司法書士になるには?受験資格は不要。誰でも目指せる国家資格

司法書士は国家資格の一つであり、独占業務もある人気の資格です。

司法書士になるには、資格試験に挑戦・合格するのが一般的です。

司法書士試験には受験資格がなく、学歴や経験に関係なく誰でも受けられます。

この記事では、司法書士試験の概要や難易度、合格者の特徴、資格試験以外で司法書士になる方法などをまとめました。

監修

山田 巨樹 講師(司法書士・スタディング 司法書士講座 主任講師)

司法書士試験合格後、1998年から大手資格学校にて司法書士試験の受験指導を行う。その後、大手法律事務所勤務を経て独立し、東村山司法書士事務所を開設。2014年、「スタディング 司法書士講座」を開発。実務の実例を交えた解説がわかりやすいと好評。

司法書士になるには?

司法書士になる方法は2つ

司法書士になる方法は、以下の2つです。

  • 司法書士試験に合格する
  • 法務大臣の認定を受ける

司法書士試験に合格する

司法書士になる方法として、多くの人が通る道が司法書士試験です。

司法書士試験には受験資格がありません。年に1回7月に筆記試験と口述試験が行われており、筆記試験合格者のみ口述試験を受験可能です。

試験に合格すると、司法書士としての資格を取得できます。

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法務大臣の認定を受ける

司法書士は試験合格だけでなく、法務大臣の認定を受けて資格を得る方法もあります。

裁判官書記官や裁判官事務官、検事事務官、法務事務官として10年以上従事する、もしくは簡易裁判所判事・副検事として5年以上従事して、口述試験などによって法務大臣の認定を受けると司法書士になれます。

実態としては、裁判所で働き、定年退職した方が利用する制度です。この認定制度は特定の職歴が必要なため、多くの方は司法書士試験を受験して資格を取得しています。

資格取得後には研修を受ける

司法書士試験に合格しても、すぐには司法書士として活動できません。

まず全国にある司法書士会のいずれかに登録し、そこで開催される研修に参加する必要があります。

実施期間やカリキュラムなどは各司法書士会によって異なり、中には配属研修を司法書士会登録の必須条件とするところもあります。

配属研修とは、司法書士事務所に1〜3カ月程度働き、実務を学ぶ研修です。

派遣先は就職先と異なる司法書士事務所を選ばなければならないところもあり、派遣先事務所の条件もさまざまです。

詳しい内容については、登録予定の司法書士会に確認しましょう。

司法書士としての進路は?

多くの場合、試験合格者は司法書士事務所に勤務し、補助者として実務を学ぶキャリアからスタートします。

事務所によって取り扱う業務内容は異なるため、各自目指す分野をメイン業務とする事務所への就職が望まれます。

中には、事務所勤務を経ずいきなり開業する合格者もいます。

しかしそのようなケースでも、学生時代にアシスタントとして事務所に配属し、実務スキルを学んだ人がほとんどです。

実務経験ゼロでの開業は現実的に厳しいと考えましょう。

不動産登記や商業登記、供託業務、成年後見業務など、司法書士業務はさまざまです。

昨今では、簡易裁判所で解決可能な140万円以下の訴訟案件を扱える「認定司法書士」として活動する方もいます。

法務省の認定試験に合格すれば資格が得られますので、訴訟代理業務までフィールドを広げたい方はぜひチャレンジしてください。

司法書士試験の概要

司法書士を目指す上で、大きな関門となるのが、年に1回実施される司法書士試験です。

司法書士試験は、法務省が実施する国家試験で、年齢や学歴、性別に関係なく、誰でも受験可能です。

試験は「筆記試験」と「口述試験」で構成されています。

口述試験は、筆記試験合格者のみ受験できます。

司法書士試験の主なスケジュール

司法書士試験の例年の日程の流れは次の通りです。

▼司法書士試験の例年の流れ

願書の配布期間4月上旬
出願期間5月上旬~中旬
筆記試験7月第1日曜日
択一式基準点などの発表8月上旬〜中旬
筆記試験合格発表10月上旬
口述試験10月上旬〜中旬
最終合格発表11月上旬

司法書士試験は、例年ほぼ同じ時期に行われています。

願書の提出準備が整ったら、筆記試験を受験するエリアの管轄の法務局、地方法務局の総務課に郵送申請、または窓口申請しましょう。

司法書士試験の試験科目

司法書士試験の出題範囲は、以下の11科目です。出題数が多い科目は「主要科目」、出題数が少ない科目は「マイナー科目」と呼ばれています。

主要科目

  • 民法
  • 商法(会社法)
  • 不動産登記法
  • 商業登記法

マイナー科目

  • 民事訴訟法
  • 民事執行法
  • 民事保全法
  • 供託法
  • 司法書士法
  • 憲法
  • 刑法

筆記試験は、午前の部と午後の部に分けられています。

午前の部は択一式のマークシート形式で、午後の部は択一式のマークシート形式と記述式で出題されます。

口頭試験は、筆記試験合格者のみ受験可能です。面接形式で実施され、受験者1人に対して2人の試験官に口頭で回答を求められます。

司法書士試験の難易度

司法書士試験は、難関国家資格のひとつです。

他の国家資格と比較しても合格率が低く、難易度が高い試験です。

次は司法書士試験の難易度を合格率と基準点・合格点、合格に必要な勉強時間の観点から見ていきましょう。

司法書士試験の合格率

司法書士試験の合格率の推移は表のとおりです。

▼司法書士試験の出願者数・受験者数・合格者数・合格率

青:出願者数 | オレンジ:受験者数 | グレー:合格者数 | 黄色:合格率
年度出願者数受験者数合格者数合格率
平成22(2010)33,16626,9589482.86%
平成23(2011)31,22825,6968792.81%
平成24(2012)29,37924,0488382.85%
平成25(2013)27,40022,4947962.91%
平成26(2014)24,53820,1307593.09%
平成27(2015)21,75417,9207073.25%
平成28(2016)20,36016,7256603.24%
平成29(2017)18,83115,4406294.07%
平成30(2018)17,66814,3876214.31%
平成31(2019)16,81113,6836014.39%
令和2(2020)14,43111,4945955.17%
令和3(2021)14,98811,9256135.14%
令和4(2022)15,69312,7276605.18%
令和5(2023)16,13313,3726955.20%
令和6(2024)16,83713,9607375.27%
令和7(2025)17,36514,4187515.20%

司法書士試験の合格率は5%前後です。以前は合格率が3%の年も多くありました。

受験資格のない法律系国家資格である行政書士の合格率は10%前後、宅建士の合格率が15〜17%であると考えると、難易度が高いことがわかります。

司法書士試験の基準点と合格点

司法書士試験には基準点と合格点が設けられています。

そのため、得意科目だけをがんばればいいわけではありません。

午前の部、午後の部でそれぞれ基準点と合格点を満たすには、出題範囲を網羅的に学習して対策する必要があります。

過去5年間の基準点と合格点の推移は表のとおりです。

▼過去5年間の司法書士試験の基準点

年度午前の部・択一式
(105点満点)
午後の部・択一式
(105点満点)
記述式
令和2年度75点72点32点(70点満点)
令和3年度81点66点34点(70点満点)
令和4年度81点75点35点(70点満点)
令和5年度78点75点30.5点(70点満点)
令和6年度78点72点83.0点(140点満点)

▼過去5年間の筆記試験の合格点

年度筆記試験の合格点
令和2年度205.5点以上(280点満点)
令和3年度208.5点以上(280点満点)
令和4年度216.5点以上(280点満点)
令和5年度211.0点以上(280点満点)
令和6年度267.0点以上(350点満点)

※令和6年度以降の筆記試験から、記述式の配点が140点満点になる旨が令和5年12月4日に発表されました。 上記の令和5年度までの合格点は、午前の部・択一式、午後の部・択一式、記述式の総得点280点をもとに設定された基準です。

司法書士試験に合格するには択一式問題は70〜80%以上、記述式問題は50%以上の得点を獲得しなければいけません。

ただし、司法書士試験の合否判定には相対評価も取り入れられています。

具体的に説明すると、毎年合格者の人数がある程度決められているため、その人数に合わせて合格点が上下します。

受験者全体のレベルが高い場合は合格点も高くなり、レベルが低い場合は合格点も下がります。

つまり、択一式問題と記述式問題のどちらも基準点をクリアし、合格点以上の総得点を獲得しなければ、司法書士試験には受かりません。

基準点と合格点の存在も、司法書士試験の難易度の高さに少なからず影響しているでしょう。

司法書士試験合格に必要な勉強時間

司法書士試験合格に必要な勉強時間は、約3,000時間といわれています。

3,000時間と言われてもいまいちピンと来ないかもしれません。

仮に3年で合格を目指す場合は1日2〜3時間ほどの勉強時間を確保しなければいけません。

また、1年で合格を目指す場合は、1日8時間以上の勉強時間が必要です。

他の資格と比較すると、司法書士試験の難易度がいかに高いかがわかるでしょう。

例えば行政書士試験合格に必要な勉強時間は500〜1,000時間、宅建士は200〜300時間です。

比較すると、司法書士試験は他の資格と比較して、膨大な時間勉強を続けないと合格できないほど難しい資格であるとわかります。

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司法書士試験と他の国家資格の難易度を比較

資格取得を考える際に、複数の資格の難易度を比較すると難しさの程度がよくわかります。

そこで、司法書士試験と行政書士試験、税理士試験の難易度を受験者数や受験資格、合格率、勉強時間の観点から比較しました。

行政書士試験との比較

行政書士は法律系の国家資格であり、独立開業も可能なため人気の資格です。

司法書士試験と行政書士試験について表にまとめました。

▼司法書士試験と行政書士試験の比較

司法書士行政書士
受験者数(令和6年度)13,960人47,785人
受験資格の有無なしなし
合格率4〜5%10%前後
必要な勉強時間約3,000時間約500〜1,000時間

司法書士と行政書士はどちらも法律系の国家資格ですが、難易度には差があります。

いずれも受験資格はなく、学歴や職務経験などを問わず誰でも受験可能です。

ただし、合格率は司法書士が4〜5%であるのに対して、行政書士は10%前後を越えています。

また、合格に必要な勉強時間を比較すると、その差は3倍以上です。

以上から司法書士試験と行政書士試験の難易度を比較すると、司法書士試験の方が難しいとわかります。

行政書士を先に取得して、ステップアップとして司法書士とのダブルライセンスを目指すこともできます。

司法試験・予備試験との比較

司法試験は裁判官や検察官、弁護士の法曹三者になるための国家資格です。

司法試験を受験するには法科大学院を修了、もしくは予備試験に合格しなければいけません。

司法書士試験と予備試験、司法試験について表にまとめました。

▼司法書士試験と司法試験・予備試験の比較

司法書士予備試験司法試験
受験者数
(令和6年度)
13,960人12,569人3,779人
受験資格の有無なしなしあり
合格率4〜5%3%前後30〜40%前後
必要な勉強時間約3,000時間約3,000〜1万時間予備試験合格者:約1,000時間、法科大学院修了者:約2,000〜3,000時間

司法書士と予備試験・司法試験はどちらも法律系の国家資格ですが、予備試験・司法試験の方が難易度は高めです。

司法試験は受験するまでのハードルが高いため、合格率は意外と高い数値になっています。

一方で、予備試験は司法試験の合格率を下回り、例年3%前後です。

合格するために必要な勉強時間は人によって差はありますが、多くの場合は司法書士試験よりも長時間必要です。

宅建士試験との比較

宅建士とは宅地建物取引士の略称で、不動産取引の専門家であることを示す資格です。

宅建試験に合格後に登録実務講習を受講して登録すると、不動産契約時に必要な「重要事項の説明」を行えるようになります。

司法書士試験と宅建士試験について表にまとめました。

▼司法書士試験と宅建士試験の比較

司法書士宅建士
受験者数
(令和6年度)
13,960人241,436人
受験資格の有無なしなし
合格率4〜5%15%前後
必要な勉強時間約3,000時間約200〜300時間

宅建試験は毎年20万人前後の方が受験する最大規模の国家資格です。

司法書士試験と同じく法律系の国家資格ではありますが、合格率の高さと合格に必要な勉強時間の少なさから、宅建士の方が難易度が低いとわかります。

他の国家資格と比較しても、宅建士の難易度はそこまで高くありません。

社労士試験との比較

社労士とは社会保険労務士の略称で、社会保険や労働関連の法律の専門家として人事や労務管理を行います。

雇用や社会保険、労働問題、公的年金の分野で唯一の国家資格です。

司法書士試験と社労士試験について表にまとめました。

▼司法書士試験と社労士試験の比較

司法書士社労士
受験者数
(令和6年度)
13,960人43,174人
受験資格の有無なしあり
合格率4〜5%5%前後
必要な勉強時間約3,000時間約500〜1,000時間

社労士も難関資格と言われる国家資格のひとつで、合格率は司法書士試験と同程度です。

ただし、社労士試験は勉強範囲が社労士として必要な範囲に限られており、論述試験や口述試験がありません。

そのため、司法書士試験と比較すると合格に必要な勉強時間は短く、難易度は低いといえます。

税理士試験との比較

税理士は税に関するスペシャリストです。

税理士も国家資格であり、業務独占資格です。

ビジネスと税金は切っても切れない関係のため、一般企業からの需要も高く、さらに独立開業することもできます。

司法書士試験と税理士試験について表にまとめました。

▼司法書士試験と税理士試験の比較

司法書士税理士
受験者数
(令和6年度)
13,960人34,757人
受験資格の有無なしあり
合格率4〜5%15〜20%前後
必要な勉強時間約3,000時間3,000時間以上

税理士試験の合格率は、司法書士試験より高くなっています。

合格率が高い理由のひとつは、科目合格制です。

ある科目の基準点を満たして合格すれば、その科目は半永久的に合格状態が保持されるため、ひとつひとつの科目の勉強に集中できます。

また、受験資格として学歴や資格、職歴が設けられていることもあり、そもそも受験するまでのハードルが高いという点が合格率の高さとして反映されていると考えられます。

司法書士試験と税理士試験の合格に必要な勉強時間は、ほぼ同じです。

ただし、税理士には科目合格制度を採用しており、一般的には3〜5年程度かけて全科目の合格を目指します。

実際に働きながら毎年受験して全科目の合格を目指しているという方も少なくありません。

また、税理士試験は科目合格も履歴書に記載できるため、就職や転職の際は評価材料の1つになります。

司法書士試験は独学でも合格できる?

通信講座や通学講座を受講して合格を目指す方が多い中、独学で司法書士試験に合格するのは難しいでしょう。

独学でも合格できないわけではありませんが、難易度はかなり高くなります。

出題範囲が非常に広いため、学習効率の高い勉強方法を行う必要があります。

独学で司法書士試験合格を目指す場合、参考書の選定や学習計画、勉強方法などをすべて自分で決めなければいけません。

もし非効率で生産性が低い学習方法をしてしまった場合は、いくら勉強を続けてもなかなか合格できない恐れがあります。

また、司法書士試験は専門性が高いため、勉強する中でわからない部分が出てくることもあるでしょう。

独学しているとわからないことがあっても教えてくれる人がおらず、わからないまま勉強を続ける、もしくは立ち止まることになるでしょう。

以上から司法書士試験の難易度は非常に高いため、独学で勉強を始める場合でも難しいと感じたときは臨機応変に対応し、ときには資格取得講座を活用することも大切です。

司法書士試験の合格者を分析

令和6年度(2024年度)司法書士試験の合格者を分析し、合格者の特徴をまとめました。

年齢や性別の観点から、どのような人が合格している傾向が高いのかを見ていきましょう。

合格者の年齢

令和6年度(2024年度)の合格者の年齢別の割合は以下の通りです。

▼年齢別の司法書士試験合格者数

生年合格者数
2000年代生まれ22人
1990年代生まれ181人
1980年代生まれ253人
1970年代生まれ194人
1960年代生まれ71人
1950年代生まれ16人
1940年代生まれ0人
合計737人

生年別のデータをみると、もっとも多いのは40代前後にあたる1980年代生まれの方です。

次いで70年代、90年代となっています。

以上から、司法書士試験合格者の主な年齢層は30〜40代と言えます。

また、合格者の最低年齢は20歳で、最高年齢は73歳でした。

合格者の男女比

司法書士合格者の男女比グラフ

令和6年度の司法書士試験合格者737人のうち男性は495人、女性は242人でした。

割合としては男性が67%を占めていますが、女性の合格者も決して少なくありません。

司法書士になるメリットは?なぜ「やめとけ」と言われる?

司法書士の資格取得を目指す中で、「やめとけ」と言われた経験のある方もいらっしゃるかもしれません。

周囲の方が反対するのは、司法書士資格の難易度の高さや昨今の社会の状況が影響しているのでしょう。

「司法書士はやめとけ」と言われてしまうことには、次のような理由があります。

  • 簡単に合格できる資格ではない
  • 人口減少に伴って仕事が減る可能性がある
  • AIに仕事を奪われる可能性がある

しかし、司法書士には以下のようなメリットがあります。

  • 有資格者としての信頼を得られ、一生の財産になる
  • 受験資格がなく誰でも受けられ、キャリアの一発逆転が狙える
  • 独立開業して自分の裁量で仕事ができ、やり方次第で高収入が期待できる
  • 男女関係なく活躍できる職種で、女性の司法書士の満足度が高い

詳しくはこちらの記事で解説しています。

まとめ

ここでは司法書士試験の概要や難易度などについて詳しくご紹介しました。重要なポイントをあらためておさらいします。

  • 司法書士試験は筆記試験と口述試験に分けられる
  • 司法書士試験は合格率が低い
  • 司法書士試験の合格点と基準点は毎年変動する
  • 司法書士試験の合格者は40代前後がもっとも多い

司法書士は難易度が高い資格ではありますが、しっかりと勉強をすれば合格できる資格です。

受験資格もないため、司法書士資格が気になっている方はぜひ目指してみてはいかがでしょうか。

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