司法書士のバッジにある紋章に込められた意味は、国家や国民の繁栄だと考えられます。
バッジの中央にデザインされている模様は桐の花で、原産地の中国では神話に出てくる伝説の鳥、鳳凰(ほうおう)の止まり木といわれ、神聖視されています。
日本では古くから皇室の紋章や武家の家紋に使用されてきました。
司法書士のバッジにあるのは「五三の桐」という由緒正しい紋章で、権威性や、国家と国民の繁栄を象徴しています。
国家資格である司法書士は法律の専門家として社会の秩序を維持し、国の繁栄をもたらす職業であることが示されているのでしょう。
バッジの裏側には、発行元の「日本司法書士会連合会」の名称、ロットナンバーが刻印されています。
「18K」「Pt.F」といった素材をあらわす刻印もあり、バッジが18金・プラチナ張りのメッキだとわかります。
司法書士のバッジは司法書士会からのレンタル品(貸与品)であり、厳密にいえば、もらうことはできません。
東京司法書士会の場合、登録証交付式に出席して貸与代金6,500円を支払えばバッジを受け取れます。貸与代金は地域によって異なります。
司法書士会を退会、もしくは業務停止の処分を受けたときにはバッジを返還しなければなりません。
紛失したときは、再発行の手続きをすれば新しいバッジの貸与を受けられます。
ただし、バッジは貸与品なので所有権は司法書士会にあり、司法書士が個人的に処分や売却することは認められていません。
司法書士が業務を行う際は、バッジの着用が義務付けられています。
東京司法書士会の会則第112条では、「会員証の携行および司法書士徽章の着用義務」として「司法書士会員は、業務を行うときは、会員証を携行し、かつ、司法書士徽章を着用しなければならない」と定められています。
常に着用していると紛失のリスクも高くなるため業務外の移動中のときなど、場面に応じてバッジをつけない司法書士もいるようです。
司法書士だと証明したい場合は司法書士会が発行する会員証を提示すれば、バッジを着用せずとも身分を証明できます。
裁判所に入る際はセキュリティチェックのため入り口で所持品検査を受けますが、司法書士はバッジや会員証を提示すると検査が免除されます。
また、バッジをつければ気持ちを切り替えることも可能です。
裁判所やクライアントとの面談に出向く際、バッジのついたジャケットを着用すれば気を引き締めて業務に臨めるでしょう。
司法書士のバッジのサイズは、直径約13mm・厚さ約3~4mmです。
同じ士業である弁護士のバッジは直径約18.5mm・厚さ約5mmであり、比較すると司法書士のバッジは少し小さめといえます。
また、司法書士のバッジは、弁護士のバッジと素材や重さも異なります。
司法書士のバッジは18金のプラチナメッキ・重さ約5.5グラムに対し、弁護士のバッジは純銀製の金メッキ・重さ約7グラムです。
司法書士のバッジについて、ポイントをおさらいしましょう。
司法書士は、バッジが意味する「国家の繁栄」を担う職業です。
試験の難易度は高いですが、司法書士の知見を活かすことで人々の財産や権利を守れて、大きなやりがいを感じられるでしょう。
司法書士に興味のある方は、ぜひ資格試験にチャレンジしてみてください。
この記事を監修した人 山田 巨樹 講師(司法書士・スタディング 司法書士講座 主任講師) 司法書士試験合格後、1998年から大手資格学校にて司法書士試験の受験指導を行う。その後、大手法律事務所勤務を経て独立し、東村山司法書士事務所を開設。2014年、「スタディング 司法書士講座」を開発。実務の実例を交えた解説がわかりやすいと好評。 |