売上原価の求め方は?勘定科目と簿記試験の勉強法をわかりやすく解説

売上原価は簿記試験3級で出題され、売り上げた商品にかかる経費を指します。この記事では売上原価の求め方と主な勘定科目、簿記試験の勉強法について解説します。

売上原価とは

売上原価とは、企業が販売した商品や製品の仕入れ・製造にかかった費用のことです。

売上を生み出すために直接的にかかった費用を指しており、仕入れの際に払った代金や材料費などが該当します。

売上原価は、企業の経営状況を判断する上での重要な指標です。

たとえば、売上に対して売上原価が低いのであれば、付加価値の高い商品やサービスを生み出していることになり、経営状況が良いと言えます。

言いかえると、売上に対する売上原価率が高いほど収益性は低く、経営状況は悪いということになります。

売上原価の求め方

売上原価は、一般的には以下の式で計算されます。

売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高

たとえば、「期首の在庫が200万円で、当期中に300万円の仕入れを行い、期末に150万円の在庫が残った」とすると、売上原価は以下のように算出されます。

売上原価=200万円(期首棚卸高)+300万円(仕入高)-150万円(期末棚卸高)=350万円

仮にこの企業の売上高が1,000万円だとすると、そこから売上原価の350万円を差し引くことで売上総利益(粗利)が650万円であるとわかります。

売上原価の主な勘定科目

売上原価を仕訳する際に使う主な勘定科目は以下の通りです。

  • 期首商品棚卸高:会計期間の開始時点での在庫商品の総額
  • 当期仕入高:会計期間中に仕入れた商品の総額
  • 期末商品棚卸高:会計期間の終了時点での在庫商品の総額

なお、売上原価の算出に影響する勘定科目は以下の通りです。

  • 仕入値引高:仕入れた商品に品質不良などがあった場合に値引きされた金額
  • 仕入返品高:仕入れた商品を返品した際の金額
  • 仕入割戻し高:高額または大量の仕入れをした際に受けた、割戻し(購入代金の一部返還)の金額

また、売上原価の仕訳方法には「三分法」「売上原価対立法」「分記法」「総記法」といったいくつかのパターンが存在しています。

決算まで利益がわからないものの、仕訳がシンプルで日常の処理がわかりやすいのが「三分法」、仕訳の頻度が増えるものの、売上原価をリアルタイムで売上原価がわかるのが「売上原価対立法」といった具合に、それぞれメリットとデメリットがあるため、どの仕訳方法を採用するかは企業によって異なります。

売上原価の求め方は簿記試験に出る?

売上原価の求め方は、簿記3級の試験で頻繁に出題されます。

先述の売上原価を算出するための式を暗記するのはもちろん、それぞれの用語の意味もしっかりと理解しておきましょう。

また、仕訳問題も繰り返したくさん解いて、とにかく仕訳に慣れておくことをおすすめします。

簿記試験に合格するためのおすすめ勉強法

売上原価を含め覚えることが多い簿記試験ですが、実は効率的に試験対策を進めるためのポイントがあります。

以下にそのポイントを2点まとめましたので見ていきましょう。

テキスト学習と問題演習の両方を行う

簿記試験では、会計知識に加えて計算スピードも重要になります。電卓を使うことで単純な計算ミスは防げますが、問題の解き方を理解していなければ正解にはたどり着けません。

そのため、簿記の学習では、会計の知識を身につけるためのテキスト学習と、解き方を覚えて素早く計算できるようになるための問題演習の両方を行うことが重要です。

知識を蓄えて基礎を固めたうえで、問題を見てすぐに解き方がわかるようになれば、試験合格に大きく近づけるでしょう。

スキマ時間で学習時間を確保する

簿記の学習をしたいけれど、仕事や勉強で忙しい社会人や学生の方にとって、まとまった時間を捻出するのは容易ではありません。

そこでおすすめなのが、スキマ時間を有効活用した学習法です。

通勤電車内やお昼休みなど、ちょっとした空き時間を利用して少しずつでも勉強を進めることで、無理なく学習を継続できます。

まとめ

今回は、売上原価の求め方について解説しました。

ポイントをまとめると以下の通りです。

  • 売上原価とは、企業が販売した商品やサービスの製造・購入にかかった費用のことを指す
  • 売上原価の仕訳方法は複数あり、どの方法を用いるかは企業により異なる
  • 売上原価の求め方は、簿記試験3級でよく出題される
  • 簿記試験に向けた勉強では、スキマ時間を有効活用しながらテキスト学習と問題演習を両方行うのがおすすめ

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