簿記1級 科目別攻略法

簿記1級の短期合格を目指すには、試験の特徴を押さえた効果的な学習が不可欠です。ここでは4つの科目ごとの特徴と対策を解説します。
簿記1級科目別攻略法

簿記1級科目別攻略法 目次

  1. 簿記1級の全体像
  2. 簿記1級の科目別攻略法
  3. まとめ


簿記1級試験の全体像

簿記1級は商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4つの科目で構成されています。商業簿記と会計学、工業簿記と原価計算がセットで試験が行われ、試験時間はそれぞれ90分(計180分)です。

非常に範囲が広い簿記1級の試験ですが、試験時間は非常に短いため、試験中にじっくりと考えている暇はなく、次々と素早く正確に解答していくことが求められます。そのため、3級・2級レベルの問題や仕訳は反射的にできるようにしておく必要があります。そのうえで、1級の内容をしっかり理解し、試験の出題形式にしっかり慣れておくことが重要になってきます。

簿記1級試験時間配点

1級では、単に計算ができれば良いというだけでなく、しっかりとした理解が求められる学問的な要素も含まれています。特に理論では、意味を理解できていないと対応できない問題が出題されますので、丸暗記はNGです。

また、科目ごとに最低40%以上の得点がないと不合格になってしまいます。つまり、大きな苦手科目を作れないということです。全体では70%の得点で合格できますが、特定の科目を捨てることができない試験になっています。

もう一つ簿記1級の大きな特徴は、実質的な相対評価の試験ということです。公式には得点率での合格設定がされていますが、傾斜配点されていることは周知の事実で、過去の合格率はおおよそ10%前後です。

傾斜配点とは、簡単にいうと合格者の数を調整するために、問題の配点を調整することを言います。例えば、全体の得点が低くなったら、多くの人が正解した問題の配点を上げて70点以上の人が10%前後になるようにしてしまうという感じです。(もちろん逆もあります)

そうすると、みんなができた問題の配点が高くなり、できた人が少ない難問の配点が少なくなることになります。このようなことから、簿記1級の学習(特に資格予備校など)では難問・奇問にとらわれ過ぎないのが常識になっています。

以上を総合すると、簿記1級の共通の対策として以下の点を意識して学習することが重要になってきます。

  • 3級2級レベルの内容は完全に潰しておく
  • 短時間で正解できるスピードを身に付けておく
  • 文章や資料を使った問題練習を繰り返し、しっかり慣れておく
  • 特定の科目や論点に偏らず、少なくとも1回は(試験に出る可能性が高い)全範囲を学習しておく
  • 理論は丸暗記せず、内容や主旨を理解する
  • 難問、奇問にはとらわれず、基本に重点をおいて誰もが解ける問題を確実に正解できるようにしておく
  • 短期決戦に備えて、本試験で使える時短テクニックはマスターしておく

簿記1級の科目別攻略法

それでは、各科目の特徴と攻略法について見ていきましょう。

商業簿記

財務諸表を作成する総合問題が出題の中心となる科目で、決算整理後残高試算表・損益計算書の作成問題がよく出題されます。

連結財務諸表の作成と本支店会計の問題も出題されることがありますので、出題頻度が低いからといって対策を怠っていると、たまたま出題時に当ってしまったら大変ですので、しっかりと対策をしておきましょう。

問題の特徴としては、3~4つの資料の内容を読み落とさずに集計する能力が求められる問題になっています。

(例)決算整理前残高試算表が与えられて、期末整理事項にもとづいて決算整理後残高試算表を作る

→2級の内容の応用なので、2級の理解度が重要(実はここで差がつく)

→限られた時間の中で正確に財務諸表を作成するには、簿記3・2級レベルの仕訳でつまずいていられない

この科目は、複数の苦手論点を残すと得点を伸ばせず、「各科目10点以上」の基準にひっかかってしまう可能性あります。

特に、有価証券、固定資産、税効果会計、退職給付会計、リース取引、繰延ヘッジ会計など幅広い分野から出題されるのでいろいろなパターンの問題練習をしておきましょう。

商業簿記では、どのパターンが出てきても反射的に計算を進められるくらいにパターン練習をしておくことが重要になってきます。


会計学

文章の穴埋め問題正誤判定問題貸借対照表の穴埋め問題などが出題されます。

商業簿記と違い、理論が問われることが大きな特徴です。

理論については丸暗記ではダメで意味をしっかり理解しておく必要があります。

ただし、理論の部分では難しいことはあまり問われず、基本を理解しているかを求められますので、しっかり学習してた人にとっては有利な科目とも言えます。(努力が報われる)

専門用語は正確に覚えておきましょう。

「理論は苦手」という人が多いと思いますが、そういう人は計算から学習して、その計算の根拠となる理論を読むと非常に分かりやすくなります。また、理論を理解すると計算問題の強化にもつながり、相乗効果が出てきます。


工業簿記

製品原価計算を前提とした勘定記入・差異分析などが出題されます。

工業簿記は簿記2級の延長線上にありますが、より細かくなってくるのでしっかり学習する必要があります。

原価計算基準に関する問題も出題されることがありますが、昨今の企業には合っていないとされる部分も多く、出題に関わる部分は限られます。そのため出題されやすい部分をしっかり理解できればかなり有利になります。また文章自体が難解なため、かみ砕いて内容を理解する学習がとても大切です。

計算問題には多くのパターンがあります。2級と違い計算パターンをいくつか覚えれば良いというのは通用しないでしょう。1級試験では応用力が問われるので、問題練習の際には解説をしっかり読んで、1回1回の問題を噛みしめながら理解を深めていきましょう(勘定連絡図など図を理解しながら学習するのがポイントです。)。

工業簿記の勘定連絡

例)部門別計算を省略しているときの勘定連絡

原価計算

投資の意思決定に関する問題と差額原価収益分析などの分析系の問題がよく出題されます(設備投資の意思決定、業務的意思決定、予算実績差異分析、CVP分析など)。

この投資は行うべきなのか、利益が少なかった原因は何なのか、など、複数資料を読み解き実際に結論を出せる必要があります。

原価計算では、文章や資料の読み間違い(勘違い)が原因で、芋ずる式に間違えてしまう可能性がある危険な問題が出題されますので、問題演習の際には、データの整理や確認を正確かつ素早く行えるように練習しておく必要があります。また、理論問題も出題されます。


まとめ

簿記1級では、スピード・正確性・応用力が問われる試験です。

他の多くの国家試験と異なり、単なる知識だけでなく(計算という)実技が問われる試験です。4科目どの科目も10点(40%)以上の得点が必要となることから、苦手な科目・解けないパターンを残しておけない試験になっています。
どの科目も問題練習を通じて、出題形式に慣れ、出題論点のパターンを多く潰していくことが重要になってきます。そういう意味では努力が報われる試験と考えて、計画的に最後まで学習を進めていくことが必要です。

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