
司法書士の資格取得を目指す中で、「やめとけ」と言われた経験のある方もいらっしゃるかもしれません。
司法書士は難易度が高いですが、受験資格がないため誰にでも合格のチャンスがあり、資格取得後は独立開業も目指せる資格です。
この記事では「司法書士を目指すのはやめとけ」と言われる理由や将来性・向いている人の特徴を解説します。
これから司法書士を目指す中で少しでも不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
「司法書士を目指すのはやめとけ」と言われる5つの理由
司法書士を目指している方の中には、家族や友人などから反対された経験のある方がいるかもしれません。
周囲が反対する理由は、司法書士資格の難易度の高さや昨今の社会の状況が影響しているためでしょう。
- 司法書士試験合格の難易度が高い
- 収入が少ないケースがある
- 人口減少に伴って仕事が減る可能性がある
- AIに仕事を奪われる可能性がある
- 廃業の可能性がある
「司法書士を目指すのはやめとけ」と言われやすい5つの理由を、具体的に見ていきましょう。
理由1.司法書士試験合格の難易度が高い
「司法書士を目指すのはやめとけ」と言われる理由のひとつに、簡単に合格できる資格ではないことが挙げられます。
司法書士の業務は登記や後見人制度と多岐にわたり、多くの法務知識を要します。
資格試験の範囲は広く、試験で出題されるのは民法や不動産登記法、商法(会社法)、商業登記法をはじめとした11科目です。
難易度は非常に高く、近年の合格率は約4〜5%を推移しており、司法書士になるのは狭き門と言えるでしょう。
合格に必要な学習時間は3,000時間程度と言われており、1日に3時間勉強しても3年はかかります。
資格取得のためには並々ならぬ努力が必要で、環境や日々の勉強時間によっては合格までに3年以上かかるケースもあります。
少し勉強した程度で簡単に合格できる資格ではないため、「やめとけ」という意見が出るのでしょう。
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なお、以下では司法書士試験の難易度や合格率・勉強方法などを詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

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理由2.収入が少ないケースがある
司法書士は国家資格でありながら、高収入を保証される職業ではありません。
とくに勤務司法書士として働く場合は、年収が300万〜600万円程度にとどまるケースも多く、一般企業の会社員と大きく変わらないという印象を受ける方も多いでしょう。
また、地方では案件数そのものが少ないこともあり、安定した収入を得るまでに時間がかかる可能性もあります。
ただし、独立して開業した場合は、営業力や専門分野での実績、人脈づくりによって高収入を実現できる可能性も十分にあります。
そのため「司法書士は収入が少ない」と言われる一方で、自分の強みを生かして専門性を磨けば、努力に応じて大きな成果を得られる仕事でもあるといえるでしょう。
理由3.人口減少に伴って仕事が減る可能性がある
司法書士に限った話ではありませんが、人口減少に伴って仕事が減る可能性があり、「目指すのはやめとけ」と言われる場合があります。
近年の日本は超高齢化社会で人口が減少傾向にあり、それに伴って不動産取引や相続そのものが減る可能性があります。
取引や相続が減少すれば、それらに関わる登記業務も少なくなり、少ない業務をめぐって司法書士同士の競争も激化するかもしれません。
しかし、登記業務が減少する可能性はあるものの、以下のような分野の需要が注目されています。
- 成年後見業務
- 簡裁訴訟の代理業務
- 遺産や相続に関わる財産管理業務
成年後見とは、年齢や病気といった理由で財産管理ができなくなった人を保護・支援する制度で、超高齢化社会の日本では需要の高まりが予想されています。
司法書士は成年後見人になれるため、活躍するチャンスも多くなるでしょう。
理由4.AIに仕事を奪われる可能性がある
AIに仕事を奪われる可能性があるため、「司法書士を目指すのをやめとけ」と言われるケースもあります。
今後はAI技術の発達によりさまざまな職種の書類作成をAIが行い、業務の自動化が進んでいくと考えられるためです。
司法書士の業務でも、ひな形のある単純な書類作成やオンライン上の申請はAIが代替する可能性が高いと言えるでしょう。
しかし、司法書士の業務にはAIにできないものもあります。
たとえば、不動産登記の背景に複雑な経緯があれば、司法書士は丁寧にヒアリングを行って適切に対処する必要があります。
依頼者からの相談はワンパターンではないためコミュニケーションが重要で、現状ではAIが完全に代替するのは難しいでしょう。
裁判や後見人制度に関わる業務も同様で、依頼者の状況によっては臨機応変に対応を変える必要があり、AIが対応するのは困難です。
依頼者とのやり取りに重要なコミュニケーションスキルを磨いておけば、AIに奪われることなく仕事を獲得し続けられるでしょう。
理由5.廃業の可能性がある
司法書士資格を取得しても、長く続けられるとは限りません。
案件の減少や収入面の不安から、開業後に廃業するケースもあります。
とくに独立開業した場合、事務所の運営や集客・経費の管理などに苦戦し、収益が安定せずに撤退を余儀なくされる状況に追い込まれる可能性もゼロではありません。
ただし、司法書士全体として廃業率が特別に高いという統計は見られません。
厳しい現実がある一方で、実際に活躍している司法書士も数多く存在します。
司法書士として継続的に活動するためには、業務分野の工夫やマーケティング力・他士業との連携なども視野に入れておくことが重要です。
司法書士の「やめとけ」と言われても目指す価値について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

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司法書士は将来性あり|5つの魅力
司法書士は難易度の高い資格ですが、司法書士試験は受験資格がないため、誰にでも資格取得のチャンスが開かれています。
司法書士の資格取得を目指す魅力は、以下の5つです。
- 有資格者の信頼感が得られる
- キャリアの一発逆転が狙える
- やり方次第で高収入が期待できる
- 独立開業できる
- 性別に関係なく活躍できる
具体的にどのような魅力があるのかを見ていきましょう。
有資格者として信頼が得られる
司法書士の資格を持っていれば、周囲からの信頼を得られます。
資格試験は合格率は低いものの、試験に受かれば専門的な法律知識を所持している証明となります。
司法書士資格は更新の必要がないので、取得すれば一生の財産になるでしょう。
たとえ司法書士として働かない場合でも、転職や就職時には難関資格を取得した事実をアピールでき、学力の高さや継続的に努力できる人柄を評価してもらえます。
評価が得られるだけでなく、資格を持っていれば自分の自信にもつながるでしょう。
一生使える資格を持って周囲からの信頼を得られるのは、資格取得の大きなメリットと言えます。
キャリアの一発逆転が狙える
司法書士の資格を取得すれば、キャリアの一発逆転が狙えます。
司法書士試験は受験資格がないため、学歴やこれまでのキャリアに自信がない方でも試験を受けられます。
受験に回数制限がないので何回でもチャレンジでき、資格を取得すれば司法書士として新たなキャリアを築けるでしょう。
司法書士になれば独立開業も可能であり、転職や就職の際のアピールポイントとなります。
資格を取得すれば働き方の選択肢が増え、場合によっては人生が大きく変わる可能性があるでしょう。

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やり方次第で高収入が期待できる
司法書士になれば、業務のやり方次第で高収入を得られる可能性があります。
司法書士事務所で勤務するか、それとも独立開業するかなど、資格取得後の働き方によりますが、司法書士は実力次第では1,000万円を超える高収入が期待できる職種と言えるでしょう。
実際に日本司法書士会連合会の「司法書士白書2021年版」によると、1,000万円を超える売上(収入)を得ている司法書士も一定数存在します。
詳細な割合は公開されていませんが、1億円以上の収入を得ている回答者もおり、実力次第で大きく年収を伸ばせることがわかります。
以下の記事では、勤務や独立などの働き方別に司法書士の年収を紹介しているので、気になる方はあわせてチェックしてみてください。

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独立開業できる
独立開業できるのも、司法書士を目指す大きなメリットです。
司法書士はパソコンや電話があれば仕事ができ、高額な設備や他職種にあるような商品の仕入れは必要ありません。
事務所を借りずとも自宅で仕事ができるので、資金面での開業のハードルが低く、独立開業しやすい職種と言えます。
資格取得後はまずは司法書士事務所に勤務して経験を積むのが一般的ですが、経験を積んで独立すれば自分のペースで仕事ができ、プライベートと両立して働けます。
定年もないので生涯現役で働ける点は、司法書士の魅力のひとつと言えるでしょう。
以下の記事では、独立した司法書士が業務スタートをするための申請手続きについて徹底解説しているので、参考にしてみてください。

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性別に関係なく活躍できる
司法書士は、男女の性別関係なく活躍できる職種です。
主な業務が書類作成や代理申請、法律相談なので、性別による差が仕事に影響しにくいからです。
男女の性別関係なく平等に業務ができ、個人の努力次第で活躍できるのが司法書士の魅力と言えるでしょう。
以下の記事では、女性が司法書士として働きやすい理由をより詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

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司法書士の資格取得を目指すメリット
司法書士の資格取得に向いている方
さまざまなメリットが得られる司法書士の資格取得には、どのような方が向いているのでしょうか。
司法書士の資格取得に向いている方の特徴は、以下の3つです。
- 独立志向が強い方
- 安定して収入を得たい方
- 勉強熱心な方
1つでも当てはまってる方は、司法書士の資格取得を前向きに検討してみましょう。
独立志向が強い方
司法書士は自分で開業できるため、独立志向の強い方に向いています。
独立して事務所を運営し、自分自身でビジネスを展開したい方にはおすすめの資格です。
独立すれば業務や運営方針をすべて自分で意思決定でき、スケジュールも自由に管理できます。
事務所の運営次第では高収入を得られる可能性があり、独立して自分の手腕を試したい方には向いているでしょう。
ただし、独立開業にはリスクや責任も伴います。
独立のメリットとデメリットをよく考えて決断し、独立する場合は綿密に計画を練って実行することが重要です。
安定して収入を得たい方
司法書士は、安定して収入を得たい方に向いています。
登記や裁判、成年後見の手続きといった司法書士の業務は、法務知識のない方が行うのは簡単ではありません。
そのため司法書士の業務は一定の需要があり、依頼案件がなくなることはないでしょう。
また、司法書士は不動産会社や他の士業とのつながりを持てば、新規案件の紹介を受けやすくなります。
不動産業界とのつながりがあれば不動産登記に関わる案件の紹介、弁護士や税理士などの士業同士つながりからクライアントの紹介が期待できます。
自身で獲得した仕事に加えて紹介案件も受けられるので、安定した収入が得られるでしょう。
勉強熱心な方
勉強熱心な方も司法書士の資格取得に向いています。
資格取得のために勉強は必要ですし、司法書士になってからも法律や制度の勉強は欠かせません。
法改正があれば、適切に業務を行うために情報を収集して学ぶ必要があります。
裁判業務においても判例は更新されるので、新しいルールを学習し、変化に対応していかなければならないでしょう。
司法書士は資格取得後も法律の知識を磨く必要があるため、努力して勉強できる方や、法律分野に興味を持って学習できる好奇心旺盛な方が向いています。
司法書士になるのをおすすめできない方の特徴
司法書士は、独立志向の強い方や安定した収入を得たい方におすすめですが、以下のような方にはおすすめできません。
- 学び続けるのが苦手な方
- コミュニケーションが苦手な方
- 不注意やミスの多い方
- 責任感がない方
資格取得後も最新の法令や判例を学び続けなければならないため、学び続けるのが苦手な方には司法書士には向いていないと言えるでしょう。
また、司法書士は依頼人とのコミュニケーションが必要で、信頼を得るためには依頼内容を丁寧にヒアリングしなければなりません。
依頼人とのやり取りが苦手な方は、司法書士として活躍するのは難しいでしょう。
司法書士は依頼内容に沿った正確な書類を作成する必要があり、書類に不備があれば、場合によっては依頼人に不利益をもたらします。
厳重にチェックされた不備のない書類が作成できないと、司法書士として成功するのは困難です。
さらに、提出書類の作成や法務手続きには、期限や添付書類等のルールがあります。
責任を持ってルールを守れない方は、適切に業務を遂行するのは難しいでしょう。
ただし、言い換えると学ぶのが好きな方や人とコミュニケーションを取るのが好きな方、丁寧に仕事に取り組める方は司法書士の仕事が向いているといえます。
司法書士はやめたほうがいい?と悩むなら「スタディング」
司法書士はたしかに簡単に目指せる職業ではなく、難易度の高い試験や収入面、将来性に対する不安の声も少なくありません。
「やめとけ」と言われて迷っている方の中には、「それでも挑戦したい」と思う気持ちがあるのではないでしょうか。
そうした不安や疑問を抱えたまま独学を始めるのではなく、正しい学習方法と信頼できる学習環境を選ぶことが大切です。
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「やめたほうがいいかも」と不安になったときこそ、スタディングで一歩を踏み出してみてください。
司法書士はやめといたほうがよいか悩む方によくある質問
最後に、司法書士になるか不安を感じる方々から挙がる、よくある質問に回答します。
司法書士になるには何年かかる?
司法書士試験に合格するまでに必要な勉強時間は約3,000時間と言われています。
そのため、1日3時間の学習を続けた場合、おおよそ2〜3年が目安です。
ただし、勉強時間の確保状況や基礎知識の有無によっては、1年で合格する人もいれば、5年以上かかる人もいます。
自分に合った学習計画を立てて、無理のないペースで取り組むことが大切です。
以下の記事では、司法書士試験の合格者から聞いた「勉強時間や費用、勉強期間の過ごし方」などをまとめていますので参考にしてみてください。
【司法書士になるには】合格者が勉強に費やした時間・期間・費用と合格率【どんな過ごし方をしてたかも書いてあります】
司法書士の資格を永久に持ち続けることはできる?
司法書士の資格は一度取得すれば、更新や有効期限はなく、基本的には生涯にわたって保有できます。
ただし、実際に司法書士として業務を行うためには、日本司法書士会連合会への登録と、各地の司法書士会への入会が必要です。
また、実務を継続するには倫理研修や定期的な研修も求められるため、制度に則って活動を続ける意識が求められます。
まとめ
今回ご紹介した「司法書士はやめとけ」と言われる理由は、以下のとおりです。
- 合格率約4~5%という難関資格で、簡単に合格できる資格ではない
- 人口減少に伴って不動産や相続案件が減り、仕事が減る可能性がある
- ひな形のある単純な書類作成業務は、AIに奪われる可能性がある
難易度が高い点や昨今の社会の状況から、「やめとけ」と言われることがあるかもしれません。
しかし、司法書士には以下のような魅力があります。
- 有資格者としての信頼を得られ、一生の財産になる
- 受験資格がなく誰でも受けられ、キャリアの一発逆転が狙える
- 独立開業して自分の裁量で仕事ができ、やり方次第で高収入が期待できる
- 性別に関係なく活躍できる職種
司法書士資格は出題範囲が広く、難易度が高い試験なので、効率よく勉強することが重要です。
時間を有効活用して司法書士試験にチャレンジしたい方は、スタディング 司法書士講座をぜひチェックしてみてください。

司法書士とはどんな仕事?業務内容や難易度、年収をわかりやすく…
司法書士は、身近な「くらしの法律家」として、地域社会に貢献していくことができる法律専門職の国家資格です。不動産・商業登記の手続、供託の手続き、裁判所などへ提…
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