独立開業を目指すうえで、司法書士事務所を首都圏に置くか、地方に置くかは大きなテーマ。需要がどれくらいあるのかの指標とするために、まずは全国の司法書士会員数をみてみましょう。司法書士になるためには、試験合格後、司法書士会や同連合会が主催する新人研修を受講する必要があります。司法書士法第25条では、司法書士に研修を義務付け、専門家としての資質向上に励むことの重要性を説いています。
新人研修には3種類あり、「中央研修」「ブロック研修」「司法書士会研修」です。研修の開催時期は、司法書士会が籍を置く都道府県ごとに異なるものの、おおむね司法書士試験の合格発表が行われる後の12月からスタートするのが慣例です。12月から翌年3月まで、約4カ月にわたって内容の濃い研修プログラムが実施されます。
2021年度(令和3年度)の研修を参考に、日程や内容をご説明します。
パソコンやモバイル端末から受講できる「eラーニング研修」です。開催時期は、地域によって異なります。3グループ8ブロックに分けられ、それぞれ決められた期間内に受講することになります。
グループ | 受講時期 | 地域 |
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第1グループ | 令和3年12月13日~令和3年12月29日 | 中部ブロック・中国ブロック・四国ブロック・九州ブロック |
第2グループ | 令和3年12月30日~令和4年1月15日 | 北海道ブロック・東北ブロック・近畿ブロック |
第3グループ | 令和4年1月16日~令和4年2月1日 | 関東ブロック |
ブロック研修は、各司法書士協議会によって行われる研修です。パソコンやモバイル端末から受講できる「eラーニング研修」です。開催時期は、地域によって異なります。3グループ8ブロックに分けられ、それぞれ決められた期間内に受講することになります。
ブロック | 受講時期 |
関東ブロック | 令和3年12月20日~令和4年1月16日 |
近畿ブロック | 令和3年12月17日~18日、23日~26日、令和4年1月9日~10日、15~17日、22日、29日 |
北海道ブロック | 令和4年1月21日~令和4年1月27日 |
東北ブロック | 令和4年1月16日~令和4年1月24日※1月20日は休暇 |
中部ブロック | 令和4年1月10日~令和4年1月16日 |
中国ブロック | 令和4年1月8日~令和4年1月15日 |
四国ブロック | 令和4年1月8日~令和4年1月14日 |
九州ブロック | 令和4年1月14日~令和4年1月21日 |
各都府県の司法書士会および北海道の4司法書士会(札幌・函館・旭川・釧路)が実施する研修です。「配属研修」とも呼ばれます。司法書士事務所の一員として勤務し、現場業務を体験しながら実務を学びます。実施時期は各司法書士会によって異なるため、事前にWEBサイトなどをみて確認するようにしてください。
特別研修とは、簡易裁判所で取り扱う訴訟案件(140万円以下の訴訟額)を担当するうえで必要な実務と知識を学ぶための研修です。いわゆる法務省が認定する認定司法書士になるための登竜門。第20回司法書士特別研修は令和3年5月29日(土)から同年7月4日(日)まで。研修を終え、認定司法書士になるための試験「簡裁訴訟代理等能力認定考査」に合格して同資格が与えられます。令和3年度の試験日は令和3年9月12日でした。
司法書士の新人研修に必要な費用は下記のとおりです。
東京司法書士会の新人研修まで含めると、合計25万円程度の実費となります。なお司法書士会研修の研修生は、一般的に無料で事務所に入所できて実務を学べます。
中央研修およびブロック研修の受講申し込み方法は、郵送もしくはインターネットのいずれかを選ぶことになります。東京司法書士会新人研修はFAX、特別研修は郵送のみとなっています。
それぞれの受講申し込みには期限が設定されているため、決められた期限内に間に合うよう準備を進めましょう。