲法、民法、商法、刑法、不動産登記法、商業登記法など
  • 口述試験:不動産登記法、商業登記法、司法書士法
受験資格 年齢、性別、学歴などに関係なく誰でも受験可能
試験会場 法務局または地方法務局が指定する場所(北海道~沖縄の各地)

法務省の令和5年度司法書士試験の試験情報などをもとに作成

司法書士試験には筆記と口述の2つの試験があり、筆記試験合格者のみが口述試験へと進めます。

願書は例年4月上旬ごろから配布されますが、出願期間が短いため申請漏れがないよう注意しましょう。

筆記試験は、午前の部と午後の部に分けられ、すべて一日で実施されます。

出題形式は、5つの選択肢から1つの正答を選択する択一式(マークシート)と、登記申請書類の一部などを作成する記述式があります。

口述試験は、面接です。2名の試験官からの問いに対し、口述で回答していきます。


公認会計士の試験制度

公認会計士の試験制度の概要が、以下の表です。

▼公認会計士試験の概要

出願期間
  • 第1回短答式試験:8月下旬~9月中旬
  • 第2回短答式試験:2月上旬~中旬
受験日
  • 第1回短答式試験:12月上旬
  • 第2回短答式試験:5月下旬
  • 論文式試験:8月中旬
試験形式
  • 短答式試験:択一式(マークシート)
  • 論文式試験:記述式
試験日数
  • 第1回短答式試験:1日
  • 第2回短答式試験:1日
  • 論文式試験:3日間
合格発表
  • 第1回短答式試験:1月中旬
  • 第2回短答式試験:6月下旬
  • 論文式試験:11月中旬
試験科目 【短答式試験】

必須:財務会計論、管理会計論、監査論、企業法の4科目

【論文式試験】

必須:財務会計論、管理会計論、監査論、企業法、租税法の5科目

選択:経営学、経済学、民法、統計学の中から1科目

受験資格 年齢、性別、学歴などに関係なく誰でも受験可能
試験会場 公認会計士・監査審査会が指定する場所(北海道~沖縄の各地)

公認会計士・監査審査会の公認会計士試験実施情報などをもとに作成

公認会計士の試験では、短答式試験(年2回実施)と論文式試験(年1回実施)の2つの試験に合格しなければなりません。

短答式試験の合格者のみ、論文式試験を受けられます。注目すべき点は、公認会計士試験には免除制度があることです。

短答式試験に合格した人は、その後2年間は短答式試験が免除され、論文式試験でも、合格した科目については2年間免除が受けられることとなります。

その他にも免除となる条件があるので、詳細は公認会計士・監査審査会の公認会計士試験実施情報などで確認しましょう。

司法書士と公認会計士の難易度を比較

司法書士と公認会計士の難易度を比較した場合、両資格はそもそも試験制度が異なるため、合格率や勉強時間を比較しただけでは、どちらが難しいとは一概には言い切れません。

あえて言うならば、司法書士試験のほうが、難易度が高く見積もられる傾向にあります。

主な理由は、以下の2つです。

  • 司法書士試験の合格率は3~5%で、公認会計士の合格率(約10%)よりも低い
  • 司法書士試験は、年1回のチャンスしかない

以下で、それぞれの合格率と合格に必要な勉強時間を解説していきます。

司法書士試験の合格率・合格に必要な勉強時間

司法書士試験の合格率・合格に必要な勉強時間をそれぞれ見ていきましょう。

以下の表は、過去5年間の司法書士試験の合格率の推移です。

▼司法書士試験の合格率

年度 受験者数 合格者数 合格率
平成30年度 14,387人 621人 4.13%
平成31年度 13,683人 601人 4.39%
令和2年度 11,494人 595人 5.17%
令和3年度 11,925人 613人 5.14%
令和4年度 12,727人 660人 5.18%

司法書士試験の合格率は、約4~5%です。

この数値は国家資格の中でも、低い方だといえます。

また、司法書士試験の合格に必要な勉強時間は、約3,000時間と言われています。

公認会計士試験の合格率・合格に必要な勉強時間

次は、公認会計士試験の合格率・合格に必要な勉強時間も確認していきましょう。

過去5年間の公認会計士試験の合格率の推移を表にしたものが、以下の通りです。

▼公認会計士試験の合格率

年度 受験者数 合格者数 合格率
平成30年度 11,742 1,305 11.1%
平成31年度 12,532 1,337 10.7%
令和2年度 13,231 1,335 10.1%
令和3年度 14,19し2 1,360 9.6%
令和4年度 18,789人 1,456人 7.7%

公認会計士の合格率は、平均すると約10%です。

司法書士試験の合格率と比較すると、一見高く見えるかもしれませんが、100人中10人しか合格できない狭き門といえるでしょう。

合格に必要な勉強時間は、約4,000時間。人によっては、2,000〜5,000時間ほど必要と言われることもあります。


司法書士と公認会計士の仕事内容

ここでは、改めて司法書士と公認会計士の仕事内容を紹介します。

司法書士は、「法律の専門家であり、登記のスペシャリスト」です。

主な業務は、不動産や会社に関する登記手続、成年後見業務、裁判所へ提出する書類の作成などです。

また、認定司法書士になれば、簡易裁判所での訴訟代理などの業務も行えるようになります。

一方、公認会計士は「お金の専門家であり、会計監査のプロフェッショナル」です。

業務内容は、監査をはじめ、会計や税務(税理士登録した場合)、コンサルティングなど幅広いものとなります。

それぞれ全く異なる分野で活躍する士業です。

司法書士と公認会計士の主な就職先

司法書士と公認会計士の主な就職先を知り、資格取得後のキャリアイメージをつかみやすくしておきましょう。

まず、司法書士の主な就職先は以下となります。

  • 司法書士事務所
  • 法律事務所
  • 合同事務所
  • 信託銀行
  • 不動産会社
  • 一般企業の法務部など

従来は「独立開業」というのが司法書士の王道でしたが、近年では職業選択の幅が広がってきています。

一方、公認会計士の代表的な就職先は以下です。

  • 監査法人や会計事務所
  • コンサルティング会社
  • 税理士法人
  • 金融機関
  • 一般企業など

公認会計士の約9割が監査法人に就職し、監査業務の経験を積んでいきます。

ただ、その他にもさまざまな職業に就いたり、独立開業したりできるので、自分の適正に合わせて就職先を選択可能です。

司法書士と公認会計士はダブルライセンスに向いている?

司法書士と公認会計士はダブルライセンスに向いているとはいえません。

どちらも難易度が非常に高く、試験に合格するだけでも膨大な時間がかかってしまうからです。

そのうえ、どちらも司法書士会や公認会計士協会に入会しなければならず、毎年30万円以上の資格維持費も必要です。

両資格を取っても、相乗効果はあまり見込めないでしょう。

ダブルライセンスを取得しなくても、信頼できる司法書士・公認会計士に仕事を紹介しあったほうが効率よく働けるといえます。

まとめ

最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう

  • 司法書士と公認会計士の試験は、どちらが難しいとは一概には言えない
  • 両者とも難関国家資格だが、試験制度は大きく異なる
  • 合格に必要な勉強時間は、どちらも約3,000時間以上
  • 司法書士は法律・登記の専門家であり、公認会計士はお金の専門家
  • 司法書士と公認会計士のダブルライセンスの効果は、あまり期待できない

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