司法書士試験合格には過去問が必須
過去問は、実力や解答力を確認し、合格に必要な力を着実につけるために有効な手段です。
本番では過去問と全く同じ問題が出題されることはほとんどありません。
ただし、過去問と類似の問題が本番で出題されたり、過去問を解くと理解できていない分野を把握できたりするため、複数年分を実施すれば実力アップにつながるでしょう。
なお、過去問学習をする場合、しっかりと問題の解説を読み、考え方を理解することが大切です。
類似問題にも対応できる解答力が身に付けられます。
司法書士試験に合格するための基本ルール
司法書士試験の試験勉強をするうえで大切なのは、インプットとアウトプットの繰り返しです。
得点力を身に付けるには、特にアウトプットが重要になります。
まずはテキストや動画などでインプットして、知識を身に付けます。
そして、インプットしただけでは試験に合格する実力は付きませんので、過去問や問題集でアウトプットすることが大切です。
テキストや動画などでインプット
まずはテキストや動画などを通し、インプット学習をしましょう。
一度テキストや動画などで学習した後は、すぐに問題演習に移り、問題がどのように問われるのかを意識しながら知識を身に付けることが大切です。
そうはいっても、一度テキストや動画などでインプットしたぐらいでは、問題を解けるようになりません。
なぜなら、覚えた知識を出題パターンにあわせて使えるように自分自身の頭の中を整理しなければ、問題は解けないものだからです。
そこで、最初の1〜2回は問題を解かずに解答と解説を読み、どのように解けば良いのかを理解していきます。
インプットだけしていては実力が身に付かないため、次は過去問や問題集でアウトプットを行います。
過去問や問題集でアウトプット
前述のように問題文と解説を読んで出題パターンを覚えたら、実際に問題を解いてみます。
過去問や問題集でアウトプット学習をすれば、実際の試験でも使える知識が身に付くでしょう。
また、過去問数年分を解けば、出題傾向や難易度も理解できるので、有効な試験対策となります。
ただし、一度問題を解いた程度で司法書士試験に合格する実力をつけるのは困難なので、何度も繰り返し解くことが大切です。
間違えた問題も復習すれば理解が深まり、知識が定着するようになります。
自分の得意分野や苦手分野を見極められるようにもなるので、10回程度は繰り返して解くようにしましょう。
司法書士試験の勉強で過去問を活用すべき理由
多くの資格試験において、過去問学習は有効な試験対策になると言われていますが、司法書士試験も例外ではありません。
司法書士試験で出題される11科目もあり、それぞれに取り組むのは大変ですが、過去問練習はしっかり行うようにしてください。
以下に、司法書士試験の勉強で過去問を活用すべき理由をまとめます。
インプットだけでは得点力が身に付かない
択一式の問題は選択するだけなので、知識さえあれば解けると考えている人がいるかもしれません。
しかし、司法書士試験の場合、選択問題であってもそう簡単に正解は答えられません。
インプットした知識をストレートに問うのではなく、具体的な事例に関してどのように知識を活用するかが問われるためです。
そのため、テキストを読むだけでは対応できず、テキストから得た知識を問題演習で活用する応用力を身に付ける必要があります。
また、司法書士試験に関わる法律は膨大であり、すべて暗記するのは不可能に近いといえます。
知識を覚えているかどうかではなく、考え方や思考力が試される試験と捉えるようにしてください。
試験問題の出題傾向を把握できる
司法書士試験では、過去問と似た問題が出題されることがあります。
そのため、過去問を解いて身に付けた知識を試験問題で活用するコツがつかめれば、本番でも正解できる可能性が高くなります。
司法書士試験の科目は合計11科目あるので、最初のうちは過去問を解くだけでも、かなり時間が必要です。
そうはいっても過去問を早い段階で解くことは大切なので、学習範囲に合わせてテーマ別や科目別の過去問を選ぶと学習を進めやすいでしょう。
また、出題傾向が把握できれば、テキストや動画でのインプット学習をする際に、力を入れるべき部分とそうでない部分を見分けられるようになるので、学習の効率化にもつながります。
ただし、まったく同じ問題が出題されるケースは少ないので、過去問を解く際は答えを暗記するのではなく、考え方を理解するようにしてください。
自分の実力を把握できる
司法書士試験に合格するには、過去問をスラスラ解けるレベルまで実力をつける必要があります。
実際の試験では過去問にはなかった問題などが出題される可能性がありますが、最低でも過去問で合格点を超えるくらいの実力はつけなければなりません。
また、過去問を解くことで、自分の実力に何が足りていないかがわかり、得意分野と苦手分野を把握できるようにもなります。
司法書士試験に合格するには合格点と基準点があり、択一式問題で約85%以上正解できなければ、その時点で不合格になってしまう恐れがあるため、苦手分野を作らないことが大切です。
そのため、複数年分の過去問を解いて、自分の苦手分野を把握する必要があります。
苦手分野を把握できたらその分野を集中的に学習して、しっかりと得点できるように、インプット・アウトプット学習を重ねていきましょう。
司法書士試験の仕組みや合格点・基準点に関して詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
【合わせて読みたい】司法書士試験の難易度は?合格率と試験の仕組み
過去問を活用して司法書士試験に合格するコツ
過去問学習は司法試験合格のために有効な対策ですが、やみくもに解いているだけでは実力はつきません。
また、過去問は一度だけでなく何度も繰り返す必要があります。
そのほか、過去問を活用して合格するためのコツを以下に紹介します。
なるべく早い段階から過去問に取り組む
過去問学習は試験直前ではなく、なるべく早い段階から始めるようにしてください。
短期合格している人の多くは、早い段階で過去問に取り組んでいる傾向があり、反対に試験に合格できなかった人ほど過去問に全然取り組んでいない傾向があります。
また、最初に試験範囲の知識をすべて覚えてから過去問に取り組もうとする方も珍しくありません。
しかし、司法書士試験ではインプットとアウトプットを同時に行う学習が有効なので、テキストを読みつつ、早めに過去問に取り組んだほうが効率的です。
司法書士試験は問題数も多いため、試験が近くなってから取りかかると、限られたテーマや科目の過去問しか取り組めない可能性もあります。
実力をつけるには問題を繰り返し解くことが大切
司法書士試験に合格する実力をつけるには、問題を繰り返し解くことが大切です。
過去問で解けなかった問題も、解答を確かめたり、テキストを読んだりすれば、理解できるかもしれません。
ただし、ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが忘却曲線で提唱したように、人間は一度理解した程度ではすぐに忘れてしまいます。
1日後には74%、1週間後には77%、1か月後には79%も忘れることが、エビングハウスの忘却曲線によりわかりました。
そのため、着実に知識を身に付けるには問題を繰り返し解いて、長期記憶として定着させる必要があります。
過去問を解いて知識を網羅する
過去問を学習するときは、まずは直近10年分から始めましょう。
10年分を繰り返し解けば、ある程度試験対策はできます。
ただし、過去問を10年分さかのぼっただけでは、十分とはいえません。
例えば、過去10年分の過去問は解いていたとしても、20年前の過去問と類似の問題が出題されると対策できておらず、解答できないかもしれません。
そのため、直近10年分だけでなく、20年以上の過去問を解いて網羅性を高めることが大切です。
わからない問題があったときは何時間も考え込まずに解答や解説を確認し、自分の知識をどんどん追加していきましょう。
本番の試験にも対応できる実力を身に付けるために、解答への理解を深めながらできるだけ多くの過去問を解くことが重要です。
記述式は基礎を身に付けてから過去問を解く
司法書士試験では択一式問題だけでなく、記述式問題も出題されます。
実際に記述式問題が出題される分野は、不動産登記法と商業登記法です。
記述式問題では問題文を読み、即判断する能力が求められますが、これには前提として正確な基礎知識が必要とされます。
したがって、択一式の学習が記述式においても不可欠であることは言うまでもありません。
過去問で記述式問題に取り組むときは、まず記述式のひな形を理解し、各論点を学べる基本的な問題で基礎力を養ってから始めましょう。
基礎力をつけると問題解決に必要な要素が身につき、記述力も向上するため、高得点を狙えるようになります。
過去問が解けない方はスタディング司法書士講座を活用しよう
自分一人では司法書士試験の過去問に取り組むのが難しい方は、スタディング司法書士講座を活用してみませんか。
スタディングの司法書士講座は短期合格者を研究して開発されたオンライン講座です。
テーマごとに講義と問題演習が用意されているほか、よく出題される問題をテーマ別に厳選したオンライン過去問集があり、丁寧な解説も付いているので効率よく学習できます。
過去問に取り組む時間がない方や、既存の過去問集を読んでも分かりにくい方は、ぜひ検討してみてください。
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また、下記ページでは司法書士試験の過去問の一部と解説をご確認いただけます。
【あわせて読みたい】スタディングのピックアップ過去問解説
まとめ
最後に司法書士試験の過去問学習を行う場合のポイントをおさらいしておきましょう。
- 司法書士の試験勉強ではインプットも大事だが、アウトプットはさらに重要
- 過去問を活用すれば出題傾向がつかめ、自分の実力も把握できる
- 過去問学習はなるべく早い段階から始めたほうが良い
- 過去問は内容を理解できるまで、何度も繰り返し解くこと
- 過去問は直近10年分だけでなく、20年分以上を解いた方が多くの知識を網羅できる
なお、司法書士試験は難関資格なので、独学で合格するのは困難といえます。
特に忙しい社会人の方は通信講座などを積極的に活用して、効率よく学習を進めることをおすすめします。
これから司法書士試験の学習をする方は「スタディング 司法書士講座」をぜひチェックしてみてください。