
公認会計士は医師や弁護士と並ぶ三大国家資格の一つです。
公認会計士の資格を取得するには、合格率7%台という非常に難しい試験に合格する必要があります。
そんな難しい試験に合格するには、どれくらいの勉強時間が必要なのでしょうか。
この記事では、公認会計士試験の合格に必要な勉強時間について解説します。
記事後半では短期合格を目指したい人に向けた勉強方法も紹介しますので、最後までご一読ください。
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公認会計士試験のための勉強時間は平均3,000~5,000時間
公認会計士試験は出題範囲が広く、難易度が高いため、合格には平均3,000〜5,000時間の勉強が必要とされています。
勉強時間が膨大であるため、短期間で合格を狙うより、2〜3年かけて学習するのが現実的です。
大学生は学業、社会人は仕事や家庭と両立しながら取り組むことになるため、限られた時間をどう活用するかが重要です。
自分に合った勉強法やスケジュール管理を実践できれば、試験勉強と学業・仕事などを両立できるでしょう。
【勉強期間別】公認会計士試験のための1日あたりの勉強時間
公認会計士試験に合格するための勉強期間の目安は、以下のように、その人が置かれている環境によって異なります。
- 受験に専念できる環境であれば、1日8〜10時間の勉強で1年〜1年半
- 大学生は、学業と両立しながら1日6〜8時間の勉強で1年半〜2年
- 社会人は、平日2〜3時間、休日6〜8時間の勉強で2年〜3年
ここでは、1年で合格を目指す場合と、2〜3年かけて合格を目指す場合の、1日あたりの勉強時間の目安を解説します。
1年で合格を目指す場合
1年という短期間で公認会計士試験の合格を目指す場合、少なくとも約3,000時間の勉強時間を確保する必要があります。
これは1日あたり8〜10時間以上の勉強に相当します。
基礎知識の定着から応用問題への対応力を身につけるには、短期間でも密度の濃い勉強が不可欠です。
なお、勉強方法によって公認会計士試験のために必要な時間は異なります。
予備校や通信講座を利用する場合は、カリキュラムに沿って効率的に学べるため、勉強に専念できます。
一方、独学の場合は教材選びやスケジュール管理にも時間が必要です。
勉強以外の作業にも時間がかかるため、公認会計士試験のために使う時間は、さらに多くなるでしょう。
2~3年で合格を目指す場合
公認会計士・監査審査会の資料「公認会計士という職業の魅力」によると、公認会計士の合格に必要な勉強時間の目安として「2年間で5,000時間」と示されています。
社会人の場合、働きながら1日8時間以上の学習時間を確保するのは現実的ではありません。
そのため、社会人受験生は、2~3年で4,000時間以上の勉強時間を確保するのが賢明です。
1年目に約1,500時間、2年目から3年目にかけて2,500時間以上を目安に学習を進めるとよいでしょう。
2~3年の学習期間なら無理のないペースで進められます。
1年目に基礎を固めることで、2年目以降の応用問題や模擬試験で成果を上げやすくなります。
1日の勉強時間の目安は、平日2〜3時間、休日に6〜8時間です。
仕事との兼ね合いで日によって確保できる時間に差が出る場合は、週に20〜30時間という目標を立てて学習計画を組むのも一つの方法です。
参考:公認会計士・ 監査審査会「公認会計士という職業の魅力」
公認会計士試験における科目別の勉強時間
公認会計士試験には、マークシートで解答する「短答式試験」と、論述で解答する「論文式試験」があり、短答式試験に合格すると論文式試験に進めます。
短答式試験と論文式試験、それぞれの勉強時間について見ていきます。
短答式試験
公認会計士試験の短答式試験には、およそ1,500〜2,000時間の勉強時間が必要とされています。
短答式試験の科目と、必要な勉強時間の目安は以下のとおりです。
| 試験区分 | 出題科目 | 配点 | 勉強時間(目安) | 
|---|---|---|---|
| 短答式試験 | 財務会計論 | 200点 | 約700時間 | 
| 管理会計論 | 100点 | 約300~400時間 | |
| 企業法 | 100点 | 約300~400時間 | |
| 監査論 | 100点 | 約170~300時間 | 
【参考】金融庁「令和7年公認会計士試験受験案内」
短答式試験の出題範囲は膨大で、基礎力と応用力の両方が試されます。
正確さとスピードが求められるため、過去問の対策と弱点の克服が欠かせません。
短答式試験の勉強方法についてはぜひこちらを参考にしてください。
 
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論文式試験
公認会計士試験の論文式試験には、およそ1,000〜2,000時間の勉強時間が必要とされています。
論文式試験の科目と、必要な勉強時間の目安は以下のとおりです。
| 試験区分 | 出題科目 | 配点 | 勉強時間(目安) | 
|---|---|---|---|
| 論文式試験 | 会計学 | 300点 | 約300~400時間 | 
| 企業法 | 100点 | 約200~300時間 | |
| 租税法 | 100点 | 約330~400時間 | |
| 監査論 | 100点 | 約100~200時間 | |
| 選択科目 ※経営学、経済学、民法、統計学から一つ選択 | 100点 | 約200時間※経営学の場合 | 
論文式試験では、より実践的な内容が問われます。
単なる暗記ではなく、論理的に説明・論述できる力が求められるのが特徴です。
試験範囲は膨大かつ難易度も高いため、時間をかけて深く理解する必要があります。
論文式試験に合格するための効率的な勉強法についてはこちらで詳しく解説しています。
 
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公認会計士試験の勉強時間が多い2つの理由
公認会計士試験の合格に勉強時間が多く必要な理由には、以下のようなことが挙げられます。
- 難易度の高い試験だから
- 競争試験のため合格ラインが読みにくいから
公認会計士試験について深く知るためにも、勉強時間が多く必要な理由を理解しておきましょう。
1. 難易度の高い試験だから
公認会計士は国家資格の中でも特に難しいと言われており、合格率の低さがそれを物語っています。
近年の公認会計士試験の合格率は下記のとおりです。
| 試験年 | 出願者数 | 合格者数 | 合格率 | 
|---|---|---|---|
| 令和元(2019) | 12,532人 | 1,337人 | 10.7% | 
| 令和2(2020) | 13,231人 | 1,335人 | 10.1% | 
| 令和3(2021) | 14,192人 | 1,360人 | 9.6% | 
| 令和4(2022) | 18,789人 | 1,456人 | 7.7% | 
| 令和5(2023) | 20,317人 | 1,544人 | 7.6% | 
| 令和6(2024) | 21,573人 | 1,603人 | 7.4% | 
令和6年の試験では願書提出者数が21,573人、そのうち最終合格者数は1,603人となり、合格率は7.4%でした。
令和元年から令和3年までは10%程度を維持していましたが、令和4年以降は7%台に低下しています。
公認会計士試験は難易度が高いため、合格するには相応の勉強時間を費やす必要があるのです。
 
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2. 競争試験のため合格ラインが読みにくいから
公認会計士試験は、一定以上の点数を獲得すれば合格できる絶対評価ではありません。
成績上位者から合格が決まる競争試験であるため、具体的な合格ラインが明確ではなく、多くの受験生がライバルの存在を意識しながら勉強する必要があります。
競争試験ならではのプレッシャーも、勉強時間の増加を招く原因になります。
周囲の進捗や得点に影響されることなく、自分のペースでモチベーションを維持しながら学ぶことが大切です。
公認会計士を目指す人の1日の勉強スタイル
公認会計士試験は長期間にわたる学習が必要なため、毎日の勉強スタイルをどう確立するかが合否を左右します。
大学生なのか社会人なのかによって、勉強に使える時間や生活リズムは大きく異なります。
また、平日だけでなく休日をどのように活用するかも重要なポイントです。
ここでは3つのケースにわけて、それぞれの1日の勉強スタイルを紹介します。
大学生
大学生は、大学の授業やアルバイト、サークル活動などと両立しながら勉強時間を確保する必要があります。
限られた時間を無駄にしないためには、通学時間や授業の空き時間など、スキマ時間の活用がポイントです。
以下は大学生の勉強スタイルの例です。
| 朝 | 身支度をしながら動画講義を視聴する | 
| 通学中 | スマホで問題演習をしたり音声学習をしたりする | 
| 空きコマ | 問題演習に取り組む | 
| アルバイト前後 | 動画講義の視聴や短時間でできる問題演習で知識を定着させる | 
| 夜 | 実力テストで理解度を確認する | 
授業やアルバイトなどの合間の空き時間を、勉強時間に変える工夫が大切です。
うまく積み重ねれば、1日約5時間の勉強時間を捻出できます。
 
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社会人
仕事でまとまった勉強時間を確保するのが難しい社会人は、平日のスキマ時間をいかに有効活用するかが重要です。
以下は社会人の勉強スタイルの例です。
| 朝 | 身支度をしながら動画講義を視聴する | 
| 通勤中 | スマホで問題演習や動画学習を進める | 
| 昼休み | アプリや一問一答形式の問題集などで問題演習を行う | 
| 夜 | 演習問題に取り組む | 
日常の行動に勉強を組み込む工夫が必要です。
スマホを活用すれば、働きながらでも着実に勉強時間を作れます。
 
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休日
休日はまとまった時間を確保できる貴重な機会です。
朝は平日と同じくらいの時間に起き、生活リズムを崩さないようにしましょう。
以下は休日の勉強スタイルの例です。
| 朝 | 動画講義を視聴する | 
| 午前 | 問題集で理解度チェックする | 
| 午後 | 動画講義で新しい知識をインプットしたり、問題演習に取り組んだりする | 
| 余暇時間 | 趣味や家族との時間を確保し、気分転換する | 
| 夜 | 今までの復習をする | 
無理なく勉強を続けるには、まとまった勉強時間を確保しつつ余暇時間も作るのがポイントです。
休日はメリハリをつけて過ごすことが大切です。
公認会計士試験の短期合格に向けた勉強の進め方3選
ここからは短期合格に向けた勉強の進め方として、以下の3つを紹介します。
- 自分に合う勉強方法を選択する
- 勉強スケジュールを立てる
- アウトプットの機会を設ける
公認会計士試験に短期間で合格するために、効率的かつ戦略的に勉強を進めましょう。
1. 自分に合う勉強方法を選択する
短期間で公認会計士試験の合格を目指すなら、自分に合った勉強方法を選ぶことが大切です。
代表的な勉強方法は「通信講座」「予備校」「独学」の3つで、それぞれにメリット・デメリットがあります。
| 勉強方法 | メリット | デメリット | 
|---|---|---|
| 通信講座 | 場所や時間に縛られずに勉強できる 大学や仕事などと両立しやすい 比較的費用が抑えられる | 自分で勉強を進める必要がある モチベーション維持が難しい | 
| 予備校 | 効率的なカリキュラムで学べる モチベーションを維持しやすい | 学費が高額になりやすい 通学する必要がある | 
| 独学 | 費用を抑えられる 自分のペースで勉強できる | 疑問点を自分で解決する必要がある 孤独を感じやすい | 
公認会計士試験に合格するには長期間の勉強が必要なため、「無理なく勉強を続けられること」と「モチベーションを維持すること」が重要です。
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2. 勉強スケジュールを立てる
公認会計士試験に合格するには、計画的なスケジュール作りが欠かせません。
一般的には、1年目は短答式試験の学習、2年目は論文式試験の学習という流れで進めます。
長期の計画から中期・短期へと落とし込んでいくとスケジュールを立てやすいでしょう。
- 長期計画:試験日を決め、それまでの全体スケジュールをイメージする
- 中期計画:今月は財務会計論、来月は管理会計論などのように、科目ごとに勉強期間を区切る
- 短期計画:1週間単位、1日単位で学習内容を明確にする
勉強スケジュールを決めておくことで、学習の見通しが立ち、モチベーションを維持しやすくなります。
3. アウトプットの機会を設ける
公認会計士試験の勉強では、インプットに加えアウトプットも大切です。
覚えるだけでなく、実際に問題を解いて理解度をチェックし定着させる必要があります。
効果的な学習サイクルは、「問題を解く → 答え合わせ → 解説を理解する → 解き直し」です。
繰り返しが定着率を高め、苦手分野の克服にもつながります。
過去問や実力テストを活用すれば、出題傾向に慣れると同時に自分の弱点を把握することにも役立ちます。
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公認会計士に関するよくある質問2つ
最後に、公認会計士に関するよくある質問を紹介します。
- 独学でも公認会計士を目指せる?
- 簿記1級・2級から公認会計士を目指すのに必要な勉強時間は?
疑問を解決し、勉強に挑みましょう。
1. 独学でも公認会計士を目指せる?
公認会計士試験は独学でも挑戦できますが、難易度は高いため、計画力と自己管理能力が必要です。
試験内容を深く理解するために、参考書を使った学習に加え、過去問や模擬試験を活用して試験形式に慣れましょう。
独学では質問できる環境がないため、行き詰まるとモチベーションが下がりやすいです。
もし学習が思うように進まない場合や、勉強の方向性に不安を感じた場合には、予備校や通信講座などのサポートを活用しましょう。
独学ではカバーしきれない部分を補いたい方には「スタディング」がおすすめです。
モチベーションが下がる前に、ぜひお試しください。
独学で公認会計士を目指したい方はこちらを参考にしてください。
 
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2. 簿記1級・2級から公認会計士を目指すのに必要な勉強時間は?
日商簿記検定1級・2級から公認会計士を目指す場合は、1,000〜1,500時間ほどの追加学習が必要です。
この時間は個人の理解力や学習効率によって大きく変動します。
簿記1級・2級保持者は、財務会計の基礎がすでに身についているため、その分野での学習時間を短縮できる可能性が高いと言えます。
しかし、公認会計士試験には監査論や企業法など、簿記には含まれない範囲も多いです。
新しい分野を一から学ぶ必要があり、さらに試験対策のための応用力を鍛える学習も必須です。
平日は1日2〜3時間、土日は5〜6時間ほどの勉強時間を確保できれば、1年半~2年程度で合格に必要な知識を身につけられるでしょう。
仕事との両立を考える場合は、2年から3年の期間を想定して、無理のないペース配分で進めるのがおすすめです。
まとめ|公認会計士試験に合格するには勉強時間の確保が重要
公認会計士試験に合格するための勉強時間を中心に、勉強スタイルや勉強方法についても解説しました。
ポイントは以下のとおりです。
- 公認会計士を目指すには平均3,000~5,000時間という膨大な勉強時間が必要
- 公認会計士試験は、難易度が高く、競争試験のため、勉強時間が多く必要になる
- 短期合格を目指すなら、自分に合った勉強方法を選び、無理なく継続することが大切
- 公認会計士試験の合格は独学でも目指せるが、モチベーションの維持が重要
公認会計士試験の合格を目指すなら、勉強時間を確保することが重要です。
そのうえで、自分にあった効率的な勉強方法を選び、学習を継続させましょう。
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