簡裁代理権とは、簡易裁判所が取り扱う範囲における民事訴訟事務の権限です。そのベースラインは、訴訟目的となる対象の価額140万円以下となります。法務大臣の認定を受けた認定司法書士は、司法書士法に基づき、簡裁訴訟代理等関係業務を行うことが可能です。
簡易訴訟代理等関係業務とは、具体的に以下のものを指します。
簡易訴訟代理等関係業務の分かりやすい例といえば、訴額140万円以下の過払い金請求訴訟でしょう。貸金業法の改正にともない、グレーゾーン金利で取り立てられた利息の返還を求める訴訟が各地で起きていますが、返還請求額が140万円以下の場合、認定司法書士による訴訟事務代理が可能。反対にそれを超える案件の代理は非弁行為とみなされ、法律により罰せられます。
特別研修は、司法書士有資格者に参加が認められる日本司法書士会連合会主催の研修です。12月の司法書士試験合格発表後(主に1月下旬)に実施されます。同じ時期に新人研修が行われますが、研修の目的も内容も明確に異なるため、混同しないように注意してください。
研修会場は、北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州の8ブロックごとに設けられ、関東地区はさらに東京会場と神奈川会場に分けられます。所定の過程をすべて受講し、必要な課題をすべて提出するなどの条件を満たした方のみ、修了認定が受けられる決まりです。
認定司法書士になるための特別研修を修了すると、次に待っているのは簡裁訴訟代理等能力認定考査です。試験は例年6月に実施されます。解答は記述式で行われ、事実認定の手法や立証能力、弁論および尋問技術、または訴訟代理人としての倫理観が問われます。弁護士と同等レベルの法廷業務があるかどうかが試される試験といえるでしょう。
そう聞くとかなり難易度高めの試験のように思われるかもしれませんが、司法書士試験の合格率よりはずっと高く、70%~80%の方が合格しています。受験者は難関の司法書士試験突破者、もしくはすでに司法書士として実務を経験している法律の専門家です。特に試験を終えたばかりの受験者は、試験の感触が残っているため、精神的にもゆとりを持ってチャレンジできるかもしれません。
司法書士法が改正されたことで、司法書士でも準法曹の立場で訴訟代理を担えるようになりました。これまで以上に活動領域が広がってビジネスのチャンスも生まれやすくなったといえるでしょう。
認定司法書士が増えることは、法律インフラの強化にもつながります。たとえば弁護士が不足している状況で少額の訴訟案件が担当できなかった場合、認定司法書士にその案件を回すことで依頼者が救われることになります。弁護士からすれば、どうしても大型案件が優先となるため、少額案件を担当できる専門家は力強い味方となるのです。
司法書士を目指す方は、活動領域が広がる認定司法書士になる道もぜひ検討してみてください。
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