
簿記2級・3級の試験会場は、統一試験とネット試験で異なります。
それぞれ指定の会場が決まっており、各地の商工会議所の情報やネット試験用のWebサイトでの確認が必要です。
本記事では、日商簿記2級・3級の試験会場や申し込み方法、持ち物について解説します。
受験を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
簿記2級・3級の試験会場は?ネット試験はどこで受ける?
日商簿記2級・3級の試験では、従来の統一試験(筆記試験)に加え、2020年12月からネット試験が導入されました。
統一試験とネット試験の違い
統一試験とネット試験の主な違いは、試験会場、日程、受験方法です。
試験会場の違い
試験会場については、統一試験は商工会議所が指定した会場で行われますが、ネット試験は全国のテストセンターのなかから自身で会場を選びます。
試験日程の違い
従来の統一試験は6月・11月・2月と決められた試験日のみに受験可能ですが、ネット試験では施行休止期間を除き、会場に空きさえあればいつでも受験が可能です。
受験方法の違い
統一試験は、問題用紙と解答用紙が配布される従来の筆記試験方式で実施されます。
一方、ネット試験の問題はテストセンターのパソコンの画面上に表示され、解答も画面上で選択・入力する方式となっています。

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以下、統一試験とネット試験の試験会場についてさらに詳しく見てみましょう。
統一試験の会場
日商簿記2級・3級の統一試験は、各地の商工会議所が指定した試験会場で受験します。受験を希望する地域の商工会議所で申し込みましょう。
必ずしも居住地の商工会議所である必要はなく、好きな場所を選べます。
ただし、どの試験会場が指定されたかは受験票が届くまで確認できないほか、申し込み後の地域変更はできないため注意が必要です。
ネット試験の会場
日商簿記2級・3級のネット試験は、「ネット」と名前がついているものの自宅や会社などからインターネット経由で受験するものではなく、専用のテストセンターで受験します。
「商工会議所ネット試験施行機関」を確認することで、自身の住む地域でどのようなテストセンターが設けられているか確認することが可能です。
日商簿記2級・3級のネット試験の申し込み方法は、インターネット申込方式と会場問い合わせ方式の2つがあります。
前者のインターネット申し込み方式の場合、CBTS受験者専用サイトにて各テストセンターの空き状況をまとめて確認できます。
近いうちに受験を予定している場合は、会場や日程を一度チェックしておきましょう。
簿記2級・3級試験の申し込み方法は?
続いて、日商簿記2級・3級の申し込み方法を統一試験とネット試験に分けて見ていきましょう。
統一試験の申し込み方法
統一試験の申し込み方法や受験料の支払い方法は、商工会議所によって異なります。
例えば、大阪商工会議所ではインターネット受付のみですが、多摩商工会議所ではインターネット・窓口・書店という3つの選択肢が用意されています。
支払い方法もクレジットカード決済やコンビニ決済など、商工会議所によって選べる方法が変わるためよく確認しておきましょう。
ネット試験の申し込み方法
ネット試験の申し込み方法には、インターネット申込方式と会場問い合わせ方式の2つがあります。
インターネット申込方式
インターネット申し込み方式の場合、CBTS受験者専用サイトから申し込みます。
サイトにアクセスし、希望する会場・スケジュールを選んで申し込みましょう。
受験料の支払い方法は、クレジットカード決済・コンビニ決済・Pay-easyという3つの選択肢が用意されています。
会場問い合わせ方式
会場問い合わせ方式の場合はネット試験会場に直接問い合わせて申し込み手続きを行います。
商工会議所サイトから「会場問い合わせ方式」に対応しているネット試験会場を探し、各会場の専用ページを確認しましょう。
受験可能な日程や支払い方法は試験会場によって異なります。
簿記2級・3級試験の持ち物は?筆記試験とネット試験で異なる?
日商簿記試験当日の主な持ち物は、以下の通り統一試験とネット試験で異なります。
筆記試験(統一試験) | ネット試験(CBT試験) |
受験票 | (受験票は発行されません) |
身分証明書 | 身分証明書 |
電卓・そろばん | 電卓 |
筆記用具 | テストセンターからボールペン貸出 |
当日慌てないためにも、前日までにしっかり準備しておきましょう。
受験票(統一試験)
統一試験を受験する場合、事前に発行された受験票の持参を忘れないよう注意しましょう。
受験票は各商工会議所から郵送されます。
予定通り届かない場合は、未着問い合わせ期間に本人が商工会議所に問い合わせる必要があります。
万が一受験票を忘れたとしても試験は受けられるケースが多いですが、受験票は試験会場や受験番号などの情報が記載された重要なものです。
万全の態勢で試験に臨むためにも、受験票を忘れていないか、出かける前に必ずチェックするようにしましょう。
本番前に再発行の手続きが必要になり、遅刻するといったことがないよう注意が必要です。
最悪、受験票なしでも参加できるよう受験番号はノートなどに控えておきましょう。
一方、ネット試験の場合は受験票が発行されません。
ただし、万が一に備えて予約完了メールや払込確認メールをテストセンターのスタッフに見せられるよう用意しておいたり、払い込み時の領収書を紙で持参したりといった準備をしておくといいでしょう。
身分証明書
試験会場では本人確認が行われるため、氏名・生年月日・顔写真を確認できる身分証明書が必要です。
運転免許証やパスポート、社員証、学生証といった公的機関などによって発行された顔写真つきのものを持参しましょう。
万が一身分証明書を忘れてしまった場合でも、試験開始前に主催の商工会議所に相談すれば、個別に対応してくれる場合があります。
商工会議所の相談窓口もしっかり把握しておきましょう。
ネット試験に関しては、身分証明書として使えるものを下記のページで案内しています。
参考:CBTS受験者専用サイト「本人確認書類は何を用意すればよいですか?」
電卓
日商簿記検定で使用できる電卓は、計算機能に特化したタイプに限られます。
売価計算や原価計算ができるプログラム機能付きなど、多機能型の電卓は持ち込み禁止であるため、試験会場には一般の電卓のみを持参するようにしてください。
また、統一試験では「そろばんの持ち込み」が認められていますが、ネット試験では許可されていないため注意が必要です。
電卓や時計などの電子機器については、当日の電池切れや故障に備えて予備を持参するとよいでしょう。

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筆記用具
統一試験で持ち込める筆記用具は「HBまたはBの黒鉛筆」「シャープペンシル」「消しゴム」の3点のみです。
ボールペンやマーカーなどは使用禁止であるため、筆箱から外しておくのが無難です。
最後まで安心して試験に臨めるよう、替え芯や予備のペン・消しゴムを忘れずに備えておきましょう。
一方、ネット試験ではテストセンターが用意する貸し出し用ボールペンを使用することになります。
慣れた筆記用具が使えないのは少し不便に感じるかもしれませんが、落ち着いて臨みましょう。
その他(腕時計・上履きなど)
試験中はスマートフォンを使用できないため、腕時計があるとよいでしょう。
適切に時間配分を行うためにも欠かせないアイテムです。
(ネット試験は画面に残り時間が表示されるため、忘れても慌てる必要はありません)
また土足禁止の会場であれば、上履きが必要となります。
靴箱が使えない場合を想定して、靴を収納する袋も持参しましょう。
ネット試験当日の流れや準備について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

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簿記2級・3級試験を受ける際の注意点は?
ここでは、日商簿記2級・3級を受験する際に注意すべき点について解説します。
焦らず落ち着いて試験に臨めるようしっかり準備しましょう。
試験会場までのルート確認
途中で道に迷うことなく会場に到着できるよう、プリントアウトした地図の持参をおすすめします。
「スマートフォンで確認すればよい」と考えるかもしれませんが、通信障害などのトラブルが起こる可能性はゼロではありません。
また、バスや電車などの公共交通機関を利用する場合は運行表があると助かるでしょう。
特に、統一試験の場合は日曜日に実施されるため、平日ダイヤの感覚で利用すると乗り遅れてしまう可能性があります。
利用予定の交通機関ホームページから、休日の運行表をプリントアウトしておきましょう。
車で向かう場合は、道路の混雑状況によっては予定通りに進まない事態も想定されます。
車の混み具合は天候などにも左右されるので、当日の天気予報も欠かさずチェックしておくようにしてください。
教材もあったほうが無難
統一試験の会場では、参考書やテキストなどを試験開始ギリギリまで確認できます。
試験当日は独特の緊張感がありますが、参考書に目を通すことで気持ちが落ち着き、気分転換にもなるでしょう。
ただし、教材はあったほうが無難ですが、欲張って何冊も持参するのはよくありません。
チェックする時間は限られており、多くのテキストを持参しても邪魔になるだけだからです。
なお、ネット試験では受付から受験までの時間が非常に短く、パソコン室への教材の持ち込みはできません。
テストセンターに入ったら試験勉強はできないと考えておきましょう。
準備は前日までに済まそう
当日は余裕をもって出発できるよう、持ち物の準備は前日までに済ませておきましょう。
事前準備が万全であれば、当日の朝にバタバタすることはありません。
空いた時間は復習にも使えるので、ゆとりを持って試験本番を迎えるよう意識しましょう。
まとめ
本記事では日商簿記2級・3級の統一試験・ネット試験における試験会場や申し込み方法、受験の際の持ち物などについて解説しました。
ポイントをまとめると、以下の通りです。
- 統一試験は、各商工会議所が指定した会場で実施される
- ネット試験は、指定のテストセンターのなかから会場・日程を選ぶ
- 統一試験当日の主な持ち物は、受験票・身分証明書・電卓・筆記用具
- ネット試験当日の主な持ち物は、身分証明書・電卓
- 持ち物や会場までのルート確認など、準備は前日までに完了させることが大切
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