司法書士の資格を取ると人生が変わる理由
司法書士は独占業務があり、独立開業もできるほど信頼性の高い資格です。
それにもかかわらず、受験資格がないため、誰でもチャレンジできます。
そのため、場合によっては資格を取得すると人生が変わるとも言われています。
ここでは、司法書士の資格を取ると人生が変わると言われる理由を解説していきます。
受験資格がなく誰でも受験可能
司法書士の資格を取得すると人生が変わると言われる理由の1つ目は、受験資格がなく誰でも受験が可能だからです。
司法書士試験は学歴や経歴、年齢、国籍などに関わらず受験することができ、幅広く門戸が開かれています。
20代で合格を目指す方もいれば、脱サラ後に試験にチャレンジする方もいて、受験者の層はさまざまです。
たとえ今のキャリアに自信がない方や満足できていない方であっても、司法書士試験に合格すれば、人生一発逆転のチャンスがあるといえます。
最難関国家資格のひとつ
司法書士の資格を取得すると人生が変わると言われる理由の2つ目は、司法書士の資格は最難関国家資格のひとつであり、希少性が高いからです。
司法書士試験の合格率は、約4〜5%前後となっています。
難易度をイメージするために、他の国家資格と比較した表が以下です。
▼各国家資格の合格率と年間合格者数
資格試験 |
合格率 |
年間合格者数 |
司法書士 |
約4%〜5% |
約600〜700人 |
社会保険労務士 | 約5% | 約2,000〜3,000人 |
行政書士 | 約10% | 約4,000〜6,000人 |
宅地建物取引士 | 約15% | 約3万〜4万人 |
税理士 | 約15〜20% | 約5,000〜6,000人 |
資格試験の難易度は合格率だけで測れるわけではありませんが、合格率や合格者数をみる限り、司法書士試験の難易度の高さが伺えます。
士業の中でも独立・開業しやすい
司法書士の資格を取得すると人生が変わると言われる理由の3つ目は、司法書士は士業の中でも独立・開業しやすく、自分で人生の主導権を握りやすくなるからです。
司法書士試験は実務に直結した試験であり、試験で学んだ知識を実務でも発揮しやすいため、試験合格後は独立・開業の道も選択できます。
手元に十分な資金がない場合でも、自宅を事務所として使い、パソコンや電話、FAXなど必要最低限の備品を用意すれば、開業すること自体はできるでしょう。
独立・開業となれば自分が事務所の代表者として、自分の事務所を経営することになります。
経営者になる経験は、人生において誰しもが経験できることではありません。
そうした経験は、人生を大きく変えることにつながるでしょう。
司法書士の資格を取得するメリット
司法書士の資格は人生が変わると言われるだけあって、メリットもあります。
ここでは、司法書士の資格を取得する2つのメリットを見ていきましょう。
成功すれば高年収を稼げる
司法書士の資格を取得するメリットの1つ目は、成功すれば高年収を稼げることです。
司法書士の主な働き方は、司法書士事務所に勤務する場合と、独立開業する場合があります。
次のグラフは、司法書士事務所に勤務する司法書士の年収分布を表しています。
※日本司法書士会連合会「司法書士白書2021年版」の調査結果をもとに作成(回答数624)
日本司法書士会連合会「司法書士白書2021年版」によると、経営者司法書士ではない司法書士の年収は300~600万円が最も多く、1割以上の方(無回答を除く)が年収1,000万円以上を得ています。
一方で、独立開業の司法書士の平均年収は約454万円であり、所得が500〜749万円の層は15.2%、750〜999万円の層は9.1%です。
さらに、年間所得が1,000万円以上(無回答を除く)の方は12.8%、つまり8人に1人以上が年収1,000万円を超えています。
以上から、司法書士は実力次第で高額所得を目指せる資格です。
信頼が得られる
司法書士の資格を取得するメリットの2つ目は、他者からの信頼が得られることです。
国家資格である司法書士は、その高度な知識と実務スキルを生かして多くの困っている市民をサポートし、登記や供託、訴訟その他の法律事務専門家として社会の秩序を維持する掛け替えのない職業です。
資格を取得することで先生と呼ばれ、頼りにされる存在となることは、大きなやりがいとなるでしょう。
司法書士の資格取得を目指す前に確認したいポイント
このように司法書士は夢のある資格ですが、資格取得までの道のりは簡単なものではありません。
ここでは、司法書士の資格取得を目指す前に確認しておきたいポイントを2つお伝えします。
難易度が高く独学は難しい
先述したように司法書士の資格は難易度が非常に高く、簡単に合格できる資格ではありません。
独学で合格を勝ち取る方も中にはいますが、相当の覚悟と努力がなければ合格率4〜5%の合格切符を手にすることはできないでしょう。
必ずしも独立が成功するとは限らない
司法書士試験に合格し、晴れて独立できたとしても、必ずしも成功するとは限りません。
開業後に成功するには、知識やスキルを身につけるのはもちろんのこと、人脈やインターネットを活用して集客したり、地域の人たちの相談にのって信頼関係を築きあげたりするなど、地道な努力と工夫が必要となります。
司法書士試験に合格するための勉強方法
司法書士試験は出題される範囲が広いため、合格するためには、効率の良い学習が欠かせません。
ここでは司法書士試験に合格するための勉強方法を4つ見ていきましょう。
試験日から逆算して学習計画を立てる
司法書士試験の勉強法1つ目は、試験日から逆算しておおまかな学習計画を立てることです。
司法書士の筆記試験は、例年7月の第1日曜日に実施されます。
また、合格までに必要な学習時間は約3,000時間といわれています。
例えば、1日3時間の学習時間を確保できるとすると、3,000時間÷3時間=1,000となり、合格までには1,000日≒約3年かかる計算です。
- どのぐらいの期間で合格を目指すのか
- 1日何時間の学習を基本とするのか
最初に上記2点を軸にして学習計画を立てて、具体的な行動に落とし込んでいきましょう。
得点に結びつく箇所を勉強する
司法書士試験の勉強法2つ目は、得点に結びつく箇所を勉強することです。
合格できない人の傾向を見てみると、試験によく出るところだけでなく、試験に出ないところにも多くの時間をかけている場合があります。
例えば、テキストの最初のページから一つひとつ時間をかけていくのではなく、もし最初のページが試験にほとんど出題されない場合は、その部分は軽く流します。
そして、後半の試験によく出る部分を重点的に勉強した方が効率的です。
また、司法書士試験の出題範囲は、民法や不動産登記法、商法・会社法、商業登記法など11科目もあるため、すべてを網羅的に覚えようとしていては、いくら時間があっても足りません。
合格するためには過去問から出題傾向を読み解き、試験に出るところを重点的に勉強することが重要です。
本番を想定して問題を解く練習をする
司法書士試験の勉強法3つ目は、本番を想定して問題を解く練習をすることです。
本番の試験を想定して普段の学習を行うことで、本番で焦ることなく実力を発揮しやすくなります。
司法書士試験をスポーツにたとえると、試験勉強は「普段の練習」で、試験は「試合」です。
スポーツで普段の練習は調子が良いのに、本番で本領を発揮できない方がいるように、試験勉強をいくらしても、本番を想定した練習をしていなければ高得点を取れるとは限りません。
試験本番で高得点を獲得できるように、問題を解く実力を身に付け、難しい問題への対処法も考えて、試験の出題形式を意識して勉強することが大切です。
合格まで毎日勉強を継続する
司法書士試験の勉強法4つ目は、合格するまで毎日勉強を継続することです。
ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが、人間の長期記憶について研究して提唱している「エビングハウスの忘却曲線」という考え方には、「人は繰り返し学ぶことで、記憶を強められる」と示されています。
平日は勉強せずに土日にまとめて長時間勉強するよりも、毎日少しずつでもいいので勉強を繰り返した方が学習効果が高く、記憶を定着させることが期待できます。
勉強することが歯磨きと同じレベルの習慣になるぐらいまで、継続的に勉強できるようになるのが理想です。
ただし、継続すること自体が目的になってしまわないように注意しましょう。
あくまでも目的は、効率的な勉強で試験に合格することです。
適度な休憩や休みを取り入れることも学習効果を高めることに繋がりますので、メリハリをつけて勉強するのがよいでしょう。
司法書士試験合格後のキャリア
司法書士試験に合格後は、研修を受けた後に司法書士会に登録すると、司法書士として働けるようになります。
ここでは合格後の代表的な3つのキャリアについてご説明します。
司法書士事務所に就職する
司法書士試験に合格し、司法書士会に登録した後は、司法書士事務所に就職するのが一般的です。
司法書士事務所といっても、個人事務所や大規模な司法書士事務所など各事務所の形態はさまざまです。
司法書士事務所によって得意分野や独立開業への理解度などは異なるので、就職活動の際は各事務所の特色を事前に調べておくとよいでしょう。
独立して司法書士事務所を開業する
司法書士の資格取得後は、独立開業を目指す方も多くいます。
司法書士は比較的少ない資金で開業できるだけでなく、年収アップが期待できるのがメリットです。
司法書士が開業する際は、事務所やパソコン、机、椅子、電話などを揃えると仕事を始められます。
事務所はオフィスを借りても良いですが、自宅で開業することも可能です。
このように他の業種と比較すると独立開業しやすい資格であるため、将来独立を考えている人に向いています。
資格取得後はまずは就職して経験を積んでから独立を検討すると、比較的スムーズに軌道に乗せられるでしょう。
一般企業の法務部で活躍する
司法書士には、一般企業の法務で働くというキャリアもあります。
自社に法務部をもつ企業でも、司法書士のような法律の知識を持っている方が重宝されます。
司法書士業務と一般企業の法務業務は親和性が高く、司法書士が有する専門的な知識や技能を活用できれば、企業の法務部において重要な役割を果たせるでしょう。
ただし、法務部は求人数が少なく、求人があったとしても倍率が高いので、インターネットを活用するなどして常に求人情報にアンテナをはっておくようにしましょう。
まとめ
司法書士の資格を取得すると人生が変わると言われる理由や、合格後のキャリアについて解説してきました。
重要なポイントをおさらいしておきましょう。
- 司法書士の資格取得は、人生を大きく変える可能性がある
- 司法書士は、努力次第で1,000万円超えの高年収を目指せる
- 独立開業して軌道に乗せるには、実務経験や一定の資金・人脈が必要
- 合格するためには学習計画を立てて、効率的かつ継続的な学習が必須
- 合格後は司法所事務所勤務に就職し、最終的に独立開業を目指す人が多い
司法書士試験の合格は独学でも可能ではあります。
しかし、参考書の選定や学習計画の作成、出題傾向の分析などを自分1人で行いつつ、同時に学習を継続することに限界を感じることもあるでしょう。
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