司法書士は男性・女性に関係なく資格を取得し、実力をつければ活躍できる仕事です。この記事では、司法書士会員や合格者の男女比や働き方、年収をまとめました。
女性司法書士がどのように活躍しているのか気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
司法書士の男性・女性の割合
司法書士の人数の男女比はどのくらいなのでしょうか。
司法書士会員と司法書士合格者の男女比を見ていきましょう。
司法書士会員の男女比
※司法書士白書(2022年版)のデータをもとに作成
司法書士白書(2022年版)によると、現在の司法書士会員数は23,059人(2023年4月1日時点)です。
男女比を見ると次のとおりになっています。
- 男性81.9%(18,606人)
- 女性18.1%(4,112人)
男性の比率が多い状態ではありますが、過去の推移を見ると、ここ数年で女性の比率は上昇傾向にあります。
2013年を例に挙げると、女性の割合が15.5%と現在より3%少ない状態でした。
また、女性の司法書士は都心部の規模の大きい司法書士会ほど人数が多い傾向があり、特に東京や神奈川、京都、大阪などの都市部では女性の数が増えている傾向が見られます。
司法書士合格者の男女比
※2024年度司法書士試験合格者のデータをもとに作成
司法書士試験の合格者の男女比も、過去と比較して女性が合格する数が増加傾向にあります。
2024年度の司法書士試験の合格者の比率は、以下のとおりです。
- 男性67.2%(495人)
- 女性32.8%(242人)
女性の比率は過去数年と比較して、もっとも高い割合になっています。
また、現状の司法書士会員の男女比(82.5%:18.5%)より、女性の合格者の割合が大きい結果となっていることから、今後はさらに女性の司法書士が増える可能性が高いと予想できます。
司法書士として女性が働きやすい理由
司法書士は、女性にとって働きやすい仕事といえるでしょう。
ここからはその理由を解説します。
男女関係なく活躍できる
司法書士は、性別に関係なく活躍できる職業です。
司法書士白書(2022年版)によると、男女平等に仕事ができると感じている人の割合は、男性が 34.5%であるのに対し、女性が 76.3%でした。
女性は、男性と比較して満足している割合が非常に高いことがわかります。
自分の実力やスキルを武器に活躍したい女性にとって、司法書士は魅力的な職業といえるでしょう。
産休・育休後も復帰しやすい
女性が家庭と仕事を両立する際、気になるのは産休や育休後の復帰でしょう。
司法書士の資格を持っていれば、長期間の産休明けでも比較的スムーズに復帰できます。
また、育児のために一般企業を退職した後、セカンドキャリアとして司法書士を目指す方も少なくありません。
事務所にもよりますが、勤務時間も比較的調整しやすいため、家族との時間を大切にしながらキャリアを築けるのが、司法書士として働く魅力の一つです。
女性専用窓口でも活躍しやすい
司法書士事務所や自治体によっては女性の相談者に配慮するため、女性専用窓口を設けているケースがあります。
女性専用窓口では女性の司法書士が相談役として活躍しており、男性以上に相談者の悩みに寄り添えるでしょう。
特に相続や債務税理などデリケートな悩みを抱えている女性の相談者にとって、男性よりも同性の女性のほうが、心理的ハードルが低く、安心して話せる傾向にあります。
司法書士の働き方は?
司法書士の働き方には、主に以下の2通りがあります。
- 司法書士事務所に勤務する
- 独立開業する
それぞれのポイントを以下に解説します。
司法書士事務所に勤務する
司法書士事務所に勤務すると、経験豊富な司法書士の指導を受けながら、実務経験を積めます。
司法書士経験が浅い方がスキルアップするには、最適な環境といえるでしょう。
また、研修制度や福利厚生などが充実している事務所に就職すれば、ワークライフバランスを保ちながら勤務可能です。
将来独立開業を目指している方にとっても、貴重なステップになるでしょう。
独立開業する
女性司法書士にも、独立して事務所を立ち上げる方が多くいらっしゃいます。
自宅開業であれば、仕事をしながら子どもの面倒も見られるので、家事育児との両立も図りやすくなります。
コツコツと実績を積み、信頼関係を築いていけば、どんな新人でも顧客獲得は難しいことではありません。
独立の強い意志があれば、主婦や子育て中などに関係なく、一国一城の主となって法律活動に励めます。
このように、性別関係なく、多くの人の可能性を広げてくれる資格が司法書士です。
司法書士の年収の男女差は?
男性の割合が高い司法書士は、年収も男性のほうが高いイメージを持っている方が多いでしょう。
しかし、実際のデータによると、男女間の年収に大きな差はありません。
司法書士白書(2022年版)によると、経済的に恵まれていると回答した女性は38.8%です。
男性に比べると1.7%少ないものの差は小さく、性別による差はほとんどないのが実態です。
なお、勤務する司法書士の年収は300〜600万円程度が多く、一般的な会社員と大きな差はありません。
一方で、独立開業すると、1,000万円以上の年収を得ている司法書士の数が多くなります。
したがって司法書士の年収は、経験や実力によって差が出ると考えて良いでしょう。
【合わせて読みたい】司法書士の平均年収はどれぐらい?働き方別の年収や年収アップの方法を紹介
これから司法書士を目指すのは厳しい?
司法書士を目指す女性の中には、仕事の将来性に不安を感じている方もいるかもしれませんが、司法書士は今後も十分活躍が期待できる仕事といえます。
その理由を見ていきましょう。
司法書士は将来性がある仕事
司法書士の将来性が疑問視される理由に、AI技術の進化によって仕事が減少するという意見があります。
確かにAI技術の進化により、一部の業務が自動化される可能性はありますが、すべてがAI化されるわけではありません。
人間の感性や判断が必要とされる法律相談など、AIでは対応できない部分が多く存在します。
また、超高齢化社会となり、成年後見制度の代理や相続登記など、司法書士でなければできない業務の需要は増加しています。
以上のことから、司法書士は今後も将来性があると考えられます。
【合わせて読みたい】司法書士の将来性は?独占業務から見る10年後、20年後も活躍する秘訣
司法書士試験は難易度が高い
司法書士は難関国家資格の1つです。
合格率は毎年4~5%前後を推移しており、合格するには相応の努力が必要です。
特に仕事や家事、育児などと両立させながら学習する方は大変でしょう。
とはいえ、しっかりと計画を立て、効率的な学習方法を取り入れれば、合格するのは不可能ではありません。
また、行政書士や宅建士などすでに他の法律系資格を取得している方は、試験範囲が重なる部分もあるため、習得済みの知識を活かせるでしょう。
【合わせて読みたい】司法書士試験の難易度や合格率は?他資格と比較して難しさを分析
司法書士試験合格するための勉強法
仕事や家事など時間に限りがある中で効率的に勉強するためには、通信講座の活用がおすすめです。
通信講座は過去の傾向を分析して、合格しやすいカリキュラムが組まれているため、市販の教材を使うよりも効率よく学習できます。
スタディングのようなスマートフォンやタブレットで学習できる教材は、自宅や通勤中などのスキマ時間を有効活用できて、忙しい社会人の方に適した方法です。
また、育児や家事に時間を取られ、まとまった時間を確保しにくい方も活用しやすいでしょう。
司法書士の試験問題は、初めは難しいと感じるかもしれませんが、毎日少しずつ学習すれば徐々に慣れてきます。
男女問わず活躍できる仕事なので、充実したキャリアを築くためにぜひ試験合格を目指してみてはいかがでしょうか。
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まとめ
最後に女性が司法書士を目指す場合のポイントをおさらいしておきましょう。
- 女性の司法書士は全体の二割程度だが、ここ数年増加している。
- 男性と女性で年収の差はほとんどない。
- 司法書士は性別に関係なく活躍できる仕事である。
- 産休や育休明けでも仕事に大きな支障が出ないため、女性が働きやすい。
司法書士は難易度の高い試験なので、忙しい社会人の方はスキマ時間を活用することが大切です。スキマ時間を徹底活用したい方は「スタディング 司法書士講座」をぜひチェックしてみてください。
この記事を監修した人 山田 巨樹 講師(司法書士・スタディング 司法書士講座 主任講師) 司法書士試験合格後、1998年から大手資格学校にて司法書士試験の受験指導を行う。その後、大手法律事務所勤務を経て独立し、東村山司法書士事務所を開設。2014年、「スタディング 司法書士講座」を開発。実務の実例を交えた解説がわかりやすいと好評。 |