独占業務からみる司法書士の10年後の姿

将来性も抜群?
昨今よく目にするマイナンバーやAIに関するニュース。これから司法書士資格の取得を目指す人は、「司法書士業務に影響ないんだろうか?」と心配されるかもしれません。社会システムの変化や技術革新が進めば、一部で司法書士業務に影響を与えることも予想されます。今回は、複雑な社会事情を踏まえつつ、司法書士の展望を模索してみたいと思います。

マイナンバーやAIなど社会システムの変化や技術革新によって、今後司法書士の仕事がなくなったりしないか心配です。
社会システムの変化や技術革新が進めば、一部で司法書士業務に影響を与えることも予想されます。しかし、司法書士の業務は複雑な法律関係を扱うものや、機械的に処理できないことなど多岐に渡るため、今後も十分に活躍していくことができるでしょう。


登記件数は右肩下がり

まず、司法書士のメイン業務のひとつ、不動産登記の件数はどうなっているのでしょうか? 下記は、法務省発表の『種類別 不動産の表示に関する登記の件数及び個数(平成19年~28年)』の中から、土地不動産登記のデータを抽出したグラフです。

土地登記件数(平成19年~平成28年)。平成19年の約350万件から平成28年200万件まで右肩下がりに減っている

平成19年における土地の登記件数は380万件以上。それから9年を経た平成28年には約200万件と、5割近く減少しています。ここ数年は横ばいか右肩下がりの傾向が続いており、不動産登記の依頼件数も以前と比べ少なくなっているのが現状です。

不動産登記が減少した原因は、バブル崩壊後の不動産不況によるもの。リーマンショックが起きた平成21年は急激な減少傾向を見せ、その後の東日本大震災の影響もあり、土地登記件数も伸び悩んでいる状況です。

マイナンバーやAIの登場によって仕事は減る?

司法書士業務に影響を与えるのは、景気ばかりではありません。昨今話題のAI(人工知能)が労働現場の主流を占めるようになれば、いずれ司法書士業務などの知的労働も取って代わられるのではないか、とささやかれています。

司法書士が取り扱う登記業務は、本人の意思確認を行い、必要書類を収集、申請書を作成して登記所に申告する流れで進みます。この中の必要書類の収集、申請書の作成などはすでに申請書類作成をサポートするソフトも登場し、バージョンアップされるごとに精度も向上しています。この業務のAI化はさほど困難を伴わないと予想されます。

ただし、登記業務の性格と現行法との兼ね合いから、すべての業務がAI化されることはありません。ただ、書類作成などの個別業務は激減する可能性があります。そのため、補助業務を任されたアシスタントなどが一番影響を受けるかもしれません。

ちなみにマイナンバーですが、司法書士業務の性質上、カードに触れる機会は多々あります。しかし今のところ、その関係で司法書士の仕事が奪われることは予想しにくく、現行制度が導入された以降の状況を見ても、業務量増減との因果関係は認められません。

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超高齢化社会による“後見人”の重要性

社会状況やシステムの変化で激減する業務もある一方、需要増が見込まれる業務もあります。それが、成年後見制度の代理業務です。成年後見制度とは、知的障がい者や認知症患者など、判断能力が著しく欠けた被後見人に代わって司法書士などが契約や消費行為の判断を代理すること。保険やマンションなどの大型契約を結ぶ場合、判断力のない認知症患者などは不利な立場に立たされます。心ない業者による不当行為により、弱者が不利益を被らないためにあるのが、成年後見人制度です。

高齢化社会の加速に伴い、認知症患者の増加が見込まれます。成年後見人として依頼者の健全な消費生活の構築をサポートするのも司法書士の大切な役割であり、その重要性は高まることでしょう。

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ブロックチェーン技術の台頭が司法書士業務にもたらす影響は?

仮想通貨「ピットコイン」に代表されるブロックチェーンの仕組みも、司法書士業務に影響を及ぼすかもしれません。不動産取引におけるブロックチェーンの役割は、取引の信用性の担保。膨大な土地取引の履歴がデーターベース上に記録され、それに基づいて精度の高い取引が実現可能となれば、司法書士を介さず登記の手続きが行えるようになるかもしれません。

bitcoin

とは言え、ブロックチェーンの実用化が導入される話はまだ現実的とは言えません。今すぐ不動産取引の手法が劇的に変わることは想像しにくく、それがなければブロックチェーンによる業務への影響も考えられないからです。ただし、今からブロックチェーンに関する情報を収集することで、将来的な変化に対し、スムーズな対応が可能となります。影響の有無に関係なく、法律の専門家である以上は、社会システムの変化に常に敏感でありたいものです。

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